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【2024年EC業界ニュース】小売業界最大のカンファレンス「NRF」開催

トランスコスモス調査部が厳選する国内・海外EC業界ニュース

今週も国内外問わずEC市場の動きを、ダイジェストでお届けします。

多くのグローバル企業へサービスを提供するトランスコスモスだからこそ伝えられる、​​​​​​​

国内外EC業界の「今」が、5分でわかります。

今週のトピックはこちら。

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目次[非表示]

  1. 小売業界最大のカンファレンス「NRF」開催
  2. 韓国ファッションECサイト「nugu」2023年の事業成果と2024年の事業計画を発表
  3. 米国小売市場で不正返品の横行により数十億ドルの損害が発生
  4. 2023年におけるベトナム国内ECサイト上位5社のうちTikTok Shopが台頭
  5. Walmart 社内のイノベーションラボ「Store No. 8」を閉鎖 全社を挙げてデジタル開発に注力
  6. Temu 海外進出の勢いを拡大 Amazonの2倍以上の国に進出

小売業界最大のカンファレンス「NRF」開催

EC Weekly Picks グローバル国旗

1月14日から1月16日、米ニューヨークで小売業界最大のカンファレンス「NRF(全米小売業協会)」が開催されました。今年のNRFでもAI活用が前面に押し出され、注目を集めていました。

Salesforce(セールスフォース)は小売業者がテキスト生成AIを用いてWebページを作成できるツール「Page Designer(ページデザイナー)」を発表しました。デザインのカスタマイズや、ブランドの既存Webページをアレンジができます。現在は実証実験段階であるものの、このツールによってデザイナーの生産性が10%~30%向上したと同社は説明しています。

そのほか、返品商品の商品説明文やレビュー、返品理由などを分析し、改善案を提案する生成AIツール「Return Insights(リターンインサイト)」や、在庫データをリアルタイム収集して積極的に売り出す必要のある商品を抽出する「Inventory Insights(インベントリーインサイト)」なども発表しました。

また、小売事業者のAI活用事例として無人店舗が多く紹介されました。Amazonのレジレス決済システム「Just Walk Out」をはじめ、生体認証による本人確認で自動決済ができる日立の「CO-URIBA(コウリバ)」などが出展しました。また、セルフレジサービスも注目を集め、東芝の商品情報をより正確に検知するシステムを搭載したセルフレジシステムや、富士通の事前登録したID情報をカメラで検知できるセルフレジなども出展しています。

情報源:Digital Commerce 360 "Salesforce releases new generative AI tools at NRF"(2024/1/15)
情報源:ニューヨーク直行便 「無人レジにAIスタッフ...最新技術が一堂に。小売業界の大展示会「NRF」に4万人(NY)」(2024/1/18)
情報源:Digital Commerce 360 "7 key takeaways from NRF's Big Show"(2024/1/19)

韓国ファッションECサイト「nugu」2023年の事業成果と2024年の事業計画を発表

EC Weekly Picks 韓国旗

韓国ファッション越境ECサイト「nugu(ヌグ)」が2023年の事業成果と2024年の事業計画を発表しました。同社のサービスは、はオンラインショップを開設するだけでなく、ディレクターと呼ばれるインフルエンサーが日本のZ世代をターゲットに直接商品をセレクトし、スタイリング・販売まで行う点が特徴です。

同社の2023年GMV(流通総取引額)は2022年の25億円から100%の成長を遂げ、50億円を記録し、2023年12月の売上額も4億円に上りました。2020年10月にサービスを開始し、ファッションとコスメ、日用品など様々なカテゴリーの商品を販売し、事業を拡大し続けています。

また、2023年には商品の紹介撮影場所を日本国内と韓国にとどまらずその他海外にまで拡大し、企画イベントとして実施することで消費者の印象に残るコンテンツを作成しています。2023年9月には新宿にオフラインの実店舗を開設し、大阪でも店舗2号店の開設を予定するなど、オフライン販売にも注力しています。

2024年からはオフライン店舗との連携も計画しており、日本の市場だけでなく韓国のオンライン・オフライン市場への進出も視野に入れています。

情報源:株式会社medicarelabs 「韓国ファッションECサイト「nugu」、23年度の成果及び24年度事業計画を公開」(2024/01/16)

