【2022年EC業界ニュース】米アマゾン、中小薬局との協業で日本のオンライン処方薬販売に参入 ほか
トランスコスモス調査部が厳選する国内・海外EC業界ニュース
今週も国内外問わずEC市場の動きを、ダイジェストでお届けします。
世界26カ国・93の拠点があるトランスコスモスだからこそ伝えられる、
国内外EC業界の「今」が、5分でわかります。
今週のトピックはこちら。
※2024年3月更新
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アリババ傘下のラザダ、ヨーロッパ市場へ参入 アマゾンに対抗する狙い
9月1日、中国大手EC企業のアリババ(Alibaba)傘下のラザダ(Lazada)がヨーロッパ市場進出を計画していることが明らかになりました。計画の詳細はマクロ経済と市場の状況に応じて決定される予定です。
アリババの目的である米国大手EC企業のアマゾン(Amazon)への対抗には、市場規模の大きいヨーロッパへの進出がカギになるとしています。
アリババは既にB2B分野で米国市場へ進出していますが、米国の製造事業者は人件費などのコストが高く、目標としていた100万以上のローカル企業との協業を達成でき来ませんでした。
アリババはヨーロッパ市場への参入で、同市場での最大の小売りパートナーになることと顧客獲得の拡大を目指す見込みです。
情報源:PYMNTS "Asian eCommerce Firm Lazada Heads to Europe to Compete With Amazon"(2022/09/01)
拼多多、アメリカ向けECサイト「Temu」を立ち上げ 低価格な商品が特徴
9月1日、中国大手EC企業の拼多多(Pinduoduo)がアメリカ向けのオンラインショッピングサイト「Temu」を立ち上げました。米国大手EC企業のアマゾン(Amazon)や現在急成長を遂げているアパレルEC企業のSheinに対抗する狙いと考えられています。
Temuでは衣類やアクセサリー、家庭用品など計12種類の商品カテゴリーにわたる商品を販売しており、配送料はSheinと同様に49ドル(約7,041円)以上の注文で無料になります。
同社は現在、価格面を他社との差別化要素として、ECサイトオープンに合わせて現在全品2割引で商品を販売しており、人気商品の女性用ドレスのほとんどは20ドル(約2,874円)未満で提供されています。
ただし、競合と比べて配送にかかる日数は長く、また取扱商品数が少ないことが指摘されています。
情報源:CNBC"China's e-commerce giant Pinduoduo launches U.S. shopping site Temu"(2022/09/02)
楽天、下請け運送業者への委託契約を突然解除 近く下請け業者から提訴される可能性
ネット通販大手の楽天が業務委託の契約を巡り、複数の下請け運送業者から提訴される可能性があることが明らかになりました。
運送業者は楽天が定めた予告期間を満たさずに委託契約を突然解除し、売上を損なったとして約5億6,000万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴する予定です。
提訴する業者の一つ、埼玉県川口市の運送会社「Trump(トランプ)」は2018年11月、楽天が展開していた配送事業「楽天エクスプレス」に参加していました。契約解除は3か月前までに告知することが定められていましたが、2021年5月13日のオンライン会議にて、事業終了に伴い同年5月末に契約を解除することが告げられました。
楽天はこの他にも、事業終了に伴い委託先約40社との契約を一斉解除しています。
情報源:読売新聞オンライン 「楽天が委託契約を突然解除、下請け運送会社が5億6000万円賠償求め提訴へ」(2022/09/03)
JCB、2023年中にスマートフォン決済へ参入 大手クレジットカード会社として初の取り組み
9月5日、大手クレジットカード会社JCB(ジェーシービー)が2023年中にスマートフォン決済・送金サービスに参入することを発表しました。大手クレジット会社としては初めての参入で、JCBのアプリからQRコード決済やタッチ決済など複数の決済手段が利用できるようになります。
