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オウンドメディアの効果を高めるKPIと見るべき指標とは|アドテック神戸

来週は「ad:tech(アドテック)東京 2017」が開催されますね。

アドテック東京は、広告主・メディアをはじめとしたマーケターが集まるアジア最大のマーケティングカンファレンスです。今年で9回目の開催となり、昨年はカンファレンス来場者と海外来場者が過去最高を記録しているという、デジタルマーケティング業界にとっては毎年大注目の国際イベントとなっています。


●ad:tech tokyo(アドテック東京)
URL:http://www.adtech-tokyo.com/ja/
日時:2017年10月17日(火)-18日(水)
会場:東京国際フォーラム


その前に!!

今年の7月に開催された「ad:tech(アドテック)関西」について振り返ってみます!


ad:tech関西(アドテック関西)2018についての記事はこちら


アドテック関西においても、関西最大規模の国際マーケティングカンファレンスとなっており、4回目の開催となる本年度は「三都物語」へ生まれ変わり、京都・大阪・神戸の三都市で開催されました。AI戦略やインフルエンサーマーケティング、動画でのブランド戦略など注目セッションが多く、大盛況のまま閉幕しました。

トランスコスモスからは、アドテック関西のうちの一つ「アドテック神戸」にDECLab(デックラボ)メンバーである亀井昭宏が公式スピーカーとして登壇しましたのでその内容をご紹介いたします!


■アドテック神戸
C-4 オウンドメディアの効果を高めた「改善」ケーススタディ


そうです、亀井は当サイト「DECLab(デックラボ)」について熱く議論を交わしてきたのです!
当時はまだDECLabも立ち上げたばかり。立ち上げ当初ならではの目的や指標などについてお話させていただきました。

スピーカーとして一緒に登壇されたリクルート三澤様は、“食欲と知識欲をシゲキする”をテーマに料理やグルメ情報を発信している「メシ通」を運営しており、レストラン予約・グルメ情報サイト「ホットペッパーグルメ」への誘導につなげています。

ネスレ出牛様は、「ネスレアミューズ」というネスカフェ、キットカットなどのネスレ商品にまつわるエンタメ情報やレシピ情報などを発信しているメディアをご担当されています。なかでも「ネスレシアター」というコンテンツが非常に人気だそうで、有名な監督や俳優が出演するオリジナル作品や世界のショートフィルムを無料で配信しています。


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目次[非表示]

  1. なぜオウンドメディアなのか
  2. オウンドメディアのKPIと効果測定
  3. 改善に向けて見ていくべき指標
  4. 各社の次なるチャレンジとは
  5. 登壇者インタビューしてきました!
  6. おまけ

なぜオウンドメディアなのか

井登氏:一言にオウンドメディアといっても様々なものがあって、それぞれ目的やターゲット、コンテンツ軸などは異なりますが、運営や企画といったことは全てに共通します。これらは非常に大変なことだと思いますが、なぜそこまでしてオウンドメディアを選んだのですか?

出牛氏:今やユーザーとのタッチポイントがオフラインからオンラインに流れていますので、自社が発信する情報の重要性が非常に高まっています。そこでオウンドメディアの力というのは非常に大きいと考え、「ネスレアミューズ」ではオンラインで会員登録してもらえるよう、コンテンツ制作には力を入れています。

亀井:DECLab(デックラボ)では、様々な人にトランスコスモスのことを知ってもらうために自社情報を発信していく目的で立ち上げたBtoBのオウンドメディアです。トランスコスモスはオウンドメディアのイメージが全く無いと思いますので、社内でもチャレンジングな試みとなっています。他にもNewspicksやBissinessInsiderなどの既存メディアを活用した自社情報の発信も強化しています。

井登氏:オウンドメディアの始まりは大体、上から号令がかかる場合と現場からのボトムアップのどちらかであると思っていますが、DECLabはどちらだったんですか?

