【2022年EC業界ニュース】フェイスブック、欧州地域から撤退となるか ほか
トランスコスモス調査部が厳選する国内・海外EC業界ニュース
今週も国内外問わずEC市場の動きを、ダイジェストでお届けします。
世界26カ国・93の拠点があるトランスコスモスだからこそ伝えられる、
国内外EC業界の「今」が、5分でわかります。
今週のトピックはこちら。
※2024年2月更新
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ZHD、2021年4~12月期の決算を発表。グループ内シナジーで物販事業は好調
大手ネット企業のZホールディングス(現 LINEヤフー株式会社)は、2021年4~12月期の連結決算を発表。売上高は前年対比33%増の1兆1,601億円で、調整後EBITDA は同23%増の2,851億円となりました。
物販系のEC取扱高は、前年対比12%増の2兆1,797億円を記録。特に、グループ内シナジーが好調を見せており、例えば傘下の衣料品通販ゾゾは、ペイペイ決済のポイント還元率が高まるペイペイモールでの商品取扱高が2倍に拡大しました。
また、メッセンジャーアプリLINEとの連携を強化する中で、ヤフーショッピングやペイペイモールのブランドがソーシャルギフトサービス「LINEギフト」との連携を進めた結果、取扱高は前年対比3.9倍に拡大、累計利用者数は2,000万人を突破するなど好調を見せています。
情報源:日本経済新聞 「ZHD純利益微減 21年4~12月、出前館の損失響く」(2022/02/02)
アマゾン、2021年10~12月期および通年の決算を発表
米ネット通販大手「アマゾン(Amazon.com)」が2021年10~12月期決算を発表しました。
売上高は、前年同期比9%増の1,374億1200万ドル(約15兆7,900億円)、営業利益は前年対比49%減の35億ドル(約4,046億円)。また、2021年度の売上は前年対比22%増の4,698億ドル(約54兆3,041億円)、営業利益は前年から20億ドル増の249億ドル(約2兆8,781億円)となりました。
コマース事業におけるハイライトとして、ブラックフライデーとサイバーマンデーで過去最高記録を打ち出し、グローバルで13万以上のセラーが10万ドル以上(約1,155万円)の売上を記録しました。アメリカのセラーは平均して1分当たり1万点以上の商品を販売。また、インドで開催された1か月にわたるセールも過去最大のものとなり、3万以上のセラーが10万ドル以上(約1,155万円)を記録しました。
新しい動きとしては、同社の保有するテクノロジーの外部企業への提供が挙げられ、コーヒーチェーンスターバックス(Starbucks)と提携し、ニューヨークにはレジなし店舗アマゾン・ゴー(Amazon Go)の複合施設をオープンしました。
また、イギリスでは地場大手スーパーのセインズベリー(Sainsbury)に、アマゾンのジャスト・ウォーク・アウト(Just Walk Out)テクノロジーが導入され、無人店舗を開設。同テクノロジーが第三者により活用される初の事例です。
情報源:同社PR "AMAZON.COM ANNOUNCES FOURTH QUARTER RESULTS">(2022/02/03)
世界のデジタル通貨の動向、人民元やディエムなど
今週の各国におけるデジタル通貨の動向です。
現在、最も注目されているのは中国の「デジタル人民元」です。2月4日から始まった北京オリンピックに向けて、年初より専用アプリがリリースされ、国民に留まらず海外から訪問する選手やプレスなども利用できるようにしました。
また、一部都市では旧正月に合わせてデジタル人民元の紅包(お年玉)を配布しており、このような取り組みの結果1月末時点でアプリダウンロード数は3,000万を超え好調を見せています。
一方で、米「メタ・プラットフォームズ(Meta Platforms)」が主導し、話題を集めてきたデジタル通貨「ディエム(Diem)」は1月末に保有資産をシルバーゲート・キャピタル(Silvergate Capital)に売却し、デジタル通貨の発行計画からの撤退を発表しました。
メタ・プラットフォームズでは、メタバースの開発に注力しており、その空間内では取引のためにデジタル通貨が使用されるため、多くの疑問を残す結果となりました。
このように海外での動きが注目を集める中で、2月7日に財務省は中央銀行のデジタル通貨導入に向けて、7月に体制を強化することを発表しました。日銀の黒田総裁は2026年までに導入の可否を判断する見通しを示しています。
