【2022年EC業界ニュース】アマゾン、物価上昇を受けサーチャージ料を導入 ほか
トランスコスモス調査部が厳選する国内・海外EC業界ニュース
今週も国内外問わずEC市場の動きを、ダイジェストでお届けします。
世界30カ国・168の拠点があるトランスコスモスだからこそ伝えられる、
国内外EC業界の「今」が、5分でわかります。
今週のトピックはこちら。
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エアアジア・スーパーアプリ、グーグル・クラウドとの共同でデジタル支援を拡充
4月8日に格安航空のエアアジアが運営するスーパーアプリ(airasia Super App)はグーグル・クラウド(Google Cloud )と戦略的パートナシップを締結したことを発表しました。今後5年間で、東南アジアでの日常サービス拡充に取り組みます。両社は人材の育成とオープンイノベーションのためのソフトウェアを共同開発していきます。エアアジア・スーパーアプリCEOのアマンダ・ウー(Amanda Woo)氏は「グーグルのプラットフォームとエコシステム構築の知見によってユーザーの生活に適したソリューションの提供を行い、グーグル・ワークスペース(Google Workspace)を活用して労働者の活躍を支援する」と述べました。世界経済フォーラム(the World Economic Forum)が「今後10年間、経済価値の約70%がデジタルプラットフォームのビジネスモデルによって推進される」と予測していることからも、多様なコミュニティが集まる東南アジアでのデジタル支援は今後更なるニーズが見込まれます。
エイソス、サプライチェーンへの制約下でも2022年上半期の収益4%上昇
4月12日、英オンライン・ファッション小売業者エイソス(ASOS)は2022年上半期の業績を発表しました。総売上高は前年対比4%増の2億400万ポンド(約341億円)、税引き前利益は1,480万ポンド(約24億円)となりました。コロナ禍でのロックダウンなど、サプライチェーンへの制約にも関わらず、同社の顧客は半年間で30万人増加し、2,670万人まで増加しました。在庫の制約がある中で英国、米国ともに8%と11%成長を遂げました。エイソスはオンラインと実店舗の需要バランスを回復させ、特にアメリカで4つ目のフルフィルメントセンターを開設するほど成長を遂げました。インフレによる消費者行動への影響や裁量支出への影響など、課題は多く存在するものの、エイソスは今後も中長期的な成長戦略に取り組んでいきます。
フリップカート、ミントラに1億ドルを出資
インドのネット通販事業者フリップカート(Flipkart)のシンガポール支店は、オンライン・ファッションMyntraに1億1,600万ドル(約148億6,800万円)を投資したことが明らかとなりました。フリップカートは今年初めに食料雑貨とソーシャルコマース領域の拡張を発表しており、3月以降、すでに8億ドル(約1,025億円)以上投資を行いました。現在インドのオンライン・ファッション市場は激しい市場競争下にあり、アマゾン(Amazon)や地場ネット通販事業者の「ナイカ(Nykaa)」など、その他多くの新興企業が参入しています。また、政府のイニシアチブやインターネットの普及を受けてインドのネット通販市場は急成長しており、インド・ブランド・エクイティ財団(India Brand Equity Foundation)は「2025年までに2020年の倍以上の1,114億ドル(約1兆4,600億円)まで成長する」と発表しています。
情報源:Inc42 "Myntra Gets $116 Mn Investment Boost From Flipkart"(2022/04/14)
アマゾン、物価上昇を受けサーチャージ料を導入
4月13日に、アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)は、ネット通販企業では初の試みであるサーチャージ料の導入を発表しました。米国内でフルフィルメント・バイ・アマゾン(Fulfillment by Amazon:FBA)を利用する外部出品者を対象に、28日以降の出荷分から従来の手数料に5%上乗せする予定で、適応率は今後変更する可能性があります。現在、米国内では約40年ぶりの高水準インフレが続いており、物価上昇をサービス料金に反映させる動きが広がっています。アマゾンが外部出品者から受けとる各種手数料の総額は、2021年12月通期に約1,033億ドル(約13兆円)で、同社の売上高の全体の22%を占め、2021年にはアマゾンを利用する外部出品者の89%がFBAを利用しました。
情報源:日本経済新聞 「Amazon、外部出品者の手数料5%上乗せ 燃料高を転嫁」(2022/04/14)
ウォルト、商品の即時発送サービスを運用開始
デリバリーサービスのウォルト(Wolt)を展開するウォルトジャパン(Wolt Japan)は、法人向け即時発送プラットフォーム「ウォルトドライブ(Wolt Drive)」の運用を開始しました。同サービスは30分程度での商品の即時配達を希望する企業に向けたサービスで、加盟企業はウォルトのアプリやウェブサイトに店舗ページを開設せずに配達システムを利用できます。4月14日にはメディカルノートと院内処方薬即時発送の実証実験を開始し、院内処方ができるクリニックを中心に、限定的な配達エリアへの即時発送とオンライン診療ニーズの相関性を検証しています。加盟企業はウォルトドライブ専用の管理ポータル「Drive UI」を利用すると、ウォルトへの配送依頼をウェブ上で完了でき、API連携による「ドライブAPI(Drive API)」を利用すると、企業サイトとシームレスな連携も可能になります。更にウォルトはショッピファイ(Shopify)などのEコマースプラットフォームとウォルトドライブのプラグイン開発も開始しており、国内での商品発送方法としてウォルトドライブのサービス提供を開始する予定です。
情報源:Impress Watch 「「Wolt」が処方薬即時配送。新デリバリーシステムでEC配達も計画」(2022/04/14)
アマゾン、近い将来NFT販売の可能性を示唆
アマゾン(Amazon)CEOアンディー・ジャシー(Andy Jassy)氏は近い将来、アマゾンがブロックチェーンを活用するにあたり、仮想通貨の導入ではなくNFT(非代替性トークン)の販売の方が可能性があると示唆しました。ジャシー氏は仮想通貨の可能性を認めつつも、物流コストが上昇する中で新しい決済方式を導入するより、小売事業の収益維持に重点を置くことを明らかにしています。そのため、同社のフルフィルメントサービスを利用するサードパーティー販売業者に対して5%の追加料金の徴収を開始しました。また、ジャシー氏はNFT販売に参入する時期について明らかにしていません。一方で「ペイパル(PayPal)」「キャッシュ・アップ(Cash app)」「ベンモ(Venmo)」などの主要決済アプリでは、仮想通貨を売買する機能の導入や一部決済手段としての利用を開始しており、仮想通貨は一般の消費者に身近な存在となっています。
情報源:CNET Japan 「アマゾンCEO、NFT販売の可能性はあり--仮想通貨への対応は否定」(2022/04/15)
今週の注目は「アマゾン、物価上昇を受けサーチャージ料を導入」だよ! |