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フューチャリスト・小川和也が、トランスコスモスの「100年経営」に見た未来

テクノロジーを活用したイノベーション事業を手がけるグランドデザインの創業者、小川和也。経営者でありながら、フューチャリストとして著述業や大学での研究、はたまたラジオ番組ナビゲーターとしても活躍する彼は、なぜトランスコスモスと提携したのでしょうか。彼がその先に見た「未来」の姿にせまります。


目次[非表示]

  1. さまざまな観点から未来を思考する「フューチャリスト」
  2. 新たな未来を感じさせた、トランスコスモス代表・奥田昌孝に共鳴
  3. これまでの50年と、これからの50年。100年分の経営史を体感できる
  4. 学術と実践、双方を行き来しながら事業の未来を紡いでいく

さまざまな観点から未来を思考する「フューチャリスト」

▲未来の鍵を探る番組 J-WAVE『FUTURISM』(毎週日曜日21時)でナビゲーターを務める小川(左)。 アシスタントは女優の相楽樹さん(右)


「フューチャリスト」として、テクノロジーを骨格に社会や未来を見つめる、小川和也。フューチャリストの定義は各人各説ながらも、小川は「特定の専門分野だけでなく、多面的な観点から未来に対する提言をする人」と捉えています。

多くの学者や起業家と小川がいささか異なるのは、「学術的な観点」と「実践的な観点」の両方を持ち合わせながら、さまざまなアウトプットをしていることです。

たとえば、学校の教科書や入試問題などの教材にも多数採用されてきた小川の著作『デジタルは人間を奪うのか』(講談社現代新書)は「学術的な観点」に立った活動の一環であり、グランドデザインで手がける事業は、「実践的な観点」からのアプローチといえます。 2017年現在は、北海道大学に教員として招聘され、人工知能研究にも従事しています。

経営的な視点で未来を見据える人としては「ビジョナリー」という言葉もよく使われます。小川は両者の違いについて「何に向けてのビジョン(=未来)を語るか」を挙げます。


小川 「経営者の立場では会社基点のビジョンを示す一方で、フューチャリストとしては、所属は関係なくいかに公へ向かうか、あるいは社会に新しい思考や哲学を生むことを志向しています」


フューチャリストとしての原体験は、小学校高学年の頃までさかのぼります。「死生観が強かった」小川少年は、脳や精神医学に関する本をよく読んでいました。クラスメイトの性格や振る舞いを分析して、学校という場を俯瞰的に観察するような子どもでした。

小川少年はその感性を保ったまま大学生になりました。長髪のスタイルに加え、いつもノートに空想を綴っては、「新しい哲学を作れないか」と考えていた姿を見て、先輩が付けたあだ名は「空想きのこ」。


小川 「言い得て妙だとは思いましたけどね(笑)。それで、就職活動中もそんな話ばかりしていて、誰と会ってもピンと来ず、働きたい企業は1社もなかったです。詩や小説を書こうとも思ったんですけど、明らかに食べていけそうもない。

でも、こんな自分だからこそ空中分解しないように、一度は社会にアジャストしておこうと思ったんです。自分が働くことをイメージできなかった大きな企業の中で揉まれまくってみよう、と」


ゼミの先輩から勧められたこともあり、小川は大手損害保険会社へ就職。少年時代にクラスメイトを分析したかのように、上司や同僚、得意先の考えをシミュレーションして動くことで、社内でも働きぶりを評価されるようになりました。

新たな未来を感じさせた、トランスコスモス代表・奥田昌孝に共鳴

▲「Gotcha!mall」のパフォーマンスと実績


小川に転機が訪れたのは30歳を過ぎた頃。仕事も順調、人間関係も良好ながら、あくまで小川は「勤め人を演じて」いる状態でした。自分らしいコンディション、自分らしい働き方を取り戻すためには、自分で起業するしか道は残っていませんでした。

