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【事例資料あり】「Googleアシスタントオリジナルアプリ」を最速で企画するためのポイント5つ

スマートスピーカーの普及にともない、公開されるAIアシスタント対応アプリも徐々に増加中。'音声AIを活用して新たなユーザー体験をつくり、ビジネスに活かせないか'と検討する企業も増えてきています。

こだわりたい部分は千差万別ですが、企画立案はなにかと長期化しがち。そこで今回は、トランスコスモスが2018年夏に実施した「学生向けインターンシッププログラム」のエッセンスをもとに、AIアシスタント向けアプリを最速化するシンプルなセオリーをご紹介します。

ほぼ開発経験のない学生さんたちとともに、「1日(約7時間)で、スマホで動作確認できる水準の、Google アシスタント向けアプリのデモを完成させること」が、本プログラムのゴール。

全工程のなかでも、アプリの出来映えを決める企画はとても重要なのですが、限られた時間でのチャレンジのため、このうち1.5時間のみで、企画を完了しています。


▲Google アシスタントアプリ完成までの主なステップ。
企画は、後工程の起点ともなる最重要項目


本記事でご紹介する'5つのポイント'を企画会議参加者が念頭に置くことで、企画工程そのものを圧縮し、かつ、後に続く設定作業・テスト段階での修正を発生させにくくする効果が期待できます。ぜひご確認ください。


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目次[非表示]

  1. Googleアシスタントアプリ企画を'最速化'させる、5つのポイント
    1. 【1】ユースケースのカテゴリ決め
    2. 【2】ペルソナの設定
    3. 【3】ネーミング
    4. 【4】アプリのロゴ
    5. 【5】ユーザーとの会話シナリオ(ハッピーパス)
  2. 企画は1.5時間でも可能。その後の設定~公開は…?
  3. おまけ:インターンシップで生まれた、ユニークなオリジナルアプリを少しだけご紹介

Googleアシスタントアプリ企画を'最速化'させる、5つのポイント

【1】ユースケースのカテゴリ決め

まずは、「利用者にどのような体験を提供するか」「どんなアクションをさせるか」を考え、組み立てます。アプリの軸となるスタンスを決める重要なステップなので、ここは慎重に決めていくのがオススメです。

既にある自社サービスをAIアシスタント対応させるのか、イチから独自サービスを作り上げるのか、など状況の違いはあっても、「音声AIを活用したサービスを提供する」という前提は崩さずに検討します。

会話型インターフェースが最も効果的なのは、次のような一般的なカテゴリのユースケースです。


●答えがすぐに思いつくこと。
時間や日付など、簡単なインプットで達成できるアクション。
●簡単だがとても便利なアクション。
アイテムを素早く注文するなど、通常はわずかな時間で大きなメリットがあるアクション。
●そもそも音声向きのアクション。
レシピを聴きながら料理する、運転中に頭に浮かんだことをメモするなど、手を使わずに行いたい典型的なアクション。

[引用元]Actions on Google アプリのデザイン方法


【2】ペルソナの設定

ユーザーとコミュニケーションをはかる、アプリの「人格」をデザインします。キャラクターの活用でもまったく問題ありません。先に定めた「ユースケースのカテゴリ」に沿って、以下の点に留意しながら検討していきましょう。

■想定利用者層に合わせた、一貫性のある言葉遣い・トーンを選定


  • 例:'銀行窓口業務'を担うアプリ
    社会人を中心とした多くの人に安心感を与えるため、敬語を使い、丁寧な言葉遣いにする
  • 例:テーマパークで活用する'迷子案内'のアプリ
    迷子になって不安な子どもと友達目線で話すため、フランクな言葉遣いにする



■性別/声色




【3】ネーミング

オリジナルアプリの名前を考えましょう。アプリの名前を使って、「(アプリ名)と話す」「(アプリ名)につないで」などと、ユーザーがアプリを呼び出す時にも使われますので、こちらも重要なステップです。



■命名ルール

  • 日本語音声で変換できる文字だけで構成すること ※「Ⅱ」「happy」「。」などは、変換できないためNG
  • ブランド名、一般的すぎる単語などは、利用できない
  • すでにアプリとして登録済みの名称は利用できない

※「(アプリ名)と話す」など、アプリへの切り替え時に利用するので、呼びやすい名称にする



【4】アプリのロゴ


■チャット中のアイコンとして使われる画像の設定

  • 規定サイズは192×192ピクセル
  • バナーも別途必要です。規定サイズは1920 x 1080ピクセル

※青線囲み:
バナー。アプリの詳細表示で表示させる画像

※赤線囲み:
ロゴ。アプリの詳細表示と、チャット中のアイコンとして使われる




【5】ユーザーとの会話シナリオ(ハッピーパス)

