マーケティング4.0の5Aカスタマージャーニーマップを学ぼう アイキャッチ

マーケティング4.0の5Aカスタマージャーニーマップを学ぼう

マーケティング4.0で提唱された、接続性の時代(顧客がネットに繋がっている時代)におけるカスタマージャーニーマップの考え方は、従来のネット接続が加味されていなかった時代の考え方から大幅に変更されました。

AIDMA、4Aといった考え方でのカスタマージャーニーは、認知からアクションに至る過程で、対象となる人々が絞られ、数が少なくなっていく漏斗(ろうと)のような形状をしていました。しかし、近年では、漏斗(=ファネル)の形状は、尻つぼみではなく共有されることにより、つぼまったものがまた拡がる、ダブルファネル形状へと進化しています。そして、5Aカスタマージャーニーでは、ファネルという考え方ではなく、カスタマージャーニーのどこからでも顧客が入り込める構造となったのです。

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目次[非表示]

  1. ネットからの影響は受けない漏斗形状のモデル
  2. ネットでの共有、拡散が加味されたモデル
  3. 5Aのカスタマージャーニーはどう変わったか
  4. AWARE、APPEAL、ASK、ACT、ADVOCATEのプロセスと顧客タッチポイント
  5. ブランドを認知するすべての人が推奨することを目指す5Aカスタマージャーニー

ネットからの影響は受けない漏斗形状のモデル

AIDMAカスタマージャーニー
①注目→②興味→③欲求→④記憶→⑤行動

4Aカスタマージャーニー
①認知→②態度→③行動→④再行動

ネットでの共有、拡散が加味されたモデル

5Aカスタマージャーニー
①認知-②訴求-③調査-④行動-⑤推奨

カスタマージャーニーは一方通行と考えられていた時代から、顧客がネット接続された状況を反映した形へ時代とともに進化しています。5A時代のカスタマージャーニーについて詳しく見ていきましょう。

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5Aのカスタマージャーニーはどう変わったか

5Aカスタマージャーニー


4Aまでのカスタマージャーニーは、接続性によって生み出される変化に対応するように再定義されるようになりました。すなわちネットに接続された時代によって引き起こされる影響を反映したものとなったのです。

4Aでは、顧客個人がブランドに対する態度を決めていましたが、5Aでは、顧客がネットにつながったことにより、ブランドの訴求力が、顧客を取り巻くコミュニティの影響を受け、顧客の最終的な態度決定となります。顧客の個人的に見える多くの決定が、事実上、社会的な決定となっているのが5Aの世界です。5Aの新しいカスタマージャーニーは、ネットに引き起こされる影響を反映したものとなっているのです。

AWARE、APPEAL、ASK、ACT、ADVOCATEのプロセスと顧客タッチポイント

5Aのカスタマージャーニーでは顧客間の接続性を反映し、①認知(AWARE)、②訴求(APPEAL)、③調査(ASK)、④行動(ACT)、⑤推奨(ADVOCATE)というプロセスで説明されます。これらを細かく見ていきましょう。

マーケティング4.0の5Aカスタマージャーニーマップを学ぼう 02


①認知(AWARE)は、従来からのカスタマージャーニーの入口。他者から聞かされたり、ブランドの広告を見たりすることで、認知されます。

②訴求(APPEAL)は、顧客は認知したブランドの中から、自分にとって好ましいと思う少数のブランドだけに引きつけられた状態です。

③調査(ASK)は、顧客は引きつけられたブランドの中から、魅力を感じたブランドを調査します。調査段階で詳しい情報を入手したら④行動へ進んだり、購買行動を伴わない場合でも、⑤推奨へ進んだりします。

④行動(ACT)は、購買行動だけではなく、消費や使用はもちろん、アフターサービスを通じたコミュニケーションも行動に含まれます。

⑤推奨(ADVOCATE)は、顧客にブランドに対する強いロイヤルティが芽生え、熱心な推奨者は大好きなブランドを自発的に他者に推奨し伝道者になる段階です。

  マーケティング4.0 4Aから5Aでカスタマージャーニーはどう変わったのか? | trans+(トランスプラス) 接続性の時代において最も変わったのはカスタマージャーニーの考え方です。これまではAIDA、注目(attention)、興味(interest)、欲求(desire)、行動(action)が広く知られて来ました。 trans+(トランスプラス)

ブランドを認知するすべての人が推奨することを目指す5Aカスタマージャーニー

前項にもあげたように従来、漏斗型だったカスタマージャーニーは、5Aでは認知から推奨まで、左から右へ直線的にすぼまっているわけではありません。

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顧客がネット接続し絶えずネットのコミュニティより情報を得たり、好きなブランドを推奨することで、他者の行動に影響され、突如友人からの推奨に感化されそのブランドを購入してしまうこともあります。認知、訴求から調査というステップなしに、いきなり行動してしまうカスタマージャーニーも存在するのです。

また、製品が希少で人気の高いカテゴリーでは、実際の購入者でなくとも、ブランドを推奨する顧客が発生するのが、5Aのカスタマージャーニーであり、どの段階からでも顧客はカスタマージャーニーに参加できます。

従来までの考え方では、ロイヤルティは顧客維持率、再購入率で表されてきましたが、5Aのカスタマージャーニーでは、ロイヤルティはブランド推奨する意思として表されています。理想的なモデルの形は、①ブランドを認知しているすべての人が、自ら進んで当該ブランドを推奨する(認知=推奨)状態、そして②ブランドの訴求力がきわめて強くブランドに惹きつけられるすべての人がそれを購入する(訴求=行動)状態が理想的な5Aカスタマージャーニーの状態とされています。このとき、顧客は自ら調査する必要性を感じず、調査のボリュームが最も小さくなるため、5Aカスタマージャーニーの形状は蝶ネクタイ型になります。

  マーケティング4.0時代のカスタマージャーニーの類型 | trans+(トランスプラス) カスタマージャーニーとは、顧客がブランドを認知していない状態から、認知へ、それから関心、購入、さらには推奨へという道筋を、どのように進んでいくかを示すものです。 trans+(トランスプラス)


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trans+(トランスプラス) 編集部
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ITアウトソーシングサービスで企業を支援するトランスコスモス株式会社のオウンドメディア編集部。メンバーはマーケター、アナリスト、クリエイターなどで構成されています。

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