情報源:ASAGEI BIZ 「デジタル人民元が華々しく国際デビューの陰で本家・メタの「ディエム」がひっそり撤退」(2022/02/03)、情報源:日本経済新聞 「財務省、デジタル通貨対応で体制拡充へ」(2022/02/06)
泰セントラル・リテール、2026年までに1,000億バーツ投資を計画
泰小売大手「セントラル・リテール(Central Retail)」は、今後の5年間で1,000億バーツ(約3,500億円)を投じることを発表しました。計画の一環としては、オンラインショッピングプラットフォームを拡大させ、食品やファッションなどの販売を強化していきます。
また、実店舗展開の拡大やテクノロジー投資も予定しており、オンラインショッピングは実店舗を補完する立ち位置として拡大させる計画。同社では2021年9月までの9か月間で売上は1,368億バーツ(約4,800億円)、EBITDAは120億バーツ(約422億円)、計上された損失は21億バーツ(約74億円)となりました。
売上の7割が国内で発生しており、その他はベトナムとイタリアが占めています。海外展開においては、12月に親会社が英老舗百貨店のセルフリッジ(Selfridges)を買収しています。
情報源:Reuters "Thailand's Central Retail plans $3.3 bln investment by 2026 "(2022/02/08)
短編動画ティックトック、ファストファッションECサイトを新設
中国短編動画「ティックトック(TikTok)」は、ファストファッションECサイト「ディーモンスタジオ(Dmonstudio)」を新設しました。ディーモンスタジオは、100か国以上に向けてサービス展開しており、主に女性向け商品を取り扱っています。
なお、同社ではすでに中国国内市場向けにもECサイトを展開しています。ティックトックの動きは、急成長を遂げるファッションECのシーイン(Shein)に対抗するものといわれており、2021年に中国最大手アリババでも、シーイン対抗策として欧米市場をターゲットとするアリーライクス(AllyLikes)をリリースしています。
シーインは、2021年4月時点でアマゾン(Amazon.com)を抜き、世界で最もダウンロードされたショッピングアプリとなっており、特にMZ世代(ミレニアル・Z世代)の間で人気であることから、同世代をターゲットとする各社との競争が益々激しくなっています。
情報源:Tech In Asia "Tiktok takes on Shein with ecommerce portal" (2022/02/08)
フェイスブック、欧州地域から撤退となるか
2月1日、ヤフージャパンが4月より同社の一部サービスが欧州で利用できなくなることを発表したばかりですが、フェイスブック(Facebook)もその可能性が出てきました。
その背景として、2020年7月に欧州司法裁判所が、米・EU間で2016年に締結した情報移管ルールの「プライバシー・シールド」を無効とする判決を下したことが挙げられます。
以降、メタ・プラットフォームズ(Meta Platforms)では、個人情報のEU域外移管に向けて「標準契約条項(SCC)」に基づき取り組んできましたが、2020年8月にアイルランドのデータ保護委員会はSCCも一般データ保護規則(GDPR)に沿わないとの判断を下し、データ移管の禁止の仮命令を出しました。2022年前半には正式は判決が下される見込みとなっています。
情報源: 日本経済新聞「旧Facebook、「欧州でサービス断念も」 EUの規制で」(2022/02/08)
アップル、iPhoneで新たな決済端末機能を発表
2月8日、米「アップル(Apple)」は、NFC技術を用いてiPhone本体が決済端末となる「Tap to Pay on iPhone」新機能をアメリカで展開することを発表しました。
これまではモバイル端末でクレジットカードやデビットカード決済を受け付ける際には専用端末の使用が必要となっていましたが、NFCを使うことでこれら装置が不要となります。
なお、このサービスではカード決済以外にアップル・ペイ(Apple Pay)にも対応します。アップルによると、すでにアメリカ国内の店舗の9割以上でアップル・ペイは導入されており、今後はファーマーズマーケットなどでの導入が進むと見込んでいます。
情報源:日本経済新聞 「iPhoneがお店の決済端末に Apple、米で新機能提供」 (2022/02/09)
今週の注目は「フェイスブック、欧州地域から撤退となるか」だよ |