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【国内・海外EC業界ニュース】マイクロソフトがリテールテックを加速させる!流通業の支援策を発表!Weekly Picks! 1/31-2/6

トランスコスモス調査部が厳選する国内・海外EC業界ニュース

今週も国内外問わずEC市場の動きを、ダイジェストでお届けします。

世界33カ国・171の拠点があるトランスコスモスだからこそ伝えられる、

国内外EC業界の「今」が、5分でわかります。


今週のトピックはこちら。

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目次[非表示]

  1. 京東集団、タイ小売大手と共同でスマホ決済「Dolfin e-Wallet」を発表
  2. 公正取引委員会、電子商取引で大手3社に独禁法上問題を指摘
  3. アマゾン、中東市場で新規マーケットプレイス開設を計画
  4. マイクロソフト、日本で流通業のデジタルトランスフォーメーションを加速する支援策を発表
  5. 米ウォルマート、傘下ミントラのPBをカナダで販売開始

京東集団、タイ小売大手と共同でスマホ決済「Dolfin e-Wallet」を発表

1月29日、中国EC大手京東が、タイ小売大手セントラル・グループと共同でスマホ決済「Dolfin e-Wallet」を発表しました。Dolfin e-Walletは、いわゆるQRコード決済でサービス提供に当たり、地場金融大手のバンコク銀行やカシコン銀行が協力するほか、タイの金融機関の統一決済システム「Prompt Pay」にも接続することで、セントラル・グループの百貨店はじめ、国内の約3,000万店舗での支払いが可能となります。まずは、銀行の顧客をターゲットとし300万から500万人の利用者獲得を目指し、今後4年間で1,000万人まで増やす計画です。タイ銀行によると、モバイルバンキングトランザクションは急増しているそうです。現在、EC市場規模のうち、約4割がソーシャルコマースを占め、600億バーツ(18億ドル)以上のトランザクションはP2P決済を通じて行われているそうです。今後も、スマホを含むモバイル・デジタル決済は爆発的に伸びるとされています。

情報源:日本経済新聞『タイ小売り大手と京東集団、タイでスマホ決済開始』(2019/01/29)

https://s.nikkei.com/2URVnsA

  trans+編集部

統一システムと連携することでモバイル決済の土壌が一気に浸透することが期待されますね。国家の中枢システムとの連動の一方で、日本では多数のサービスが乱立し始めています。こうした世界の動きと併せて引き続き動向に注目です。

公正取引委員会、電子商取引で大手3社に独禁法上問題を指摘

1月29日、公正取引委員会は『消費者向けeコマースの取引実態に関する調査について』を発表しました。調査では、小売、メーカー、オンラインモール運営事業者など117社向けのヒアリング調査および、オンラインモールで月1回以上買い物をする一般消費者2,000名を対象としています。消費者のEC利用動向および出店者動向を見ていくと、大手3社(社名は非公開)のオンラインモールに集中しており、これら事業者は運営分野において有力な地位を占めている状況です。そのため、公正取引委員会では競合他社の排除や出店事業者に対する取引条件を一方的に不当に変更することがあれば、独占禁止法上問題となる可能性を指摘しました。公正取引委員会は、オンラインモールがEC市場を支える上で重要な役割を担っていることに対する理解を示しながらも、独占禁止法に違反する行為があれば、それに対して厳正に対処する姿勢を見せています。

情報源:公正取引委員会『消費者向けeコマースの取引実態に関する調査について』(2019/01/29)

https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2019/jan/190129.html

  trans+編集部

出店先での販売取りやめについて、小売業者の40%が「容易にはやめられない」と回答しているように、大手プラットフォームが小売業者にとってはもはや生命線になりつつあります。昨今では中国含めた海外からも多くの小売業者が出店しています。ますます出店業者は増え続けます。国内外問わず、モール出店の一本足ではなく、並行して自社基盤を軸にした販売体制の構築がますます重要になるでしょう。

アマゾン、中東市場で新規マーケットプレイス開設を計画

アマゾンが中東で新規マーケットプレイス開設を計画していることが発表されました。同社は、2017年に地場最大手のSouq.comを約5.8億ドルで買収しており、以来バックエンドシステムをAmazon.comと統合しながら、米国販売事業者の中東市場向け販売を支援してきました。CNBCの報道によると、アマゾンは出店事業者に対してSouq.comへの登録差し止めを始めており、いずれ同ECサイトを閉鎖するのではないかと噂されていますしかし、Souq.conは、2018年12月に3拠点目となる物流拠点をドバイに開設しており、新たに600名の採用を発表したばかりです。まだ、アマゾンの新設するといわれるECサイトの開始時期は未定ではありますが、その動向が注目されます。

