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DMWF Asia ~コロナ禍におけるアジア諸国でのデジタルマーケティング事情~

12月2日に、DMWF Asia(Digital Marketing World Forum Asia)のバーチャルカンファレンスが開催されました。DMWFは、12年以上にわたりグローバルのデジタルマーケティングコミュニティー向けに、デジタルマーケティングテクノロジー、VR、人工知能、インフルエンサーマーケティング、UX、CX、Eコマース、コンテンツマーケティング、データ、アナリティクス、モバイルといったトピックスに関連するトレンドや取り組み事例を紹介しています。

2020年は、新型コロナの感染拡大の影響を受け、大陸単位でのバーチャルカンファレンスを開催。今回参加したアジアのイベントでは主要プラットフォーマーの法人営業担当やユーザー企業のデジタルマーケティング責任者など25名が登壇。主なテーマとして、コロナ禍におけるライブコマースや越境販売、データドリブンマーケティングなどの動向について紹介されました。

ここでは特に、多くのセッションで重要性が指摘されていたデータドリブンマーケティングや盛り上がりを見せるソーシャルコマースの活用事例についていくつか取り上げたいと思います。


目次[非表示]

  1. コロナ禍で盛り上がりを見せるソーシャルコマース!Facebookを活用したライブコマースや越境販売が注目
    1. ① Loonny Store:Facebook × ライブコマース/対話コマース
    2. ② QUEENSHOP:Facebook×越境販売
  2. 注目を集めるデータドリブンマーケティング、オンライン・オフラインの両方での活用が進む!
    1. ZALORA、自社で保有するデータを活用し、ブランドの商品開発から販売までを支援
    2. FoodPanda、販売データと気象データを活用したダイナミック屋外広告

コロナ禍で盛り上がりを見せるソーシャルコマース!Facebookを活用したライブコマースや越境販売が注目

コロナ禍において、世界的にソーシャルメディア利用率が増加したこと、また各主要ソーシャルメディアがショッピング機能を拡充してきたことを背景にソーシャルコマースが盛り上がりを見せています。

特に、東南アジアではFacebook利用率が高いことを背景に、同プラットフォームにおけるソーシャルコマースの取りが急増。Facebook自身も「対話コマース」や「ライブコマース」、「越境販売」におけるショッピングソリューションの提供に注力しています。


① Loonny Store:Facebook × ライブコマース/対話コマース

タイの人気アパレルブランドLoonny Storeは、以前から東南アジア最大手オンラインマーケットプレイスLAZADA上でライブコマースを実施することで売上拡大に成功していました。さらなる売上拡大に向けて他のプラットフォームを活用したいと考えましたが、ライブコマースを実施しながらリアルタイムでの受注管理を行うことは困難で、特に顧客のコメントの見落としによる販売機会損失が課題となっていました。

そこでFacebookのライブ配信機能とFacebook PartnerであるAIを用いたソーシャルコマースに特化したソリューションを提供するShoplusのツールを活用しました。

Shoplusのツールは、AIがライブ配信の視聴者の中で購買意欲の高いコメントを残した利用者を特定します。そしてFacebook Messenger経由でチャットボットが商品の注文受付や請求書発行などの受注プロセスを自動化することができます。これによりLoonny Storeの店員は商品紹介に専念することができ、これまで約半日かかっていた受注確認業務をわずか数分にまで大幅短縮することができました。AIチャットボットがタイムリーに視聴者から注文を受け付けることができたため、ライブコマースの受注件数は20%増加、さらに平均購入単価も15%増やすことに成功しました。


<Loonny StoreがFacebook上で実施したライブコマースのイメージ>


② QUEENSHOP:Facebook×越境販売

台湾の人気アパレルブランドQUEENSHOPは、マレーシアやシンガポールなどの海外展開を強化したいと考えました。しかし、同社では海外市場向けECサイト構築やマーケティングオペレーションの人材が不足していたため、Facebook PartnerでもあるSHOPLINEの提供するECサイト構築やソーシャルコマースを支援するツールを活用しました。

SHOPLINEではマレーシアとシンガポール市場に参入する上での戦略構築のための調査から、ECサイト構築、物流や決済面でのローカライズに加え、Facebook上での広告キャンペーンまでを支援。例えば、Facebook広告を活用する上で、地域の25歳以上のファッションに関心の高い女性をターゲットとした認知度向上を狙い、以前QUEENSHOPの商品に興味を示した層に対するダイナミック広告によるリターゲティングを実施しました。

こうした取り組みの結果、QUEENSHOPは、1か月間で82%成長を遂げることに成功し、新規顧客獲得率は41%増、また広告回収率も81%改善され、海外販売において好調な出だしとなりました。


<QUEENSHOPのグローバルECサイト、多言語・多通貨に対応している>


これら事例から、いかにソーシャルメディアがコマース領域においても重要性を増していることがわかります。そのため、Facebookでは、提供するショッピングを含むあらゆる機能を組み合わせることで、ショッピング体験向上に繋げることができるため活用しない手はないと主張しています。

注目を集めるデータドリブンマーケティング、オンライン・オフラインの両方での活用が進む!

