【図解で分かる!】知っているようで知らない?アドテクノロジーの基本用語 2019

【図解で分かる!】知っているようで知らない?アドテクノロジーの基本用語 2019

アドテクノロジーとは、Advertising Technology(アドバタイジングテクノロジー)の略で、簡単に言うと「広告の配信・最適化における技術」のことです。

私たちが目にしているインターネット広告の配信の裏側では、いまや当たり前に使われている技術です。

実はアドテクノロジー(以降「アドテク」)の世界では、広告枠への目に見えない入札・応札のオークションが瞬時に行われています。

そのおかげで、人の手だけでは不可能だった大量の広告配信を、スピーディーに効果的に行えるようになりました。

今回はそんなアドテクや広告取引における基礎知識を、「なんとなく意味は分かっているが、聞かれると説明できない」や、「これから広告について勉強していきたい!」という方に、図解で分かりやすく解説していきます。

広告配信に関わる主な登場人物

まず本題に入る前にアドテクに関わる主な登場人物をご紹介しましょう。
この記事で度々登場するので、ぜひ覚えておいてください。

広告配信に関わる主な登場人物
広告配信に関わる主な登場人物

※この記事では、広告を配信したいと考えている当事者の「広告主」と、広告主から配信の依頼を受けた「広告代理店」のどちらもまとめて「広告主」と表現しています。

 

アドテク登場の背景

さてみなさんは、世界初のバナー広告がいつ頃配信されたのかをご存知でしょうか?

それは1994年に遡ります。米国最大手の電話会社であるAT&Tが、オンライン雑誌HotWired.comに世界初のバナー広告を掲載しました。その時の広告がこちらです。

(参考URL:https://mashable.com/2013/08/09/first-banner-ad/#acI4F1nOziq9)

インターネットがまだまだ普及していなかった時代に、クリック率は44%。1%でもクリックされれば良いと言われている現在では、信じられない数字です。

このような広告初期の時代に行われていたインターネット広告の取引は「純広告」といい、広告主が期間や掲載先メディアを指定し、メディア側でサイトに広告をベタ張りするという非常にシンプルな広告配信がメインでした。

純広告での広告配信の流れ
純広告での広告配信の流れ

そんな時代を経てデジタルマーケティングの発展と共に、インターネット広告の市場規模は拡大。求められることは複雑になり、様々な問題が出てきました。

例としてメディア側の話をすると、ベタ張り広告の操作ミスがコンテンツに及ぼすリスクや工数の増加などの問題が挙げられます。

このような問題をクリアにし、更には広告の管理を柔軟に行うために誕生したのが、広告の配信・最適化をプログラマティックに処理してくれる技術、アドテクなのです。

アドテクの登場でどのような変化があったかというと、サイトが表示される度にどの広告を出すかを柔軟に変えられたり、広告クリック数を配信結果として取得してPDCAを高速で回すと言ったようなことが可能になりました。これはほんの一例です。

 

それでは次項から、アドテクの基本を図を使って解説していきます。

 

押さえておきたいアドテクノロジー

DSP

Demand-Side Platform (デマンド・サイド・プラットフォーム)の略

広告主側の収益を最大化するプラットフォームです。

広告主はターゲットや予算の設定、広告クリエイティブの入稿をすれば、DSPがなるべく低い出稿金額でより高い売上を上げるために最適な広告配信を一元管理して行ってくれます。

今まで手動で行っていた広告枠の入札や配信・クリエイティブ分析など、あらゆる最適化作業を自動化したことで、複雑化した広告配信において広告主の工数を削減すことができます。

またDSPを後述するSSP側とRTB接続することで、広告を配信したいときにすぐに広告枠を買い付けることができるようになりました。

DSPの機能や役割イメージ
DSPの機能や役割イメージ

 

SSP

Supply Side Platform(サプライ・サイド・プラットフォーム)の略

メディア側の収益を最大化するプラットフォームです。

メディアは広告枠や値段、出稿希望条件などを設定すれば、SSPがそれらに合致した最も高い掲載費を支払うことができる広告をプログラマティックに配信してくれます。

SSP(メディア側)ではメディアの収益を確保する仕組みとして「フロアプライス」という最低落札額を設定できるようになっています。

フロアプライスを下回る入札額の広告は、広告オークションでの入札額が一位だったとしても掲載されません。

広告が掲載されなかった広告枠の在庫に純広告など別の広告を表示させることで、SSPは低単価の広告表示を抑制し、メディアとしての収益を確保できます。

SSPはユーザーがメディアに訪れた際に、ユーザー情報や広告枠の情報をDSPに渡してオークションを行いますが、これはメディア側だけでなく広告主側にとっても「タ―ゲティングの精度が上がる」というメリットです。

SSPの機能や役割イメージ
SSPの機能や役割イメージ

 

RTB

Real Time Bidding(リアルタイムビディング)の略

なるべく低い出稿金額でより高い売上を上げたい広告主と、広告枠をなるべく高く買ってもらいたいメディアの、利害を一致させるために開発された仕組みです。

この仕組みのおかげで複雑な広告取引を、インプレッション(=広告が表示された回数)単位でリアルタイムに最も高い金額をつけた購入者の広告を表示するオークションが行えるようになりました。

広告主はDSP、媒体はSSPでこのRTBの仕組みを使い広告枠の取引を行います。

RTBの機能や役割イメージ
RTBの機能や役割イメージ

 

アドネットワーク(Ad Network)

ウェブサイトやブログ、SNSなどのメディアの広告掲載枠を、複数束ねたネットワークのことです。
アドネットワークの登場によりネットワーク内のメディアに、今まで別々に行っていた広告出稿を一括で行えたり、メディアごとに異なっていた課金形態が統一されたりしたことで、広告の管理負担が軽減されました。

