【2021年EC業界ニュース】東南アジア配車大手グラブが米国で上場、時価総額が最大規模の3.9兆円へ ほか
トランスコスモス調査部が厳選する国内・海外EC業界ニュース
今週も国内外問わずEC市場の動きを、ダイジェストでお届けします。
世界30カ国・168の拠点があるトランスコスモスだからこそ伝えられる、
国内外EC業界の「今」が、5分でわかります。
今週のトピックはこちら。
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米国最大級の年末セール「ブラックフライデー・サイバーマンデー」、ショッピファイ・ジャパンは日本市場の購買データを発表
ショッピファイ・ジャパン(Shopify Japan)は、11月26日から11月29日に渡って開催された米国最大級の年末セール「ブラックフライデー・サイバーマンデー(Black Friday & Cyber Monday)」の実績を発表しました。全世界における事業者の流通総額は前年比23%増加の63億ドル(約7,140億円)と過去最高額を記録。また、日本市場では事業者のPOS売上は前年同期と比べ198%成長し、取引のうち81%はモバイル上、19%はパソコン上で前年とほぼ同じ比率で行われました。日本でよく購入された商品として、アパレル&アクセサリー、ホーム&ガーデン、健康・美容グッズがトップ3位となります。なお、今年のカート平均価格は11,152円(前年平均11,090円)となり、消費力は比較的安定しているとみられています。
情報源:PR TIMES 「ブラックフライデー・サイバーマンデーに全世界でShopifyを利用する事業者の流通総額が過去最高となる63億ドル(約7,140億円)を達成」(2021/12/02)
米決済大手スクエアは社名を「ブロック」へ変更、仮想通貨に注力か
12月1日、米決済大手「スクエア(Square)」は、社名を「ブロック(Block)」に変更すると発表しました。欧米大手企業が長く使われた社名を変更するのは初めてではありません。最近でも、メタバースを中核事業にするためフェイスブックの社名が「メタ(Meta)」になったことが注目されました。スクエアは2009年設立以来のブランド名であり、同社小売店やレストラン向けの決済プラットフォームの名前として認知度は高いです。一方、新社名は仮想通貨の基盤技術「ブロックチェーン」に由来すると見られ、主力事業である決済事業以外に同社が将来において仮想通貨事業に注力する姿勢が示されました。なお、社名変更は最速でも12月10日から実施するとしています。
情報源:日本経済新聞 「ドーシー氏率いる米決済スクエア、社名「ブロック」に」(2021/12/02)
東南アジア配車大手グラブが米国で上場、時価総額が最大規模の3.9兆円へ
12月2日、ソフトバンクからの出資を受けている東南アジア配車アプリ大手「グラブ(Grab)」が米ナスダックで上場しました。同社は、未公開会社の買収を目的として設立される法人である「アルティメーター・グロース(Altimeter Growth)」との合併により、上場後の時価総額が346億ドル(約3.9兆円)と過去最大の規模となります。グラブは東南アジアの巨大IT企業として投資家から注目を集めていますが、最近新型コロナウイルスの新変異型「オミクロン型」の感染拡大による業績への影響が懸念され、株価は前日比21%安で取引を終えるなど、厳しいスタートとなりました。
情報源:日本経済新聞 「SBG出資のグラブ、SPAC上場で最大 株価は振るわず」(2021/12/03)
フェイスブック・メッセンジャー、米国で新しい割り勘機能をテスト展開
12月5日、チャットアプリの「フェイスブック・メッセンジャー(Facebook Messenger)」は、新しい割り勘機能「スプリット・ペイメンツ(Split Payments)」の実証実験を米国で開始すると発表しました。同機能は、メッセンジャーのグループチャットまたは設定の「ペイメンツ・ハッブ(Payments Hub)」からアクセスでき、ユーザーに対して割り勘する支払い情報の記入を求めます。その後、同社の決済機能「フェイスブック・ペイ(Facebook Pay)」を介して支払いは処理されます。現時点でサービス利用料は無料です。なお、米国ユーザーを対象に12月中旬から展開されるため、割り勘機能を利用する際、送金や受け取りを行うために米国のデビットカードとリンクする必要があります。
情報源:TechCrunch Japan 「Facebook Messengerが米国で新しい割り勘機能『Split Payments』をテスト中」(2021/12/05)
ティックトックの親会社、独立ネット通販アプリをリリース
中国発のショットビデオプラットフォーム「ティックトック(TikTok)」を運営する「バイトダンス(Bytedance)」は、独立ネット通販アプリ「ファノー(Fanno)」を欧州でリリースすることが報じられました。ティックトックにもショッピング機能が搭載されていますが、同アプリは前者と独立して格安通販サイトとして運営されるとしています。すでに11月下旬にフランス、ドイツ、イタリア、スペイン、英国のAndroidとiOSユーザーに向けてテスト展開されており、アパレル、アクセサリー、美容などのカテゴリをカバーする約40,000点の商品を取り扱っています。また、新規ユーザーが僅か0.01ポンド(約1.5円)の割引価格で商品を購入すると、無料配送や14日間以内の無条件返品サービスを利用できるなどのキャンペーンを打ち出して、新規利用の拡大を狙っています。
情報源:SCMP NEWS " Chinese tech unicorn ByteDance pushes Fanno shopping app in Europe "(2021/12/06)
楽天、一律送料無料制度について、改善措置を発表
12月6日、楽天グループは、一律送料無料制度に関して、新たな改善措置を発表したことが明らかにされました。楽天送料問題の経緯としては、同社がアマゾンジャパンへ対抗するために、2019年に全出店者向けに3,980円以上の購入で送料無料の制度を打ち出しましたが、独占禁止法違反に当たると一部の出店者から反発が起こりました。公正取引調査を受けた楽天が出した今回の改善策では、出店者側の参加・不参加の意思を尊重することに加え、不参加の場合に検索ページで商品の表示順位を下げるなど不利の扱いをしないなどのいくつかの措置が挙げられます。公正取引委員会は楽天のこうした対応について、確認後に審査を終了するとしました。なお、新たな改善措置は12月末までに実施される予定です。
情報源:日本経済新聞 「楽天、送料問題で出店者の意思尊重 公取委に改善申し出」(2021/12/06)
アリババ、国内および国際的なネット通販を強化するため、大規模な組織変更を発表
12月6日、中国ネット通販大手「アリババ(Alibaba)」は、大規模な経営陣の再編を発表しました。入社15年以来、同社3件の株式上場に貢献したCFO(最高財務責任者)であるマギー・ウー(Maggie Wu)氏の2022年4月での交代を含む、合計4人の幹部の役割を変更することになります。アリババによると、組織再編の背景として、国内および海外におけるネット通販事業の強化を目的としています。今回の発表は、2015年に創立者のジャック・マー(Jack Ma)氏がCEOを退任して以来、大規模な組織変更として注目されています。
情報源:TechCrunch Japan 「中国アリババがCFO交代を含む大規模な経営陣の再編を発表」(2021/12/07)
今週の注目は「配車大手GRABのSPAC上場」だよ! |