EC Weekly Picks アイキャッチ

【2022年EC業界ニュース】618商戦、伸び率鈍化の原因は若者の節約意識の高まり ほか

トランスコスモス調査部が厳選する国内・海外EC業界ニュース

今週も国内外問わずEC市場の動きを、ダイジェストでお届けします。

世界30カ国・168の拠点があるトランスコスモスだからこそ伝えられる、

国内外EC業界の「今」が、5分でわかります。

今週のトピックはこちら。

↓↓↓↓↓↓↓↓

目次[非表示]

  1. ウォルマート、自社オンラインマーケットプレイスを英国小売業者支援に開放
  2. トルコ、新しい電子商取引法を発表 大手EC企業の市場独占を制限する狙い
  3. ウォルマート、ロクとの契約でシームレスなストリーミングコマース提供を目指す
  4. 米アマゾン、ベルギーに進出
  5. ロッテオン、配送車両数の削減により経営の立て直しを図る
  6. 618商戦、伸び率鈍化の原因は若者の節約意識の高まり
  7. 米アマゾン、アフリカ諸国に進出、マーケットプレイスの拡大を目指す

ウォルマート、自社オンラインマーケットプレイスを英国小売業者支援に開放

EC Weekly Picks アメリカ国旗

6月13日、米大手スーパーマーケットのウォルマート(Walmart)が英国小売事業者に対し、同社オンラインマーケットへの出店を勧誘していることをブルームバーグ(Bloomberg)が明らかにしました。承認された小売事業者は同社オンラインマーケットプレイスへの出品が可能になり、米国への配送が2日間で完了できます。また、6月17日にウォルマートは米決済サービス企業のペイオニア(Payoneer)と英ECサイト自動化プラットフォームのリンワークス(Linnworks)と協業し、「英国小売サミット(U.K. Sellers Summit)」を開催することを発表。今回の協業によって、統合型決済サービスと一貫した在庫、注文管理ワークフローを英国小売事業者に提供します。英国小売サミットには、最近ウォルマートのオンラインマーケットプレイスに出品している、英ウェアラブルテクノロジー企業のスタースポーツ(Statsports)や家庭用品、園芸用品を販売するバイボックス(BuyBox)など、幅広い分野の小売業者が参加します。なお、今回のウォルマートの英国小売業者支援の背景には、英国政府の2030年までに輸出額の1兆ポンド(約165兆4,259億7,187万円)達成を目指す動きが関係しています。

情報源:PYMNTS"Walmart Invites UK Sellers to Join Its Online Marketplace"(2022/06/13)

トルコ、新しい電子商取引法を発表 大手EC企業の市場独占を制限する狙い

EC Weekly Picks トルコ国旗

トルコの貿易産業省が新しいEC法案を発表しました。近年ビジネスモデルの変化により、インターネット環境やEC市場規模の変化、大手ECプラットフォーマーの市場の独占や顧客行動への多大な影響力に関する課題が発生しています。現在の電子商取引法では、これらの課題に十分な対処ができていない状況です。今回の法案では、特定大手のECプラットフォームを売上高別で「大」と「特大」に分類し、市場を規制することを目的としています。出店事業者を保護するだけでなく、顧客に利益をもたらす公正で競争力のあるEC市場環境の確立を目指します。法案には「ECプラットフォーマーの自社ブランド製品に関する制限」や「データポータビリティの条件」などの制限が含まれ、貿易産業省とトルコ競争当局の権限に重複を与える可能性があります。2022年の間にトルコ大国民議会に修正案が提案される予定です。法案が制定された場合、トルコのECビジネスに大きな影響を与えると予測されています。

情報源:JD Supra"New Turkish e-commerce draft bill: More restrictive than existing and upcoming EU regulations"(2022/06/16)

ウォルマート、ロクとの契約でシームレスなストリーミングコマース提供を目指す

EC Weekly Picks アメリカ国旗

米大手スーパーマーケットのウォルマート(Walmart)が、米メディアストリーミングデバイス運営企業のロク(Roku)とパートナーシップを締結しました。今回の契約によりECとTVストリーミングを組み合わせ、ストリーミングコンテンツ上で商品の発見と購入をシームレスに繋ぎます。顧客はロクのストリーミングコンテンツ上で、ECサイトにアクセスすることなくウォルマートの商品を購入できます。ロクのテレビコマース責任者であるピーター・ハミルトン氏(Peter Hamilton)は「長年ロクのデバイス上で沢山のサブスクサービスに登録してきた顧客にとって、ストリーミングコマースは容易で便利な買い物ツールである」と述べています。ロクとの契約により、ウォルマートは業界初のTVストリーミングコマースを提供する事業者となります。ウォルマートはスーパーセンターの再設計などを行い、多様化するデジタル世界マーケティングへの対応に取り組んでいます。

情報源:PYMNTS"Walmart, Roku Team to Make TV Streaming an eCommerce Platform"(2022/06/16)