そこで彼は2004年から、テクノロジーを基軸にした起業家としての活動をスタート。企業の与件に合わせたフィーチャーフォンやスマートフォン向けのマーケティングなどの事業を手がけるようになります。そしてちょうど創業から10年目に上場企業へバイアウトした後、2014年11月にグランドデザイン株式会社を創業します。シリアルアントレプレナーとして、2度目の創業となります。

長期に渡るデジタルマーケティング事業から得た知見をもとに、顧客向けにソリューションとして提供していた機能をプラットフォーム化したのが、2017年現在手がけている「Gotcha!mall(ガッチャモール)」です。

「Gotcha!mall」は独自のアルゴリズムをもとに、生活者と店舗やブランドをつなぐプラットフォームです。ユーザー個々に最適な購入動機を提供することで実店舗や商品に誘導し、購買頻度や単価を継続的に向上させる仕組み。当年度は国内で約300億円の店舗売上創出、2020年には約2,000億円まで成長させる目標を据えています。

現在(2017年9月時点)の国内ユニークユーザーは140万人ですが、近い将来に1,000万人に到達させるのが目標。そこに介在するのは表面的にはクーポンでありながら、ある意味“脱クーポン”を目指しており、クーポンをテクノロジーにより違う次元に移行させたいと考えています。

2017年8月からは北海道大学と共同でプラットフォームに活用する人工知能研究所を設立、さらにはプラットフォームの中で流通しているコインの仮想通貨構想等、各種展開を仕込んでいます。 これまでの実績が評価され、世界最高峰のマーケティングアワード「DMA国際エコー賞」に選出、2017年10月に米国ニューオーリンズで開催される授賞式に出席します。

この事業の可能性に誰よりも熱く、素早く反応したのが、トランスコスモスの奥田昌孝(代表取締役社長兼COO)でした。


小川「ベンチャー起業家として経験を積み重ねて行くうちに、熱狂できる事業こそ客観的にドライブするようになり、加えてフューチャリストとして大きなフレームからいまの事業を育てるスタンスで、事業のグランドデザインを形にすることだけを考えていました。

大きな可能性があるものほど深く潜るものと割り切って、ある程度形になるまでは粛々とやろうと。ところが、その深く潜っているところを奥田さんがいち早く反応し、『Gotcha!mall』がまだプロトタイプに近い状態から投資やリソース提供の話も含めて、強い関心を示してくれたんです」


創造的破壊を仕掛けるべく、潜っていた海の深さに気づいたトランスコスモスに惹かれるなかで、グローバル展開を推し進めた経験を持つ奥田の「この事業は特に海外では面白いことになる」という言葉にも後押しされ、グランドデザインとしての資本業務提携を決めたのです。

奥田は、「Gotcha!mall」のアジア各国での展開をはじめ、積極的な支援を行なっています。奥田と小川はそれぞれの未来論を語り合い、ときに打ち返し合うことで、その言葉のキャッチボールはますます熱を帯びていきました。

今後を占うデジタル領域において、マーケティングに果敢に取り組むトランスコスモスの姿勢は、テクノロジーを主軸に未来を考える小川を触発するのにも、うってつけといえました。

これまでの50年と、これからの50年。100年分の経営史を体感できる

▲グランドデザイン新社屋エントランスにて


事業の発展はもとより、小川にとっては「トランスコスモスという存在そのもの」も興味深い対象でした。


小川 「なぜ、トランスコスモスに興味があるかといえば、50年分の歴史を先取りできるような感覚もあるからです。創業者の奥田耕己さん(代表取締役グループCEO ファウンダー)にもお世話になっているのですが、社史を読んだり話を直接聞いたりするなかで、グループ4万人のトップに立つ創業者だけが持つ『50年分の体感』をうかがい知れる。

それは、フューチャリスト冥利に尽きることです。創業者である父が作ってきた50年と、現代表である後継者が作っていく50年を想像すると、100年分の経営に考えをめぐらせることができて面白いんです」


