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【国内・海外EC業界ニュース】ウォルマート、子会社ファッションブランド売却 Weekly Picks!10/9-10/15

トランスコスモス調査部が厳選する国内・海外EC業界ニュース

今週も国内外問わずEC市場の動きを、ダイジェストでお届けします。
 
世界33カ国・171の拠点があるトランスコスモスだからこそ伝えられる、
 
国内外EC業界の「今」が、5分でわかります。
 
 
今週のトピックはこちら。

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目次[非表示]

  1. アマゾン、シンガポールで東南アジア初のECサイト開設へ
  2. アマゾンジャパン、偽造品撲滅へ本格始動
  3. ファッションオンライン販売、返品数削減へそれぞれの施策
  4. ウォルマート、子会社ファッションブランド売却へ
  5. ナイキ、小売業者との提携大幅縮小

アマゾン、シンガポールで東南アジア初のECサイト開設へ

 10月8日、米ネット通販大手アマゾンが、シンガポールで「アマゾン・ドット・エスジー(Amazon.sg)」の開設をし、ネット通販を本格的に開始しました。同社は2017年にシンガポールに進出していましたが、これまでは有料のプライム会員のみが利用できる即時配送サービス、プライム・ナウのみの提供でした。プライム・ナウでは、主に日用品と食料品を取り扱っていましたが、アマゾン・ドット・エスジーでは、商品カテゴリー・取扱商品数ともに大幅に拡大され、これに伴い地場事業者の出店を可能にし、出店事業者向けのフルフィルメントサービスの提供も開始しました。また、ネット通販サイトのオープンに伴い、プライム会員以外の利用者も商品購入ができるようになります。

情報源:同社プレスリリース“Amazon Launches Amazon.sg, Offering All Customers in Singapore More Ways to Shop and Millions of Products to choose from – On Desktop and Mobile”(2019/10/8)

アマゾンジャパン、偽造品撲滅へ本格始動

 10月9日、ネット通販大手アマゾンジャパンが、偽造品の撲滅を目指した「プロジェクト・ゼロ(Project Zero)」を日本でも始動したことを発表しました。プロジェクト・ゼロとは、機械学習を用いて偽造品の疑いがあるものを検知し、プロジェクト参加企業に削除権限を付与するサービスで、2019年2月よりアメリカとヨーロッパで導入されています。日本ではすでに試験運用を開始しており、パナソニック、アイリスオーヤマ、任天堂、ソニー・インタラクティブエンタテインメントなどのブランドが参加しています。2020年前半には、ブランドが製品一つ一つにシリアルコードを付けることが出来るオプショナルサービスも展開予定です。

情報源:同社プレスリリース「Amazon、偽造品撲滅プロジェクト「Project Zero」を日本で提供開始」(2019/10/9)

ファッションオンライン販売、返品数削減へそれぞれの施策

 最近、世界的にファッションのオンライン販売において、返品数削減に取り組むことがひとつのトレンドとなっています。10月8日、ファッションネット通販大手ロコンドが首都圏の6店舗で「店頭受取試着サービス(CCTR:Click, Collect, Try & Return)」を開始しました。店頭受取試着サービスは、商品購入時に受取場所を、ロコンド提携店舗に指定すると、受取の際に店内で試着することが可能で、気に入らなかったら、その場で返品できるサービスです。返品は店員が行うので、梱包などの作業を行う必要がありません。
 また、同じく返品削減に向けた取り組みとして、印ネット通販大手のフリップ・カート傘下のファッションネット通販ミントラもサービスの実証実験を開始しました。ミントラは地元の仕立屋と提携し、仕立屋が配送を行い、その場でフィッテングを行うサービスを実験的に開始しています。

情報源:ロコンドプレスリリース「返品は店舗スタッフにおまかせCCTR(店頭受取試着サービス)が本格スタート!」(2019/10/8)

Inside Retail” India’s Myntra hires tailors as delivery agents to reduce returns”(2019/10/9)

ウォルマート、子会社ファッションブランド売却へ

 10月4日、米ネット通販大手ウォルマートが、子会社のファッションブランド、モドクロスを投資会社ゴー・グローバル・リテイルに売却しました。ウォルマートは、女性アパレルブランドであるモドクロスを2017年に買収しました。同社は同時期に、3つのデジタルネイティブブランドの買収をし、ネット通販事業の強化を行いましたが、どのブランドも不採算の状況が続いており、モドクロスも買収から約2年での売却となりました。またその他二つのブランドに関しても人員削減や、売却するのではないかと噂されています。

情報源:ゴー・グローバル・リテイルプレスリリース“Go Global Retail to acquire ModCloth, a leading online specialty retailer of unique women’s fashion”(2019/10/4)​​​​​​​​​​​​​​

ナイキ、小売業者との提携大幅縮小

 10月14日、米スポーツ大手ナイキが、2021年までに独立小売業者との提携を大幅に縮小することを発表したと、The Sunday Timesが報じました。ナイキは小売業者の在庫方法が、同社の流通戦略と合致しなくなったことを理由として挙げており、早ければ来年から契約終了が行われる予定です。同社は2017年にイノベーション、市場投入速度、カスタマーとのつながりをそれぞれ倍にすることを目標とするトリプル・ダブル戦略を発表しており、今回の動きはカスタマーとの繋がりの強化の目的があると考えられます。

情報源:Retail Gazette“Nike to end supply agreements with indie retailers”(2019/10/14)


POINT

 今週の注目ニュースは、ウォルマートのオンライン専業ブランド「モドクロス」の売却です。ウォルマートは、これまでアマゾンに対抗するために、主要事業であるグローサリーのオンライン販売に加え、2017年以降、男性向けアパレル「ボノボス」、女性向けアパレルのモドクロスなどのオンライン専業事業者を相次いで買収し、ミレニアル世代の囲い込みやデジタルノウハウの取得に努めてきました。その結果、2017年から2年間で約2倍にまでオンライン売上を拡大しています。一方で、買収したオンライン専業ブランドたちは売上低迷が続いており、巨額な買収費用が同社のオンライン事業の利益を圧迫していました。そのため、今年に入りオンライン事業で10億ドル超の損失を出すとも報じられています。現状、同社はアマゾンと比較するとネット通販市場におけるシェアは大きく差をつけられています。しかし、昨今ショッピングにおいてオンラインとオフラインの境界線が薄れつつあるなか、ウォルマートは世界最大の小売事業者として、これまで実店舗で蓄積してきたノウハウや、買収したオンライン専業ブランドから得たナレッジを活用し、今後、オンライン販売においてもアマゾンに迫っていくことが予想されます。すでに、ボノボスなどの知見を活かしてオンライン専業のマットレスブランドで成功を収めており、今後、どのような施策を打ち出すかが注目されます。


~トランスコスモス調査部より~


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trans+(トランスプラス) 編集部
trans+(トランスプラス) 編集部
ITアウトソーシングサービスで企業を支援するトランスコスモス株式会社のオウンドメディア編集部。メンバーはマーケター、アナリスト、クリエイターなどで構成されています。

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