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【2024年EC業界ニュース】Qoo10 Wishを買収

トランスコスモス調査部が厳選する国内・海外EC業界ニュース

今週も国内外問わずEC市場の動きを、ダイジェストでお届けします。

多くのグローバル企業へサービスを提供するトランスコスモスだからこそ伝えられる、​​​​​​​

国内外EC業界の「今」が、5分でわかります。

今週のトピックはこちら。

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目次[非表示]

  1. Qoo10 Wishを買収
  2. オーストラリア市場にてAmazonがeBayを上回り最大の売上シェアを獲得
  3. Amazon Hardly Ever Worn Itと協業
  4. 中国EC事業者が韓国市場への集中戦略を加速
  5. 楽天 2023年12月期連結決算を発表

Qoo10 Wishを買収

EC Weekly Picks シンガポール国旗

2月12日、シンガポールEC事業者Qoo10(キューテン)が、米NASDAQ(ナスダック)上場企業ContextLogic(コンテクストロジック)が運営する越境EC事業のWish(ウィッシュ)を買収することを発表しました。

Wishは2010年に米サンフランシスコを拠点に設立した越境ECで、現在世界200カ国以上の消費者に33の言語でサービスを提供しています。

Qoo10によると、今回の買収でアジア地域を越えてグローバルに物流ネットワークを拡大するとともに、北米と欧州の消費者を獲得する計画です。

特に、EC特化型のフルフィルメントを運営する物流子会社Qxpress(キューエクスプレス)のグローバル競争力強化や、Qoo10に出店する韓国企業にグローバル物流を提供できるようになります。

情報源:PYMNTS "ContextLogic to Sell Wish eCommerce Platform to Qoo10"(2024/2/12)

オーストラリア市場にてAmazonがeBayを上回り最大の売上シェアを獲得

EC Weekly Picks オーストラリア国旗

調査会社Pattern(パターン)によると、オーストラリア市場でついにAmazon(アマゾン)がeBay(イーベイ)の売上を上回りました。

2023年度末までに、Amazonのオーストラリアでの売上高は55億ドル(約8,200億7,900万円)に達すると予想されており、また2023年の最終四半期で月間平均サイト訪問数はeBayと比べて48%多い7,520万人を記録しました。

なお、2024年はオーストラリア人の63%がAmazonを利用すると予測しており、特に高所得消費者層の80%がAmazonを好んで利用しています。

Patternによると、Temu(ティームー)や Shein(シーン)など格安EC事業者も急速に市場シェアを獲得していますが、商品の幅広さやサイトの使い易さなどを理由にAmazonを利用する消費者が増加する予測です。

情報源:Ecommerce News Australia "Amazon overtakes eBay as Australia's top marketplace"(2024/2/7)

Amazon Hardly Ever Worn Itと協業

EC Weekly Picks 欧州連合国旗

Amazon(アマゾン)がラグジュアリー中古品プラットフォームHardly Ever Worn Itと協業し、ヨーロッパのラグジュアリー中古市場に参入しました。

イギリス、スペイン、ドイツ、イタリアの消費者はAmazonマーケットプレイス内でラグジュアリー中古品の購入が可能になります。

Ecommerce News Europeによると、2023年のヨーロッパで中古品売上高は10億ユーロ(約1,600億7,900万円)を超えています。

これまでも、Amazonは欧州を対象にラグジュアリーブランドの公式ストア構築に取り組んできましたが、主に新興ブランド中心に出店してきました。Hardly Ever Worn Itとの協業により、CHANEL(シャネル)やDior(ディオール)、Hermès(エルメス)といったビッグネームの取扱いも可能となります。

情報源:Ecommerce News Europe "Amazon expands luxury offering with pre-owned goods"(2024/2/8)

中国EC事業者が韓国市場への集中戦略を加速

EC Weekly Picks 中国旗

朝鮮日報によると、中国EC事業者が韓国に配送・返品用の物流センターを設置し、出店手数料の免除により韓国の出店事業者を囲い込むなど、韓国市場への進出を加速しています。

特にAliexpress(アリエクスプレス)とTemu(ティーム―)、SHEIN(シーン)が勢力を伸ばしています。Aliexpressは3つの戦略で韓国市場に参入しています。

1つ目は韓国商品の強化です。出店手数料の免除により韓国の出店事業者を囲い込み、国内から発送する商品の取扱拡大を進めてきました。

2つ目は物流センターの構築です。仁川空港などに返品商品の集荷場を設けたほか、2023年11月から無料返品サービスを開始しています。2024年には、物流センターで「注文即時配送」システムの運用を開始することで、Coupang(クーパン)など韓国の地場EC事業者の翌日配達にも対抗できるようになります。

3つ目はアフターサービスの拡充です。韓国消費者連盟によると、2023年のAliexpress への消費者苦情件数は465件で、前年の5倍に増えました。カスタマーセンターに繋がらない点や、チャット形式のFAQ対応で韓国語が通じない点などが苦情の中心だったため、2023年下半期から韓国国内のカスタマーセンターを拡充し、韓国人社員の雇用を増加しています。

Aliexpress 以外にも、Temuが無料返品と購入後90日以内の全額払い戻しサービスを開始したほか、SHEINも他国の顧客のレビューを韓国語に自動翻訳し、返品・払い戻しサービスの韓国語対応を開始しています。

情報源:朝鮮日報 「配送・返品サービスも韓国国内並み...韓国市場に大攻勢をかける中国EC業者」(2024/2/13)

楽天 2023年12月期連結決算を発表

EC Weekly Picks 日本国旗

2月14日、楽天が2023年12月期連結決算を発表しました。

売上収益は前期比7.8%増の2兆713億1,500万円で営業損益は2,128億5,700万円、当期損益は3,394億7,300万円と5年連続の赤字になりました。業績の改善に向け、赤字が続く携帯電話事業の黒字化を早急に目指すとしています。

インターネットサービスの売上高は前期比9.8%増の1兆2123億1400万円で、営業利益は同18.9%増の768億円でした。うち、国内EC事業の売上高は前年同期比10.8%増の8,856億円で営業利益は同7.8%増の1,025億円、流通総額は同6.9%増の6兆円を記録しました。

コロナ禍における巣ごもり消費が落ち着いた後も、利便性や満足度の向上に向けた施策や販促活動を実施し、顧客の更なる定着を達成しました。

なお、同社では2024年に入りAI施策を強化し、生成AIを用いた店舗運営支援策に取り組むことで、2030年までの国内EC流通総額10兆円を目指し、楽天市場のさらなる成長を目指しています。

情報源:楽天 「2023年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」(2024/2/14)


POINT

今週はQoo10のWish買収が注目だよ!SheinやTemuの登場以前までは越境ECのトップ企業だったWish、Qoo10はこの買収でグローバル物流強化を狙うみたいだね。


trans+(トランスプラス) 編集部
trans+(トランスプラス) 編集部
ITアウトソーシングサービスで企業を支援するトランスコスモス株式会社のオウンドメディア編集部。メンバーはマーケター、アナリスト、クリエイターなどで構成されています。

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