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「海外ECハンドブック2020」発売のお知らせ

Today’s Topic
世界の30市場をまとめたEC最新動向のハンドブックを今年も発売!


この度、トランスコスモスは「海外ECハンドブック2020」を発売いたしました。本書では、世界の主要な国・地域30市場について、定量および定性データをまとめております。発売を記念して、今回は「数字で振り返る2019年のグローバルB2C EC市場」と今年より新たに設けたグローバルトピックスより、新型コロナがEC市場に与えた影響についてご紹介します。


目次[非表示]

  1. 数字で振り返る2019年グローバルB2C EC市場と今後の展望
  2. グローバルトピックス!

数字で振り返る2019年グローバルB2C EC市場と今後の展望

・2019年のグローバルB2C EC市場規模は、前年対比119%の約4兆1,272億ドルとなり、今後も年平均11.8%の成長率で拡大し、2029年には約12兆2,565億ドルにまで拡大すると推計される。

・地域別では、アジア太平洋地域が引き続きグローバルEC 市場をけん引し、グローバルシェア約6 割を占める。今後10 年で約7 割にまで拡大するとみられる。

・国別で比較すると、中国市場の規模・成長率は世界最大の規模(1兆9,581億ドル)を誇り、圧倒的な存在感を見せている。成長率に関しても、引き続き14.1%の高い数値を維持しており、EC化率も34.1%。

・もうひとつの注目市場として、インド市場(687億ドル)が挙げられる。2026 年には日本を抜き世界第5 位の市場規模に拡大する見込み。

・その他地域を見ていくと、アメリカ、イギリス、フランスなどの欧米主要国や中国を除く東アジア地域などは、今後も平均5~15%程度の成長率を維持し安定成長する見通し。

・また、東南アジアや南米を中心とした新興国は、市場規模は小さいものの社会インフラ整備が急速に進み、今後も平均10~25%と高い成長率で拡大する見込み。


<世界のB2C EC市場規模推移(2019年-2029年)>

出典:インプレス出版「海外ECハンドブック2020」主要国のECの現状と将来展望 世界のEC市場予測 P14


<各国のB2C EC市場のポテンシャル(2019年-2029年)>

出典:インプレス出版「海外ECハンドブック2020」主要国のECの現状と将来展望 30の国・地域のEC市場ポテンシャル P16


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eMarketerが2020年5月時点に発表したオンラインリテール市場規模は、新型コロナの影響を受け小売市場全体の縮小を鑑みて例年と比べ低い成長率での予測となりました。特に影響を与えているのは中国やインドなどの市場占有率の高い市場予測の下方修正が、グローバル市場の縮小にも繋がっています。なお、同社では12月にもオンラインリテール市場規模のアップデートを発表していますが、各国でのオンラインシフトが進んだことを受け、ほとんどの国では予測の上方修正を行っています。 新型コロナによりデジタルトラベルの売上も大きく下落しています。eMarketerは、アメリカとイギリスのみデジタルトラベル市場の予測を発表していますが、いずれも前年と比べ約50%減となっています。なお、予測によると2022年には2019年規模まで持ち直す見込みです(2020年5月発表)。

※本書では、B2C EC市場を算出するにあたり、eMarketerのオンラインリテールおよびデジタルトラベル市場を合算しています。eMarketerでは、2020年5月にオンラインリテール市場予測のアップデートを例年通り実施したものの、デジタルトラベルに関してはアメリカとイギリスのみ更新したため、横並びで比較するためデジタルトラベル市場に関しては前年データを利用しています。

グローバルトピックス!

ここでは「海外ECハンドブック2020」で取り上げたグローバルトピックスの新型コロナがEC市場に与えた影響について一部抜粋しています。また、本書では掲載できなかったトピックス、執筆後の取り組み動向などもあわせて紹介したいと思います。