デメリットとしてターゲットとは全く関係のない内容のサイトに掲載された場合にブランドの信頼を損なう可能性が挙げられますが、様々な条件で広告案件の配信を止めるブロック機能なども取り入れられてきています。

DSPは広告配信を一元管理しながら各ネットワークを横断して配信するのが得意ですが、メディアやネットワークを限定して配信していく際にはこのアドネットワークを使います。
なぜならアドネットワークでの入札は、配信するネットワーク全体やメディアに対して行われるからです。

アドネットワークの機能や役割イメージ
アドネットワークの機能や役割イメージ

 

アドエクスチェンジ(Ad Exchange)

複数のメディアやアドネットワークが持つ広告掲載枠を束ねて、交換できるプラットフォームです。

この説明だけだとアドネットワークと混同しがちですが、大きな違いは大きく2点。
まず一つ目の違いは、束ねる範囲です。アドネットワークは複数の「メディア」を束ねているのに対し、アドエクスチェンジは複数の「アドネットワーク」も束ねることができます。これによりメディアだけではなく複数のアドネットワークを一元管理できるようになりました。

もう一つの違いは入札単位の違いです。アドネットワークはネットワーク全体やメディアに対しての配信入札であるのに対し、アドエクスチェンジはインプレッション単位の入札が可能です。これにより不要な入札を減らすことができ、より費用対効果の高い配信が可能になりました。

アドエクスチェンジの機能や役割イメージ
アドエクスチェンジの機能や役割イメージ

 

第三者配信(3PAS)

3rd Party Ad Servingの略

第三者配信には狭義と広義の2つの意味があります。

まず狭義の意味では広告配信・効果測定を一括管理できる第三者配信事業者の「アドサーバー自体」を指します。

広告配信・効果測定を一括管理できるというのは、一つのサーバーを介して複数メディアのアドサーバーにバナーの入稿・差替えを一括で行えたり、メディア毎に分かれてしまっていたインプレッションから効果測定までのデータをまとめて可視化・確認できたりが可能になります。

メディア社のアドサーバーと第三者配信アドサーバーの違い
メディア社のアドサーバーと第三者配信アドサーバーの違い

第三者配信の広義の意味は、アドネットワークやアドエクスチェンジ、DSPも、広告を掲載したいメディアとは別のアドサーバー(第三者)から広告を配信するという意味で第三者配信と位置づけられるということです。

 

DMP

Data Management Platform(データ・マネジメント・プラットフォーム)の略

インターネット上のビッグデータや自社サイトのログデータなどの散らかったマーケティングデータを一元管理し、分析・分類して、マーケティング活動に活かせる情報へと最適化するツールです。

デジタルマーケティングにはデータが必要と言われていますが、DMPを使うことでアクセスログや会員情報などの属性データを、広告施策に活用しやすくなります。

DMPは「オープンDMP」と「プライベートDMP」の2種類に分類され、オープンDMPは外部メディアの持つデータを活用するためのもので、プライベートDMPは自社で収集・保有しているデータと共に、自社のマーケティングに必要なデータをオープンDMPから取り込んで利用するためのプラットフォームです。

DMPの機能と役割イメージ
DMPの機能と役割イメージ

DMPで扱うこれらのデータは次に説明する「1st party data」と「2nd party data」、「3rd party data」に分類されます。

 

取り扱うデータの種類

1st party data
ファーストパーティーデータ

自社で収集・保有しているマーケティングデータを指します。自社のウェブサイトに埋めた解析ツールやSNSから得られるデータ、購買情報、アンケートなどから得られます。 自社のデータなので信憑性が高くコストがかからないのが特徴ですが、情報が限定的になってしまいがちです。

2nd party data
セカンドパーティーデータ

データを保有する他企業とパートナーシップを組み利用権を得たデータを指します。1st party dataと同様に信憑性も高いため、近年注目を集めていますが、パートナーシップを組む上での契約・技術の面でハードルが高いことがデメリットです。

3rd party data
サードパーティーデータ

自社で収集・保有しているデータ(1st Party データ)以外の第3者が提供する外部データを広く差して呼びます。この3rd Party dataはデータ収集を専門とするベンダーから入手することができ、情報の「量」や「種類」は多岐にわたります。

取り扱うデータの種類や、やり取りのイメージ
取り扱うデータの種類や、やり取りのイメージ

 

アドベリフィケーション

アドベリフィケーションとは、DSPなどを用いたプログラマティックな広告配信において、配信した広告の品質を担保または向上させる、健全な広告配信のための取り組みです。

具体的には広告主が許可していない不適切なウェブサイトへの広告表示を防ぎ、配信した広告が閲覧可能な状態で表示されているかを確認して、“広告表示”の状況を監視します。

インターネット広告市場の拡大とともに広告詐欺の被害も右肩上がりで、アドベリフィケーションの必要性と注目度が増しています。

健全で安全な広告取引のために必要な取り組み
健全で安全な広告取引のために必要な取り組み

 

最後に

如何だったでしょうか?

今回この記事を書くに至った背景には、インターネット広告国内市場規模はAmazonなどのECサイトが新たな広告プラットフォーマーとなり、2022年度には約2.4兆円にまで拡大すると予測されていることがあります。
広告の運用担当でなくとも、広告に触れる機会は今後ますます増えていく可能性がある反面、広告配信の裏側の仕組みまで理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。

そんな今だからこそ、ひとりひとりが広告に関する理解を深め、健全で透明性の高いインターネット広告の世界を創っていっていただければと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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