ハッピーパスとは、ユーザーが最も簡単にアクションを実行できる、会話開始から終了までの基本的な道筋のこと。一問一答で、詳細な分岐(下の例の場合、「中吉」以外のユーザーからの回答)は、追って考えます。

■会話シナリオ(ハッピーパス)


ユーザー「OK Goole、トラコスモンと話す」


Googleアシスタント「はい、トラコスモンです。」


オリジナルアプリ「やぁやぁ~。調子はどうなの~?トラコスモンだよん。今回のくじ、結果は何吉だと思う?」


ユーザー「中吉?」


オリジナルアプリ「やだモン!大吉だモン!!今日のラッキーアイテムは、ステーキ!ステーキを食べてパワーアップだモン!肉は正義だモン!トラコスルーレットも、やってみる?」


ユーザー「バイバイ」


オリジナルアプリ「うん、またね!今度は、トラコスモンとじゃんけんしようね~」

ハッピーパスができたら、「会話として不自然ではないか」を確認。シナリオをゆっくり音読しながら、以下の項目を参考にチェックしてみてください。複数名で討議が可能な場合は、役割分担をして読み合わせを実施すると、より分かりやすくなります。


POINT


会話の自然さ:主なチェックポイント


・耳で聞いたときに発話の意味が通っているか?


・利用ユーザー層がぼやけていないか?


・長文すぎないか?


・口癖が多すぎないか?


・一方的に話をしていないか?


・人間同士の会話として自然か? (主語の省略など)



基本となるハッピーパスができあがったら、その他のケースの検討に着手。たとえば、ハッピーパスと最終的に同じ結果になるけれど、ユーザーがたどる可能性のある別の会話のやり取りや、想定外の依頼にどう対応するか、ユーザーの発話を理解できなかった場合はどうするかなど、詳細な肉付けを進めていきましょう。

このとき、熱中のあまり分岐が複雑になりすぎることを防ぐため、可能であれば企画会議に参加していない人の意見を聞くことも有効です。


▲インターンシッププログラム内、企画相談中の様子。
トータル約7時間で、環境設定・テストまで完了しました!

企画は1.5時間でも可能。その後の設定~公開は…?

ご紹介した5つのポイントを念頭に置けば、Google アシスタント向けオリジナルアプリの企画にかける時間をぐっと短縮することが可能です。

また、本インターンシッププログラムでは、企画後の環境設定や端末を使ったテストまで、1日(休憩・説明を含む約7時間)という短期間で実施しました。ほぼ開発経験のない学生さんたちに、これだけスピーディに完成してもらえたコツも、最後にご紹介します。


POINT


1日で企画からテストまで完了できる!ポイント


・必須の設定内容(本記事でご紹介した5つのポイント)を事前に特定


・設定の事前準備【1】アプリを保存する場所(GCPプロジェクト)


・設定の事前準備【2】Googleアカウントの作成


・設定の事前準備【3】Actions on Googleに設定する項目の洗い出し・テンプレート化



開発支援が得意なトランスコスモスが開発の必須項目を洗い出しておくことにより、企画者の検討・シナリオ作成に注力する時間を確保。得意分野ごとの分業により、最速での企画立案と、実装を実現しています。

▼一般公開中・Google アシスタント「Work it!(ワークイット)」ご確認はこちら:
https://assistant.google.com/services/a/uid/000000ac853e2580

▼特別ダウンロード資料内容▼


Googleアシスタント対応事例・お仕事情報サイト「Work it!」


資料ダウンロードはこちら

Googleアシスタント対応事例・お仕事情報サイト「Work it!」

おまけ:インターンシップで生まれた、ユニークなオリジナルアプリを少しだけご紹介

▲インターンシップのまとめは、オリジナルアプリ企画のプレゼン。
「魚へん」の読めない漢字を教えてくれるユニークな便利アプリ(答え:'かずのこ')

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▲こちらは「とにかく褒めてくれる」アプリ。「疲れた」と言うと、
「今日一番頑張ったのは、君だよ~!」と返答してくれます(欲しい…)

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阿部 智英美
阿部 智英美
トランスコスモス社員。Webディレクター、営業支援・提案担当を経て、現在はトランスコスモス応援隊。勤務中のモットーは「できるだけ楽しく、あとで美味しいお酒が飲めるように」。

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