亀井:会社全体の方針の一つとしてトップダウンで落ちてきたのと、現場からやってみたい!という声も上がっていたので、ちょうど両方がマッチングしたカタチで始まりました。

三澤氏:ホットペッパーグルメは、生活者が「食べに行こう」「飲みに行こう」と思ったときに初めて接するメディアですので、その前のフェーズでも接点を持ちたい、という思いから「メシ通」を立ち上げました。「メシ通」の基本的な目的としては店舗予約に繋げることですが、記事の中では決して予約してくださいとは言いません。あくまで日常の中でお客様とのタッチポイントになることが重要だと考えています。


株式会社リクルートホールディングス 三澤直哉 氏

オウンドメディアのKPIと効果測定

井登氏:オウンドメディアの大きな課題としてKPIの設定がありますが、みなさんはどうしていますか?

三澤氏:セッション数やUU数、外部サイトからどれだけ参照されたか等を見ています。最近では、「メシ通」に接触したお客様は、その後ホットペッパーグルメの利用促進につながるのでは、という仮説検証などもしており、KPIを変えたり増やしたりするかもしれません。

井登氏:KPIをオウンドメディアの成長に応じて変えていくんですね。

三澤氏:はい、オウンドメディアのKPIは運営していくなかで増やしても良いですし、変えても良いと思っています。振り返りの単位も、最初は3か月に一回でしたが、それもメディアのステージによって変えています。今後は、顧客IDを紐づけてその先の効果も追っていきたいです。

出牛氏:「ネスレアミューズ」では、キャンペーンやコンテンツなど、施策ごとにKPIを変えています。そしてその進捗を月1回のペースで追っています。特に期の切り替わりだと、予算との兼ね合いもあると思うので成果をきちんと振り返っていくべきだと思います。

亀井:いつまでの成果とするかの決めは大事だと思っています。年度という概念にはとらわれず、そのサイトにとってのピークを見ていくべきですね。


トランスコスモス株式会社 亀井昭宏

改善に向けて見ていくべき指標

井登氏:オウンドメディアは会社の“性格”みたいなものが出てきますね。では、KPIに向けて運営していくなかでどのような指標を見て、改善に活かしていますか?

出牛氏:優先順位をつけて改善していくポイントを見ています。「ネスレアミューズ」では会員数や訪問数・訪問頻度などの指標を重要視しています。あと動画の場合はコストもかかっているので、視聴数という指標に着目し改善を図っています。

亀井:DECLab(デックラボ)で見ているポイントは、外部で何件取り上げられたか、という指標です。そこで反響が分かりますので、コンテンツの中身自体の改善へと繋げています。

三澤氏:一般的に、UU数やPV数ばかりを見がちなのですが、セッションが増えたのはタイトルとサムネイルが良かっただけかもしれませんし、読者が記事を読んだ後どういう感情を抱いているのかは分かりません。ですので「メシ通」では、その先の“シェア”にポイントを置いています。読者は、はてなブックマークやTwitterでブックマークやツイートしてくれたか、そして、どんな感想を持ってくれたのか、意図したとおりに伝わったのか、コメントをできる限りすべて読むようにしています。このような定性的な分析からの気づきを、次の記事の企画へ活かしています。


株式会社インフォバーン 井登友一 氏

各社の次なるチャレンジとは

三澤氏:ホットペッパーグルメの会員ID毎に、メシ通に触れた人と触れていない人の態度変容の分析をして、その先のビジネスへ接続していきたいです。ビジネス貢献できるオウンドメディアになった!ということの証明をきちんとしていきたいと思っています。

亀井:トランスコスモスはデジタルマーケティング以外にも様々なサービスを展開していますので、量や質を担保した上で色んな部署を横断した情報を発信していきたいです。自社の良い形を表に出していきたいです。

出牛氏:コンテンツを作ってもユーザーが来なければ意味がありませんので、分散型メディアのようなユーザーが見ているプラットフォームに自分たちから積極的に出ていきたいと考えています。


ネスレ日本株式会社 出牛誠 氏

登壇者インタビューしてきました!

セッション終了後、オウンドメディアに対する想いを深堀りすべく、登壇者の方々にインタビューしてきました!


  岡安

井登さん、セッションお疲れ様でした!今回、モデレーターとして意識していたことなどはありますか?

