【2024年EC業界ニュース】楽天グループ 2024年第2四半期決算を発表 第2四半期として過去最高の売上高
トランスコスモス調査部が厳選する国内・海外EC業界ニュース
今週も国内外問わずEC市場の動きを、ダイジェストでお届けします。
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目次[非表示]
- ・MercadoLibre 2024年第2四半期決算を発表 ブラジル市場とメキシコ市場の急成長により好調
- ・Coupang 2024年第2四半期決算を発表 前年同期比41%増の利益拡大を記録
- ・楽天グループ 2024年第2四半期決算を発表 第2四半期として過去最高の売上高
- ・「@COSME」運営のアイスタイル 2024年6月期連結決算を発表 EC事業が好調で過去最高の業績を達成
- ・Walmart 2024年第2四半期決算を発表 低価格戦略が好調に寄与
- ・JD.com 2024年第2四半期決算を発表 価格戦略奏功で業績好調
- ・米国ソーシャルコマース利用者はアパレル購入にInstagram、美容品購入にTikTokを最も利用 PYMNTS調査
MercadoLibre 2024年第2四半期決算を発表 ブラジル市場とメキシコ市場の急成長により好調
8月1日、アルゼンチン大手EC事業者MercadoLibre(メルカドリブレ)が2024年第2四半期決算を発表しました。売上高は前年同期比42%増の51億ドル(約8,032億円)、純利益は同103%増の5億3,100万ドル(約775億2,956万円)と好調でした。主にブラジル市場とメキシコ市場の急成長が寄与しました。
GMV(流通総取引額)は全体で前年同期比20%増の126億ドル(約1兆8,396億円)を記録しました。ブラジル市場では前年同期比36%増、メキシコ市場で同30%と強い成長率を記録しています。
プラットフォーム全体のユニークバイヤーは前年同期比19%増の5,660万人を記録し、2021年第2四半期以来の急成長を記録し、ブラジル市場がこの成長に大きく寄与しました。同社はマーケットプレイスの購買体験を向上させることで、CX向上を目指しています。
また、出店事業者もMercadoLibreのプラットフォーム上で多くのキャンペーンを実施しています。その結果、同社の短編動画プラットフォーム「Clips」を活用したアフィリエイトキャンペーンなどが活発化し、視聴者数とGMVを拡大させています。同社は今後もプラットフォームのサービス拡充を行い、顧客体験の向上を目指す予定です。
情報源:MercadoLibre "Q2'24 Results Investor Presentation"(2024/08/01)
Coupang 2024年第2四半期決算を発表 前年同期比41%増の利益拡大を記録
8月6日、韓国大手EC事業者Coupang(クーパン)が2024年第2四半期決算を発表しました。売上高は前年同期比25%増の73億ドル(約1兆1,550億円)で総利益は前年同期比41%増の21億ドル(約3,100億円)を記録しました。
アクティブユーザー数は前年同期比12%増の2,170万人と好調でした。品揃えの充実など顧客体験の向上と低コスト運営への注力が寄与しました。
また、同社は台湾市場に注目しており商品の品揃えやサービス、割引の拡充により新規顧客の獲得に注力しています。
情報源:Coupang "Coupang Announces Results for Second Quarter 2024"(2024/08/06)
楽天グループ 2024年第2四半期決算を発表 第2四半期として過去最高の売上高
8月9日、楽天グループは2024年第2四半期決算を発表しました。連結売上高は前年同期比8.1%増で、第2四半期として過去最高の5,373億円を記録しました。
特にインターネットサービス事業における、米国のオンライン・キャッシュバック・サービス「Rakuten Rewards」など海外ECコンテンツの顧客基盤の拡大が増収に大きく寄与したとCEOの三木谷浩史氏は説明しています。
また、国内ECにおいては流通総額の成長率が前年同期比4.8%減と鈍化した一方、売上高が同3.1%増の3,039億円を記録。「楽天市場」での新規顧客獲得やクロスユースの促進が寄与しました。
情報源:楽天グループ株式会社「2024年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)」(2024/08/09)
