EC Weekly Picks アイキャッチ

【国内・海外EC業界ニュース】Amazon、購買データに基づいた商品サンプリングプログラムを開始!Weekly Picks! 1/10-1/16

トランスコスモス調査部が厳選する国内・海外EC業界ニュース

今週も国内外問わずEC市場の動きを、ダイジェストでお届けします。

世界30カ国・168の拠点があるトランスコスモスだからこそ伝えられる、

国内外EC業界の「今」が、5分でわかります。


今週のトピックはこちら。

↓↓↓↓↓↓↓↓

目次[非表示]

  1. 独Bitkom Research、ドイツEC利用者動向調査を発表
  2. イギリス、合意なきEU離脱となるか?越境ECへの影響は
  3. 米 Amazon、購買データに基づいた商品サンプリングプログラムを開始
  4. 各国で電子商取引事業者への課税義務化の動きが活発化

独Bitkom Research、ドイツEC利用者動向調査を発表

独デジタル協会の調査機関Bitkom ResearchがドイツEC利用者1,000人を対象とするオンラインショッピングにおける返品に関する調査を発表しました。

2018年時点で商品返品率は12%。これは2年前の約10%から微増で、EC利用者の約3割は、10回に1回の頻度で商品を返品しており、特にアパレル商品の返品率が増加傾向となっています。

年齢別では14-29歳の返品率が最も高く(18%)、また男女別では女性による返品が多い傾向がみられました。

ドイツのEC事業者は返品削減に向けて、ライブチャットの導入、360°動画、商品の拡大表示など商品詳細情報を伝えるなどデジタルオプションの拡充を強化しています。

また、多くのEC事業者は顧客からフィードバックやレビューをもらうことで、返品削減に向けた次の施策にも取り組んでいるそうです。

例えばアパレル大手のZalandoは、顧客レビューに加え、フィッティングモデルによる商品のフィット感に関する感想を活用し顧客にサイズをレコメンドすることで、返品削減に繋げています。

情報源

Ecommerce News Europe “12% of online purchases in Germany get returned”(2019/01/08)

https://ecommercenews.eu/12-of-online-purchases-in-germany-get-returned/

Bitkom Research “Jeder achte Online-Kauf wird zurückgeschickt”(2018/12/27)

https://www.bitkom-research.de/epages/63742557.sf/de_DE/?ObjectPath=/Shops/63742557/Categories/Presse/Pressearchiv_2018/Jeder_achte_OnlineKauf_wird_zurueckgeschickt


  trans+編集部

ECには付き纏う「返品問題」。サイズ不一致返品に対しては、ZOZOSUITやSizerなどサイズ計測アプリの成長が期待されます。ですが「返品」は無くなることはないでしょう。それをネガティブな問題と捉えるのか。次なるユニコーンと呼ばれるリバース物流サービス「Optoro」などのように、逆にビジネスチャンスと捉えるのか、「返品」に対する発想の転換が重要となるでしょう。

イギリス、合意なきEU離脱となるか?越境ECへの影響は

2019年1月15日、イギリス政府がEU離脱における条件を定めた離脱協定案の採決が下院で大差をつけて否決されました。このまま「合意なき離脱」が進めば、イギリスと欧州間で既存の貿易ルールが準備期間なく改訂されることとなります。 EU離脱交渉の先行き不安から続くポンド安 により、一時的にイギリスのEC事業者は越境取引が増えるなど恩恵を受けていますが、欧州EC・オムニチャンネル事業者協会(EMOTA)によると、EU離脱は今後越境EC取引に大きな影響を与えるとし、特に関税の復活や法規制の変更は、イギリスのEC事業者の価格競争力や商品配送時間への影響は避けられないと指摘しています。すでに、一部大手事業者はEU離脱に向けた対応を始めており、例えば英アパレル大手Asosや化粧品・健康食品を販売するThe Hutsなどは欧州大陸に物流拠点を開設することで、配送問題回避に向けて準備を進めています。

情報源

Forbes “How Will Brexit Affect Ecommerce: Will Cross-Border Ecommerce Slow Down?”(2019/01/15)

https://www.forbes.com/sites/ninaangelovska/2019/01/15/how-will-brexit-affect-ecommerce-will-cross-border-ecommerce-slow-down/


  trans+編集部

政治的な問題だけでなく、Eコマースの観点でも注目が集まるBrexit問題。「合意なき離脱」がいよいよ現実味を帯びてきています。イギリスの民主主義とメイ首相のリーダーシップ、非常に緊張感が続く状況です。今後の国際社会全体にとっても大きな影響をもたらす決断となるでしょう。