これらの決済手段はJCBのカードを保有しなくとも利用可能で、チャージ方式を採用しているため信用審査などが必要ありません。「割り勘」などの個人間の送金のほか、政府が導入に向け検討を進めている銀行の口座を必要としない給与のデジタル払いにも、取り組む予定です。
コロナ禍でスマートフォン決済の拡大が続く中、市場をけん引するPayPay(ペイペイ)の利用者は5,000万人を超えています。JCBはスマートフォン決済への参入でクレジットカードを持たない若年層の取り込みや、スマホ決済を導入する小売り事業者などに対して決済サービスの基盤を提供することで、収益源の多様化を目指す見込みです。
情報源:日本経済新聞 「JCBがスマホ決済参入 大手カード初、若年層取り込み」(2022/09/05)
Yahoo!ショッピング、電子バーコードによる後払い決済サービスを導入 スマホ1つでいつでも支払い可能に
ヤフー(現 LINEヤフー株式会社)が提供するオンラインショッピングモール「Yahoo!ショッピング」にて、電子バーコードによる後払い決済「ゆっくり払い」が導入されました。ネットプロテクションズが提供する後払い決済サービス「NP後払い」を活用しています。
利用者は商品を後払いで購入後、紙の請求書の代わりにバーコードへアクセス可能なURLが記載されたメールを受信し、コンビニなどで代金を支払います。利用者はスマートフォン1つで都合の良いタイミングで決済を完了できるようになります。
「NP後払い」はBtoCのECを対象にした後払い決済サービスで、年間流通金額は3,746億円、年間ユニークユーザー数は1,500万人を達成しています。クレジットカードの情報登録をせずに後払いサービスを選択できることから、利用者が増加していると考えられています。
情報源:通販通信ECMO「Yahoo!ショッピングの「ゆっくり払い」に電子バーコード請求機能を追加」(2022/09/05)
米アマゾン、中小薬局との協業で日本のオンライン処方薬販売に参入
米アマゾン(Amazon)が日本の中小薬局と協業し、処方薬のネット販売に参入することが明らかになりました。
患者が医者のオンライン診療を受けた後、アマゾンのサイト上で電子処方箋を送信すると、参加薬局のオンライン服薬指導が受けられる仕組みです。
アマゾンは配送網の優位性を活かし、薬の出荷や配達を担当します。アマゾンが自ら在庫を抱えるのではなく、日本国内の中小薬局とともにシステムを構築する予定です。
米国では2020年からアマゾンのオンライン薬局「Amazon Pharmacy(アマゾン・ファーマシー)」を展開していますが、日本ではアマゾンが薬局を運営する予定はありません。
ヘルスケア業界は規制が厳しく、現状は多くの医療機関がオンライン診療に消極的ですが、消費者にとって身近なアマゾンが処方薬のネット販売に参入することでニーズが高まる可能性も指摘されています。
情報源:日本経済新聞「「Amazonエフェクト」国内薬局でも? 配送網カギに」(2022/09/06)
SHEIN、著しい業績成長を記録 2022年上半期GMVは前年同期比50%増
中国の人気ファストファッションECサイト「シーイン(SHEIN)」の2022年上半期GMV(流通取引総額)が、前年同期比50%増の160億ドル(約2兆3,100億円)を記録し、年間300億ドル(約4兆3,300億円)の販売目標が1年前倒しで達成される可能性が見込まれています。
過去3年間での成長は著しく、2020年に初めてGMVが100億ドル(約1兆4,400億円)を超え、2021年には200億ドル(約2兆8,800億円)を達成しています。2022年第2四半期には、米国にてSHEINアプリのダウンロード数がアマゾンを超えるなど、台頭しています。
同社は客単価を伸ばすことと利益率を改善することで世界的なインフレの中、成長を遂げてきました。商品カテゴリーを拡充することで客単価を伸ばし、商品を少量生産で販売し売れ行きに応じて追加生産することで利益率の改善を目指しています。
情報源:36KrJapan「中国発ファッションEC「SHEIN」、GMVがH&MとZARA超え。1-6月」(2022/09/08)
今週の注目ニュースは「米アマゾン、中小薬局との協業で日本のオンライン処方薬販売に参入」だよ。 |