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D2Cブランドを支える"Shopify(ショッピファイ)"とEコマースの未来


目次[非表示]

  1. Shopify(ショッピファイ)とは
  2. 日本で3番目のShopify Plus Partnersであるトランスコスモス技術研究所
  3. トランスコスモス技術研究所とShopifyの取り組み
  4. 未来のECとShopify

「アマゾンキラー」として注目されるカナダ発のECプラットフォーム“Shopify(ショッピファイ)”。まだまだ日本でなじみの薄い同社だが、グローバル規模では既にeBayを抜き、Amazonに次ぐ規模まで成長。昨今のD2Cブランドにとって「必須のツール」として紹介されるほど、EC業界で大きなうねりを起こし続ける存在だ。

Shopify(ショッピファイ)とは

そもそも「Shopify(ショッピファイ)って何?」という方も多いかもしれない。

Shopifyとは2004年にカナダで創業したEコマースプラットフォーム。ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場しているグローバル企業で、世界175か国、100万店舗(2019年12月時点)に利用されているECサイト構築システムだ。

“Make commerce better for everyone”を掲げ、“Entrepreneur(起業家)”を支援するShopifyは、複雑なサーバー周りの契約などは必要なく、月額29ドル(約3200円)で即時に自分のECサイト立ち上げが出来る手軽さと、デザイン性の高さ、カスタマイズ性などが多くのブランドに支持され、急速にEC市場シェアを拡大している。


Shopify

利用ユーザー数が100万店舗を超え、急速に拡大するShopify (ショッピファイ)


国内ASPカートが多く存在する日本のEC市場では、まだまだその認知度は高いと言えないが、2017年11月に日本法人が設立され、Shopifyを利用するEC事業者や開発パートナーも増え続けている。また、管理画面の日本語化なども完了済みで、様々なヘルプ、国内ユーザー向けガイドなども、日本市場へのローカライズ化も急速に進められている。

そんなShopifyが注目を浴びる背景の一つに「D2C(Direct to Consumer)」ブランドの隆盛があげられる。

大手ECモールが市場を席巻する中で、SaaS型でスピーディーにブランドを立ち上げることが出来るShopifyは、多くのユニコーン(評価額10億ドルを超える未上場企業)により採用されており、市場で脚光を浴びるD2CブランドにとってShopifyは「デフォルトのツール」とさえ言われている。

先日日本上陸が話題となったシューズブランド“Allbirds(オールバーズ)”もShopifyマーチャント(ユーザー)として有名だ。


Shopify

「世界一快適なスニーカー」として知られる「Allbirds(オールバーズ)」のストアもShopifyを活用


Shopifyの特徴の一つが「拡張性」の高さ。Shopifyが提供するコアシステムに対して、まるでレゴブロックのように「アプリ」を組み合わせ、自社のニーズに合わせた、「自分だけのECサイト」を簡単に構築することが出来る。

D2Cブランドは指数関数的に成長を遂げる。立ち上げ期に始まり、成長期、成熟期と、めまぐるしくニーズは変化し続けるが、Shopifyではそのいずれのフェーズに対しても、ニーズに合わせたアプリを組み合わせて利用することが出来る。ユーザーは、フェーズの変化に合わせてECプラットフォームを乗り換えることも必要ないのだ。


Shopify

ユーザーは、アプリストアから自分のニーズに適したShopifyアプリを探すことが可能


また、日本のEC市場におけるアジェンダの一つでもある「越境EC」の文脈においても、Shopifyは大きな可能性を秘めたプラットフォームとして注目されている。Shopifyは多言語、多通貨決済に対応していることも強みの一つであり、国境を越えてEC展開を行おうと計画する事業者にとって、非常に相性の良いシステムとも言える。

日本で3番目のShopify Plus Partnersであるトランスコスモス技術研究所

Shopifyを利用するマーチャントの事業規模は様々であるが、特に、多店舗展開や、年間総流通額が大規模なマーチャントの要望に応えるための“Shopify Plus”というエンタープライズ向けプランが存在する。

そのShopify Plusの認定パートナーとして、日本で3番目のパートナーに選ばれたのが「トランスコスモス技術研究所」だ。

Shopify

Shopify導入を支援するトランスコスモス技術研究所


トランスコスモス技術研究所は、トランスコスモスの新規事業などのR&Dを目的に設立した会社であるが、そのエンジニアリング技術を活かした「開発力」をコアバリューに、近年はスペシャリストによるマーケティング領域やEC運営支援なども行っている。

メンバーの8割はエンジニアであり、国籍は15か国に及ぶというグローバルな組織を活かして、日本に限らないグローバルでの立ち上げプロジェクトを得意とし、VTuberプラットフォーム、スポーツスタジアムIT、などのプロジェクトを垂直立ち上げ、フルオーダーメイド型でのビジネス開発経験を豊富に持つ。

