チャット広告で再訪率が2倍に!ヤフー、クリテオと語るDECAdsの可能性
皆さん、寒暖差が大きい季節、体調崩されたりされてないでしょうか?
グルメ、スポーツ、アウトドアなど良い季節でもありますが、暑くなったり寒くなったりで着るものに悩む日々の亀井です。
先日、チャット広告「DECAds(デックアズ)」に関するセミナーをトランスコスモス社内で開催し、私も第一部に登壇してきました!
私のパートでは、前半にDECAds(デックアズ)の基本的な説明とその事例についてご紹介し、後半にセミナーのゲストとしてDECAdsと媒体連携をしているヤフー(現 LINEヤフー株式会社)の北川 祥三様とCriteoの中村 祐介様にもご登壇いただき、私を含めた3社でトークセッションを行いました。
そして続く第二部では、DECAds開発担当の下田と辻野が登壇し、チャットに実装されている機能のご紹介と、現在開発中の機械学習を用いたデータ活用について講演しています。
その様子を、ダイジェストでお伝えしていきます!
※2024年2月更新
▼登壇者
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コンタクトセンターのノウハウが詰まった新しい広告
まず私のパートでは、そもそもDECAds(デックアズ)とは一体何なのか!?についてご説明しました。
DECAds(デックアズ)は今年の2月にトランスコスモスがリリースした、広告からチャットへ誘導する独自開発商品です。チャット内でユーザーと対話をすることで、商品に対する興味関心度を向上させたり、ユーザーの課題解決を可能にします。
またチャット内の対話内容に応じた誘導ページの出し分けが可能なので、ユーザーに個別最適化された情報を届けることができる、これまでになかった新しいマーケティング手法です。
「○○診断!」や「○○クイズ!」のようなチャットならではの訴求によって、新たなユーザー(新規顧客)にアプローチします。またチャット内で「A・Bどちらにしますか?」のような選択肢を与えることで、ユーザーを能動的に次のステップに進めさせることができます。人は、「ABどちらにしますか?」といわれると、どちらかを選ばすにはいられないですよね。
まさに“ユーザー自ら情報を取りにきてくれる広告“というのが、DECAds(デックアズ)です。
この資料の通り、DECAds(デックアズ)は皆さまのマーケティングに様々な価値を提供できますが、大きな特徴はなんと言ってもチャットシナリオに“コンタクトセンターノウハウ“が活用されているということです。
DECAds(デックアズ)のチャットシナリオは、単純に質問をしてページに誘導するということではありません。シナリオ内には、人が行動にうつすまでの心理の変化に合わせた対話プロセスが盛り込まれていますので、潜在顧客から顕在顧客まであらゆるフェーズのユーザーを逃すことなく誘導することができます。
トランスコスモスは、長年コンタクトセンター事業で培ってきた対話テクニックや対話設計など、細かな誘導テクニックをたくさん持っています。
ユーザーの再訪率を2倍にするDECAds(デックアズ)
リリースから半年が経過し、おかげさまで様々な企業様に導入いただいているDECAds(デックアズ)。その徐々に見えてきた実力を、ご紹介しました。
それはズバリ、DECAds(デックアズ)はこれまでの広告と比較すると、ページに誘導した“ユーザーの質”を上げているということです。
導入企業の実績では、チャットを経由したユーザーは直接LPに誘導したユーザーと比べ、新規ユーザー率が32%UP、平均PV数は42%UP、そして滞在時間は129%もUPしています。これは通常の訴求バナーでは反応しなかった新たなユーザーを誘導し、さらにそのユーザーがチャットの複数の質問によって認知や理解を得られたことで遷移先ページでの複数ページの閲覧、滞在時間を長くさせる事につながったと考えられます。
さらには、チャット接触ユーザーのLPへの再訪率が2倍にもUPしていることも分かっており、これはチャットコミュニケーションという能動行動から得られる特性で、記憶への定着や、商品/サービスへの好意度の上昇だと分析をしています。
ヤフー、Criteo、トランスコスモス、3社の新たな挑戦
そしてここからはトークセッション。
DECAds(デックアズ)は現在、SmartNewsやKANADE、AdRollなど様々な広告媒体と連携をしており、複数メディアでユーザー行動に応じたチャット広告を配信することが可能です。
