【2023年EC業界ニュース】楽天、2023年度第1四半期決算を発表・連結売上高は過去最高を記録
トランスコスモス調査部が厳選する国内・海外EC業界ニュース
今週も国内外問わずEC市場の動きを、ダイジェストでお届けします。
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Coupang、2023年度第1四半期決算を発表・過去最高の売上高を記録
5月9日、韓国通販大手Coupang(クーパン)が2023年度第1四半期決算を発表しました。売上高は前年同期比36%増の14億ドル(約1,920億円)となり、過去最高を記録しています。純利益は同20%増の58億ドル(約7,950億円)、当期純利益は9,100万ドル(約124億6,600万円)で、前年同期比3億ドル(約410億円)の大幅増となりました。アクティブユーザー数は前年同期比および前四半期比ともに5%増加し、1,900万人を超えました。EC事業の売上高は同15%増の57億ドル(約7,808億円)と好調です。
創業者兼CEOのBom Kim(ボム・キム)氏によると、同社は今後もフルフィルメントとロジスティクスの強化によるロケット発送を通じて成長を目指していく予定です。また、フードデリバリーのCoupang Eats(クーパンイーツ)で利用可能なリワードを展開することで、同社の月額2,900 ウォン(約297円)のサブスクサービスWOW(ワウ)利用者を拡大させる方針です。
情報源:Coupang "Coupang Announces Results for First Quarter 2023"(2023/05/09)
JD.com、2023年度第1四半期決算を発表・大増益で黒字転換
5月11日、中国大手EC事業者のJD.com(JDドットコム:京東集団)が2023年度第1四半期決算を発表しました。売上高は前年同期比1.4%増の約2430億元(約4兆7,400億円)で、純利益は前年同期の30億元(約580億円)の赤字から63億元(約1,220億円)の黒字へと転換しました。前年同期にあった投資先の損失などの影響が無くなったほか、コスト削減を進めたことが寄与しています。
同社では、EC利用者のリテンションを目的に、スマートフォンや家電製品、日用品などの大規模な値引きキャンペーンを2023年3月から始めており、その結果中国での厳しいコロナウィルス規制が解除された後もEC事業は好調を維持しています。CEOのLei Xu(レイ・シュウ:徐雷)氏によると、今後も長期的な事業成長を促進するため、ECプラットフォームのサービス拡充とコスト削減に注力していく予定です。
情報源:JD.com."JD.com Announces First Quarter 2023 Results"(2023/05/11)
楽天、2023年度第1四半期決算を発表・連結売上高は過去最高を記録
5月12日、楽天が2023年度第1四半期決算を発表しました。インターネットサービスやフィンテック、モバイルなど全事業で増収し、連結売上高は前年同期比9.3%増の4,756億円となり、過去最高を記録しました。月間アクティブユーザー数は10.3%増の4,000万人超となり、楽天の顧客基盤はより強固になりました。インターネットサービス分野では、国内EC市場が大きく拡大し、GMV(流通総取引額)は同12.2%増の1兆4,000億円超えを記録しました。楽天市場を含むECプラットフォームは、コロナ禍以前の2020年度と比較して、購入者数が29.1%増加し、購入価格も16.6%増加しました。
また、インターネット旅行予約サービス「楽天トラベル」も、政府の支援策や効果的な販売促進戦略により高い伸びを示し、取引額が前年度比で大幅に増加しました。同社は今後、ロイヤルカスタマーの醸成、新規顧客の獲得、クロスユースの促進、ECプラットフォーム拡大にむけた楽天エコシステムのオープン化戦略等に取り組むとともに、データやAIの活用を通じた新しい市場の創造により、流通総額及び売上収益の成長を目指す予定です。
情報源:楽天グループ株式会社「楽天グループ株式会社2023年度第1四半期 決算ハイライトに関するお知らせ」(2023/05/12)
楽天、西友の株式をKKRに売却 協業は継続する予定
5月12日、楽天は保有する西友の株式を米投資会社のKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ:Kohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.)に約220億円で売却することを発表しました。本取引により、KKRが保有する西友の株式持分は現在の65%から85%に増加します。
楽天は2021年に西友への出資を開始し、楽天ペイや楽天Edy(ラクテンエディ)を含む西友店舗でのキャッシュレス決済や、楽天ポイントの導入、KKRの知見を活かした店舗運営およびプロセスの最適化を行なっていました。株式売却後も「楽天は西友にとって重要な戦略的パートナー」とし、ネットスーパーやキャッシュレス決済、データドリブンマーケティングの分野における協業を継続する予定です。
情報源:Impress Watch「楽天、西友株式を売却 ネットスーパーなど協業は継続」(2023/05/12)
楽天、約3300億円の資金調達を発表 サイバーエージェントや東急が資本参加
5月16日、楽天グループが公募増資と第三者割当増資の実施を発表しました。モバイル事業や財務体質の強化を目的とし、約3,300億円の資金を調達します。割当先として、サイバーエージェントや東急株式会社などが含まれます。なお、楽天は今回の第三者割当を契機に、サイバーエージェントとの協業を通じたサービスの充実を目指します。具体的にはインターネット広告における広告媒体の営業強化、コンテンツの相互提供などを検討しています。
また、東急との協業としては、2020年7月に両社のオンラインとオフラインのデータを活用した楽天東急プランニング株式会社を共同で設立し、広告・データマーケティング領域のほか、OMO領域でのソリューション開発を進めています。今回の関係強化を通じて、東急線沿線を中心にオンラインとオフラインの垣根のない利便性の高いサービスの実現を企図しています。同社は、資金調達は「最適な財務戦略上の選択肢」と考え、モバイル事業の拡大と楽天エコシステムの発展、会員一人当たりのライフタイムバリューの最大化を図る予定です。
情報源:楽天グループ株式会社「公募及び第三者割当による新株式発行に関するお知らせ」(2023/05/16)
Boohoo、2023年度第1四半期決算を発表・利益低迷後、2023年は好転する計画
5月16日、英ファッションEC事業者のBoohoo(ブーフー)が2023年度第1四半期決算を発表しました。売上高は前年同期比11%減の17億7,000万ポンド(約3,040億5,800万円)で、収益も同14%減の10億4,000万ポンド(約1,800億8,000万円)でした。英国事業の収益は同9%減で、国際事業も13%の減収を記録しました。サプライチェーンの混乱や返品率の増加、中華系ファストファッションブランドSHEIN(シーン)などの競合の台頭、そしてインフレによる消費行動の減少が大きな打撃を与えています。
同社は在庫管理の自動化によるコスト削減や、米国のフルフィルメントセンターへの投資による配送力強化を行い、将来的な事業成長を計画しています。今後も引き続き低価格で幅広い商品展開を継続することで、2023年の下半期には収益回復を見込んでいます。
情報源:Boohoo "boohoo group plc ? results for the 12 months ended 28 February 2023"(2023/05/16)
今週の注目は「楽天、2023年度第1四半期決算を発表・連結売上高は過去最高を記録」だよ! |