【2022年EC業界ニュース】ショッピファイ、ユーチューブとの連携でライブコマースに対応 ほか
トランスコスモス調査部が厳選する国内・海外EC業界ニュース
今週も国内外問わずEC市場の動きを、ダイジェストでお届けします。
世界30カ国・168の拠点があるトランスコスモスだからこそ伝えられる、
国内外EC業界の「今」が、5分でわかります。
今週のトピックはこちら。
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ショッピファイ、ユーチューブとの連携でライブコマースに対応
7月20日、大手EC企業ショッピファイ・ジャパン(Shopify Japan)が動画投稿サイト「ユーチューブ(YouTube)」上でライブコマースサービスを開始することを発表しました。出品者はライブ配信中、タグ付け機能を使用して商品の購入ページを表示することが可能です。また、商品画像を画面真下に表示する機能や、出品者のユーチューブチャンネル上に「ストア」というタブを設けて全商品を表示する機能を追加しました。従来のライブコマースでは、視聴者がユーチューブで紹介された商品を購入するには、ショッピファイのECサイトへ移動する必要がありました。今回のサービス開始により、ユーチューブとショッピファイのシームレスな商品販売や在庫管理が可能になります。月間約20億人が利用するユーチューブ上での商品販売を可能にすることで、出品者は国内だけでなく海外からも多くの顧客を獲得する機会を与えられます。
情報源:日本経済新聞 「Shopify、YouTubeのライブ配信中に商品販売可能に」(2022/07/20)
マインクラフト、NFTの販売を禁止
7月21日、サンドボックスゲーム「マインクラフト(Minecraft)」を開発するスウェーデンのゲーム開発会社モヤン(Mojang)は、NFTの発行や導入をしないこと、同ゲームのデータのNFT化を禁止することを発表しました。モヤンは、限られた人しかアクセスできないNFTは「誰でも同じコンテンツにアクセスできる」というマインクラフトの理念に反すると述べています。この発表を受け、同ゲームを利用した非公式NFTプロジェクトであるNFT Worldsはモヤンの方針をイノベーションの後退であると批判しています。7月23日、同社は「プロジェクトで貯蓄したデータを利用し、新しいマインクラフトを作る」という声明を発表しています。
情報源:techcrunch "Minecraft says 'No F-ing Thanks' to NFTs" (2022/07/21)
情報源:GamePark 「"NFTをサポートしない"宣言に猛反発―『マイクラ』ワールドをNFT化する企業が開発元を批判」(2022/07/25)
アマゾン、サブスク型診療サービスを買収
7月21日、米アマゾン(Amazon)が米サブスク型診療サービス会社のワン・メディカル(One Medical)を総額約39億ドル(約5,370億円)で買収することを発表しました。ワン・メディカルは対面やオンラインで医師の診療を受けられるサブスク型サービスを提供し、2022年3月末時点で188の診療所と提携、76万7,000人の会員数を擁する会社です。米国では、医療分野のデジタル化が遅れており、診療を受けるまでに数週間か数か月待たされる患者も存在しています。アマゾンは2018年にも米オンライン薬局大手のピルパック(PillPack)を買収し、2020年には処方箋を扱うオンライン薬局のアマゾン・ファーマシー(Amazon Pharmacy)を設立するなど、ヘルスケア領域での存在感拡大を目指しています。なお、米巨大IT企業の情報独占に関する監視が強まる現在、今回の買収取引に対する米連邦取引委員会(FTC)などの判断が注目されています。
情報源:日本経済新聞 「Amazon、米サブスク型診療サービス買収へ 約5300億円」(2022/07/22)
拼多多、香港でのサービスを実験的に開始
中国大手ECプラットフォーム拼多多(Pinduoduo)は、香港を含む中国本土以外の地域でのコマースサービスを実験的に開始しています。既に、ビザ(VISA)やマスターカード(MasterCard)などの支払い方法を導入し、中国本土の銀行口座を開設していない消費者も商品の購入が可能になりました。また、香港への直送サービスを開始し、香港の消費者への商品輸送にサードパーティーの輸送業者を介する必要が無くなります。拼多多はニューヨークの証券取引所のみで上場しており香港市場での認知度が低いため、サービス拡大によってアリババ(Alibaba)や京東商城(JD.com)などの競合他社に対抗する見込みです。同社は低下価格な商品販売という特徴があるものの、シームレスな取引プロセスに課題があります。今後は中国本土以外にも派遣を広げる競合他社との競争が激化すると考えられています。
楽天、当日配送サービスの「きょう楽」を発表
7月21日、楽天グループはECモール「楽天市場」の出店者向けイベント「楽天EXPO2022」を開催し、三木谷浩史社長が講演を行いました。講演の中で三木谷社長は楽天モバイルとのシナジーによる流通総額増加や、日本郵便との連携強化による当日配送サービスの「きょう楽」の実現などを発表しました。楽天グループ国内月間アクティブユーザー数は2022年3月時点で3,600万人を達成し、2サービス以上利用しているユーザー比率は74.8%に達しました。特に楽天市場と、楽天トラベル(Rakuten Travel)や楽天西友ネットスーパーなど他のECサービスを併用しているユーザー数が増加しています。また、2022年7月時点で計5,799店舗が参加しているコンサルティングサービス「NATIONS」の参加店舗増加や、2023年4月に商品管理単位をSKU単位に刷新することでユーザーの購買体験の向上を目指すことを説明しました。
情報源:日本ネット経済新聞 「【「楽天EXPO2022」三木谷社長講演】当日配送「きょう楽」実現へ 新たな商品管理、環境配慮にポイント付与など発表」(2022/07/23)
ウォルマート、2022年第2四半期の決算を発表。長期化するインフレを背景に通年利益見通しを下方修正
7月25日、米大手スーパーマーケットのウォルマート(Walmart)が2022年度第2四半期の決算を発表しました。発表資料では、通年の連結純売上高は約5.5%上昇、通年の営業利益は最大13%減少する見込みであると説明しています。原因として、長引くインフレで消費者が大型商品の購入を控え、利益率の低い食料雑貨を優先していることをあげています。「ウォルマートの顧客は低所得者であるため、同社の経営は厳しい状況に陥っている」と米大手証券会社エドワード・ジョーンズ(Edward Jones)のアナリスト、ブライアン・ヤーブロー(Brian Yarbrough)氏は分析しています。また、今回の発表を受け、ターゲット(Target)やアマゾン(Amazon)などの小売り大手企業の株も下落しています。
情報源:Walmart "Walmart Inc. Provides Update for Second Quarter and Fiscal Year 2023" (2022/07/25)
情報源:Bloomberg 「ウォルマート株急落、在庫積み上がりや消費傾向の変化が重し」(2022/07/26)
アマゾン、欧州での有料会員サービスの値上げを発表
7月25日、米アマゾン(Amazon)がヨーロッパでの有料会員サービスの会費を9月中旬に引き上げることを発表しました。2月に米国で行われた約4年ぶりの会費の値上げに続く動きです。値上げ率は国によって異なり、最大で43%の値上げになります。英国は20%上昇して95ポンド(約1万5,600円)、ドイツは30%上昇して89.90ユーロ(約1万2,500円)値上げします。新料金は9月以降の契約更新や新規契約に適用されます。値上げの理由は、長引くインフレに伴う配送コスト上昇と考えられています。
情報源:日本経済新聞 「Amazon、プライム会費を欧州で引き上げ 最大43%」(2022/07/26)
今週の注目は「ShopifyとYoutubeが連携 ライブコマースに対応」だよ! |