■①新型コロナ禍で経済が落ち込む中、ECが活況!消費者の急速なオンラインシフトが進む

新型コロナの感染拡大防止のため各国政府が都市封鎖の実施や外出自粛を求める中で、世界的に消費のオンラインシフトが急激に進んでいる。在宅時間が長くなったことにより、EC利用は増加し、生活必需品に加え、在宅で楽しむことのできるゲーム、運動用品などが売れ筋となっている。一方で、移動や大規模集会の制限により、旅行、イベントチケットなどは減少。また、外出機会が減ったことで化粧品やアパレルの購入も減少傾向にある。 全体的にEC利用が増加したものの、国に応じて異なる感染拡大防止に向けた措置が取られたことにより、各事業者の施策の違いがみられた。例えば、厳しいロックダウンを実施した国では生活必需品が優先的に販売され、自宅待機や外出自粛など緩やかな施策を取り組んだ国では、実店舗小売事業者のウィズ・コロナを意識した非接触型サービス導入が一気に加速した。


<新型コロナのECサイト流入への影響:月間アクセス数(2020/6)>

情報源:Statista "Coronavirus impact on retail e-commerce website traffic worldwide as of June, by average monthly visit "


<Shopifyでの新規出店社数比較(2019Q2と2020Q2)>

情報源:Shopify "Shopify Announces Second-Quarter 2020 Financial Results"


<パンデミック以降オンラインショッピングを増やしている割合(国別比較)>

情報源:We are social "DIGITAL 2020:APRIL GLOBAL STATSHOT"


<インターネット利用者の内オンラインで購入商品を増やしている商材(対象:一部地域16-64)>

情報源:We are social "DIGITAL 2020:APRIL GLOBAL STATSHOT"


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各国で新型コロナの感染拡大対策が繰り広げられことから世界的にオンラインショッピング利用は増えましたが、地域に応じてその規制の厳しさが異なったことから、急増した地域とそうでない地域と差がみられました。一方で、各国で共通した対策としては移動や大規模集会の規制は各国共通しており、そのため物販以上に旅行・イベントチケットはマイナス影響を受けています。本書では取り上げることはできませんでしたが、このようなサービスのデジタル化も進んでおり、例えば旅行では、旅先の景色を360°ビューで楽しめるバーチャル観光ツアーサービスが登場し、2020年9月にAmazonも参入したことで注目を集めました。また、各国でイベントのライブ配信が急増し、韓国人気グループBTSのイベントは191カ国99万人が視聴するなど大盛況となりました。引き続き行動制限が求められる中で、サービスにおいてもデジタルを活用した新しい試みは2021年も増えてくると考えられます。


■②マーケティングチャネルから販売チャネルへと変化するソーシャルメディア、各プラットフォームはコマース機能を強化

新型コロナの感染拡大以降、在宅時間が長くなったことによりソーシャルメディア利用は増えている。特に、抖音(Douyin、英名TikTok)は爆発的に利用を伸ばしており、アメリカではYouTubeに匹敵するほど視聴されている。こうしたトレンドの中で、人気ソーシャルメディアはストア機能を強化し、ブランドや小売事業者がマーケティングにとどまらず販売プラットフォームとしても活用できるようにしている。

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アリババは、ニューマニュファクチャー戦略を打ち出すことで、ブランドが多様化する消費者ニーズに応えるために商品の「カスタマイズ」や「パーソナライズ化」を支援しています。注目を集めた資生堂との提携では、独身の日(11月11日)に共同開発した新商品が1万点以上も販売されたそうですよ。2020年に入り、タオバオでオンデマンド販売サービスの開始や、国産ブランドの商品開発支援などの新しい施策を発表しています。これから、さらにニューマニュファクチャーの取り組みは発展していきそうですね。


■③新型コロナで急成長!中国ライブコマース最新事情と世界への広がり

新型コロナにより実店舗の営業自粛を余儀なくされたブランドや小売は、ライブコマースを活用することでオンライン売上拡大に取り組み始めた。特に、これまで最も盛り上がりを見せてきた中国では、2020年には前年の2倍以上となる約1兆元(約1,400億ドル)規模まで拡大する見込み(艾媒咨询:)。また、中国以外の国でもライブコマースは広がりを見せている。特に、実店舗店員が配信を行うことが増えており、店舗接客のようにリアルタイムに視聴者の疑問に答えながら商品を紹介している。例えば、オーストラリアでは、化粧品小売のMECCAが都市封鎖の開始とともに「Mecca Live」をスタート。店舗店員が新販売商品の紹介など実施。顧客の要望に合ったコンテンツ配信を行うために、専用のFacebookファンページを立ち上げ、配信してほしい商品についても意見を募った。

