【国内・海外EC業界ニュース】ゾゾタウン、有料会員サービスZOZOARIGATO開始!Weekly Picks! 12/28-1/10
トランスコスモス調査部が厳選する国内・海外EC業界ニュース
今週も国内外問わずEC市場の動きを、ダイジェストでお届けします。
世界30カ国・168の拠点があるトランスコスモスだからこそ伝えられる、
国内外EC業界の「今」が、5分でわかります。
今週のトピックはこちら。
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インド、電子商取引をめぐる新たな規制を発表
12月26日、インド商工省は電子商取引における規制を発表しました。新規制は2019年2月1日より導入され、競争力に劣る家族経営の”パパママショップ”(約7,000万人)の保護と市場公平性担保を目的としています。また、ECプラットフォーム事業者に対して、出店事業者との独占契約の禁止、出資先を含む自社製品の販売の禁止、ディスカウントやキャッシュバックの制限などの条項を設けています。ブランドに対しては単一ECプラットフォームでの売上を全売上の25%以下に抑えることを規定しています。
情報源:TechCrunch“New e-commerce restrictions in India just ruined Christmas for Amazon and Walmart”(2018/12/27)
https://techcrunch.com/2018/12/27/amazon-walmart-india-e-commerce-restrictions/
trans+編集部
英PWC社のレポートによるとインドのEC市場規模は2017年時点で350億ドルですが、2022年には1,000億ドル規模にまで成長すると言われています。一方で今回の規制は、米アマゾンや米ウォルマート傘下のフリップカートなど外資プレーヤーが大きな覇権を握るなか、19年春に控える総選挙に向けてモディ政権が「小売り票」獲得を狙った大衆迎合策の色が濃いともささやかれています。
ゾゾタウン、有料会員サービスZOZOARIGATO開始!オンワードなど一部ブランドは退店
12月25日、ファッションEC大手ゾゾタウンが有料会員サービスZOZOARIGATOを開始しました。同会員サービスは、年会費3,000円(税抜)で、割引価格で商品を購入することができます。割引額は、すべて買い物代金に充てることができるほか、日本赤十字や国境なき医師団などの非営利団体や購入先ブランドに寄付することもできます。ゾゾタウンは、出店ブランドに対してZOZOARIGATOへの参加を呼びかけていますが、すでに条件の折り合いのつかないところも登場しており、オンワードは出品の取りやめを発表しています。
情報源:Fashionsnap 『オンワードがゾゾタウンから全ブランドを取り下げ、退店手続き進める』(2018/12/28)
https://www.fashionsnap.com/article/2018-12-28/onward-zozoexit/
trans+編集部
常時値引きとなるシステムに対して、「根本の考え方」が異なるとして出品取りやめを決定したオンワード。ブランド低下、自社ECサイトや小売店頭との価格差が生じることで正価流通が崩れてしまうことを懸念した上での決断でしょう。一方で、新規顧客の流入ルートとしてZOZOTOWNは大きな存在であることに変わりはありません。オンワードの選択が今後のビジネスにどう影響するのか、注目です。
KDDI、4月よりスマホ決済開始!対象店舗100万店
2018年11月に楽天と提携し、他社に後れをとってスマホ決済への参入を表明していたKDDIが、4月よりスマホ決済「auペイ」を開始することが明らかとなりました。全国100万店で展開する予定で、楽天ペイ対応店舗に加え、JCBの非接触型決済「クイックペイ」対応店舗でも利用できるようになります。新サービスは、既存のスマホアプリ「auウォレット」に組み込まれており、クレジットカード連携に加えauウォレットのポイントで支払いもできることが特徴となっています。
情報源:産経ニュース『KDDI、スマホ決済100万店で開始 国内最大規模で利便性訴求』(2018/12/31)
https://www.sankei.com/economy/news/181231/ecn1812310006-n1.html
trans+編集部
2019年加熱するであろうモバイル決済競争。KDDIとしては、クイックペイ・楽天ペイのシステムを活用することで加盟店獲得コストがかからず、一気に普及の土壌を得られることがメリットでしょう。2018年末に大きな話題をさらったPayPayに続き台風の目になれるのでしょうか。
中アリババ、生鮮食品販売事業の運営見直し!事業再編を実施