小川は奥田たちと企業の境界線を超えた関係性で対話を続けていくほどに「イノベーションに対する未来展望はバイブレーションしあっている」と感じています。

さらに、グランドデザインのようなベンチャー企業や「Gotcha!mall」という事業による新しいアプローチを経験することは、トランスコスモス本体のイノベーションにもつながるとも考えています。


小川 「トランスコスモスが積み重ねてきた巨大なアセットと僕らの新しい世界が掛け算することで生じる、化学変化が面白いんです。概念的な『ベンチャー×大企業』の話やとりあえずの協業とも違い、本当の掛け算を感じられると言いますか。

フューチャリストとしての実業的な活動でいけば、トランスコスモスには洞窟がいっぱいあるのですが、僕の役目はその洞窟に潜む『良い点』を見つけて結び、未来をつなげていくことだと思っています」


小川は自らの活動で、大企業におけるインキュベーションやイノベーションにとって参考になるケースを生みたいとも考えています。まさにトランスコスモスという「宇宙」を外側から観察し、まだ発見しえぬ光をとらえ、新しい事業や進化の種をつくっていく──。

小川にとってトランスコスモスとの提携は、グランドデザインの成長という単なるスタートアップ物語だけではなく、トランスコスモスの未来にも良い作用が出る楽しさを同時に味わえる機会なのです。小川はそこに「フューチャリストとしての醍醐味」を覚えています。

学術と実践、双方を行き来しながら事業の未来を紡いでいく

▲サマンサタバサジャパンリミテッド様へ営業訪問 小川(左)とトランスコスモス代表取締役社長兼COOの奥田(中央)、株式会社サマンサタバサジャパンリミテッド代表取締役社長の寺田和正様(右)


小川は創業したグランドデザインというベンチャー企業を成長させながら、トランスコスモス100年後の姿もイメージしています。もはや資本業務提携の域を超え、ベンチャーと大企業の新しいコラボレーションの形を作り出すことにチャレンジしています。


小川 「僕は、“ベンチャー的”というものを強く意識し過ぎてしまうと、むしろ固定概念や内輪に閉じ込められてしまう感覚があって。ベンチャースピリッツのひとつのあり方として、何者であるかも固定させたくないのですね。

日頃お付き合いさせていただいている方は経営者以外も多く、価値観も見ている世界も実にさまざま。ベンチャーというフィールドの中に自分を固定化することがどうにも収まりが悪い中、奥田さんたちとは常に広い観点から未来を語れるんですよね」


トランスコスモスは大企業でありながらトップが率先してイノベーションの渦を作り、多種多様な人材が集まる“不思議な”場所になっています。起業家としての枠に収まらない小川との関係性も実にユニーク。


小川 「創業したベンチャー企業を大きく成長させることと、歴史のある大企業の進化がシンクロする楽しさは、自分の会社だけに閉じた世界よりも楽しさにレバレッジがあります。

いまは歴史的な特異点の真っ只中にあり、それはさらに加速します。あらゆるものが創造的破壊を求められていますから、いままでのスタイルや一般論を打破していかなければなりません。起業家としてのあり方も然りで、自分なりの道を歩んで行こうと思います」


今後はテクノロジーと人間の未来、北海道大学での人工知能の研究を深め、得られた知見や経験はグランドデザインの事業や、小川の次なる著作などにもフィードバックされます。

比類なき起業家──小川和也は、トランスコスモスがまだ見ぬ未来を紡ぐ“特異点”としても輝きを放ち続けます。


Text by PR Table


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trans+(トランスプラス) 編集部
trans+(トランスプラス) 編集部
ITアウトソーシングサービスで企業を支援するトランスコスモス株式会社のオウンドメディア編集部。メンバーはマーケター、アナリスト、クリエイターなどで構成されています。
 

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