トランスコスモス技術研究所とShopifyの取り組み

そんなトランスコスモス技術研究所はShopifyを通して3つの取り組みを行っている。

1つが「Shopify・ShopifyPlusの導入支援」であり、クライアントの要求を要件に落とし込み、Shopify・ShopifyPlusサイトの構築を支援。これからShopifyを始めたい方、他のASPカートからShopifyへ乗り換えたい方などに対して、伴走型支援を行っている。


Shopify

代表の下田昌平は日本のShopifyカンファレンスでの登壇も務めた


そして、2つ目は「Shopifyを活用したシステムインテグレーション・アプリ開発」だ。

ECサイトとしての規模が大きくなればなるほど、その裏側は、ERP(統合基幹業務システム)やWMS(倉庫管理システム)、OMS(受注管理システム)などのシステムが複雑に絡み合うことが多い。また、店舗連携ではPOSとのつなぎ込みも発生する。


Shopify

Shopifyを軸にしてECを支えるバックエンドシステムとの連携を実現する


こうしたシステム連携は容易でなく、技術的な観点はもちろん、業務観点でも様々な調整が必要となる。トランスコスモス技術研究所では、それらを繋ぐミドルウェアの開発や、API開発、プロジェクトマネジメントなどを支援している。

また、日本ではもはや必須ともいえるLINEとの連携も、オリジナルアプリ「Kisuke」で実現するなど、市場には日本製のShopifyアプリが少ない中、日本の商習慣に合わせたShopifyアプリを開発・リリースを進めている。


Shopify

LINEやnoteといった日本のプラットフォームとの連携アプリを開発している


最後は、Shopifyパートナーとして「Shopifyエコシステムへの貢献」である。

Shopifyは、Shopifyを取り巻く「エコシステム」を掲げ、「マーチャント」(出店者)と「パートナー」(導入支援企業)がwin-winになるよう、二つのコミュニティを重視している。

そんなエコシステムを日本でも活性化するために、トランスコスモス技術研究所では「Shopify JP Meetup(ミートアップ)」と呼ぶカジュアルな無料セミナー兼懇親会を含めた集まりを定期的に開催。(2019年は3回実施)

日本ではShopifyに関する情報がまだまだ少ないが、ブログSNSでの情報発信なども積極的に行っている。


Shopify

 話題のD2Cブランドに登壇してもらうなど、テーマに富んだMeetupを定期開催


コミュニティが活性化することで、Shopifyの認知度が向上する。そしてマーチャントが成功することで、それを支援する企業も成長できる、そんなスパイラルを産むために日々活動しているという。

未来のECとShopify

次々と新しいメディアやデバイスが生まれるように、ユーザーの購買行動は常に変化する。

例えば、ユーザーはSNSで次に欲しい商品を見つけ購入することも出来るだろう。音声デバイスで商品を探し、ウェアラブルデバイスから購入することも当然可能になる。

かつてのようにPCに向かってじっくり商品を検討してWebサイトの購入ボタンをクリックする、そんな未来ではなくなってきている。

次々と変わるユーザー行動に伴って、ECシステムもアップデートが求められてくるだろう。しかし、単一のシステムではその都度スピーディーな変化に対応することは、少しハードルが高いともいえる。

そんな中、一つのシステムに依存しない「ヘッドレスコマース」という新たなECのカタチが注目されており、APIを公開し「接続する」ことを前提にしたShopifyを活用すれば、アイデア次第で様々なチャネルやコマース体験を実現することも可能になるかもしれない。


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APIを経由して実現する「ヘッドレスコマース」


Eコマースを民主化するShopifyはしばしば世間から「Amazonキラー」として見られることが多い。だが、モールは本来「競合」でない。むしろ、米国ではAmazon.comとの連携も実現しており、Shopifyに登録するリテーラーが、直接Amazonにも商品を登録できる仕組みも導入している。

「直営店」であるShopifyと、「支店」であるモール店舗の役割は異なるものであり、共存可能な存在だ。それらをどのように活用するのか、EC事業者にとって戦略が必要とされる。

Shopifyを使えば、誰もが月額29ドルからEntrepreneur(起業家)になることができる時代。今後の日本において、より多くの「起業家」を生み出すうえで、ますますその価値が高まるのではないだろうか。


trans+(トランスプラス) 編集部
trans+(トランスプラス) 編集部
ITアウトソーシングサービスで企業を支援するトランスコスモス株式会社のオウンドメディア編集部。メンバーはマーケター、アナリスト、クリエイターなどで構成されています。

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