【2023年EC業界ニュース】楽天、2022年12月期連結決算を発表・大幅赤字の一方で国内EC事業は成長 ほか
トランスコスモス調査部が厳選する国内・海外EC業界ニュース
今週も国内外問わずEC市場の動きを、ダイジェストでお届けします。
世界30カ国・168の拠点があるトランスコスモスだからこそ伝えられる、
国内外EC業界の「今」が、5分でわかります。
今週のトピックはこちら。
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Instacart、Foodcellar Marketにて無人決済サービス「Scan & Pay」を開始
2月7日、米食品宅配アプリInstacart(インスタカート)がニューヨーク市のスーパーマーケットFoodcellar Market(フードセラーマーケット)にて無人決済サービス「Scan & Pay(スキャンアンドペイ)」を開始しました。店舗内のQR コードと商品のバーコードをスキャンすることで、アプリを使用せずブラウザ上で決済が完了できます。米大手小売事業者のWalmart(ウォルマート)のScan & Go(スキャンアンドゴー)開始やフードデリバリー業界での円滑な決済手段の普及に伴い、同社はScan & Payの早期導入を進めていました。円滑な買い物体験により、顧客満足度の向上を図ります。
Douyin、フードデリバリーの共同購入サービスを複数都市で実証実験を開始
米ByteDance(バイトダンス)の動画プラットフォームDouyin(ドウイン:抖音)が北京、上海、成都でフードデリバリーの共同購入サービスの実証実験を開始する予定です。加盟レストラン店はDouyinでライブ配信中に商品の宣伝や限定クーポン配布による集客ができます。このビジネスモデルは大手フードデリバリー事業者のUber Eats(ウーバーイーツ)やMeituan(メイトゥアン:美団)とは異なり、消費者が友人とライブ配信視聴中に商品を共同で購入することができます。今回の実験結果に応じて本サービスの展開地域拡大も検討されています。
情報源:CNBC "Douyin to expand food delivery service"(2023/02/08)
メルカリ、越境EC販売の経路拡大に向け越境EC事業者4社と提携
2月9日、メルカリは越境EC販売の経路拡大に向けて、越境EC事業者Bless International(ブレスインターナショナル)、FROM JAPAN(フロムジャパン)、SIG Service(エスジーアイサービス)、ZenGroup(ゼングループ)の4社と提携しました。本提携により、海外消費者にも各社が運営するECサイトを通じてメルカリの商品を購入可能になります。メルカリ出品者は従来通りの発送方法と配送料での取引が可能で、メルカリ利用者に対して容易な越境EC利用を提供します。同社は今後も中期経営戦略であるグローバル展開に向け、マーケットプレイスを展開するねらいです。
情報源:株式会社メルカリ「フリマアプリ「メルカリ」、越境販売の経路拡大に向けて越境EC事業者4社との提携を実施」(2023/02/09)
米オンライン商品価格が5か月連続で下落
米FRB(連邦準備制度理事会:Federal Reserve Board)によると、米国のオンライン商品の価格は1月に前年比で1%下落し、5カ月連続で下落しました。Adobe(アドビ)によると、EC市場の競争激化や余剰在庫の一掃のため、小売事業者が商品価格を下げ、全体的なインフレ指数を引き下げています。過去数か月で連邦政府のJerome Powell議長は、フードサービスやヘルスケアなど市場への影響力の大きな分野において、依然として価格の上昇が進んでいることを明らかにしています。これら分野は、特に賃金の変化への影響を受けやすく、今後賃金の上昇に伴い価格上昇のペースが緩やかになることを見込んでいます。
情報源:Reuters"Falling online prices point to U.S. goods deflation continuing"(2023/02/09)
資生堂、2022年12月期連結決算を発表・日本や中国市場は苦戦も欧米事業は好調
