【2023年EC業界ニュース】Shopify、マーチャント向けにAIアシスタントの「Sidekick」の提供を開始
トランスコスモス調査部が厳選する国内・海外EC業界ニュース
今週も国内外問わずEC市場の動きを、ダイジェストでお届けします。
世界27カ国・100の拠点があるトランスコスモスだからこそ伝えられる、
国内外EC業界の「今」が、5分でわかります。
今週のトピックはこちら。
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スペインファストファッションMango、2023年上半期業績は20%成長と好調
7月12日、スペインファストファッションMango(マンゴー)が2023年上半期の業績を発表しました。売上高は前年同期比20%増の14億5,000万ユーロ(約2,266億7,600万円)となり、2019年と比べて30%増とパンデミック前の数字を上回る結果となりました。
特に、スペイン、米国、トルコ、イタリア、インドなどの主要市場での業績が好調でした。Mangoでは、販売チャネルの強化にも取り組んでおり、2022年12月以来新たに40店舗以上を新設し、現在全世界で2,615店舗を展開しています。
また、オンラインビジネスも好調で、前年同期比で10%近く成長を見せました。SDGsの取り組みにも注力しており、上半期に地中海を保護するために海洋生物学者Manu San Felix(マヌ・サン・フェリックス)氏の協力を得て、繊維廃棄物管理協会を設立しました。これにより、持続可能性のロードマップを強化し続けていきます。
情報源:同社PR "Mango increases its sales by 20% in the first half of the year"(2023/07/12)
Ulta Beauty、ライブコマースを開始
米大手化粧品小売事業者のUlta Beauty(アルタ・ビューティー)はライブストリーミング プラットフォームを提供するbuywith(バイウィズ)と協業し、Ulta Beauty ウェブサイト上でライブストリーミングを開催します。
It Cosmetics(イット・コスメティックス)は同プログラムに参加した最初のブランドで、2023年6月末からライブストリーミングを配信しています。
その他にもEC事業強化の取り組みとして、ECサイトをクラウド基盤に移行することで顧客データのパーソナライズ化を強化しています。クラウド移行に向けてGoogle Cloudのサービスを利用し、新しい機能をテストしながら顧客エンゲージメント向上に繋げていくことを目指します。
情報源:Chain Store Age "Ulta Beauty opens livestream events to cosmetics brands"(2023/07/13)
Shopify、マーチャント向けにAIアシスタントの「Sidekick」の提供を開始
ECサイト構築ソリューションを提供するShopify(ショッピファイ)は、新たにAIチャットボットアシスタント「Sidekick(サイドキック)」を発表しました。Sidekickは、同社の提供するAIエンジンClover Assistantを搭載しており、顧客サービスやマーケティングなどのタスクでShopifyマーチャントを支援します。
主な機能としては、製品や返品配送に関する問い合わせへの回答、顧客の興味関心に基づいた商品のレコメンド、ブログ投稿やソーシャルメディアの投稿などのコンテンツの自動生成、注文確認やフォローアップメールなどのタスクを自動化できます。
Shopifyによると、Sidekickはマーチャントの「パーソナライズされたアシスタント」の役割として設計されており、業務の効率化や顧客満足度の向上を支援できます。
情報源:PYMNTS "Shopify to Debut AI Chatbot Merchant Assistant 'Sidekick'" (2023/07/13)
株式会社セブン&アイ・ホールディングス、2024年2月期第1四半期決算を発表・ECは苦戦
7月13日、株式会社セブン&アイ・ホールディングスが2024年2月期第1四半期決算を発表しました。
営業収益が前年同期比8.3%増の2兆6,506億6,600万円で過去最高を記録。グループ売上高は同8.4%増の4兆1,620億円で、営業利益が同19.9%減の819億9,200万円、純利益は同35.13%減の421億8,000万円を記録しました。
EC事業は、国内コンビニエンスストア事業のセブンネットショッピングの売上高が同0.6%増の57億8,900万円、スーパーストア事業のイトーヨーカ堂ネット通販が同44.2%減の4億7,800万円、ネットスーパーが同12.9%減の77億円を記録し、苦戦しています。
国内コンビニエンススト事業のデリバリーサービス「7NOW」は2024年度の全国展開を見据え、取扱店舗拡大に向けた体制構築の取り組みを強化しています。今後は、顧客接点の拡大に向けた「7iD」会員基盤の整備や、「7NOW」やネットスーパー事業でのラストワンマイル強化を進めていく予定です。
情報源:株式会社セブン&アイ・ホールディングス「2024年2月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2023/07/13)
株式会社ファーストリテイリング、2023年8月期第3四半期決算を発表・海外ユニクロ事業が大幅に増収増益
7月14日、株式会社ファーストリテイリングが2023年8月期第3四半期決算を発表しました。
連結決算の売上収益は前年同期比21.4%増の2兆1,435億円、営業利益は同21.9%増の3,305億7,400万円と、大幅な増収増益を記録しました。店舗とECを含む国内ユニクロ事業は、売上収益が同10.7%増の7,097億円、営業利益は同3.0%減の996億円と大幅な増収の一方で、円安による原価率上昇で減益となりました。うち、ECの売上高は4.3%減で、コロナ禍の落ち着きに伴う店舗回帰が影響しました。
今後はコア商品の情報発信強化や新規アプリ会員の獲得を図るほか、店舗とECが融合したサービスの利用促進を行い、顧客基盤を拡大するねらいです。
また、海外ユニクロ事業の売上収益は同30.5%増の1兆976億円、営業利益は同38.6%増の1,841億円と力強い成長を継続し、すべての地域で大幅な増収増益を記録しました。特に、グレーターチャイナの業績が想定以上に回復し、海外ユニクロ事業全体でも業績予想を大幅に上回りました。
情報源:株式会社ファーストリテイリング「2023年8月期第3四半期報告書」(2023/07/14)
変化する中国のライブコマース、消費者マインドの変化で売り方も変わる
世界的に広まりつつあるライブコマースですが、中国ではライブコマースの返品率が高いことや理性的に買い物をする消費者が増えていることを背景に、これまでの著名インフルエンサーが安値で販売する方法から新しい活用方法が模索されています。
例えば、2023年の618商戦では、米Apple(アップル)が天猫の公式ストアで初のライブコマースを実施しました。ライブコマースでは製品の紹介に徹する「売らないライブ配信」を行い、クーポン券を配布する程度の配信に留まりました。
また、同じく618商戦期間中に、短編動画アプリの「快手」ではサッカーのアルゼンチン代表メッシ選手を招き、ライブ配信を実施しています。配信中に企業広告を配信したものの、商品の販売は行われませんでした。
一方で、京東集団ではバーチャルヒューマンの「桃子」が、24時間体制で農作物を紹介しました。従来と同じように商品の販売を実施したものの、バーチャルヒューマンを採用することでコストを抑えた方法での実施が可能となっています。
情報源:日本経済新聞「中国ライブコマースに新潮流 Appleは「売らない」配信」(2023/07/17)
今週の注目は「Shopify、マーチャント向けにAIアシスタントの “Sidekick” の提供を開始」だよ!
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