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動画視聴者のスコアリング化で実現するポテンシャルリスト精度向上とリード獲得

製品紹介動画やウェビナーなど、BtoB(対法人) BtoC(対個人)に限らず動画コンテンツの活用が増える一方、動画視聴履歴を営業活動に活用できていないとの声を伺います。

本記事では株式会社Jストリーム(以下、Jストリーム)様のJ-Stream Equipmedia、株式会社プレイド(以下、プレイド)様のKARTEを連携させることでWEB行動履歴と動画視聴履歴を融合、流入前後の行動ログや視聴時間を活用した新たな営業DXのイメージをご紹介します。


目次[非表示]

  1. ウェビナー参加者のスコアリング、ポテンシャルリスト精度向上で新規リード獲得を
    1. Case:ビジネス向けサービスのペルソナ・カスタマージャーニー
    2. 動画視聴履歴を活用した施策例
  2. 動画配信形式の使い分けや視聴ログ取得、MA連携による効果的な運用
    1. 用途別の3つの配信形式
    2. 視聴ログの活用とMAツールとの連携
  3. 動画視聴ログを活用したパーソナライズ対応

ウェビナー参加者のスコアリング、ポテンシャルリスト精度向上で新規リード獲得を

佐藤 広宣
トランスコスモス株式会社
DEC統括 DX推進本部 PM統括部


動画コンテンツの市場拡大が進むなか、“スキルやノウハウがないため検討を後回しにしている” “動画視聴ログの分析・活用が正しくできておらず手間だけがかかっている” など、様々な課題で悩まれている声を聞きます。こうした課題を放置したままでは、貴重な新規リード獲得の機会を失うことにも繋がるため、早急に対応する必要があります。



『集客』『案内』『接客』『獲得』『フォロー』と顧客導線を分けて考えると、動画配信やウェビナー開催にどれだけ力を入れても、そのあとのユーザーへの適切なフォローができていないと、接客のフェーズに繋げることはできません。

今や動画は高密度な情報発信を行ううえで欠かすことはできず、ユーザーの記憶に残りやすくテキスト等に比べて受け入れやすいといった特徴を持つ、非常に重要なコンテンツです。



さらに、個人に最適化した情報を適切なタイミングで届けるパーソナライズの重要性が増していることもあり、リアルタイムにユーザーのニーズや次の行動を細かくセグメント化する必要もあります。

では具体的にどのようにしてユーザーの行動ログやニーズを汲み取れば良いのでしょうか。



例えば、図のようにライブ・オンデマンド配信の視聴ログを可視化することができていれば、どのユーザーが最後まで動画を見ていたのか、つまりポテンシャルが有るのか無いのかが一目瞭然です。

これはJ-Stream Equipmediaの視聴ログ取得とMA連携機能、そしてKARTEおよび、KARTE Datahubの視聴ログを活用したパーソナライズ対応を組み合わせることで実現でき、次のような施策を実行することで、CVR(コンバージョン率)向上や営業DX推進に繋げることができます。

・動画、ウェビナー参加者の「流入前後の行動ログ・視聴時間の把握」
・閲覧および参加後の個別接客(ユーザー別の動画表示+ウェビナー案内)
・「流入前後の行動ログ・視聴ログ」をもとに顧客リストをスコアリング、ポテンシャルリストの精度向上


Case:ビジネス向けサービスのペルソナ・カスタマージャーニー


ここからはペルソナを設定し、さらに具体的な活用例を考えていきます。

今回のモデルは、製造メーカーに勤めている40代男性。これまで見込み顧客リストの管理を全社的に行っておらず、Webサイト上でのマーケティング施策に課題を感じているなか、会社から営業DX推進のミッションを与えられ、パートナー企業の選出に悩んでいる状態です。



この男性の行動と、各フェーズにおけるタッチポイントについて、順を追って考えていきます。

まず興味関心の段階では情報収集を行うため、資料請求をしたり導入事例などのコンテンツを中心に閲覧することが想定できます。そのため、次のアクションに繋げやすい資料や動画コンテンツを提供することで、コミュニケーションを強化することができると予想できます。

これまでに蓄積されているデータとしては、

・検索・流入キーワード
・来訪企業名
・訪問回数
・滞在時間
・ウェビナー応募顧客情報

などがあげられ、ウェビナーを視聴したことにより新たに、

・ウェビナー視聴ログ

も収集することができました。

これらの情報をもとに、Webや動画コンテンツを活用したパーソナライズ接客を行い、ネクストアクションを促すことでCVR向上に期待できます。具体的には、これまでのユーザーのニーズを考慮し、次に見せたいウェビナーのアーカイブ動画などをポップアップで表示する、Webページのユーザーの目につきやすい箇所にパーソナライズエリアを設け、興味関心がありそうな情報を表示するといった方法です。



