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【2022年EC業界ニュース】アリババ、2021年第3四半期の決算を発表、中国国内のコマース事業は微増と苦戦 ほか

トランスコスモス調査部が厳選する国内・海外EC業界ニュース

今週も国内外問わずEC市場の動きを、ダイジェストでお届けします。

世界26カ国・93の拠点があるトランスコスモスだからこそ伝えられる、

国内外EC業界の「今」が、5分でわかります。

今週のトピックはこちら。

※2024年2月更新

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目次[非表示]

  1. メーシーズ、2021年度第4四半期および通期決算を発表、EC化率は35%に
  2. イーベイ、2021年度第4四半期および通期決算を発表、鑑定サービスを後押しにスニーカーや高級ハンドバックの売上が拡大
  3. フナック・ダーティー、グーグルとの提携でオンラインリテールサービスの向上へ
  4. アレグロ、2021年第4四半期および通期の決算を発表、BNPL決済が売上拡大を後押し
  5. ローソン、オニゴーと提携。10分以内配送の開始
  6. アリババ、2021年第3四半期の決算を発表、中国国内のコマース事業は微増と苦戦
  7. ベータジャパン、アメリカ本社から独立
  8. 国内におけるNFTマーケットプレイスの動向
  9. ショッピー、フランスから撤退

メーシーズ、2021年度第4四半期および通期決算を発表、EC化率は35%に

EC Weekly Picks アメリカ国旗

2月22日、米百貨店大手「メ―シーズ(Macy's)」は2021年第4四半期及び通期の決算を発表しました。通期の売上は前年対比41%増の244億6,000万ドル(約2兆8,229億円)となりました。

オンライン売上は前年対比13%増となり、全体の売上の約35%を占めます。また、アクティブ顧客数は2020年と比べ18%増の4,400万人となりました。

デジタルを中核に据えたポラリス戦略を推進した結果、粗利を改善することができ、前年の19.9%から38.9%にまで増加。同社では引き続き、ポラリス戦略を推進することにより、アジャイルでかつ健全な経営基盤の構築が可能と考えており、サステナブルな企業成長に貢献するとみています。

なお、一時期メーシーズの株主は実店舗小売と利益率の高いEC事業を分離させることで、後者の成長を促進する要請を出していましたが、経営陣は両社のシナジーの高さに加え、オムニチャネルショッパーの層が増えていることなどを理由に、EC事業のスピンオフを行わない方針もあせて発表しました。

情報源:日本経済新聞 「米百貨店メーシーズ、「EC分離せず」 株主提案を拒否」(2022/02/23)

イーベイ、2021年度第4四半期および通期決算を発表、鑑定サービスを後押しにスニーカーや高級ハンドバックの売上が拡大

EC Weekly Picks アメリカ国旗

2月23日、ネット通販大手の「イーベイ(eBay)」が2021年第4四半期および通期決算を発表しました。

通期の売上は前年対比17%増の104億ドル(約1兆2,003億円)、流通総額(GMV)は3%減の874億ドル(約10兆868億円)となりました。また、アクティブバイヤーとセラーもそれぞれ減少傾向にあり、それぞれ同7%減の1億4,700万人、同8%減の1,700万セラーとなりました。

マイナス影響は、コロナ禍から回復し実店舗回帰が進んでいることとみられています。2021年第4四半期におけるハイライトとして、イギリスとドイツでの高級時計の鑑定サービスの提供に加え、越境販売におけるスニーカーの鑑定サービスも開始しました。

こうした取り組みの結果、高級時計やハンドバック、スニーカーといった商品カテゴリーでは二桁成長を遂げています。

また、スニーカーにおいては新に3Dトルービューテクノロジーを採用したことにより360度ビューが可能となりました。同社の提供する修理プログラムサーティファイド・リファービッシュド(Certified Refurbished)では2021年末時点で320以上のブランドが対象となっており、顧客満足度の向上に貢献しているそうです。

情報源:同社IR "eBay Inc. Reports Better Than Expected Fourth Quarter and Full Year 2021 Results"(2022/02/23)

フナック・ダーティー、グーグルとの提携でオンラインリテールサービスの向上へ

EC Weekly Picks フランス国旗

仏大手小売「フナック・ダーティー(Fnac Darty)」はオンライン販売の体験向上を目的に大手ITのグーグル(Google)との提携を発表しました。同社のオンラインショッピングサイトでは、グーグル・クラウドで提供されるリテール・サーチが導入され、これにより商品検索が容易になります。