米 Amazon、購買データに基づいた商品サンプリングプログラムを開始

米 Amazonは、化粧品メーカーMaybellineや飲料メーカーFolgersなどのブランドが試供品を消費者に送付することができる新たなサンプリングプログラムを試験的に始めました。同社は顧客の購買履歴を基にAIが購買の可能性や嗜好を予測し、試供品を配布していきます。Amazonは今回のプログラムを通じて売上を伸ばしていくだけでなく、顧客と長期的な関係を築き、継続利用を増やすことも狙っています。また、ブランドはこのサンプリングプログラムをうまく活用することができれば、、ターゲット層へのリーチや売上拡大に加え、Amazon Vine 先取りプログラム(予約商品や新商品のサンプルを配布し、カスタマーレビューを投稿してもらうプログラム)への投資を押さえ、カスタマーレビューを増やすことも期待できると考えられます。

情報源

The Bridge 「Amazon「サンプル市場参入」の衝撃ーー AIが購買期待値を予測、試供品広告を表示」(2019/01/15)

https://thebridge.jp/2019/01/amazon-sample-displayads-ai


  trans+編集部

サンプル市場と言えば、米国では化粧品サンプルでのサブスクリプションサービス”BIRCHBOX“が有名です。サンプルを提供するメーカー側としてはAmazonでのサンプリングを通して、顧客の声のフィードバックや新規顧客開拓が期待できるでしょう。一方で、Amazonとしては個客との関係構築だけでなく、データが集まればPB商品展開に繋げる可能性もあるでしょう。

各国で電子商取引事業者への課税義務化の動きが活発化

2019年1月1日より中国で電子商取引法が施行されましたが、最近世界的にオンラインショッピングが増加していることに伴い、各国で電子商取引法や税制整備が進められています。最近では、中国以外にインドネシアやチリ、イギリスでそれぞれEC事業者を対象とする新しい税制度の導入に向けた動きが注目を集めています。


①インドネシア

2018年12月31日付の財務相令『2018年第210号』で、2019年4月1日より電子商取引における課税の開始を発表しました。発表によると、オンラインマーケットプレイスに対して、出店事業者からの付加価値税およびお法人所得税の納税状況の報告を義務付けています。また、新たな税制度の導入についても言及しており、年商48億ルピア(約3700万円)以上の出店事業者にはVAT(10%)を課税するほか、売上規模に応じた売上税の導入も計画しています。

情報源

The Big News Network.com “Indonesia’s plans to tax eCommerce transactions irks the industry”(2019/01/15)

https://www.bignewsnetwork.com/news/259000015/indonesias-plans-to-tax-ecommerce-transactions-irks-the-industry


②チリ

2019年1月10日、財務相フェリペ・ラライン氏は、国内EC事業者の保護のため、チリで営業する外資系EC事業者に対する課税義務の新案を発表しました。当初、VATの課税を10%に計画していたところ、財務省及びOECD( 経済協力開発機構 )の協議により、地場企業が負担する同等の課税率(19%)にまで引き上げることが取り決められました。

情報源

Reuter “Chile considers new 19 percent tax on multinational e-commerce firms”(2019/1/11)

https://www.reuters.com/article/us-chile-economy-ecommerce/chile-considers-new-19-percent-tax-on-multinational-e-commerce-firms-idUSKCN1P42A4


③イギリス

労働党は商店街の保護のために、「Amazon税」の導入を検討していることを発表しました。2018年9月に開催された労働党大会においても、イギリス国内の商店街の救済案を発表しており、同党にとって注力分野のひとつとなっています。Amazon税は、大手EC事業者の納税負担を増やすことで、市場公平性を保つことを目的としていますが、年々オンライン展開する小売も増えていることから、一律に課税することは難しいことが指摘されています。そのため、労働党は様々な方法でのAmazon税導入を検討していく見解を示しています。

情報源

Essential Retail “Amazon tax: Labour Party considering all options”(2019/01/15)

https://www.essentialretail.com/news/labour-amazon-tax/


​​​​​​​  trans+編集部

各国でEコマースに対する法・税制整備が進みます。トランスコスモスでは世界各国に拠点があるため、こうしたローカル事情は勿論、その土地に合わせたマーケティング支援を一気通貫で行っているのが強みです。グローバルECに関して、是非是非お気軽にお問い合わせください。


POINT

イギリスで、離脱協定案の採決が下院で否決されたことにより、移行までの準備期間のない「合意なき離脱」で進むことが濃厚とされています。もし採決が可決されていれば、2020年末までに移行期間が設けられ、その期間に輸出入に関する法整備を整えることやEU・EEAをはじめとする各国とのFTA締結が可能となり、イギリスの越境EC事業者にとっては売上拡大のビジネスチャンスになるともいわれていました。しかし「合意なき離脱」が進めば、越境EC取引に大きな混乱をもたらすといわれています。残り1か月でより好条件で離脱することができるかメイ首相の手腕が問われます。


~トランスコスモス調査部より~


トランスコスモス調査部ブログはこちら


wataru_matsuno
wataru_matsuno

関連記事:

trans+(トランスプラス)に掲載しているコンテンツや、サイト内で紹介したサービスに関することなど、どうぞお気軽にお問い合わせください。

フォローする:

この記事をシェアする:

人気記事ランキング