パーソナライズされたコンテンツを視聴し情報収集が進んだユーザーは、当然ながらある程度の知見が増えていると予想できます。そのため、他社と異なるコンテンツを提供することで差別化を図り、この段階で一気に商談のフェーズに近づけます。

サービス契約後は個別接客(ユーザー別の動画表示+ウェビナー案内)を継続し、PDCAを回すにあたっての追加施策などを相談していただけるようなDXパートナーになるために、ポップアップやパーソナライズエリアでの情報提供を継続します。

今回のケースではビジネス向けを例として考えましたが、コンシューマー向けの施策についても同様に、興味関心から情報収集、検討、サービス購入後のフォローまでの流れを一元的に管理することができます。


動画視聴履歴を活用した施策例


集客からリード可視化までのあらゆるポイントで、動画視聴履歴を活用することができます。

ユーザーの動画視聴後に取得できた行動ログや視聴ログを把握し、潜在的なニーズなど分析した結果をもとにネクストアクションを実施。さらにポテンシャルが高いと判断されたユーザーをリスト化し、アウトバウンドの実施などに役立てます。

また、ポテンシャルの低いユーザーに対しても個別の動画表示やウェビナーの案内を行うことで興味関心度を醸成し、コンテンツ視聴後のポテンシャルの分析、ポテンシャルの高低に応じたネクストアクションといったフローを構築することで、効率的にリード獲得のための施策を実行することが可能になります。

動画配信形式の使い分けや視聴ログ取得、MA連携による効果的な運用

小室 賢一
株式会社Jストリーム
営業本部 マーケティング部 部長


続いて、動画配信プラットフォーム J-Stream Equipmediaについてご紹介します。

J-Stream Equipmediaは自社サイトやサービス内で簡単にライブ配信、疑似ライブ配信、オンデマンド配信を行うことができる、国内最大級の動画配信プラットフォームです。

動画の管理やマルチデバイスでの配信、効果検証までを一元的に行い、様々な業界・業種の動画活用の支援をしています。特に、コロナ禍以降は動画活用に対する需要が急拡大し、学習や研修、情報共有、販促・プロモーション、オンラインイベントなど、様々な場面で活用されています。


用途別の3つの配信形式


J-Stream Equipmediaは3つの配信形式を選んでコンテンツを配信することができます。ここからは、それぞれの配信形式の使い分けや、メリットについてお伝えします。


・ライブ配信

リアルタイムで多くのユーザーに情報を届けることができ、高い視聴率が期待できます。配信中にチャットを用いてユーザーとのコミュニケーションを図ることもでき、コミュニケーションを重視する、もしくは情報の鮮度を重視する場合に適しています。実施方法は簡易的なものから、スイッチャーなどを用いた演出を高めるものまで様々です。

ただし、ライブ配信は運営側・登壇者ともに多少の慣れや経験が必要になり、実施にあたっての負担やミスのリスクもあることに注意しなければいけません。


・オンデマンド配信

いつでもどこでも、ユーザーの好きなタイミングで繰り返し視聴できるのが最大の特徴です。ライブ配信とは違い、複雑なオペレーションやノウハウを必要とせず、手軽に実施することができるのもメリットです。ユーザーの視聴モチベーションが高い場合や、研修・教育といった用途に適しています。

注意点としては、「いつでも見られる」ということは裏を返すと「いつまでたっても見てもらえない」ということになりかねないので、視聴モチベーションを上げるためのきっかけや導線を正しく設計する必要があります。


・疑似ライブ配信


「疑似ライブ配信」とは、事前に収録した動画を使ってライブ配信を行う手法です。動画ファイルを動画サーバー・ライブ配信サーバーにアップロードしておくと、予め設定した時間に自動でライブ配信が開始されます。

ライブ配信とオンデマンド配信の中間のような立ち位置で、ライブ配信時の懸念点である運営側の負担や登壇者のプレッシャーを軽減し、ミスオペレーションを回避することができます。また、リアルタイムでの動画配信なので高い視聴率が見込めることや、配信中にチャットでフォローすることもできるなどのメリットがあります。さらに運用負荷を下げることでウェビナー開催回数の増加にも寄与します。

