チャット運用最前線―沖縄のスーパーバイザーにチャット運用の極意を聞きました!
コンタクトセンターサービス(コールセンターサービス)は1990年代から本格的にアウトソーシングサービスとして立ち上げた、トランスコスモスの中でも歴史あるサービスです。
当時から積極的にニアショア拠点を開拓し、沖縄に進出して今年で20周年。現在ではトランスコスモス全体で沖縄県内に9拠点、約4500名※でサービスを提供しています。 ※2019年11月現在
歴史ある沖縄のコンタクトセンター業務もノンボイスサービスの活用が進んでおり、今回は現場責任者でもあるSV(スーパーバイザー)にチャット業務運用についてお話を聞きました!
■インタビュイー
仲村 尚紗
DM・EC・CC統括 DCセンター総括 MCMセンター那覇壺川第三(※) スーパーバイザー |
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■プロフィール 2010年トランスコスモス入社。テクニカルサポートのコミュニケーターからキャリアをスタート。トレーナー、チームリーダーを経験しスーパーバイザーとして2016年チャット窓口を立ち上げ。 |
※2023年10月更新
※2023年10月1日にCXスクエア那覇壺川へ名称変更しました
<プレスリリース>
ユーザーの利便性向上のために
----仲村さんが担当されている業務について教えて下さい
ソフトウェアメーカー様(以下、お客様企業)のチャット窓口のSV(スーパーバイザー)をしています。センター全体ではコール含めて約70名で運営しており、チャット専任が5名、電話とチャットのマルチスキル3名がチャット対応しています。技術的な問い合わせ対応(テクニカルサポート)や、ユーザー登録やライセンスの更新(カスタマーサポート)も対応しています。
----どのような経緯でチャット導入が決まったのでしょうか
今まで電話やメールでお問い合わせ頂いていたユーザーの利便性向上のために、お客様企業へご提案して2016年にLINEでの有人対応とチャットボットを導入することが決まりました。
----LINEだとお友だちになるステップが必要になりますが、決めてはどのような点でしょうか
スマートフォンユーザーが増えており、LINEは日常的に使われていて外出中やお昼休みなど空いた時間にも気軽に問い合わせできる点を評価しました。WEBチャットの場合、途中でブラウザを閉じてしまうと問い合わせが途切れてしまいますし、会話も消えてしまいますが、LINEであれば問い合せ途中でも中断ができ、履歴が残るのもポイントです。
----導入後のユーザーの評判はどうですか
「聞きたいときにすぐ聞けた」「電話代がかからない」「電話で説明するのが苦手だが写真で簡単に状況を伝えることができた」など、手軽にお問い合わせができている点が評価いただいています。アンケート結果を見ると、意外と50代60代の方からもお問い合わせ頂いています。一方で、チャットボットの運用はまだまだ模索中です。24時間対応可能で、解決した場合の満足度は高い結果がでていますので、自動解決率を50%まで高めていきたいです。
チャット運用におけるSVの役割
----電話とチャットでSVの仕事に違いはありますか
シフト管理、勤怠管理、窓口の管理として着信状況の管理、傾向の分析、多い問い合わせ傾向の対策/分析など基本的な業務は同じです。私が担当している業務ではチャットボットを導入していますので、問い合わせ内容を分析して回答を見直すなどチャットボットのシステムエンジニアと連携しながら、解決率を高めるために日々チューニングしています。
---生産性と品質の管理はどのように取り組まれていますか
1件あたりの平均処理時間や着信数、放棄数など、電話業務と同じ数値管理ができるようにチャットシステムをカスタマイズしました。また、TL(チームリーダー)が、週に一度チャット応対のモニタリングと評価をフィードバックしています。これも電話対応と同じ品質基準で運用しています。
----コミュニケーターへのトレーニングはどのように実施していますか
製品知識などは電話業務と同じ内容ですが、チャットツールの使い方、キャラクターのペルソナ設定の教育をしています。そのキャラクターとしての言葉遣いや、スタンプの使い方の統一、WEBチャットやメールのように堅苦しくならないような対応ができているかというのも評価ポイントになります。文章がなかなかでてこないという悩みがある人には、文章を作成するトレーニングコンテンツも用意しています。
ユーザーへは”利便性”お客様企業へは”効率化”
----チャットでの問い合わせを増やすやめに、どのような取り組みをしていますか
WEBサイトのFAQページにLINEの友だち追加のボタンを掲載したり、製品の更新案内のはがきに友だち追加のQRコードを掲載したり、お客様企業と一緒にLINEに誘導するための取り組みを進めています。3年前に比べ問い合わせ件数は右肩上がりで増えています。
----チャット対応の生産性はどうですか
電話の場合、CPH(1人1時間あたりの処理件数)が約3.0に対してチャットだと約5.6-5.8まで生産性が上がりました。コミュニケーター1名当たり最大5名まで同時対応している点が大きいです。
----チャット対応への流入をより増やし、チャットBotでの解決率を50%に高められればより効率よく運営できるようになりますね。チャットで同時対応するためにどのような取り組みをしていますか
どのユーザーを待たせているのか画面でわかりやすく表示できるようにシステムで制御しています。また、教育面も重要です。入社したての新人は比較的難易度が低い問い合わせからスタートし、徐々に対応できる領域を増やしていきます。また、対応人数も1名のみから進め、一人ずつ対応人数を増やしていきます。
コンタクトセンターのノウハウをチャット運用に
----チャット運用にけるトランスコスモスの強みはどこにありますか
ここ数年チャット業務が増えてきていますが、人材の育成・研修内容やデビュー判定などの基準作り、モニタリングのための評価シートなどコール業務をもとにアレンジや、待ち呼管理の考え方など、コンタクトセンターの科学的な運営をそのままチャット用のシステムに反映することで、チャット業務も電話業務と同じ品質基準で運営することができます。また、そのために必要なツールを自社で開発・改修できるため、必要な機能をすぐに対応できる点もトランスコスモスの強みです。
チャットを活用した更なる業務効率化や応対品質向上に今後も注目!