デジタル時代に顧客エンゲージメントを獲得するには
ブランドアフィニティ(ブランドへの親近感)を獲得していくためには、企業が顧客との間に信頼関係を築き、顧客とのエンゲージメント(つながり・きずな)を強化していく必要があります。最終的な目標は、これまで述べてきたように顧客に感動を与え、企業・ブランドの忠実な推奨者にすることです。新しいカスタマージャーニーの中で、初期のステップである「認知」「関心」の構築には、従来の伝統的マーケティングが大いに役立ちます。しかし、段階が進むにつれて、デジタルマーケティングの重要性が高まり、最終目標である「推奨」を促すための役割を求められます。新規客を忠実な推奨者に変えることを目的とした顧客エンゲージメントの強化方法は、デジタル時代の現在、一般的に3つあります。
ブランドへのエンゲージメントを向上させる方法
- スマホアプリを使ってデジタルな顧客経験を高める
- ソーシャルCRM(顧客リレーションシップ管理)で顧客の問題を解決する
- ゲーミフィケーションによる適切な顧客行動の推進
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スマホアプリを使ってデジタルな顧客経験を高める
顧客の生活にスマートフォンが必需品となった今、顧客は自らが持つスマートフォンに愛着を持ち、常日頃から身の回りに置いています。顧客とのエンゲージメントを築くには、スマートフォンというチャネルが必要不可欠な時代になっているのです。今では、グローバルブランドの上位100位のほとんどは顧客とのエンゲージメントを築くためにスマホアプリを使っています。
スマホアプリには、さまざまな活用方法があり、例えば、顧客へコンテンツを届ける窓口として、顧客自身が直接取引や設定を行えるセルフサービスチャネルとして、製品の入手や機能・サービスがアプリを通じて利用できます。それらは顧客の手元で利用できるので、日常的にブランドへアクセスすることを容易にしました。
ソーシャルCRM(顧客リレーションシップ管理)で顧客の問題を解決する
現在、世界人口の1/3以上がソーシャルメディアを利用しています。企業がブランディング活動をする上で、ソーシャルメディアを通じて顧客とつながりを築くことは必須要素となっています。顧客との長期的リレーションシップを生み出すにはソーシャルメディアは欠かせないツールです。
伝統的なCRMは企業主導であり、企業がコールセンター、DMなどを用いて顧客とのコミュニケーションを取り仕切っていました。これに対して、ソーシャルCRMは顧客主導であり、ソーシャルメディア経由の質問からコミュニケーションがはじまります。ブランドから顧客への一方通行なものではなくなり、やりとりは他の顧客からも見えるものとなりました。ブランドは顧客の直面する問題に対し、適切かつ迅速な解決策の提示を求められます。その対応が顧客にとって感嘆するようなものであれば、顧客のエンゲージメントも高まるでしょう。
ゲーミフィケーションによる適切な顧客行動の推進
ゲーミフィケーションの初期形態としては、航空会社のマイレージプログラムが挙げられます。マイルを貯める動機づけのために、会員種別に階層がついていて、最上位階層には多くの特権がついています。会員は特典を得るために飛行機に乗ったり、ショッピングをしたりとゲームの経験値を稼ぐように、マイルを貯めたくなる仕組みが設けられています。
そのほか、現在のゲーミフィケーションの事例としては、トリップアドバイザー、YelpのレビュアーやGoogleマップのローカルガイドなど、さまざまなレビューサイトで見ることができます。会員には階層があり、専門家バッジなどのアイテムが用意されています。これにより、顧客側はレビューすることのインセンティブを得、企業側は継続的に質の高いレビューの供給を受けることができるように設計されています。ゲーミフィケーションは継続的なエンゲージメント構築に役立っているのです。
日頃から顧客との接点を大切にする
以上、3つの顧客エンゲージメントを高めるための方法を紹介しました。まずは、顧客との接点を常日頃から持てるような仕組みの構築が非常に重要です。スマホアプリという新たな顧客チャネルでブランド体験を提供し、日常的にブランドに触れる機会を顧客に提供しましょう。
つぎに、ソーシャルメディアが発展した現在では、顧客とのソーシャル上のコミュニケーションは多くの人に見られています。顧客へのブランドの真摯な対応姿勢が、顧客以外の人々のブランドへの態度に影響を与えることを認識しておきましょう。
さらに、日常的にブランドに接してもらうための仕組みとして、ゲーミフィケーションを取り入れ、ブランドとの接触・アプリ利用を習慣化することも有効となっています。スマホアプリ導入で、いつでも顧客のそばにいる存在になるブランドづくりはいかがでしょうか。
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