【2022年EC業界ニュース】資生堂、2021年度決算を発表。オンライン売上比率は30%超 ほか
トランスコスモス調査部が厳選する国内・海外EC業界ニュース
今週も国内外問わずEC市場の動きを、ダイジェストでお届けします。
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国内外EC業界の「今」が、5分でわかります。
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ズベルバンク、新しいネット通販サイトのローンチへ
2月15日にロシア銀行大手の「ズベルバンク(Sberbank)」は、新たなネット通販サービスのローンチの計画を発表しました。同社では、近年、非金融サービスの開発に注力しており、その中にはネット通販以外にテクノロジーやクラウドサービスなども含まれます。6月1日より、現状の副会長であるレヴ・カーシス氏(Lev Khasis)は、新しいネット通販会社の代表となります。新会社はホールディングス企業となり、ズベルバンクに加え、小売系のズベルマーケット(SberMarket)やズベルメガマーケット(SberMegaMarket)、ズベルロジスティクス(SberLogistics)なども出資します。なお、ズベルバンクは過去にネット大手の(Yandex)との提携でネット通販事業への参入を試みるなど取り組んできた実績を持ちますか、今回も大手ソーシャルメディアVKとの合弁会社も参加しており、同社の技術を活用するとみられています。
情報源:PYMNTS.com "Sberbank Launching eCommerce Platform Amidst Management Shakeup"(2022/02/15)
アリババ、直販モデルを淘宝や天猫で展開を開始
中国大手ネット通販の「アリババ(Alibaba)」が、既存の淘宝や天猫といったオンラインマーケットプレイスの補完のため、新たに直販モデルでの販売を開始することを発表しました。今回、同社が直販モデルを開始した背景には、近年、中国国内市場では共同購入のピンドゥオドゥオやバイトダンス傘下の短編動画抖音(ドウイン)といった勢いのある新興プレイヤーが登場し、アリババの市場における影響力が弱まっていることが挙げられます。そのため、直販モデルを展開しより商品の質の担保を行うことで、中国市場におけるシェア拡大を目指す計画です。アリババでは、淘宝と天猫のバックエンドオペレーションの統合・再編成を発表したばかりで、同社ではこうした取り組みによりショッピング体験向上に繋げることを狙います。
アマゾンとビザ、カード手数料の交渉で合意へ
2月17日、ネット通販大手「アマゾン(Amazon)」とカード大手ビザ「ビザ(Visa)」がクレジットカードの手数料を巡る交渉で合意に至ったことが発覚しました。これまで、アマゾンでは手数料の高さを理由に、シンガポールやオーストラリアでビザのクレジットカードを利用した顧客に一定の手数料を転嫁する他、イギリスでのビザのクレジットカード決済の利用停止の検討をするなどビザに対する圧力を強めてきました。今回の合意により、こうした取り組みを撤回し、グローバルにビザのクレジットカードを継続利用できるようにします。また、今後ビザでは決済体験の向上のために新しい製品や技術などの面で、アマゾンと協業することも明らかとなりました。
情報源:日本経済新聞 「AmazonとVISA カード手数料交渉「グローバルで合意」」(2022/02/17)
ショッピファイ、2021年度決算を発表、引き続き高い成長率で売上増
2月16日、カナダの大手ネット通販プラットフォームの「ショッピファイ(Shopify)」が2021年度の第4四半期および通期決算を発表しました。同社によると、過去2年間で流通総額(GMV)は2倍に、また売上は3倍に拡大しており、マーチャント数も2019年時点と比べて2倍にまで増えています。2021年度の売上は前年対比57%増の46億1,190万ドル(約5,275億円)となり、その内ECシステム利用料が中心のサブスクリプションソリューションは同48%増の13億4,230万ドル(約1,534億円)、また決済システムなどを提供するマーチャントソリューションは同62%増の32億6,950万ドル(約3,742億円)にまで拡大しました。流通総額は前年対比47%増の1,754億ドル(20兆739億円)を記録。営業利益は売上の約6%を占める7億1,800万ドル(約824億円)となりました。ハイライトのひとつとして他のプラットフォーマーとの提携を挙げており、例えば短編動画ティックトック(TikTok)や音楽配信スポティファイ(Spotify)と連携し、各プラットフォームのショッピング機能拡張を支援。また、フェイスブック(Facebook)やインスタグラム(Instgram)上でソーシャルコマースを展開しショッピファイを利用しない事業者に対しても決済システムの展開も始めています。また、同社では自社のフルフィルメントサービスの展開を強化しており、2021年にはアメリカのジョージア周アトランタに物流拠点を開設したばかりですが、2022年も引き続き2億ドル(約230億円)を物流投資に費やすことを計画しています。