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中国で盛り上がりを見せていたライブコマースが、新型コロナの影響を受け、世界各地に行われるようになったため、注目トピックスとして取り上げました。本作執筆後も、独身の日のセール中に資生堂がアリババのECサイトで日本から社員による生配信を行い、40万人の視聴者を獲得、売上拡大に大きく寄与するなど引き続き話題となっています。2020年の年末には、セールをライブコマースで実施するケースも増え、日本では三井不動産が新たにライブコマースに参入しました。アメリカではウォルマートがTikTokを活用したライブコマースを開始しており、世界的にライブコマースの広がりを見せています。しかし中国以外ではライブコマースの支配的なプレイヤーが登場しておらず、プラットフォーマーのシェア争いが予想されます。


■④ウィズ・コロナを見据えた実店舗小売の新たな取り組みが加速、非接触型接客に注力!

各国での都市封鎖解除後も、引き続きソーシャルディスタンスを保った実店舗営業が求められる状況下、多くの国では非接触型の接客に注力している。その中でも、特に、オンラインで購入した商品を店舗で受け取るBOPIS(Buy Online Pick up In Store)およびバーチャル接客に取り組むことがひとつのトレンドとなっている。Adobe(リンク)によると、アメリカでは2020年4月以降のBOPISの利用は急増しており、感染者が再び増え始めた7月には、利用率が前年対比23・3%増となった。実際、多くの小売事業者では、BOPISの導入や強化を進めている。

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支払いや受け取り方法のみならず、バーチャル接客などの非接触のサービスが新型コロナの影響で急速に拡大しています。接客に関しては、アバターを活用して専門知識を持った店員が遠隔で接客するサービスを東急ハンズやワコールが2020年の年末に開始し、またバーチャルストア開設を行うブランドが増加するなど執筆後にも新たな取り組みが登場しています。再び感染拡大が進み、世界的に再びロックダウンが始まる中で、引き続き店舗体験をオンラインで提供する新たな取り組みが注目となりそうです。


<編集後記>

「海外ECハンドブック2020」はついに7冊目がリリースされました。在宅で執筆するという初の試みの中で、なんとか出版できたのは社内外のサポートのお陰と、これまで以上に人との繋がりのありがたみを感じています。パンデミックは、私たち執筆チームの環境の変化に留まらず、活用する情報源にも影響がでました。例年と比べ市場データの発表が後ろ倒しとなる、アップデートがないなどの問題も多く発生しました。このような状況で「どのようにデータを扱うべきか、解説するべきか...」といったことにとても悩みました。加えて、各国・地域のトピックスは、読者の方の参考になるようなトレンドを厳選して紹介していますが、新型コロナによりガラッと環境が変わったことで、多くが新型コロナに関連するものとなりました。その中でも、やはり「非接触」対応がひとつ大きなポイントになり、ライブコマースやバーチャル接客、BOPIS強化といった取り組みが世界的に増えた印象を受けています。世界的に2020年末よりワクチン接種の取り組みが進む一方で、イギリスを中心に新種のウイルスが猛威を振るうなど未だ先行き不透明な状況が続くなかで、引き続きオフラインでは「非接触」対応の強化、また、オンラインでは実店舗のショッピング体験をいかに再現し、利便性を向上できるかの重要性が増していくと考えられます。引き続きこれら取り組みに関連する動向をウォッチしていきたいと思います。


■世界のEC市場を解説した書籍「海外ECハンドブック2020」(出版:株式会社インプレス)

トランスコスモスでは、著書「海外ECハンドブック2020」を発刊しています。各国のEC市場規模や詳細なEC市場データ、越境EC市場規模およびEC利用者の推移、EC市場データランキングなど、世界のEC市場がわかる1冊でAmazonで販売中です。ご購入はこちらから。


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trans+(トランスプラス) 編集部
trans+(トランスプラス) 編集部

ITアウトソーシングサービスで企業を支援するトランスコスモス株式会社のオウンドメディア編集部。メンバーはマーケター、アナリスト、クリエイターなどで構成されています。

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