その中でも今回のセミナーでは、ヤフー(現 LINEヤフー株式会社)さんとCriteoさんにご登壇いただき、トークセッションという形で話をうかがいました。
左から、ヤフー株式会社(現 LINEヤフー株式会社) 北川祥三様、CRITEO株式会社 中村祐介様、トランスコスモス亀井
DECAds(デックアズ)は国内最大級の広告配信ネットワーク「Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)」を誘導メニューの1つとしており、ヤフー(現 LINEヤフー株式会社)の媒体規模を活かして幅広いユーザーにチャットで商品/サービスを訴求することができます。
またダイナミックリターゲティング広告のCriteoとの連携によって、ダイナミックバナーの特性を活かした新しい広告フォーマットをDECAdsとともに開発・提供しています。
ダイナミックバナーでのチャット訴求イメージ
まずは、DECAds(デックアズ)との取り組みを決めた理由について、単刀直入に聞いてみました。
北川氏:
「チャット広告によって、“低単価で質の良い新規ユーザーの獲得“というものが実現できると思ったからです。の広告主様の多くが、サイトリターゲティング配信中心となっており、ヤフー(現 LINEヤフー株式会社)が持つメディアやデータパワーを活かしきれていない現状があります。
チャットの場合、対話の中でターゲティングを絞っていけますので、低単価でブロード配信を実施したとしても、サイトリターゲティングとの親和性が高いと考えています。これまでターゲットとできていなかったユーザーの発見こそがDECAds(デックアズ)とヤフー(現 LINEヤフー株式会社)の相乗効果だと確信しています。」
ヤフー株式会社(現 LINEヤフー株式会社) 北川祥三様
中村氏:
「Criteoはタグやフィードからニーズなどの情報を得てリターゲティング広告として商品をレコメンドしていますが、でもこれはあくまで過去のニーズ情報です。ユーザーが広告を見たときのニーズはもう変わっていて、既に興味が無くなっているかもしれません。DECAds(デックアズ)の場合、チャットでリアルタイムなニーズを把握することが出来るので、Criteoのパフォーマンスにより磨きがかけられるのでは、と思いました。」
両社ともにそれぞれの課題があり、そこにちょうどフィットしたのがチャットの特性であり、DECAds(デックアズ)だった、ということのようです。
北川氏:
「チャットやLPでのアクションデータを活用した、より高度なPDCAに期待しています。
DECAds(デックアズ)でコンバージョンしたユーザーの対話データをタグで管理し、広告配信に活用できます。さらにYahoo! DMPを活用すれば、チャット体験をした人が上ではどういう行動(興味関心や検索)をしているのかを分析できるようになります。この行動プロセスの可視化によって、投資予算や見つめるべき指標、投資対効果を正しく定め、広告主様のマーケティングをうまく循環させていきたいです。」
Criteo株式会社 中村祐介様
Criteo 中村氏:
「Criteoは、広告主サイトに訪問経験のあるユーザーへの配信を主にしていますが、チャットを経由することで新規ユーザーを獲得出来るのであれば、逆に広告主に接触していないユーザーに広告を出すのもおもしろいなと思いました。あとは現在開発中のユニバーサルマッチ(※)を活用した新プロダクトであれば、特定のユーザーをリストアップして、チャットを経由していないユーザーにチャットを訴求したり、既にチャットを経由したユーザーにはアップセル訴求のシナリオで挑むなど、色んな広がりが出てくるかなと思います。」
※ユニバーサルマッチ・・・(Criteoタグを経由してユーザーのEmailアドレスをハッシュ化した値を送信することで、ブラウザやデバイス間で異なるクッキーをマッチングし、ユーザーの統合されたプロファイルに基づくクロスデバイスでの配信やレコメンデーションの最適化、計測などを行っていくことができる技術。
DECAdsとヤフー(現 LINEヤフー株式会社)、Criteoの挑戦は、まだまだ始まったばかり。
これからDECAdsを通してますます広告の未来の価値をアップするチャレンジをしてみたいと思うトークセッションとなりました。
マーケティングの世界を広げるDECAds(デックアズ)の様々な機能
続いて第二部では、DECAds(デックアズ)の商材開発担当である下田昌平と辻野優が登壇です。
辻野は、現在既に実装することができるDECAdsの機能についてご紹介しました。
