200名が受講!IT人材育成プロジェクト トラのアナAIアカデミー後編

ICT人材の不足や、複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムの残存、IT人材の引退やサポート終了といった将来的なリスクに対応するため、データやAIを活用した現場の課題解決や企画立案に長けた人財(※)を育成するプロジェクト『トラのアナAIアカデミー(グロース X AI・DX人材)』が2022年6月から開始、全5回のワークショップを修了。

本記事では、その後編をお伝えします。

前編はこちらから!

※トランスコスモスでは人が財産ということから人財(=人材)と表記しています


目次[非表示]

  1. AIを使いこなすためのスキルを学習
  2. 200名が受講。その結果は?!
  3. AIを具現化するためのネクストステップ

AIを使いこなすためのスキルを学習

企業が抱える課題は多岐に渡り、複雑化していく一方で将来的にますます労働力が減少することが問題視されています。

経済産業省の調査では2019年をピークにIT関連産業への入職者は退職者を下回り、IT人材が減少していくことに加え、IT人材の平均年齢は2030年まで上昇の一途をたどり、高齢化が進むことが予想されるとしています。また、その一方でITの需要は増加し、将来的に40~80万人規模でIT人材の不足が起こるとしています。

出典:参考資料(IT人材育成の状況等について)- 経済産業省


このような背景から今後のビジネスシーンにおいてAIの活用は必要不可欠ですが、AIを正しく効率的に利用するためにはAIに関する基礎知識だけでなく、課題や目的によって様々なタイプのAIを使い分ける応用力や、思うように効果が発揮されなかった際に改善点や問題を発見する課題解決力などを身につける必要があります。

トラのアナAIアカデミー(グロース X AI・DX人材)では、総合力を備えたIT人財を育成するために次の7つの項目を学びます。


出典:グロース X AI・DX人材


①AI人材マインド
AIに対する不安や恐怖を消す、AIについて能動的に学ぶ、AI推進のリーダーとして自ら動くといった、AIを活用するための軸となるマインド


学習イメージ


②AI基礎用語力
AIをタイプ別に分類する、機械学習とディープラーニングの違いを理解する、AI主要用語を網羅的に理解するなどAIに関する基礎知識


学習イメージ


③AI構造理解力
ディープラーニングの仕組みを理解する、AIモデル用学習データを理解する、ノーコードでAIモデルを作るなど、AIの構造に関する基礎知識


学習イメージ


④AI事例収集力
身近なAI事例を挙げる、国内外のAI事例を収集する、AI事例から構築法や必要データをイメージするといった事例を収集・分析・応用するためのスキル


⑤AI企画力
身近な課題を解決するAIを考察、5W1Hに沿ってAI企画を磨く、実装可能性やデータを想定しAI企画を立案するといったAIに関する企画力


学習イメージ


⑥AI目利き力
AIを使うか作るかを判断する、正解率・適合率・再現率・AUCでAIを評価する、AI構築時に適切なアルゴリズムを選択するなど、AIを適切に活用するための知識


学習イメージ


⑦AIマネジメント力
導入済みAIのコンディションを正しく評価する、AIの現場導入を推進する、AIと人の業務の連携設計を行うなど、AIを効率的に活用するためのスキル


200名が受講。その結果は?!

トラのアナAIアカデミーは6か月の座学をもとに、全体の習熟度を推し量りながらAIを活用した新たなサービスや業務改善を企画化。

受講4か月目の成果として、①AI人材マインド ②AI基礎用語力 ③AI構造理解力 ④AI事例収集力を大きく改善。AIサービス化に必要な知識を習得しました。



また、今回のアカデミーを通じた総アイディア企画数は1,093件にものぼり、目標としていた500件を大きく上回る結果となりました。


AIを具現化するためのネクストステップ


トラのアナAIアカデミーで創出されたAIアイデアは後続プロジェクトにて更に選考にかけられ、その後、実際の活用、サービス提供を前提としたAI構築を実施し、モデル構築、懸念検証、効果検証を経て現場導入を目指します。

また、導入されたサービスのAIモデルは様々な部門へ横展開され、利用者のフィードバックを基にした改善を実施することでサービスを進化させ続けていきます。

これらの施策を通じて、トランスコスモスではAIを活用したお客様企業のDX推進を引き続きサポートしていきます。


トラのアナAIアカデミーワークショップの様子


トランスコスモス・アナリティクス 北出塾長からのコメント


この半年で200名超が参加し、アプリでの学習と計5回のワークショップを修了しました。

経営層や専門部隊からの発信ではなく、現場担当者の視点で100を超えるAI活用アイデアを創出できたことは、その数値以上に大きな意義があると感じています。その意義とは、現場がAI活用を「自分ゴト」化するきっかけを生み出したことに他なりません。

世間では「これからはAI活用が不可欠だ」とか「AIでビジネスに革新が起きる」といった機運が高まっています。

実際、AI活用の検討やPoCを行う企業がずいぶん増えました。一方で、そうした取り組みをしてきた企業ほど、AIを活用しビジネス価値を生みだすことがいかに困難なことなのかを、実感しているのではないでしょうか。


「AIでビジネスを革新する」と言うのは簡単ですが、実践となると、それはAIとヒトとの協業を前提としてビジネスプロセスそのものを組み換え、刷新することを意味します。

インプットやアウトプット、業務フローを標準化し、AI活用で生み出す価値を定義し、それをどう運用・管理するのかといった問題に向き合うことになります。

これは日々の業務で忙殺されている現場にとって、非常にカロリーの高い取り組みです。


AI活用を「単にツールやシステムを入れて、自分たちの業務をラクにする施策」というくらいにしか捉えていなかった人々からは、当然「こんなに大変とは思っていなかった。そんな余裕はない。今まで通りのほうがいい」という反応が出てきます。

ある意味、それは仕方がないことです。技術革新でAI活用が容易になったと喧伝しすぎたメディアや専門家にも責任があるでしょう。

しかし、日本のAI活用がトライアル段階で停滞し、前進しない理由もここにあります。

結局、経営者も運用現場も、本音は「自分たちの業務やシステムを変えることなく、AI活用の恩恵を得たい」と考えているのです。

少しキツイ表現になりますが、自らが変わろうという気概もなく、自らの手で変革する覚悟もなく、「どこかで誰かが変えてくれる」「いつか変わる時がくる」くらいの受け身姿勢の人が多いのではないでしょうか。それでは、真の意味でAI活用の恩恵にあずかることは難しいでしょう。

AI活用には、関係者の当事者意識が不可欠です。今回のトラのアナAIアカデミーが、少しでも多くの人々がAI活用を「自分ゴト」化し、現状からの変革、AI時代への飛躍を考えるきっかけになったのであれば嬉しく思います。


trans+(トランスプラス) 編集部
trans+(トランスプラス) 編集部
ITアウトソーシングサービスで企業を支援するトランスコスモス株式会社のオウンドメディア編集部。メンバーはマーケター、アナリスト、クリエイターなどで構成されています。
 

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