【2023年EC業界ニュース】JD.com、タイ、インドネシア市場から撤退 ほか
トランスコスモス調査部が厳選する国内・海外EC業界ニュース
今週も国内外問わずEC市場の動きを、ダイジェストでお届けします。
世界30カ国・168の拠点があるトランスコスモスだからこそ伝えられる、
国内外EC業界の「今」が、5分でわかります。
今週のトピックはこちら。
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イタリア当局、ラグジュアリ―ブランド専用ECの詐欺サイトの調査と閉鎖を開始
イタリア政府は、中国サイバー犯罪グループが運営するとみられる13,000以上のラグジュアリ―ブランド専用ECサイトの閉鎖を開始しました。イタリアのサイバーセキュリティ会社 Yarix(ヤリックス)の調査によると、同サイトはGiorgio Armani(ジョルジオ・アルマーニ)や Prada(プラダ)などの商品を割引価格で提供するように表示し、実際は商品を配送しない詐欺サイトです。本物の企業サイトに酷似したサイトで、消費者が入力したクレジットカード情報を抜き取り、過去2年間で数千万ユーロを騙し取っています。今後Yarixは他のヨーロッパ諸国や米国の詐欺調査も行う予定です。
情報源:Irish Examiner "Italy starts closing fake e-commerce websites"(2023/01/26)
2022年、ウクライナ侵攻を受けドイツのEC総売上高が減少
ドイツのEC協会BEVH(ベフ)によると2022年、ドイツのEC総売上高は前年比8.8%減の904億ユーロ(約12兆7,500億円)を記録しました。オンライン旅行代理店やチケット販売プラットフォームの売上高が前年比39.9%増の111億5,000万ユーロ(約1兆5,700億円)となりましたが、ロシアによるウクライナ侵攻により欧州全体では資源や電力の高騰とインフレが進み、消費者の経済不安から支出が低下していました。特に消費者は、必要性が低い商品の購入を抑えています。インフレが影響する前2019年のEC総売上高は、コロナ禍の巣ごもり需要も重なりコロナ以前の2019年より24.9%増加していました。BEVHは2023年のEC総売上高は前年比4.8%増と、上昇の兆しを予測しています。
情報源:ZAWYA "German e-commerce sales dip as Ukraine war hits spending ? industry"(2023/01/26)
Amazon、新たなデジタル資産事業を開始する計画に
暗号資産メディア「Blockworks(ブロックワークス)」によると、米Amazon(アマゾン)が新たなデジタル資産事業を計画しています。2023年の4月を目途に事業を開始する予定で、Amazon利用者へのNFTやブロックチェーンゲームを提供すると考えられます。同社はデジタル資産事業の開始に向けて、レイヤー1のブロックチェーンプロジェクトやスタートアップ、開発者などと協業の計画を進めている可能性が指摘されています。本事業はAWS(アマゾンウェブサービス)ではなく、Amazonが展開する見込みです。
情報源:CoinPost「米アマゾン、新たなWeb3事業を開始か NFTサービスは4月に始める可能性も=報道」(2023/01/27)
2024年春を目途にTポイントとVポイントを統合で最終合意
1月27日、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が三井住友フィナンシャルグループとの資本業務提携を最終合意しました。2024年春を目途にTポイントとVポイントを統合し両社の強みを掛け合わせることで、楽天グループなどに対抗します。両社は2022年10月に本提携の基本合意書の締結を発表していました。また、三井住友グループは新ブランドを立ち上げ、ポイントがたまりやすいモバイル決済サービスの展開なども検討します。Tポイントは決済や金融サービスとの連携、Vポイントは消費者の認知度に課題を抱えており、統合による相乗効果が期待されています。
情報源:日本経済新聞「CCC、三井住友FGと資本提携で最終合意 ポイント統合へ」(2023/01/27)
本名や顔を知らない相手に贈るギフト、Eギフトの市場規模拡大中
SNSで出会った本名や顔を知らない相手にEギフトを贈り合う人が増えています。矢野経済研究所によると、2022年度のEギフト市場規模は2,787億円で、2025年度には4,057億円に拡大する予測です。特に住所の入力をせずに贈れるソーシャルギフトはハードルが低く、最も高いシェアを持つ「LINEギフト」の利用経験者は2023年1月時点で2,800万人に達しました。株式会社アーツが提供する、相手に共有される個人情報のプレビューが確認可能なサービス「スマイルナウ」や、スイーツ専門ECサイトを通じた誕生日ケーキのソーシャルギフトの贈り合いなど、新たなサービスが登場しています。
情報源:日本経済新聞「SNSでしか知らない友人にも贈り物 ソーシャルギフトで」(2023/01/29)
ベトナムのEC市場規模が著しく成長中
韓国の投資ファンドNextrans(ネクストランス)は、ベトナムのEC市場規模は2015年の4億ドル(約520億円)から著しく成長し、2022年に約140億ドル(約1兆8,200億円)、2025年には320億ドル(約4兆1,600億円)にまで発展すると予測しています。2022年ベトナムのEC企業向け新規出資額は1億6,160万ドル(約210億円)で、ECサイトの訪問者数ランキングはShopee(ショッピー)が最大の約8,450万件でした。現在EC市場をけん引する主要プレイヤーの大半は黒字化できていませんが、ライブコマースなど新たなプレイヤーの登場が見られています。2022年にはTikTok(ティックトック)がTikTok Shop(ティックトックショップ)を展開しライブコマースを強化しています。
情報源:VIET JO「ベトナムのEC市場規模、22年は1.8兆円に 15年比の35倍」(2023/01/30)
JD.com、タイ、インドネシア市場から撤退
1月30日、中国JD.com(京東商城)が3月中にタイ、インドネシア市場から撤退することを発表しました。タイは3月3日、インドネシアは3月31日に全サービスを終了し、注文受付は両市場とも2月15日に停止します。撤退の理由は明らかになっておらず、同社は今後もサプライチェーンを通じて東南アジアを含む全世界にサービス提供を行う予定です。
情報源:Reuters"China's JD.com to discontinue services in Indonesia, Thailand" (2023/01/30)
ZOZO、2023年3月期第3四半期の連結決算を発表・営業利益、商品取扱高ともに過去最高
1月31日、株式会社ZOZO(ゾゾ)が2023年3月期第3四半期の連結決算を発表しました。売上高は前年同期比10.3%増の1,364億6,700万円、営業利益は同15.1%増の446億3,500万円を記録し、過去最高の営業利益を記録しました。また、商品取扱高も過去最高実績を更新し、4,064億9,700万円でした。コロナ禍の落ち着きに伴う外出機会の増加や、セールイベント「ZOZOWEEK(ゾゾウィーク)」の開催によって、ファッションECサイトZOZOTOWN(ゾゾタウン)事業が好調であったことが要因です。集客・販促施策ともに効果を発揮し、ZOZOTOWN事業が取扱高に占める構成比は79.8%です。受託販売のZOZOTOWN出店ショップは1,526店を運営しており、2022年12月末時点のアプリダウンロード数は1,600万件を超え、月間利用者数ともに堅調に拡大しています。同社はこの業績動向を踏まえ、2023年3月期通期業績予想を上方修正しました。コロナ禍が落ち着き、ファッションやアパレル商品の需要が戻りつつあります。
情報源:株式会社ZOZO「2023年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2023/01/31)
今週の注目は「JD.com、タイ、インドネシア市場から撤退」だよ! |