米国小売市場で不正返品の横行により数十億ドルの損害が発生

EC Weekly Picks アメリカ国旗

National Retail Federation(全米小売業連盟)によると、米国小売市場で不正返品の横行により数十億ドルの損害が出ています。2023年に返品された合計額7,430億ドル(約108兆9,800億円)のうち1,000億ドル(約14兆7,500億円)以上が不正に返品されました。

不正の内容としては、到着した商品タグの値段を変えて返品や、レシートの偽造、商品を一度返品した後、アウトレット品として安く再販されるのを狙って再購入する「オープンボックス詐欺」など、様々な方法が存在します。

特に横行しているものは、返品申請後に本物の商品は手元に置いたまま、偽物の商品やレンガなどを梱包し小売事業者に配送する手法です。

専門家によると、ECの成長に伴いオンライン返品詐欺は増加しており、不正返品の対策を早急に練る必要があります。

情報源:NewsNation "Retailers claim $100B loss from return fraud in 2023"(2024/1/18)

2023年におけるベトナム国内ECサイト上位5社のうちTikTok Shopが台頭

EC Weekly Picks ベトナム国旗

ECデータ調査会社Metric(メトリック)の発表によると、2023年におけるベトナム国内ECサイト上位5社はShopee(ショッピー)、TikTok Shop(ティックトックショップ)、Lazada(ラザダ)、Tiki(ティキ)、Sendo(センドー)でした。

5社全体の売上高は前年同期比53.4%増の233兆2,000億ドン(約1兆4,000億円)となり、直近3年間で最高の伸び率を記録しました。

特にTikTok Shopが台頭しており、他4社では競争激化に伴う出店事業者の撤退もみられる中、2023年にTikTok Shopには9万5,000以上の事業者が新規参入しました。

ベトナムではEC市場は近年急速に成長しており、2024年における上位5社のEC売上高が前年比35%増の約310兆ドン(約1兆8,600億円)となる見込みです。

情報源:VIET JO 「ECサイト上位5社の売上高、23年は+53.4%増 直近3年で伸び率最高」(2024/1/18)

Walmart 社内のイノベーションラボ「Store No. 8」を閉鎖 全社を挙げてデジタル開発に注力

EC Weekly Picks アメリカ国旗

米小売り大手Walmart(ウォルマート)が、2017年に設立した社内のイノベーションラボ「Store No. 8(ストアナンバー8)」を閉鎖することを発表しました。

これは競合のAmazon(アマゾン)の技術に対抗するために設立したデジタル開発部署で、これまで同社のEC事業や店舗のデジタル事業を開発してきました。

具体的には、食料品を家の冷蔵庫に配達する「InHome(インホーム)」サービスや、チャット形式でオンラインショッピングが完結する「Text to Shop(テキスト・トゥー・ショップ)」などを開発しています。

同社は「Store No. 8」を閉鎖した後、会社全体でデジタル開発に注力していくことを明らかにしています。閉鎖に伴い、約300名の従業員は他の部署へ異動しました。

情報源:Digital Commerce 360 "Walmart closes startup incubator Store No. 8"(2024/01/23)

Temu 海外進出の勢いを拡大 Amazonの2倍以上の国に進出

EC Weekly Picks グローバル国旗

中国格安ECサイトTemu(テム)が2024年に入り、新たにチェコと南アフリカでサービスを開始することを発表しました。

2022年9月にアメリカでサービスを展開してから、2024年1月には49ヶ国にまで拡大しています。これは21ヶ国でマーケットプレイスを運営しているAmazonの2倍以上の規模です。

同社は低価格販売、物流の完全委託、積極的なマーケティング戦略で市場シェアを拡大し、2023年11月までのアプリダウンロード数は世界で3億回を突破しました。

情報源:36Kr 「中国格安EC「Temu」、南アフリカでもサービス開始 49カ国目」(2024/01/23)


POINT

今週の注目は米国で開催されたNRFです。AI活用が注目を集め、生成AIによる業務効率化から、生体認証を用いた無人店舗などが注目を集めました。


trans+(トランスプラス) 編集部
trans+(トランスプラス) 編集部
ITアウトソーシングサービスで企業を支援するトランスコスモス株式会社のオウンドメディア編集部。メンバーはマーケター、アナリスト、クリエイターなどで構成されています。

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