DECAdsはユーザーからの回答にテキストや画像を用いてレスポンスするだけではなく、様々な機能をチャット内にうまく活用することで、これまでとは違ったマーケティングを実現することが出来ます。
その一部をご紹介すると、店舗やコールセンターへ繋がる通話ボタンの設置や、資料請求などに対応したファイルダウンロード機能、またチャット内でそのまま注文や支払いを完了させることも可能です。
そして辻野がこの日デモで紹介した店舗誘導機能では、たとえばユーザーがチャット内で「近くの店舗を教えて」と問いかけると、現在の位置情報から判断した最寄店舗の地図を提示し、「200m先の角を右折してください」などの具体的かつリアルタイムな誘導をすることができます。そしてユーザーが店舗に到達したらクーポンを提示できたりなど、インタラクティブなコミュニケーションを図ることで、通常の広告以上のマーケティング価値を生み出します。
店舗誘導機能のチャットデモ
広告と“相性が良い”チャットタイプは「選択型」
DECAdsのチャット機能は、ユーザーに回答を選択させる「選択型」、FAQのような特定の単語に反応して回答する「キーワード型」、ユーザーの言葉を理解して発言する「会話型」の3種類に対応しています。
しかしこの3つのうち、実は広告と相性が一番良いチャット形式は「選択型」であると辻野は話します。
「選択型だと、ユーザーの行動(対話内容)を把握しやすいので広告プランやチャットシナリオのPDCAを回しやすく、広告をブラッシュアップしていくことが出来ます。
またユーザーそれぞれの選択に対応したLPへ誘導することが出来るので、アピールしたいポイントをうまく伝えながら訴求したい目的へ誘導をすることが可能です。」(辻野)
トランスコスモス 辻野優
相関性を持ったデータ活用で、ユーザーが“本当にしたいこと”を理解する
また今後の開発について下田は、DECAdsにNLP(人間が自然に発生する言語を理解するテクノロジー)を組み込む開発をしている、と話します。既に用意された選択肢や単語への応対だけで、果たして本当にユーザーが求めている情報を提供できているのでしょうか。
その課題を解決すべく、NLPの導入を進めています。
トランスコスモス 下田昌平
たとえば、ホテルの予約をしたいAさんが予約サイトのチャットで「ホテルを予約したい」と発言した場合、「去年の夏休みに軽井沢Xホテルを家族で予約したことがあるAさん」というデータがあると、きっとみなさんは「軽井沢Xホテル」もしくは「軽井沢周辺のホテル」を提案すると思います。
しかし、Aさんのデータが「ゴルフ場情報サイトを閲覧した後、夏休みに軽井沢か箱根どちらがいいか相談してから、軽井沢Xホテルを家族で予約したAさん」だった場合、Aさんに相応しい提案内容が変わってくるかと思います。
更に「ゴルフ場情報サイトを閲覧した後、夏休みに軽井沢か箱根どちらがいいか相談してから、箱根Yホテルに決めたけど、空きがなかったので軽井沢プリンスXホテルを家族で予約したAさん」というデータだった場合は・・・・!?
このように、チャットがコミュニケーションを理解していくことで、“その人の本当にしたいことは何なのか”を判断し、最適な商品・サービスの訴求や接客を実現していきます。
最後に下田は、
「データを扱うには“相関性”を出していくことが大切です。更に言うと、その相関性を出すための要素となる数字やポジションをきちんと理解していくことがもっと重要です。
DECAdsは、『なんとなく上手くいった』ではなく、『こうだから上手くいった』と言えるようにきちんとデータと向き合って管理をしていき、相関性を持ったデータの要素分解をしていくような仕組みを目指しています!」
と熱く語りました。
今回のセミナーへの登壇後、参加企業様から直接感想をいただくことができました。せっかくの機会なのでいくつかご紹介します。
「チャット内行動の可視化は一種の定性アンケート調査。定量指標だけにとどまらず今後のユーザーLTV向上につながるデータではと可能性を感じた」
「今後のメディアとのデータ連携は非常に興味深い。単なるメディア出稿からネクストステップ、次の施策までつながるところが良さそう」
非常にありがたく、未来につながるご意見いただいたと思っております。
まだまだサービスはスタートしたばかり。
トランスコスモスならではのノウハウの機能化やデータ連携など、どんどん進化させていくつもりですのでどうぞご期待下さい!!
▼セミナー概要
ヤフー 株式会社(現 LINEヤフー株式会社) Criteo 株式会社 <第二部>こんなことができる!開発担当者が語る、DECAdsの具体的活用法 トランスコスモス株式会社 |