多くのセッションではデータドリブンマーケティングの重要性が指摘されています。特にコロナ禍により消費行動が大きく変化したことや、グローバルに5G通信の普及が進む中で、今まで以上にデジタルメディア利用を後押し様々な消費に関連するデータの取得がしやすくなっています。企業は、これらデータの活用で早く消費行動の変化を把握し施策に落とし込むことで競争力の高いブランド形成に役立てることができます。

データドリブンマーケティングを支援する上で、プラットフォーマーも積極的に自社で抱えるデータを提供する傾向がみられ、ここでは東南アジアにおけるデータドリブンマーケティングの最新事例として紹介された大手ファッションECサイトZALORAと、フードデリバリーサービスFoodPandaの取り組みを紹介します。


ZALORA、自社で保有するデータを活用し、ブランドの商品開発から販売までを支援

大手ファッションECサイトZALORAでは東南アジア市場の進出支援の一環として、これまでオンラインに留まらずオフラインイベントの開催などにより、ブランドの認知~購買までの各フェーズを支援してきました。

しかし、コロナ禍においてオフラインイベントの開催が難しくなった状況下、自社で保有する地域や商品別の販売データや東南アジア地域毎の特性へのナレッジに基づいたブランド支援を強化しています。具体的には、2020年4月より「Trender」と呼ばれるデータツールの提供を開始しました。

Trenderでは、6市場にわたるトランザクションデータからインサイトを取得できます。例えば、コロナ禍では、外出機会が減ったことによりアパレルの売れ行きが低迷したといわれていますが、Trenderによると実際最も打撃を受けたのはドレス、一方でスポーツ関連用品の売れ行きは好調でした。ZALORAに出店するブランドは、Trenderを活用することでマーケティング、マーチャンダイジング、商品開発が可能となります。


<Trenderの利用イメージ>

TableauのWebサイトより引用:https://www.tableau.com/solutions/customer/zalora-sets-standard-data-driven-retail-and-powers-new-insights-brands


FoodPanda、販売データと気象データを活用したダイナミック屋外広告

屋外広告を支援するMoving WallsのグループCEO Srikanth Ramachandran氏は、最近ではリアルでのデータドリブンマーケティングもひとつのトレンドとなっていることを紹介しました。特に、新型コロナの感染拡大にともない、2020年6-9月の間に東南アジアでは小売や公共施設において自動販売機に加え、検温計やハンドサニタイザーの設置が進んでいることを背景に、今後はこれらを活用したダイナミックデジタル屋外広告の取り組みが増えると見込んでいます。そして具体的な取り組みとしてフードデリバリーサービスFoodPandaの取り組みを紹介しました。

FoodPandaは、自社の保有する販売データを気象データと組み合わせることで、時間帯に応じて異なる屋外広告を打ち出す取り組みをフィリピンで行いました。具体的には、通勤時間帯であればコーヒーのピックアップを促す広告、天気の良い日ではアイスクリーム屋の広告、また雨が降った日の帰宅ラッシュ時間には在宅で楽しめるメニューなどのクリエイティブを配信しています。


<コメント>

セッションを通じて、改めてデータドリブンマーケティングの重要性を感じました。特に新型コロナは大きく消費行動を変化させています。そのため、ブランドや小売は顧客ニーズの変化をとらえた施策を打ち出すためにデータ活用が重要となります。

今回様々なセッションを視聴した中で、特に面白いと感じたのは、パンデミックを機にリアルでのデータドリブンマーケティングの可能性が広がっており、自動販売機やハンドサニタイザーなどにも、ダイナミックデジタル屋外広告を配信する事例が増えていることです。ここ数年、顧客体験を向上するためにはオンライン・オフラインのシームレスな体験構築の重要性が問われていますが、これまでその体験をつなぎ合わせるデバイスとしてモバイルを中核に据えることが多かったですが、今後、ダイナミックデジタル屋外広告を活用したデータドリブンマーケティングも、ひとつの手段として導入が進むのではないでしょうか。

今後は、東南アジア問わずリアルでのデータドリブンマーケティングの先進的な取り組みにも注目していきたいと思います。


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trans+(トランスプラス) 編集部
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