さらに、データアナリティクスや機械学習などのAIソリューションも導入し、オペレーションの改善にも繋げていくことを計画しています。フナック・ダーティーは、フランスの大手小売の中でも初めてグーグル・クラウドのソリューションを導入する企業となり、オンラインやモバイルでのショッピングにおける新しい体験構築を目指します。

情報源:Reuters "France's Fnac Darty teams up with Google to improve online retail services"(2022/02/23)

アレグロ、2021年第4四半期および通期の決算を発表、BNPL決済が売上拡大を後押し

EC Weekly Picks ポーランド国旗

ポーランド大手ネット通販サイト「アレグロ(Allegro)が2021年第4四半期および通期の決算を発表しました。通期売上高は前年対比33.9%増の53億5,000万ズウォティ(約1,409億円)となり、流通総額(GMV)は同21.3%増の426億ズウォティ(約1兆1,221億円)を記録。

また、アクティブ利用者数も増加し、第4四半期時点では同2.9%増の1,350万人に拡大。商品セレクションの拡大、競争力のある価格帯、ロイヤリティプログラムや新たに開始したBNPL決済サービスのアレグロ・ペイ(Allegro Pay)などが売上拡大および利用者の増加に貢献しているそうです。

ロイヤリティプログラムのアレグロ・スマート(Allegro Smart!)は加入者数500万人のマイルストーンを迎え、またアレグロ・ペイの利用は20億ズウォティ(約527億円)を記録するなど、買い物体験を向上させることによりアレグロの利用向上に繋がりました。

また、利便性向上のためにロジスティクスやフルフィルメント投資も増やしており、現在ポーランド国内5万か所以上で商品のピックアップが可能で、国内最大級のデリバリーネットワークに成長しています。2022年内に受取専門ロッカーを3,000か所にまで拡大することを計画しています。

情報源:PYMNTS "Allegro's 2021 eComm Growth Fueled by BNPL, Delivery Network"(2022/02/24)

ローソン、オニゴーと提携。10分以内配送の開始

EC Weekly Picks 日本国旗

2月より、コンビニ大手「ローソン」はQコマース事業者の「オニゴー」と提携し、注文から10分以内の配送サービスの提供を開始することを発表しました。

オニゴーのアプリ内でローソンストア100の生鮮食品や日用品など700-1,000品目から購入することができ、店舗から半径2キロメートル圏内への配送を行います。価格帯は店頭より高く設定されており、配送料は別途300円かかります。まずは東京都中野区から開始し、3年後には100店舗にまで拡大する計画です。

元々はウーバーイーツやウォルトなどの料理宅配アプリのサービスから始まりましたが、最近は他社の参入も進んでおり、例えばZホールディングス(現 LINEヤフー株式会社)はアスクルと出前館が共同で15分配送サービスを2021年7月より開始し、また、2月にはイオン傘下のイオンリテールでは、生鮮食料品や日用品を含む1万点の商品を最短30分の配送するサービスの提供で参入しています。

なお、富士経済研究所によるとネットスーパーの市場規模は2022年に3,550億円と、新型コロナウイルス前の2019年と比べ5割増となる見込みです。

情報源:日本経済新聞 「ローソン、宅配「10分以内」 ネット購入の配達速度競う」(2022/02/24)

アリババ、2021年第3四半期の決算を発表、中国国内のコマース事業は微増と苦戦

EC Weekly Picks 中国旗

2月24日、中国大手ネット通販「アリババ(Alibaba)」が2021年第3四半期の決算を発表しました。売上高は前年同期比10%増の2,425億8,000万元(約4兆4,150億円)となり、調整後EBITDA(非GAAPベース)は前年比25%減の513.64億元(約9,350億円)となりました。

コマース事業においては、中国国内は同7%増の1,722億2,600万元(約3兆1,350億円)、また海外コマース事業は同18%増の164億4,900万ドル(約2,990億円)となりました。

アクティブ利用者数はグローバルで約13億人、そのうち中国国内利用者数は9億7,900万人、海外利用者は3億100万人となりました。中国国内事業の売上拡大は主に淘特(タオバオ・ディール)が貢献しました。