12月24日、中アリババは生鮮食品販売事業の再編の一環として、ネットスーパーの天猫超市の運営権を易果生鮮(Yiguo:ネットスーパー)から盒馬鮮生(Hema:無人レジスーパー)に譲渡することを発表しました。今後、易果生鮮では生鮮食品サプライチェーンプラットフォーム構築に注力し、アリババグループ全体のサプライチェーン強化に取り組む計画です。一方で、盒馬鮮生は天猫超市を運営することで、オンラインとオフラインのシームレスなショッピング体験(ニューリテール)を強化していくそうです。また、今回の事業再編と並行して、天猫の組織再編も実施し、天猫ビジネスグループ、天猫超市ビジネスグループ、天猫輸出入ビジネスグループを事業の3本柱とし、さらなるニューリテールの推進に取り組むとしています。
情報源:Produce Report“Alibaba Hands Over Tmall Supermarket Fresh Management from Yiguo to Hema”(2019/01/01)
trans+編集部
上海を中心に中国全土で100店舗を展開する盒馬鮮生は、オンライン注文後30分以内の配達(しかも送料無料!)をする店舗体制が有名で、EC×リアル店舗のO2Oを実現しています。大型スーパーマーケットなどは異なる独自戦略で、「ニューリテール」時代の顧客体験を提供。興味のある方は、YouTube動画で「盒馬鮮生」をご覧いただくと良いですよ。
米Amazon、実店舗展開を拡大!Whole Foodsの郊外展開を計画
米Amazonは実店舗展開を強化しており、Amazon Booksからはじまり、Amazon Go、Amazon 4-Starなどと様々な形態の店舗を展開してきました。今後、店舗数を増やし、2021年までに約3,000店舗にまで増やすことも計画しています。このように実店舗展開の本格展開を始めた同社は、傘下の高級スーパーWhole Foods Marketの店舗を増やすと一部メディアが報道しました。現在、440店舗を展開するWhole Foods Marketは、米国富裕層7500万人の住まいから5キロ圏内と主に都心部で展開していますが、今後、地方展開を進めるといわれています。すでに、アイダホ州やワイオーミング州、ユタ州での職員募集を始めており、これら地域での展開が有望とされています。
情報源:Forbes“Amazon: On A Main Street Near You”(2019/01/01)
https://www.forbes.com/sites/enriquedans/2019/01/01/amazon-on-a-high-street-near-you/#6eae2a162681
trans+編集部
Amazonはもはやオンラインに留まらず、様々な形態でのリアル店舗を出店し小売業界の地図を急速なスピードで塗り替えています。ホールフーズ・マーケット買収後1年余りですが、結果はまだ決して満足いくものではないでしょう。しかし、小売業においてAmazonが手にした価値はここから真価が問われるはずであり、2019年も引き続き私たちの買い物体験を驚くべきものに変えてくれるのではないでしょうか。
米スーパー最大手Kroger、Microsoftとの提携でAmazonに対抗!
米スーパー最大手のKroger(クローガー)は、Microsoftとの提携を通じて店舗のデジタル化を強化することを発表しました。プロジェクトは約1年半前に開始しており、2018年秋にデジタルシェルフシステムが実用化され、現在、約92店舗で導入されています。また、今後、KrogerとMicrosoftの本拠地近くに実験店舗を2店舗開設することが計画されており、これら店舗ではセルフチェックアウトアプリを基軸としたデジタル化を進めていきます。店舗内に張り巡らされたセンサーネットワークを用いて、店舗内での商品在庫状況を追跡し、顧客がアプリで作成したショッピングリストにある商品の陳列場所を見つけやすくするようにアシストします。また、このシステムはオンラインで注文された商品のピッキングにも活用される予定で、ピッキングに要する時間を約半分にまで削減できることを見込んでいます。Krogerは、いずれこれらテクノロジーを他の小売に販売する計画も立てており、すでに一部小売で実験的に導入されているそうです。
情報源:IT Media“Microsoft、米スーパー最大手Krogerとの提携で「Amazon Go」対抗店舗を開店”(2019/01/08)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1901/08/news068.html
trans+編集部
Amazon Goとは少し異なるアプローチでこちらも注目です。個人的には、欲しい商品の棚に近づいた際に商品タグ表示が変更する機能が面白いですね。お使いを頼まれて、メモを片手にスーパー内でウロウロするお父さんたちの強い味方になりそうです。私を含めて(笑)。
印モディ政権の自国産業保護主義は、EC業界にも外資規制という形で影響が強まっています。近年、AmazonやWalmart、アリババなどが、インド市場への投資を積極的に増やしシェアを拡大してきましたが、2018年12月末にインド政府が発表した電子商取引をめぐる新規制により、その勢いがそがれることになりそうです。インド政府は1月に入り、中国からの越境ECの取り締まりを強化し始めており、今春に総選挙を控え2期目を狙うモディ政権は、国民への自国産業保護アピールのために、さらなる施策を打ち出すのか注目されます。 ~トランスコスモス調査部より~ |