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【国内・海外EC業界ニュース】楽天、大手スポーツ用品店アルペングループと提携。リアル店舗とオンラインの統合加速か? Weekly Picks! 3/13-3/19

トランスコスモス調査部が厳選する国内・海外EC業界ニュース

今週も国内外問わずEC市場の動きを、ダイジェストでお届けします。

世界33カ国・171の拠点があるトランスコスモスだからこそ伝えられる、

国内外EC業界の「今」が、5分でわかります。


今週のトピックはこちら。

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目次[非表示]

  1. 米PayPal、アルゼンチン大手オンラインマーケットプレイスMercadoLibreに出資!
  2. 米Amazon.com、他社サイトでの安売り禁止の要件を撤回!
  3. ナイジェリア大手オンラインマーケットプレイスJumia、ニューヨーク株式市場へIPO!
  4. 楽天、台湾大手オンラインマーケットプレイスPChomeと越境で提携!
  5. 楽天、大手スポーツ用品店アルペングループと提携!

米PayPal、アルゼンチン大手オンラインマーケットプレイスMercadoLibreに出資!

3月11日、米PayPalはアルゼンチン大手オンラインマーケットプレイスのMercadoLibreへの出資を発表しました。MercadoLibreは、現在、アルゼンチンを含む南米市場18ヵ国でサービス展開をしており、ECプラットフォーム以外に、決済や配送サービスなども提供しており、資金調達を経てこれらを強化していく計画です。PayPalは、数年前にeBayから分社化して以来、積極的に顧客開拓を進めるため、FacebookやInstagramをはじめ様々なプラットフォームへの対応やグローバル展開を強化しています。ちなみに、一部調査によるとメキシコでの越境決済の約7割がPayPal経由のトランザクションとなっており、今回のMercadoLibreへの7.5億ドル(約825億円)の出資は、南米市場における越境決済シェア拡大に向けた動きともとらえることができます。

情報源:

PayPal プレスリリース『MercadoLibre to Raise $1.85 Billion in Equity Offerings The Company Announces a $1.85 Billion Equity Offering Including Investments from PayPal and Dragoneer』(2019/3/11)

https://investor.paypal-corp.com/news-releases/news-release-details/mercadolibre-raise-185-billion-equity-offerings

  trans+編集部

海外での調査にはなりますが、PayPal利用で消費者の購入意欲が54%アップした、という興味深いデータも出ています。個人的な経験としても海外サイトなどでの決済手段選択の際にPayPalがあれば迷わず選んでしまったりします。

米Amazon.com、他社サイトでの安売り禁止の要件を撤回!

3月11日、米Amazon.comはマーケットプレイスの販売事業者向け条件として「他社ECサイトでより安価に商品を販売しない」という制約を設けていましたが、これを撤回したことを明らかにしました。事の発端は、昨年12月にリチャード・ブルメンタール上院議員が米連邦取引委員会(FTC)に提出した書簡にあり、同氏はAmazon.comが「市場の競争を妨げ、価格を人為的に吊り上げる」と指摘しました。すでに欧州では、数年前にこの制約に関する調査が実施され、英独では2013年に撤廃されていました。この件に限らず、エリザベス・ウォーレン上院議員が同社の競合買収が反競争的な環境を生んでいると批判するなど、最近米国本国でのAmazon.comの風当たりは強い状況にあります。同社は、今後いかに市場の公平性を担保しながら、シェア拡大に向けた施策を打ち出していくのでしょうか。

情報源:

ロイター通信『米アマゾン、販売業者の他サイトでの廉価提示禁止を撤回=関係者 』(2019/3/12)

https://jp.reuters.com/article/amazon-antitrust-idJPKBN1QT043

  trans+編集部

こうした動きを見ていると、もはや、Amazonはビジネス競合だけでなく、規制当局や政治側の対策に力を注がなければいけない状況ですね。日本においても今後動きが加速することも予想されます。

ナイジェリア大手オンラインマーケットプレイスJumia、ニューヨーク株式市場へIPO!