  インフォバーン 井登 氏

お客様や市場のユーザーに対してどうコミュニケーションしていきたいかをうまく引き出していければと思っていました。そのために昨夜、このメンバーでキックオフ(飲み会)をしていますので、実はこのセッション、昨日から始まっていたんです(笑)

  岡安

では、コンテンツのお話を出牛さんにもう少しお伺いします。「ネスレアミューズ」では動画にかなり力を入れていると思いますが動画の次に、ユーザーとエンゲージメントを築くコンテンツとして考えているものは何かありますか?

  ネスレ日本 出牛 氏

まず、作ることを目的にしていなくて、どちらかというと既にあるコンテンツを広めることでエンゲージメントを築いていきたいと思っています。その方法として分散型プラットフォームかなと。一つのところに置いておいても来る人は限られるので、リーチを高めてエンゲージメントにつなげていきたいです。親和性のあるプラットフォーム選定というのも大事ですね。

  岡安

ネスレシアターのコンテンツは、既に個人のSNSでリツイートされていますよね。私も「花とアリス殺人事件」をTwitter上で、友人のツイートで知りました !今後、自社メディア以外のプラットフォームにコンテンツが広がっていくことを意識した情報設計は、ますます重要になりますね。

  岡安

次はターゲットについて、三澤さんに。ホットペッパーグルメは幅広い年代・性別のユーザーがいるように感じるのですが、「メシ通」でターゲットを30代~40代男性に絞っているのはなぜですか?

  リクルートホールディングス 三澤 氏

ホットペッパーグルメは20~30代の女性がコアユーザーで、30代~40代男性にアプローチできていない課題があったからです。今のところ「メシ通」は、デザインもお店のテイストもターゲット層に合わせているので、PDCAはうまくいっています。

  岡安

目的とターゲットを明確にすると、コンテンツやサイトのテイストが絞られていきますね。「メシ通」は「メシ通」の色が出ているので、逆に、「ホットペッパーグルメ」はこんな情報サイトも持っているんだ!と新しい一面を知ることができました。自社ブランドの新しいイメージを与えるという、まさしくオウンドメディアの役割ですね!

  岡安

では最後に亀井さん。アドテック神戸はいかがでしたか?

  亀井

今日は本当に良い経験をさせていただきました。私は関西の出身なので、神戸での登壇はひときわテンションもあがりましたね!セッションではあまり詳しく言えなかったのですが、トランスコスモスとしてはもともとコールセンターも1つのオウンドメディアかと思っていまして(私は「オペレーショナルメディア」と勝手に呼んでいます。)次は、どこかでぜひそのあたり話をもっとさせていただきたいと密かに考えています。

  岡安

確かに、服装にもテンションの高さが現れてましたもんね!次の機会も期待しています!(内容にも服装にも。笑)


オウンドメディアと言っても三者(三社)三様。

DECLabはBtoBのオウンドメディアなので、ターゲットやメッセージがコアなのですが、まだ立ち上げたばかりのサイトですのでKPI設計や今後の展望など、大変参考になりました!

また、前日からお酒を酌み交わし、セッションに対する想いを語られていたこともあり、当日も和気あいあいとお話されていて、非常に楽しいセッションでした。

(弊社亀井ばかりお酒飲んでズルイです。私は日帰りリポートだったので・・・次回は泊まりでお伺いして、しっかり観光したいです!)

今回、唯一観光できたメリケンパーク


さて、今週開催されるアドテック東京では、弊社から佐藤俊介がモデレーターとして以下セッションに登壇します!

またリクルートの三澤様もご登壇されますので、ぜひみなさんご参加ください!


■2017/10/17 [16:20 – 17:10](1日目)
E-5 検索エンジンマーケティングのヒント集


■2017/10/18 [11:35 – 12:25](2日目)
A-6 デジタル社会に適した広告プラットフォームの変化


私も取材に行くので見かけたらぜひ声を掛けてください!(笑)

おまけ

いつもお世話になっているパートナー企業様の出展ブースにもお邪魔してきました!
皆さま写真のご協力、ありがとうございました。

Appier Japan 株式会社


Repro 株式会社

岡安 萌美
岡安 萌美
新規事業 ギフトコンシェルジュアプリPitaPre(ピタプレ)のPRとマーケティングを担当しつつ、時折ライティング活動も。仕事終わりのラーメンとビールが好きです。

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