【2022年EC業界ニュース】ZHD、2023年3月期第2四半期決算を発表・増収減益を記録 今後はEコマースの総合力強化を目指す ほか
トランスコスモス調査部が厳選する国内・海外EC業界ニュース
今週も国内外問わずEC市場の動きを、ダイジェストでお届けします。
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※2024年2月更新
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ZHD、2023年3月期第2四半期決算を発表・増収減益を記録 今後はEコマースの総合力強化を目指す
11月2日、Zホールディングス株式会社(現 LINEヤフー株式会社)が2023年3月期第2四半期決算を発表しました。売上収益は前年同期比4.5%増の7,849億円、営業利益は同13.8%減の994億円と増収減益でした。コマース事業は好調で、売上収益が同5.9%増の4,115億円でした。アスクルグループやZOZOグループの増収などが好影響を与えました。また、EC取扱高は同14.2%増の2兆157億円と好調でした。
加盟店のプロモーションパッケージプランの申し込みが想定を上回り、注力している有料配送比率も向上しました。加えて、売り場統合に伴い販促施策の簡素化や、普段使いされるメインECサイトとしての認知度向上にも貢献しています。今後は、Yahoo!(ヤフー)ショッピングの周辺サービス強化によるEコマースの総合力強化を目指し、利用者の定着や顧客ライフタイムバリュー重視にシフトしていくことを計画しています。
なお、海外ECの状況としては、注力市場である台湾やタイは引き続き成長しており、今後は投資規律を持ちながらプロダクト改善による収益性向上を目指します。また、PayPay(ペイペイ)の取扱高は前年同期比43.4%増の3兆5,056億円と急拡大し、登録利用者数は5,100万人を突破しました。中小加盟店の決済手数料の課金開始に伴い、今後は売上高増加やEBITDAの改善にも繋げていく見込みです。
情報源:同社IR 「Zホールディングス株式会社 決算説明会 2022年度 第2四半期」(2022/11/02)
ASICS、NFTを付与したシューズコレクションを期間限定販売
11月4日、競技用シューズを販売するASICS(アシックス)の米国支店が「ASICS × Solana UI Collection(アシックス×ソラナ ユーアイ コレクション)」の販売を開始しました。11月4日から8日まで、期間限定で受注販売を行います。
注文は専用サイトで受け付けられ、購入には米ドルと連動して値動きする暗号資産のUSDC(USDコイン)を利用します。決済にはSolana(ソラナ)の決済システムSolana Pay(ソラナペイ)を使用します。
購入者全員に、コレクションを購入したことを示すASICS Badge NFTを付与し、イベントなどへの参加権利を提供します。今回は歩いた分だけ報酬を得られるMove-to-Earn(M2E)ゲーム「STEPN(ステップン)」内でASICS x STEPN GT-2000 NFTシューズが抽選で当たるイベントが実施されます。
2022年の米年末商戦の売上高は6~8%増の予測 インフレにより消費者行動は慎重に
11月3日、NRF(全米小売業協会:The National Retail Federation)が2022年の米年末商戦の見通しを立てました。売上高は前年比6~8%増で、2021年の13.5%からは大きく減少した予測となります。減少の原因は長引くインフレで消費者の支出が抑えられることが考えられています。
そのうちインターネットの売上高は前年同期比10~12%増の2,628億~2,676億ドル(約38兆~39兆円)と見込まれています。米国では必需品の価格が高騰しており、2022年の年末商戦の消費者行動は例年よりも慎重になると考えられます。
これを受け、在庫削減を急ぐ小売り各社はセール時期を前倒ししており、Amazon(アマゾン)やTarget(ターゲット)は10月に、Walmart(ウォルマート)やMacy's(メイシーズ)は11月7日にセールを前倒ししました。11月末の感謝祭やブラックフライデーをピークにして、消費意欲を喚起できるかが注目されています。
情報源:日本経済新聞 「米年末商戦予測、売上高6~8%増 インフレで消費減速」 (2022/11/04)
アイスタイル、2023年6月期第1四半期決算を発表・EC売上は10.7%増、店舗売上は39.5%増の成長
11月4日、@cosme(アットコスメ)を運営するアイスタイルが2023年6月期第1四半期決算を発表しました。
売上高は前年同期比18.2%増の92億円と増収、純利益は1億100万円と黒字化しました。特にBeauty Service事業は前年同期比27.1%増の59億円と好調でした。中でも、消費者の店舗回帰や店舗イベント開催により客数は増加し、店舗売上は同39.5%増を記録しました。
また、EC売上は同10.7%増で2桁成長を維持しました。Beauty Service事業全体の売上高は同27.1%増の59億200万円を記録しています。
Global事業の売上高は、ECや卸売で中国ロックダウンの影響により、前年同期比では減収となりましたが、直近四半期比では増収しています。Global事業全体の売上高は2.7%減の10億2,400万円となりました。
しかし香港店舗の売上が継続的な収益改善によって回復基調にあるなど、黒字化目前に迫っています。
情報源:株式会社アイスタイル「2023年6月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2022/11/04)
メルカリ、2023年春から暗号資産取引の提供開始
11月8日、フリマアプリ「メルカリ」内で暗号資産取引を開始することを発表しました。
2023年春にはメルカリの売上金でBitcoin(ビットコイン)が購入可能になり、いずれはその他の暗号資産の展開も視野に入れています。
同社は1,200万人以上の本人確認済みユーザーを抱えており、これらに暗号資産をリーチできる強みを持っています。暗号資産を購入する機能は、メルカリ100%子会社の株式会社メルコインより提供されます。
情報源:ITmedia NEWS「メルカリ、暗号資産取引を2023年春に提供開始」(2022/11/08)
GAP、中華圏事業をBaozunに売却し費用対効果の向上をねらう
11月8日、米大手ファッションブランドGAP(ギャップ)が自社の中華圏事業を中国大手EC事業者のBaozun(バオズン:宝尊電商)に最大5,000万ドル(約73億円)で売却することを発表しました。
Baozunは2018年からGAPブランドのEコマースを請け負っており、今後は20年間のライセンス契約を通して中華圏でのGAPブランド商品の製造・広告・販売を継続します。
GAPは2010年に中国市場に参入してから業績が伸び悩んでいました。今回の事業売却により、保有資産を軽減しフランチャイズ形式に切り替えることで費用対効果の向上を見込んでいます。
情報源:日本経済新聞「米GAP、中華圏事業を中国Eコマース大手に売却」(2022/11/09)
今週の注目は「ZHD、2023年3月期第2四半期決算を発表・増収減益を記録 今後はEコマースの総合力強化を目指す」だよ! |