【国内・海外EC業界ニュース】Amazon、ニューヨークで現金支払いのAmazon Go第一号店をオープン! Weekly Picks! 5/8-5/14
トランスコスモス調査部が厳選する国内・海外EC業界ニュース
今週も国内外問わずEC市場の動きを、ダイジェストでお届けします。
世界33カ国・171の拠点があるトランスコスモスだからこそ伝えられる、
国内外EC業界の「今」が、5分でわかります。
今週のトピックはこちら。
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Amazon、ニューヨークで現金支払いのAmazon Go第一号店をオープン!
5月7日、Amazonがニューヨークで現金支払いに対応するAmazon Goを開店しました。この動きは、銀行口座を持たない利用者がAmazon Goで買い物をできないという批判や、今年に入りフィラデルフィア州とニュージャージー州で相次いでキャッシュレス店舗を禁止する法律が成立したことが背景にあるといわれています。サンフランシスコ連邦準備銀行によると、アメリカにおけるすべてのトランザクションの内、2017年時点で約3割は未だに現金であり、特に10ドル(約1100円)以下の少額決済では現金が多い状況です。そのためAmazon Goの現金対応は利用者拡大に繋がることも期待されています。なお、同社は、他店舗でも現金対応を進めることを計画しています。
情報源:CNN “Amazon’s new Go store in New York will be its first to accept cash”(2019/05/07)
伊勢丹、デジタル強化戦略を発表!
5月8日、伊勢丹は決算説明会にて今後の成長戦略について発表しました。成長戦略として「ビジネスモデルの革新」、「オンラインの新たなビジネス」を掲げています。ビジネスモデルの革新では『オンラインでもオフラインでも「最高の顧客体験」を提供』をあげ、基幹店の商品をECサイトでも購入できるようにします。そのために商品や在庫情報を店舗とECサイトで連動させるほか、EC専用の新しいポイント制度を立ちあげます。現状、ECサイトの店舗商品の取り扱いは2割程度ではありますが、今年の4月にEC専用の撮影・編集のデジタル・スタジオを新設し、今秋までに200-300人体制の組織に拡大させEC事業を強化することで、取り扱い商材を増やす計画です。オンラインの新しいビジネスについては、すでに2019年に入りオンライン専業ブランド、定期宅配、コスメECサイト、オンラインパーソナルスタイリングサービスなどを展開しており、今後はシェアリングやカスタムオーダー、eギフトなども計画しています。
情報源:同社プレスリリース『三越伊勢丹グループ19年3月期決算説明会』(2019/05/08)
Shopee、東南アジアのECサイトで最も訪問者数の多いサイトに!
5月9日、東南アジア大手価格比較サイトのiPriceが、2019年Q1の東南アジアにおけるEC利用状況の統計データを発表しました。これによると、今まではAlibaba傘下のLazadaが最も集客力のあるECサイトで、2019年Q1においては僅差でShopeeが上回りました。Shopeeは販売手数料無料でブランド数をとにかく増やす戦略を採っており、その結果、特にインドネシアとタイの2地域では訪問者数の急増に繋がっています。全体的な訪問者数はShopee(月間訪問者数1.84億人)を下回りましたが、Lazada(月間訪問者数1.79億人)は未だにフィリピン、マレーシア、タイ、シンガポールにおいて訪問者数首位を維持しています。両社ともに、新しいブランドの誘致や新サービスへの投資を増やすことで、消費者にアピールしており、今後の2社のシェア争いが注目されます。
情報源:iPrice “The Map of E-commerce”(国別)
Forever 21、2度目の中国市場撤退へ
4月26日、米大手アパレルブランドForever 21は、中国市場からの撤退を発表しました。これに伴い29日には、ECサイトを閉鎖しています。Forever 21は、2011年にも中国市場に参入しては撤退しています。今回の撤退の理由としては、中国ではAlibaba傘下のオンラインマーケットプレイス淘宝で生まれた『淘品牌(Tao Brand)』と総称されるオンライン専業ブランドやPDDなどの格安商品を販売するECサイトが人気を集め競争環境が激しいこと、また、ZARAやH&Mなどの他の外資系ファストファッションブランドと比較してブランディングにおけるローカライズが遅れていたため中国人消費者にアピールすることができなかったといわれています。このように外資系ファストファッションブランドが撤退したのは同社が初めてではなく、過去に英アパレルのASOSやTop Shopなども撤退しています。
情報源:WWD Japan『「フォーエバー21」が中国市場から完全撤退』(2019/05/08)
Nike、アプリでAIを活用した足のサイズ測定機能を発表!
大手スポーツブランドNikeが、7月より新たに足のサイズを測定する“Nike Fit”をアプリ内機能としてリリースすることを発表しました。Nike Fitでは、カメラを使い足の形を計測します。このデータに基づいて、AIによる個々の最適なサイズの靴を提案します。靴のデザインやブランド毎に設定されている微妙なサイズの違いから、アメリカでは約6割の消費者が靴のサイズに対する不満を持っているといわれています。Nikeでは、この新しい足の測定機能をリリースすることにより、靴のサイズの違いによる不満の解消や、店舗での試着時に何度も店員が類似サイズを取りに行き顧客を待たせることをなくすことで、店舗での買い物体験向上に繋げていきたいと考えています。
情報源:TechCrunch “ With new Fit technology, Nike calls itself a tech company”(2019/05/09)
Amazon、従業員の起業を支援
5月13日、大手オンラインマーケットプレイスAmazonは、アメリカで従業員の起業を支援することを発表しました。これは、2016年8月に発表された「デリバリーサービスパートナープログラム」の一環であり、従業員が配送事業を立ち上げる場合、最大10,000ドル(約110万円)の立ち上げ資金と従業員の給与3か月分を保証します。これにより、同社の配送サービスの充実を狙う計画です。なお、この取り組みはアメリカに加え、イギリスとスペインでもすでに開始しています。
Nikeが新たにアプリを使った足のサイズを測定する“Nike Fit”機能を発表しました。顧客にジャストサイズの靴を提供することで、顧客体験向上に繋げる狙いです。同アプリを開発するために、3Dスキャニングのテクノロジーを持つInvertexを買収しています。 同社は、主要戦略のひとつとして「マスカスタマイゼーション」を掲げており、マスカスタマイゼーションの動きはアパレル産業の中で広まり始めています。例えば、海外ではH&Mが今年の4月よりJust.Perfectという男性向けシャツのカスタマイズサービスを提供し始めました。また、国内でのマスカスタマイゼーションの動きとしては、注目を集めたZOZOのZOZO Suitsやオンワード樫山の「Kashiyama the Smart Taylor」などが登場しています。様々なマスカスタマイゼーションの取り組みが登場する中で、どういった取り組みが消費者に受け入れらるのか、今後の動向が注目されます。 ~トランスコスモス調査部より~ |