米アマゾン、ベルギーに進出

EC Weekly Picks 欧州連合国旗

2022年9月から、米アマゾン(Amazon)はベルギーでアマゾンベルギー(Amazon Belgium)サービスを開始する予定です。同年2月には、年末までにアントワープにロジスティクスセンターを開設することが発表されました。ベルギーの小売業者はフルフィルメントサービス、顧客はアマゾンプライムサービスが利用可能になります。現在フランスやドイツなど他のヨーロッパ諸国のサイトを通じてプライムサービスを利用している場合、アマゾンベルギーにてサービスの継続が可能です。

情報源:Ecommerce News Europe"Amazon to launch in Belgium"(2022/06/17)

ロッテオン、配送車両数の削減により経営の立て直しを図る

EC Weekly Picks 韓国旗

韓国オンラインモールのロッテショッピングは、運営するECサイト「ロッテオン(Lotte On)」の収益向上を目指し配送車両数を20%削減することを発表しました。2022年5月の立ち上げ以降EC事業の成長率は悪く、2022年第1四半期の売上高は前年比4.1%減の260億ウォン(約27億2,011万円)、営業損失は前年比57%増の45億ウォン(約4億7,140万円)でした。ECサイトで販売する商品の種類が乏しいことが原因と考えられています。当初、ロッテ百貨店、ロッテスーパー、ロッテホームショッピングを含む計7つの小売子会社を統合し商品を展開する予定でしたが、統合に同意したのは3つの会社のみでした。また、新規顧客獲得に向けた有料会員プログラムも結果を残せず、既存顧客のオンライン移行計画も軌道に乗りませんでした。今回の配送車両数削減に関してロッテオン関係者は、コロナ特需が落ちつきオンライン注文数が減少したことによる経営悪化を理由と述べています。クーパン(Coupang)やネイバー(Naver)など、大手EC企業が台頭する韓国市場では、ロッテオンが存続できる可能性は少ないと考えられています。

情報源:The Korea Times"Lotte's e-commerce unit scrambles to improve bottom line"(2022/06/17)

618商戦、伸び率鈍化の原因は若者の節約意識の高まり

EC Weekly Picks 中国旗

2022年5月26日から6月20日の間、中国で年に一度開催される大規模ECセールの一つ、「618商戦」が開催されました。京東集団(JD.com)の発表によると取引額は3,793億元(約7兆6千億円)と過去最高を記録した一方で、伸び率は前年の27.7%に比べて10.3%と鈍化しました。同社は今回のセールに向けて、商品購入後のアフターサービスなどを拡充してきました。例として、掃除ロボットや空気清浄機では30日無料お試し期間を提供、180日以内の修理交換サービスの提供などが挙げられます。また、オムニチャネルサービスを強化しており、世界1,700都市の15万の実店舗にて、半径3~5キロメートル以内の顧客への商品配達を1時間以内に行うサービスを提供しています。サプライチェーンシステムも充実させ、中国国内1,400の倉庫と連携し配送ネットワークを拡充しています。このように同社は618商戦に向け、顧客体験の向上を図りましたが伸び率は鈍化しました。その理由として、現地メディアでは若者の購買意欲を十分に刺激できなかったことを挙げています。コロナ禍が長引くことで、若者の間ではコストパフォーマンスに対する意識が高まり、生活を豊かにする良質な商品だけを購入する傾向が高まっていると考えられています。

情報源:JD Corporate Blog"JD.com Reports over RMB 379.3 Billion Yuan Transaction Volume for 2022 618 Grand Promotion"(2022/06/19)

米アマゾン、アフリカ諸国に進出、マーケットプレイスの拡大を目指す

EC Weekly Picks ナイジェリア国旗

2023年に米アマゾン(Amazon)が南アフリカやナイジェリアなどのアフリカ諸国に進出予定であることが明らかになりました。アマゾンは現在世界20か国に拠点を置き、米国を中心に市場を拡大しています。プロジェクト・フェラ(Project Fela)と呼ばれる本プロジェクトは、2023年2月に南アフリカ、2023年4月にナイジェリアで開始予定です。アフリカ諸国以外にも、2022年9月にベルギーで「プロジェクト・レッド・デビル(Project Red Devil)」や2023年2月と3月にはコロンビアとチリで「プロジェクト・サルサ(Project Salsa)」を開始します。全ての国でローカル市場を対象とするマーケットプレイスを立ち上げ、フルフィルメント・バイ・アマゾン(Fulfillment by Amazon)も提供する予定です。今回のプロジェクトを通して、アマゾンはコロナによる売上損失の回復を目指しています。

情報源:It News Africa"Amazon is Set to Penetrate the African Marketplace"(2022/06/20)


POINT
今週の注目は「618商戦の結果」だよ


trans+(トランスプラス) 編集部
trans+(トランスプラス) 編集部
ITアウトソーシングサービスで企業を支援するトランスコスモス株式会社のオウンドメディア編集部。メンバーはマーケター、アナリスト、クリエイターなどで構成されています。

関連記事:

trans+(トランスプラス)に掲載しているコンテンツや、サイト内で紹介したサービスに関することなど、どうぞお気軽にお問い合わせください。

フォローする:

この記事をシェアする:

人気記事ランキング