【2024年EC業界ニュース】ブラジル市場にてSHEINとMercado Libreが出店事業者の囲い込みを強化
トランスコスモス調査部が厳選する国内・海外EC業界ニュース
今週も国内外問わずEC市場の動きを、ダイジェストでお届けします。
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ブラジル市場にてSHEINとMercado Libreが出店事業者の囲い込みを強化
中国格安ECサイトSHEIN(シーン)とアルゼンチンのEC事業者Mercado Libre(メルカドリブレ)が、ブラジル最大の衣料品生産地区であるブラス地区にて、出店事業者の囲い込み競争を激化させています。
ブラス地区の商店主のうち65%が未だオンライン販売しておらず、SHEINとMercado Libreは出店特典の拡充で新規参入を募っています。SHEINは新規出店事業者に対し初月30日間は販売手数料を免除し、14ドル(約2,120円)以上の注文の無料配送を提供します。
対してMercado Libre はブラス地区内に新拠点を建設し、3ヶ月間のECコンサルタントの提供、商品の写真撮影、16ドル(約2,420円)以上の注文の無料配送、さらには商品出荷の支援などを提供します。
ブラジル政府は2023年10月、海外EC事業者との不公正な競争に対する地元小売業者の不満に対し新たな税務コンプライアンス・プログラムを開始しました。このプログラムでは、消費者が支払う輸入製品の税金が標準化され、プログラムを遵守する企業は50ドル(約7,571円)以下の輸入が免税となります。
対して小口取引が多いSHEINは消費者に課せられる税金を負担することで、利用率を高めています。
アダストリア 2024年2月期の連結決算を発表
中国の格安ECサイトのグローバル展開が急激に進む中で、韓国市場ではローカル事業者との競争が激しくなっています。
3月に入り、中Alibaba(アリババ)は3年間で11億ドル(約1,650億円)を韓国市場に投じることを発表しました。年内に2億ドル(約300億円)を物流拠点の構築、1億ドル(約150億円)を地場中小企業の越境販売の支援を計画しています。
また「Temu」(ティームー)も、4月に入り、正式に韓国国内に支社の設立を認めました。今後、地場事業者との協業を視野も計画しています。
海外勢が積極的な投資を進める中で、地場最大手の「Coupang」(クーパン)も、今後3年間で22億ドル(約3,300億円)を投じてロケット配送サービスの拡大を発表しました。2026年までに国土カバー率88%、2027年には全土での提供を目指します。
情報源:株式会社アダストリア「2024年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2024/4/4)
Amazon インドでノーブランド専門店「Bazaar」の提供を開始
米Amazon(アマゾン)は、インドでAndroidアプリ向けに「Bazaar(バザー)」と呼ばれる低価格商品専門店をオープンしました。600インドルピー(約1,100円)以下の衣料品や時計、靴、宝飾品などのノーブランド商品を手頃な価格で提供しています。
これにより、Amazonはインドのティア2、3およびそれ以上の地方都市で消費者の囲い込みをねらっています。
Inc42 によると、インドの EC市場は2030年までに4,000億ドル(約60兆4,500億円)の規模に達すると予測しています。
情報源:Inc42 "Amazon Launches 'Bazaar' To Offer Unbranded Fashion & Home Products"(2024/4/7)
韓国 2024年第1四半期における化粧品輸出額が過去最高を記録
米「Amazon」(アマゾン)は、提供する手のひら認証技術の登録手続きを簡素化するに当たり、新たに「Amazon One」(アマゾン・ワン)アプリの提供を始めました。
これまで手のひら認証による支払いサービスを利用するためには、対応店舗で情報の登録を必要としていましたが、アプリ経由での登録に対応します。写真での手のひらの情報登録に加え、支払い方法や会員情報などの登録も可能となりました。
Amazonは顧客の手のひらの画像は暗号化され、デバイスに保存されないことを保証し、また、情報はいつでも削除できます。登録後は、手のひら決済が対応する500以上のWhole Foods Market(ホール・フーズ・マーケット)の店舗に加え、150以上の外部パートナー店舗で利用が可能です。
Amazonによると、Amazon Oneはすでに800万回以上利用されており、Whole Foods Marketで手のひら決済を利用する顧客の8割以上が、リピーターとなっています。
情報源:VIETJO「韓国、Q1化粧品輸出額が過去最高に 輸出先でベトナムが第4位」(2024/4/8)
PayPay Temuにてサービスを開始
QRコード決済大手のPayPay(ペイペイ)が、中国格安ECサイトTemu(ティームー)にてサービスを開始しました。国内QRコード決済事業者として初の参入で、日本市場で急拡大するTemuの需要からサービス利用の増加をねらう見込みです。
特典制度「PayPayステップ」の対象となり、PayPayで決済すると最大2.0%のPayPayポイントが付与される予定です。
PayPayはこれまで実店舗を中心に事業拡大していましたが、コロナ禍以降はオンラインサービスへの導入も強化しています。
世界中で注目を集めるTemuに参入することで若年層を含む幅広いユーザーの利用を促進するねらいです。
情報源:36Kr 「PayPay、利用者急増の中国発格安EC「Temu」で利用可能に 狙いは決済回数増加」(2024/4/9)
今週の注目はブラジル最大の衣料品生産地区にてSHEINとMercado Libreが出店事業者の囲い込み競争です。Mercado Libreは地区内に拠点を新設し、ECコンサルから出荷まですべてを支援しています。 |