以下はJストリームのウェビナー担当者1名での運用実績ですが、事前収録した動画を使用することで同じ日に複数回のウェビナー開催が容易になり、申し込みの多い時間帯の検証としても活用することができています。

・実績:ウェビナー開催回数
20年度:平均1.75回/月 最大3回/月
22年度:平均4.5回/月 最大9回/月

・21年度から疑似ライブ形式に切り替えた結果、月の平均回数は2.5倍、最大回数は3倍に増加
・他業務の負荷も考慮しながら柔軟に回数を決定できるようになった



ウェビナーを安定的に継続するためには配信形式のバリエーションを増やし、実施負荷の低減、安心して配信できる体制づくりをすることが重要です。コミュニケーション重視ならライブ配信、定常的な開催をするなら疑似ライブ配信、サービスのプロモーションなど分かりやすく動画で伝えるならオンデマンド配信と、用途や場面に応じて配信形式を使い分けることで効果的に動画配信やウェビナー開催をすることができます。


視聴ログの活用とMAツールとの連携

視聴ログについては、動画の表示回数や再生回数、オンデマンド配信の動画が尺全体のどこまで再生されたかを0/25/50/75/100%の各ポイントで確認することができ、ライブ配信であれば何時から視聴開始して何分間視聴されたかといった情報を取得することができます。

こうしたユーザー単位の視聴履歴を活用するためにKARTE Datahubに連携させ、ユーザーに属性情報を紐づける、メールなどの配信リストとして活用するなどした後、ネクストアクションに繋げていきます。

動画視聴ログを活用したパーソナライズ対応

石井 晃樹
株式会社プレイド
KARTE div
Customer Experience Designer


続いてKARTEとはどのようなツールなのか、KARTE Datahubではどのようなことができるのかをご紹介します。



KARTEは、Webサイトの訪問やアプリを利用したユーザーの行動ログを蓄積し、リアルタイムで解析することができます。具体的には、どんなページを見ているのか、滞在時間はどのくらいか、どんな商品を買ったのか、男性なのか女性なのか、年齢層はどのくらいなのか、といった情報をもとにセグメント分けをします。

これをもとに、この人にはこんなポップアップやアンケートを出そう、特定のブランド品をよく見ている人にはそのブランドの割引クーポンを配布しようといった、ユーザーの興味関心に沿ったコミュニケーションを行うことが可能です。


そしてKARTE Datahubは、KARTEのWebサイトやアプリ上で取得したデータと、社内で保有しているデータ、そして外部サービスと連携する際に取得したデータを統合・分析・加工を行うサービス、つまり “様々なデータを詰めて、掛け合わせて、加工することのできる箱” です。

例えば、『このウェビナー動画を尺全体の90%以上視聴したユーザー』というリストのユーザーへは積極的にアウトバウンドを行い、逆に『ウェビナーに申し込んだが動画は0~10%未満しか視聴していない』というリストのユーザーへは、Webサイトを再訪問した際にポップアップでウェビナーのアーカイブ動画の視聴を提案する、もしくは別のWebページへのリンクを表示させて興味関心を伺う、といったアクションを実行することができます。


さらに、動画視聴ログとKARTEで取得しているデータを掛け合わせることで、より詳細なユーザーの行動データを分析することができます。

例えば、動画を最初から最後まで100%見ているというデータが残っているユーザーでも、実はラジオ感覚でながら見をしていた(=一概にポテンシャルが高いとは言い難い)ということもあり得るかもしれません。

しかし、このユーザーが直近1週間で5回Webサイトに訪問しているという行動履歴と掛け合わせることができれば、このユーザーは特にポテンシャルが高いと判断することができます。加えて、属性としては男性なのか女性なのか、年齢は30代なのか40代なのかなど細分化して見ていくことで、よりユーザーにマッチしたコミュニケーションを行うことができます。

蓄積されているデータを有効活用するためにKARTE Datahubを利用し、アウトバウンドやメールマガジンの配信リストとして活用する、分析・可視化できるような形に整える、とデータを目的別に加工することで新規リード獲得に繋げることができます。


トランスコスモスは今後も、Jストリーム、プレイドと連携のうえ、お客様企業の営業DX推進を支援します。

本記事の内容にご興味・ご関心をお持ちいただけた方は、担当営業またはこちらからお気軽にお問い合わせください。


trans+(トランスプラス) 編集部
trans+(トランスプラス) 編集部
ITアウトソーシングサービスで企業を支援するトランスコスモス株式会社のオウンドメディア編集部。メンバーはマーケター、アナリスト、クリエイターなどで構成されています。
 

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