2月10日、資生堂が2022年12月期(1~12月)連結決算を発表しました。売上高は前年同期比5.7%減、営業利益は同53.7%減、純利益は同27.1%減の減収減益でした。特に中国事業にてオンラインショッピングフェスティバルの独身の日(ダブルイレブン:W11)の売上高が前年を大きく下回り、日本市場では市場の回復が遅れたため前年並みの売上高でした。一方でEC化率は33%に成長を遂げました。日本事業では従来の各会員サービスを一つに集約した新会員サービス「Beauty Key」を開始し、デジタルコミュニケーションの強化を図ったこと、中国事業では主要ECプラットフォームへの展開拡大や消費者とのコミュニケーションを強化したことが奏功しました。また、欧米事業は売上高が前年同期比13.6%増と好調で、コロナ禍の規制緩和や経済活動の正常化による化粧品需要の復活が要因としています。特に主力ブランドNARS(ナーズ)やnarciso rodriguez(ナルシソ・ロドリゲス)などが力強い成長を実現し、シェアと売上高を拡大しました。同社は引き続き、スキンビューティー事業の拡大やデジタルを中心としたビジネスモデルへの転換など、成長領域への積極投資とコスト構造改革による収益性の改善を推進していくねらいです。
情報源:株式会社資生堂「2022年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」(2023/02/10)
Alibaba、Paytm株を全て売却 インドの出資戦略を見直し
中国ネット通販大手Alibaba(アリババ)がインドの決済サービスPaytm(ペイティーエム)の運営会社の全株式を約137億8,000万ルピー(約223億2,768万円)で売却しました。売却理由は明らかになっていませんが、同社はインドでの出資戦略を見直している状況です。豪金融サービスMacquarie Group(マッコリ―グループ)のアナリストによると、Paytmは2026年までに黒字転換を実現すると予測されます。
情報源:Reuters"Alibaba exits India's Paytm, selling shares for $167 mln"(2023/02/10)
楽天、2022年12月期連結決算を発表・大幅赤字の一方で国内EC事業は成長
2月14日、楽天が2022年12月期連結決算を発表しました。売上高は前期同期比14.6%増の1兆9,278億円で、最終損益が前期比約3倍の3,728億円の赤字を記録しました。携帯電話事業投資による財務圧迫が原因としています。一方で楽天市場を含むインターネットサービス事業は伸長し、国内ECのGMV(流通取引総額)は前期比12.3%増の5兆6,000億円を達成しました。販促活動やクロスユースの促進、共通の送料無料ラインの導入促進、楽天エコシステムのオープン化戦略などによるユーザー定着が要因となります。また、広告事業の売上高は楽天市場や楽天トラベルを中心にオンライン広告への受注が拡大し前年同期比15.9%増を記録しました。同社はインターネットサービス、フィンテック、モバイルの3事業で増収を記録し、通期連結売上高は2桁増収で前年同期比14.6%増の1.9兆円で過去最高を記録しました。
情報源:楽天グループ株式会社「2022年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」(2023/02/14)
ZOZO、第3四半期報告書を発表・コロナ規制緩和により業績好調
2月14日、ZOZO(ゾゾ)が第3四半期報告書を発表しました。全体売上高は前年同期比10.3%増、営業利益は同15.1%増、商品取扱高は同8.3%増の好調でした。コロナ禍の行動制限緩和による外出機会の増加や、洋服需要の高まりが要因となっています。ZOZOTOWN事業では、年3回実施されたセールイベント「ZOZOWEEK(ゾゾウィーク)」や夏の本セールに向けた集客施策の強化などに伴い、アクティブ会員数が増加しました。また、カテゴリー強化の取り組みとして、「ZOZOCOSME(ゾゾコスメ)」では国内外700以上のコスメブランドを取り扱い、肌の色を計測できるツール「ZOZOGLASS(ゾゾグラス)」を用いた商品提案サービスを実施しています。ファッションメディア「WEAR(ウェア)」のアプリダウンロード数は2022年12月末時点で1,600万件を超え、月間利用者数ともに堅調に推移しています。
情報源:株式会社ZOZO「四半期報告書 第25期第3四半期」 (2023/02/14)
今週の注目は「楽天、2022年12月期連結決算を発表・大幅赤字の一方で国内EC事業は成長」だよ! |