【国内・海外EC業界ニュース】米アマゾン、プライム会員への生鮮食料品宅配を無料で Weekly Picks!10/30-11/05
トランスコスモス調査部が厳選する国内・海外EC業界ニュース
今週も国内外問わずEC市場の動きを、ダイジェストでお届けします。
世界33カ国・171の拠点があるトランスコスモスだからこそ伝えられる、
国内外EC業界の「今」が、5分でわかります。
今週のトピックはこちら。
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米アマゾン、プライム会員への生鮮食料品宅配を無料で
10月29日、米アマゾン(Amazon.com)が、アマゾンフレッシュ(Amazon Fresh)をプライム会員の特典とすることを発表しました。アマゾンフレッシュとは、生鮮食品宅配サービスで、これまでは月額14.99ドル(約1,600円)がかかりましたが、今後はプライム会員であれば、無料で利用できるようになります。無料サービスはすでにアマゾンフレッシュを利用したことがあるプライム会員から段階的に導入され、対象地域すべての会員が利用可能になる時期は明らかになっていません。
情報源:同社ブログ"Ultrafast grocery delivery is now FREE with Prime"(2019/10/29)
ショッピー、ブラジル進出へ
10月31日、シンガポールを拠点に東南アジアでネット通販サービスを提供しているショッピー(Shopee)が、ブラジルで越境販売強化のためのネット通販サイトを開設しました。ショッピーのアジア以外でのサービス提供は、今回が初めての試みです。成長を続けているブラジルネット販売市場にはすでに、メルカドリブレやアマゾンなどが参入しており、今後同社が正式にブラジルに進出すると市場競争はさらに激化するでしょう。
情報源:Tech in Asia"Shopee launches online store in Brazil"(2019/10/31)
キューテン、インドネット通販買収
10月31日、シンガポールを拠点にするネット通販大手キューテン(Qoo10)が、インドのネット通販ショップクルーズ(Shop Clues)との合併を発表しました。ショップクルーズは、2016年には11億ドル(約1,190億円)の評価を受けていましたが、今回の取引は5,000万ドル(約54億円)から8,000万ドル(約86億円)で行われたといわれています。合併により、キューテンは事業拡大ができ、ショップクルーズに出店する70万店舗は、キューテンの東南アジアでのプレゼンスをいかした販路拡大が可能になります。なお、吸収合併によりキューテンは、ショップクルーズの保有する決済と物流、ソーシャルコマースサービスも傘下に収めることとなります。
情報源:Tech Crunch"Singapore's Qoo10 acquires Indian online marketplace ShopClues"(2019/10/31)
楽天、配送エリア拡大
10月31日、ネット通販大手楽天が、運用する配送サービス「Rakuten EXPRESS」の配送エリアを北海道と熊本県に拡大しました。これにより、配送対象エリアは13都道府県となり、人口カバー率は36.5%になります。現在同社は、ネット通販サイト楽天市場の物流強化を目指す「ワンデリバリー」構想を掲げており、配送エリア拡大もこの動きの一環です。また物流強化に伴い、配送料の設定に関しても今年1月、配送無料ラインを3,980円で統一させる「ワンタリフ」構想を発表していましたが、同日沖縄・離島のみ9,800円に変更することを発表しました。
情報源:同社プレスリリース「楽天、「Rakuten EXPRESS」の配送エリアを北海道と熊本県に拡大」 (2019/10/31)
中アリババ、第3四半期の業績を発表
11月1日、中国ネット通販大手のアリババ(Alibaba)が、2019年度第3四半期の業績を発表しました。売上高は、前年同期比40%増の1,190億元(約1.8兆円)となり、純利益は同3.6倍となる725億元(約1.1兆円)でした。同社が運用するタオバオ(Taobao)や天猫(T-mall)などのEC事業が、1,012億元(約1.6兆円)の売上で全体売上の約85%を占めています。また、同社の提供する小売りプラットフォームの月間アクティブユーザーは、2019年9月で7億8,500万人に上り、6月に比べて3,000万人増加しました。
情報源:同社プレスリリース"Alibaba Group Announces September Quarter 2019 Results"(2019/11/1)
アマゾンが、日本市場に次いで本国でもアマゾンフレッシュ利用料の無償化を発表しました。分析ソリューションプロバイダーののタブズ・アナリティクスの調査によると、現状、アメリカにおけるオンライン食料品の利用率はアマゾンがトップで(36%)、次いでウォルマート(26%)、ターゲット(16%)となっています。ウォルマートとターゲットは、オンライン食料品の売上拡大を目指し、実店舗を活用した無料受取サービスに加え、最近では食料品に特化した定額宅配サービスなどの提供も始め、競争が激化しています。こういった中で、アマゾンは、まだ同社の中でもプライム会員による利用率の少ないオンライン食料品販売にテコ入れするため、利用料無償化でアマゾンフレッシュの利用促進を狙います。アメリカに限らず世界的にオンライン食料品販売は成長分野とされており、今後、他の地域においても、利用促進に向けた施策を進めていくものと思われます。なお、調査会社社IGDの発表によると、2018年時点の主要国におけるオンライン食料品・雑貨市場はアメリカ(239億ドル、EC化率1.6%)、日本(319億ドル、ECかりつ7.1%)、中国(509億ドル、EC化率3.8%)、イギリス(146億ドル、EC化率6.0%)、フランス(116億ドル、EC化率4.5%)、ドイツ(13億ドル、0.5%)となっており、各地域ともに、今後、市場拡大する高いポテンシャルが見込まれます。
~トランスコスモス調査部より~
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