低価格を訴求したことにより、2021年12月時点でアクティブ利用者数は2億8,000万人となり、第2四半期と比べ3,900万人が新たに利用を開始しています。また、同社が注力する共同購入サービスの淘菜菜(タオツァイツァイ)については、地方への展開の拡大を進めたことにより流通総額は前期比30%増となりました。

低価格で食品や雑貨といった日用品を購入できることから、アクティブ利用者の利用の定着に貢献しています。また、海外コマース事業としてはラザダ(Lazada)やありエクスプレス(Aliexpress)、トレンドヨル(Trendyol)、ダラズ(Daraz)などが含まれます。特にラザダとトレンドヨルが高い成長率を見せており、それぞれ前年同期比52%増、49%増という大きな成長を遂げました。

情報源:同社IR アリババグループ、2021年10-12月期の決算を発表」(2022/02/25)

ベータジャパン、アメリカ本社から独立

EC Weekly Picks 日本国旗

2月24日、体験店舗サービスを提供する「ベータジャパン(b8ta Japan)」がアメリカ本社から日本国内向け事業における商標権とソフトウェアのライセンスを独占的に取得したと発表しました。

アメリカは日本と比べて新型コロナの感染拡大の影響を受けたことを背景に、ベータでは2021年より非接触型のビジネスモデルへとシフトし、ベータTV(b8ta TV)などのライブコマースを強化してきました。このような方針の転換を背景に資本関係を解消し、日本事業のライセンス取得合意に至ったとしています。

なお、ベータジャパンでは2月中に株式会社に移行し、今後第三者割当増資の実施も予定するほか、他のアジア地域への展開も計画しています。

情報源:ITmedia News 「b8ta Japanが米国本社から独立 米国は全店舗閉店済み、今後は日本で事業継続」(2022/02/25)

国内におけるNFTマーケットプレイスの動向

EC Weekly Picks 日本国旗

今週、国内のプラットフォーマーにおけるNFTマーケットプレイスへの取り組みの発表が相次ぎました。

メッセンジャーサービスを展開するLINEでは、同社の暗号資産事業が展開するLINE Blockchain上で発行されたウォレット数が100万ウォレットを突破したと同時に、今春よりNFTの取引を可能とするNFT総合マーケットプレイスの「LINE NFT」を開始することを発表しました。

特徴としては、日本円を使いNFTの購入が可能で、二次流通に関しては「LINE BITMAX Wallet」を保有する利用者間での二次取引もできます。またIPホルダーは、コンテンツ料を設定することで、二次流通においてもロイヤリティとして収益を得ることができるようになります。さらに、楽天も、NFTマーケットプレイス・販売プラットフォーム「Rakuten NFT」の開始を発表しました。

スポーツや音楽、アニメなど様々なNFTの購入が可能で、決済時に楽天ポイントを取得できることが特徴となっています。サービス開始日よりウルトラマンの書下ろしNFTなどが販売され始めています。このほかにテレビ朝日やバンダイナムコピクチャーズ、ビームズ、Jリーグなども今後NFTを販売することを計画しています。

情報源:アパレルウェブ 「LINE Blockchain、100万ウォレット突破 NFT総合マケプレ「LINE NFT」 ローンチへ」(2022/02/25)

情報源:Impress Watch 「Rakuten NFT」開始。スポーツ・音楽・アニメのNFTを販売」(2022/02/25)

ショッピー、フランスから撤退

EC Weekly Picks フランス国旗

シンガポール大手テック系事業者シー(Sea)傘下の「ショッピー(Shopee)」がフランスからの撤退を発表しました。

同社は2021年10月にフランスでのサービスを開始したばかりではありますが、3月6日にサイトの停止を行い、それまでに注文された商品については発送するとしています。

ショッピーは、東南アジアで急成長を遂げておりますが、近年ラテンアメリカや欧州へも進出しています。欧州ではポーランドやスペインでのサービスを展開しており、これら地域でのサービスは継続するとしております。

情報源:The Star "Sea's eCommerce arm exits France a few months into Europe foray"(2022/03/01)


POINT
今週は主要EC事業者の決算発表が続いたね!


trans+(トランスプラス) 編集部
trans+(トランスプラス) 編集部
ITアウトソーシングサービスで企業を支援するトランスコスモス株式会社のオウンドメディア編集部。メンバーはマーケター、アナリスト、クリエイターなどで構成されています。

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