3月12日、ナイジェリア大手オンラインマーケットプレイスJumiaがニューヨーク株式市場への上場申請を行いました。ナイジェリアのEC市場は急成長を遂げる一方で、決済や配送などのインフラが未整備であることに加え、政治的不安から、競合サービスはサービス停止に追い込まれるや不本意な身売りを行うなどが続いており、そのような状況下継続的に資金調達を経て成長してきたJumiaの上場は注目を集めています。同社は、ナイジェリアを含む14ヵ国でサービス展開をしており、2018年には1,300万個の商品を処理しています。まだ、ナイジェリアのEC市場は立ち上がったばかりで、今回の資金調達を経た後のJumiaの取り組みが注目されます。

情報源:

Jumia SEC Filing:

https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1756708/000119312519071692/d650749df1.htm

  trans+編集部

2017年時点で、ナイジェリア国内の小売市場におけるECの割合は、1パーセント未満と言われています。アフリカ大陸で最も有望なEC市場とされ、その環境要因により状況は不安定ながらも、中長期的には拡大基調と見込まれています。そんなナイジェリアECの成長ドライバーとしてJumiaの今後に注目です。

楽天、台湾大手オンラインマーケットプレイスPChomeと越境で提携!

3月14日、楽天は台湾大手オンラインマーケットプレイスPChomeとの提携を発表しました。これにより、両社は会員IDの連携やポイントプログラムの相互利用など顧客基盤の拡大を目指すほか、楽天市場出店店舗の商品をPChomeで販売するなど越境ECも支援していきます。なお、日本企業が台湾との相互ポイントに取り組むのは初めてではなく、数年前にTポイントやLINEポイントが、台湾の大手共通ポイントサービスHappy Goと提携し、ポイント相互交換サービスを提供してきました。楽天は2016年頃に一度アジア展開から撤退していますが、今回のPChomeとの提携を皮切りに再度越境でのグローバル展開に挑戦するのかもしれません。

情報源:

楽天 プレスリリース『楽天とPChome、戦略的業務提携を締結 – 協業により、顧客基盤の拡大とサービス利便性の向上を図る -』(2019/3/14)

https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2019/0314_02.html

  trans+編集部

ローカライズが肝となる越境ECにおいて現地企業との提携は非常に重要です。台湾ECモールのパイオニアとされるPChomeとの提携を通して、Yahoo!奇摩、momo、博客来などの牙城を楽天は崩せるのでしょうか。

楽天、大手スポーツ用品店アルペングループと提携!

3月18日、楽天は大手スポーツ用品店アルペングループとの提携を発表しました。この提携により、アルペンは今まで導入していた「Tポイント」から「楽天スーパーポイント」への切り替え対応を進めます。同社に関しては、2004年より楽天に出店しており、「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2018」の総合賞を受賞するなど人気店に成長しています。また、提携を記念して4月1日よりキャンペーンを開始し、対象のWEBページでエントリーし、楽天スーパーポイントを使って支払いをすれば、抽選で使用したポイント分のポイントバックを受けることをできるようにする予定です。会見で、楽天の三木谷氏は「これからはリアルとオンラインショッピングやマーケティングが密接に結び付く時代に突入していく」と言及しており、今後アルペンのように楽天経済圏のなかで、オンラインとリアルの両方でデータを活用する事例が増えてくるかもしれません。

情報源:

楽天 プレスリリース『楽天とアルペン、各種サービスでの連携を強化 - アルペン全401店舗で共通ポイントサービス「楽天ポイントカード」が利用可能に。 提携カード「アルペングループ楽天カード」の申込受付・発行を開始 -』(2019/3/18)

https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2019/0318_01.html

  trans+編集部

キャッシュレスという大きな流れもある中、今回発表された「アルペングループ楽天カード」は、楽天にとっても初めての小売業者との提携カードとのことで、注目を浴びています。また、本ニュースでは「楽天との提携」という側面がある一方、「Tポイント離れ」という論点でも多くの視線が注がれています。


POINT

アルペングループがTポイントから楽天スーパーポイントへの切り替えを発表しました。元々リアルの共通ポイントはほぼTポイント(6,800万人)が独占していましたが、すでに、同社は後発組の楽天(1憶人以上)やLINE(8,900万人)などに抜かれている状況です。これらサービスについては、ポイントに加え決済データ、オンラインのデータも持っていることが強みとなっており、小売のオムニチャネル対応が求められるなかでは、Tポイントよりもニーズに適したデータを提供できます。実際、アルペングループも楽天への鞍替えの理由として、リアルとオンラインを繋げることができること言及しています。今後もアルペングループと同様に、実店舗を展開する事業者はオンラインとオフラインの両方のデータを保有するポイントへの対応が増えていくと考えられます。


~トランスコスモス調査部より~


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