「@COSME」運営のアイスタイル 2024年6月期連結決算を発表 EC事業が好調で過去最高の業績を達成
化粧品口コミサイト「@COSME」を運営するアイスタイルは、2024年6月期連結決算を発表しました。売上高は前期比30.8%増の560億円となり、純利益は4.4倍の12億円で過去最高の業績を記録しました。特にEC事業を含むリテール事業の好調が業績に貢献しました。リテール事業の売上高は前期比44.2%増の421億円となりました。
EC部門では、同社が主催するイベント「@COSME BEAUTY DAY」と「@COSME SPECIAL WEEK」が過去最高の流通総額を達成しました。店舗部門では、2023年9月にオープンした大型旗艦店「@cosmeOSAKA」や既存店も好調に推移しました。EC事業と店舗事業の相乗効果により、大幅な増益を実現した、と同社は説明しています。
2025年6月期の売上高を前期比14.1%増の640億円と予想しており、この成長を実現するため、国内店舗の出店を加速させるとともに、EC事業においてもこれまで培ってきた販売力やデータの活用を強化する方針です。
情報源:株式会社アイスタイル「2024年6月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2024/08/14)
Walmart 2024年第2四半期決算を発表 低価格戦略が好調に寄与
8月15日、米大手小売事業者Walmart(ウォルマート)が2024年第2四半期決算を発表しました。売上高は前年同期比4.8%増の1,693億3,500万ドル(約24兆7,240億円)で、営業利益は8.5%増の79億4,000万ドル(約1兆1,592億円)でした。
消費者のインフレ疲れに対して、低価格戦略を進めた点が売上拡大に寄与しています。また、EC事業の売上高は全体で同期比21%増加しました。店舗のピックアップ&デリバリーや、オンラインマーケットプレイスの好調が寄与しています。
CEOのDoug McMillon(ダグ・マクミロン)氏によると、同社の低価格戦略が消費者を引き付けており、低価格を訴求する会員制量販店事業のSam's Club(サムズクラブ)は売上が前年同期から5.2%拡大しています。
情報源:Walmart Inc. "Walmart Releases Q2 FY25 Earnings"(2024/08/15)
JD.com 2024年第2四半期決算を発表 価格戦略奏功で業績好調
8月15日、中国大手EC事業者JD.comが2024年第2四半期決算を発表しました。売上高は前年同期比1.2%増の2,914億元(約5兆9,660億円)で、純利益は同92.1%増の126億元(約2,738億円)を記録しました。CEOのSandy Xu(サンディ・シュウ)氏によると、低価格戦略が業績に寄与しました。
特に、2024年6月に開催された大規模セール「618商戦」にて、JD.comは取引高と注文数が過去最高を記録しました。競争が激化するEC業界の中で、同社は低価格戦略への継続的な取り組みを行うと強調しています。
情報源:JD.com "JD.com Announces Second Quarter and Interim 2024 Results"(2024/08/15)
米国ソーシャルコマース利用者はアパレル購入にInstagram、美容品購入にTikTokを最も利用 PYMNTS調査
PYMNTSが米国で行ったソーシャルコマース調査によると、過去30日間にソーシャルメディアで商品を購入した消費者のうち、最も購入割合が多い商材は14%のアパレルでした。
購入先プラットフォームとして最も人気があったのはInstagramで、商品を購入した消費者の内、47%がアパレル商品を購入しています。
一方、2番目に購入割合が多い商材は美容品で、購入先としてTikTokが最も利用されていました。専門家によると、ソーシャルコマースの発展に伴い、プラットフォームによって購入されやすい商品が変化しています。
インフルエンサーやクリエイターのPR活動もプラットフォームによって変化しており、ブランドプロモーションの方法も一層多様化すると専門家は分析しています。
情報源:PYMNTS "Social Commerce Shoppers Pick Instagram for Apparel, TikTok for Beauty"(2024/08/09)
今週は各EC事業者の決算発表が続きました。楽天グループは第2四半期として過去最高の売上高を達成し、WalmartやJD.comは低価格により業績が好調でした。 |