情報源:日本経済新聞 「Shopify売上高41%増 10~12月、最終損益は赤字に」(2022/02/17)
ウォルマート、2021年度通期決算を発表、広告とサブスクがオンライン売上拡大を後押し
2月17日、米大手小売「ウォルマート(Walmart)」は2021年度通期決算を発表しました。通期の売上高は前年対比2.4%増の5,727億5,400万ドル(約65兆5,492億円)で、純利益は同1.2%増の136億7300万ドル(約1兆5,644億円)となりました。オンライン売上は同11%増で、過去2年間の間で90%成長を遂げました。また、広告事業も好調で21億ドル(約2,403億円)となり、広告サービスであるウォルマート・コネクト(Walmart Connect)を利用する広告主は136%成長を見せるなど大幅増加となっております。2020年時点では、広告事業は同社のオンライン事業のはずみ車になると位置付けており、広告事業自体の収益化に加え、オンライン売上拡大にも貢献すると見込んでいます。また、広告以外でオンライン売上の成長の要としており、サブスクリプションプランのウォルマート・プラス(Walmart Plus)が挙げられます。これは2020年に開始しており、年間98ドル(約1万1,200円)を支払えば無料で即日の宅配サービスを利用できるようになります。2022年には配送規模を前年対比35%拡大させることを計画しています。また、配送関連サービスとしては、顧客が不在時に自宅のキッチンなどの冷蔵庫にまで商品を届けるインホーム・デリバリーの拡大にも投資を増やすとしており、2022年内に従来の600万世帯から3,000万世帯にまで増やす計画です。年会費148ドル(約1万7,000円)を支払えばウォルマート・プラスとの併用も可能となります。
情報源:日本経済新聞 「ウォルマート、会員制が成長源 「置き配」3000万世帯に: 日本経済新聞」(2022/02/18)
ヤマダデンキ、アマゾンと協業でスマートテレビを開発
2月17日、家電小売大手「ヤマダデンキ」がネット通販大手「アマゾンジャパン」との協業でスマート家電を開発することが報じられました。まずはテレビから開始し、今後はその他の家電商品の開発も検討するそうです。スマートテレビには、アマゾンのファイアTVを内蔵、価格帯は5-14万円程度に設定しヤマダデンキのプライベートブランドとして販売します。同日からの予約が開始しており、3月5日よりヤマダデンキの店舗やネット通販サイトでの販売も始めます。テレビでは音声を使い簡単に地上波やネット動画の切り替えができることが特徴となっており、年間売上台数は25万台(薄型テレビ出荷台数市場シェア5%相当)を目指します。ヤマダデンキでは2016年より船井電機と独占販売契約を締結しプライベートブランドのテレビを販売してきましたがソフト面が課題となっていました。アマゾンジャパンとの提携により、こうした部分をカバーすることを狙います。また、アマゾンジャパン側には国内約1,000店舗の販売網を獲得できることになります。なお、米国では2018年より米アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)と家電小売大手のベストバイ(Best Buy)が同様の取り組みを進めており、その結果ベストバイでは売上が約1割増加するなど厳しい競争環境の中でも成長し続けることに成功しています。
情報源:日本経済新聞 「ヤマダ、アマゾンと協業 スマートテレビを共同開発」(2022/02/17)
資生堂、2021年度決算を発表。オンライン売上比率は30%超
2月9日、大手化粧品「資生堂」が2021年通期決算を発表しました。連結売上は前年対比12.4%増の1兆352億円、オンライン売上は同20%増の3,500億円を記録し連結売上高に占める割合は34%となりました。特に中国市場がけん引しており20%を超える成長率となり、国内市場は10%台後半を記録。一方で、欧米市場ではマイナス成長となりました。同社では、2021年度にオンライン販売強化の他、ライブストリーミングやオンラインウンセリングの積極的な推進、CRM・デジタルプラットフォームの整備・強化、またデジタル能力開発などに取り組んできましたが、引き続きデジタルトランスフォメーションを加速させることを発表しました。その一環として、デジタルデータ・ツールを活用したCRM強化、OMOによるリピート/トライアル強化、肌のDNA分析やパーソナルンビューティープランの導入を挙げています。具体的な取り組みとして、2022年下期にはオンライン肌診断プログラムのグローバル展開を計画する他、メタバース上でのコミュニティの新設など最先端のデジタルテクノロジーの活用も挙げています。なお、メタバースについてはすでに活用を始めており、2021年9月に人気メタバースのゼペット(Zepeto)で、傘下のナーズ(Nars)ブランドはバーチャルメーキャップやアクセサリーコレクションなどを体験できるようにしています。
情報源:ネットショップ担当者フォーラム 「資生堂のグループEC売上は3500億円規模、ネット通販比率は34%【2021年度】」(2022/02/18)
今週の注目は「資生堂の決算発表」だよ!グローバルでのオンライン売上比率が30%超えはすごいね。 |