情報源:CNBC『Amazon plans to launch a new Middle East marketplace, two years after buying Souq for $580 million』(2019/01/29)

https://www.cnbc.com/2019/01/29/amazon-new-middle-east-marketplace-rivals-souq.html

  trans+編集部

「市場」という意味を表す“Souq(スーク)”は中東圏最大のeコマースプラットフォーム。その圧倒的知名度・ブランドではなく、Amazonブランドとしてマーケットプレイスを展開するのでしょうか。Amazonの世界戦略に注目が集まります。

マイクロソフト、日本で流通業のデジタルトランスフォーメーションを加速する支援策を発表

1月29日、マイクロソフトは最新テクノロジーとデータを活用してビジネスモデルを変革し、顧客志向で革新的なサービスを提供する次世代店舗モデル「Smart Store」の実現に向けた支援策の提供開始を発表しました。賛同事業者としてイオン、ローソン、ディスカウントストア大手のトライアルカンパニーを挙げています。今回の支援策は、日本市場に合わせたものになっており、流通各社が急速に変化していくビジネス環境への迅速な対応を支援します。Smart Storeのソリューションには、①流通業者の共通システムである「リファレンスアーキテクチャー」の提供、②AIやIoTをはじめとする先進テクノロジーを活用したシステム構築に関する技術的な知識の習得を支援する「Smart Store」技術者育成プログラム、③競合他社との差別化した新規ビジネス開発に向けたコンサルティングサービスやアイディアソンの開催で構成されます。

情報源:マイクロソフト『流通業のデジタルトランスフォーメーションを加速する支援策を発表』(2019/01/29)

https://news.microsoft.com/ja-jp/2019/01/29/blog-smart-store/

  trans+編集部

日本でもリテールテック業界が盛り上がっていますね。米国では流通業界売上高1位のウォルマートや2位のクローガーなどが、マイクロソフトと戦略提携を締結済み。自社でシステムを構築するにはハードルが高いソリューションも、こうしたオープンソース化により多くの流通小売り業者は恩恵を受けることでしょう。

米ウォルマート、傘下ミントラのPBをカナダで販売開始

米ウォルマートが、カナダ市場向けに傘下インド大手ECミントラ(フリップカート)のアパレルプライベートブランド “All About You” の販売を始めます。同ブランドは、人気ボリウッド女優ディーピカー・パードゥコーンがプロデュースするブランドとして注目を集め、2018年時点でフリップカートの売上の25%、2019年には30%を超えるとも言われています。現在、カナダではトロント中心にアジア人コミュニティが形成されており、多くのインド人はウォルマートの商圏内に住んでいます。今回、All About Youの取り扱いを開始することにより、直接この層へのブランド訴求が可能となることで注目を集めています。

情報源:Chain Store Age『Walmart Canada takes cultured approach to e-commerce』(2019/01/31)

https://www.chainstoreage.com/technology/walmart-canada-takes-cultured-approach-to-e-commerce/

  trans+編集部

積極的なデジタル戦略を繰り広げるウォルマート傘下の印フリップカート。160億ドル(約1兆7千億円)とも言われた2018年5月の買収劇が話題となりましたが、13億人市場と言われるインド本国だけでなく、ウォルマートの包囲網を活かした各国のインド人コミュニティへの展開も注目です。


POINT

アマゾンが、ついに自ら中東市場へ参入します。同社は2017年に地場最大手のオンラインショッピングプラットフォームSouq.comを買収していますが、単独参入ではUAEとサウジアラビアの順でECサイトを新設するといわれています。現在、アマゾンの売上の7割弱は北米市場が占め、海外売上では英・独・日の売上比率が高い状況です。一方で、ここ数年間注力してきた中国やインド市場については競争環境が激しく赤字が続いています。強化する中東市場は、英語を話すことのできる億万長者が多く住んでおり、また、アマゾンはSouq.comから得たナレッジを持つためビジネスのしやすい環境と考えられます。中東市場への参入強化によって、今後、アマゾンが海外売上を拡大することができるか注目されます。


~トランスコスモス調査部より~


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wataru_matsuno
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