【2023年EC業界ニュース】Inditex Group、2023年1月期通期決算を発表・売上高が過去最高 ほか
トランスコスモス調査部が厳選する国内・海外EC業界ニュース
今週も国内外問わずEC市場の動きを、ダイジェストでお届けします。
世界26カ国・93の拠点があるトランスコスモスだからこそ伝えられる、
国内外EC業界の「今」が、5分でわかります。
今週のトピックはこちら。
※2024年3月更新
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Flipkart、食料品Eコマースへの注力を計画
印EC事業者Flipkart(フリップカート)は食料品Eコマースに注力することを計画しています。
同社CEOのKalyan Krishnamurthy(カリアン・クリシュナムルティ)氏は、食料品のEコマースは十分に普及していない分野であり、配達時間の短縮や取扱商品を拡充することで需要を拡大できると述べています。
インドの食料品Eコマース市場は2027年までに266億3,000万ドル(約3兆4,800億円)に達すると予想されており、競合のAmazon(アマゾン)も2021年11月にAmazon Fresh(アマゾンフレッシュ)を展開するなど、参入を進めています。
また、Flipkartは旅行事業にも注力しており、2022年にはホテル予約サービスFlipkart Hotel(フリップカート・ホテル)を開始しています。
情報源:Inc42 "Flipkart Plans To Drive Growth In Grocery, Travel Segment"(2023/03/13)
通販サイトのクレジットカード決済で本人認証システムの義務付けが決定
3月15日、経済産業省が通販サイトのクレジットカード決済にて「EMV3Dセキュア」と呼ばれる本人認証システムの義務付けを決定しました。カードの不正利用防止を目的とし、楽天やAmazon(アマゾン)などマーケットプレイスや出店事業者は2025年3月末までに導入が求められます。
「EMV3Dセキュア」は指紋認証やワンタイムパスワードなどが含まれ、欧米では広く使われるシステムです。
日本ではヤフー(現 LINEヤフー株式会社)やメルカリが導入しているものの、普及は遅れています。特に企業からはランニングコストや導入コストの負担を懸念する声が上がっています。
情報源:朝日新聞「通販サイトのクレカ決済「生体認証」など義務化 企業はコスト増懸念」(2023/03/15)
Wildberries、従業員の全国的なストライキを受け、返品による従業員へのペナルティを停止
3月16日、ロシアのEC事業者Wildberries(ワイルドベリーズ)は、従業員の全国的なストライキを受け、消費者から商品が返品された場合従業員に金銭的責任を負わせる規則を3日間停止すると発表しました。
同規則は2023年3月に導入されたもので、返品された不良品の費用と配送先に住所不備があった商品の費用を負担する規則です。
これまで、返品の98%が従業員の責任であるとされ、Forbes(フォーブス)によると最大50万ルーブル(約86万円)を徴収された従業員もいます。
本ストライキは、ウクライナ侵攻以後にロシアの労働組合が行ったストライキの中で3回目の成功になります。
Mercado Libre、メキシコに過去最大の投資を決定
3月16日、中南米最大のEC事業者Mercado Libre(メルカドリブレ)が同社にとって2番目に大きい市場であるメキシコに16億ドル(約2,100億円)を投資することを発表しました。今回の投資額は、同社がメキシコに投資する最大額です。
投資により、同社の物流ネットワークの拡大や決済プラットフォーム「Mercado Pago(メルカドパゴ)」を含む金融サービスの提供を拡大するねらいです。
AMVO (メキシコ・オンライン販売協会:Mexican Online Sales Association)によると、メキシコのEコマースは過去4年間で4倍の成長を遂げており、2022年にメキシコ人が最も訪問したECサイトであるMercado Libreは今後大きく成長すると見込まれています。
情報源:Mazatlan Weekly "Mercado Libre to invest US $1.6B in Mexico this year"(2023/03/17)
Inditex Group、2023年1月期通期決算を発表・売上高が過去最高
3月15日、ZARA(ザラ)などを展開するスペインアパレル大手Inditex Group(インディテックス・グループ)が、2023年1月期通期決算を発表しました。売上高が前年同期比18%増の325億6,900万ユーロ(約4兆5,000億円)と過去最高を記録し、純利益が同27%増の41億3,000ユーロ(約5,800億3,600万円)を記録しました。
主力事業のZARAブランドが好調でした。EC事業も好調で、売上高は同4%増の78億ユーロ(約1兆990億円)に達しています。
同社は実店舗のデジタル化やオンライン販売の最適化を図っており、実店舗ではRFID技術を用いたデジタル化を進め、ECサイトでは顧客のパーソナライズ技術の強化を進めています。
情報源:Inditex Inc."FY2022 Results"(2023/03/15)
Pinduoduo、2022年10-12月期および通期決算を発表・2期連続で黒字を確保 米Google Playストア上でPinduoduoアプリの提供を一時停止中
3月20日、Pinduoduo(ピンドゥオドゥオ)が2022年10?12月期および通期決算を発表しました。
10~12月期の売上高は前年同期比46%増の398億元(約7,680億円)を記録し、最終利益は同43%増の94億元(約1,850億円)でした。広告宣伝費のほかデジタル技術開発費用が膨らんでおり、開発費用は年間で100億元(約1,930億円)を超えています。同社の財務担当副社長によると、同社の持続的な成長促進を目指し、デジタル技術への投資を進めていく予定です。
また、通期の売上高は前年比39%増の1305億元(約2兆5,190億円)で最終利益が315億元(約6,000億円)を記録しました。コロナ禍のロックダウンの際、消費者ニーズを囲い込みEC利用を高めたことが寄与しました。米国市場など海外展開を進める上での広告宣伝費が増えたものの、2期連続で黒字を確保しています。
一方、3月21日には米Google(グーグル)がGoogle Play(グーグル・プレイ)ストア上でPinduoduoアプリの提供を一時停止しました。Google Playストア上で展開されたバージョンにマルウェアが含まれていることが判明したためです。
Googleによると、セキュリティ上の予防措置として、調査実施中はGoogle Playストアからダウンロードができない状態です。米国で人気のあるTemu(ティームー)については言及がなく、ダウンロード可能です。
今週の注目はInditex GroupとPinduoduoの決算発表だよ! |