【国内・海外EC業界ニュース】ヤフージャパン、ZOZOを買収! Weekly Picks!9/10-9/17
トランスコスモス調査部が厳選する国内・海外EC業界ニュース
今週も国内外問わずEC市場の動きを、ダイジェストでお届けします。
世界26カ国・93の拠点があるトランスコスモスだからこそ伝えられる、
国内外EC業界の「今」が、5分でわかります。
今週のトピックはこちら。
※2024年2月更新
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目次[非表示]
Alibaba、会長退任
9月10日、中国EC大手Alibabaの創業者であり会長を務めていたJack Ma氏が退任しました。
退任については、昨年発表されており、Jack Ma氏はAlibaba創業20周年という節目の年に退任を決意しました。退任後は2020年度の株式総会まで、取締役会のメンバーを務めます。なお、新会長は、これまでCEOを務めていたDaniel Zhang氏です。
情報源:“Alibaba Group Announces Executive Chairman Succession Plan”(2018/9/10)
Amazon、イスラエルでサービス開始
9月17日のイスラエル総選挙の翌週から、米EC大手Amazonがサービスを開始する予定であることが分かりました。9月29日から10月1日まで行われる、ユダヤ教の新年のお祭りであるRosh Hashanahという祝日を前に正式にローンチ予定です。
すでに同社は、先月ベンダー向けのWebサイトを立ち上げており、出店事業者に対して5日以内の商品配送を要求していることも判明しました。
情報源:JNS.org “Amazon to officially launch in Israel after Sept. 17 elections”(2019/09/12)
Google Expressサービス終了、Google Shoppingとの統合へ
9月11日、Googleがショッピングサービス「Google Express」を終了させ、商品価格検索サービスの「Google shopping」に統合することを明らかにしました。
Google Expressは、Amazonに対抗するべく誕生し、TargetやWalmart、Best Buyなどの大手小売と提携し、これら小売事業者からの買い物を単一サイトで済ませることのサービスを提供してきました。
しかし、Amazonをはじめ既存のオンラインマーケットプレイスとの差別化を図ることができていませんでした。そのため、Google shoppingとサービス統合することで、今後、得意とする検索を中核に据えたサービスの改良に注力していきます。
情報源:Tech Crunch“Google Express to close in a few weeks, will become part of Google Shopping”(2019/09/11)
WalmartがDelivery Unlimited 対象地域を拡大
9月12日、米小売大手Walmartが配送サービス「Delivery Unlimited 」の対応店舗を新たに1,400店舗拡大しました。
Delivery Unlimited は、年間98ドル(約10,600円)または月12.95ドル(約1,400円)で、食料品の配送を無制限で行うサービスで、2019年初より4都市で実験的に始めました。今回の拡大によって1,600店舗以上が対象となり、アメリカの人口の約50%以上が利用可能になります。
Walmartは、ここ数年間オンライングローサリー事業への投資を増やしおり、Delivery Unlimitedを事業拡大の次のステップを踏むためのサービスと位置付けています。
ヤフージャパン、ZOZOを買収
9月12日、ヤフージャパン(現 LINEヤフー株式会社)が、ファッションEC大手ZOZOを、TOB(株式公開買付)によって子会社化することを明らかにしました。また同時に、ZOZOの創業者である前澤氏が社長を辞任することも発表されました。この買収によって、以下の4つのポイントによる効果を見込んでいます。
(1)ZOZOTOWNのPayPayモールへの出店。2019年秋より立ち上げ予定の決済サービスPayPayの利用者向けの、PayPayモールのファッションカテゴリーの強化を行うことができます。
(2)利用者属性が異なる2社(ヤフーショッピング:月間ログインユーザー数4,901万ID 30-40代男性中心、ZOZO:年間購入者数 812万人 20-30代女性中心)の相互補完によって、顧客基盤の拡大を見込んでいます。
(3)一休.com買収後のヤフー(現 LINEヤフー株式会社)からの送客強化および、商品との連携販売の成功事例をZOZOにも適用し、国内の物販EC 1位を狙います(2018年度の両社の商品取扱高合計は2兆円超)。
(4)2018年のコマース事業の営業利益は558億円のところ、2019年のZOZOの営業利益の計画値を加えると1.8倍の1,020億円となる見込みです。
このようにコマース事業の利益貢献率を高めることで、現在の業務のメインとなっている広告事業と共に、2本柱とする計画です。
情報源:同社IR情報「ヤフー株式会社と株式会社ZOZO、共同記者会見」 (2019/9/12)
9月12日、ヤフージャパン(現 LINEヤフー株式会社)によるファッションECモールを運営するZOZOの子会社化の計画が明らかとなりました。 ZOZOの買収によりファッション分野の強化やヤフー(現 LINEヤフー株式会社)との相互送客といったシナジーから、先行する2社(アマゾンジャパン、楽天)との距離を縮めていく計画です。 日本国内のファッションEC市場は右肩上がりで成長しており、経済産業省によると2018年市場規模は前年対比7.74%増の1兆7,728億円規模で物販ECのなかで最も大きなシェアを占める一方で、EC化率はまだ1割程度。これはEC化率の高い家電や書籍(約3割)と比べて低いことから、まだ伸びしろが見込まれる分野として注目を集めています。 そのため大手ECサイト各社はファッション販売を強化しており、特に、最近では楽天が注力しています。 同社は、これまでアマゾンジャパンがスポンサーを務めていた東京コレクションの冠スポンサーの後任となったことで、今後デザイナーブランドのオンライン販売支援を強化するほか、10月より傘下ファッションECモール「楽天ブランドアベニュー」を「楽天ファッション」へのリニューアルも計画しています。 また、楽天ポイントや決済サービスを基軸としたブランドのオムニチャネル支援に加え、海外販売支援といったサービス提供により、ファッション分野の商品取扱高を現状の6,000億円弱(ZOZOの約1.5倍)から1兆円にまで拡大させる計画です。 こうした中で、ヤフー(現 LINEヤフー株式会社)はZOZOの買収で、物販EC全体では業界1位は射程圏内となりましたが、一方では、昨年末から進む大手ブランドのZOZO撤退や年間購入会員数の減少といった課題も抱えています。 今後、ファッションECで、楽天に対抗するには、グループで保有するソフトバンクやヤフー(現 LINEヤフー株式会社)の持つ大量な顧客データや、豊富なコンテンツを活用しながら、新規顧客の獲得や利用者を離脱させないようなサービスを提供していくかがカギとなってくるのではないでしょうか。 ~トランスコスモス調査部より~ |