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【2024年EC業界ニュース】WalmartとAmazon デジタル技術を活用したショッピング体験を展開し、若年層の消費者獲得競争を激化

トランスコスモス調査部が厳選する国内・海外EC業界ニュース

今週も国内外問わずEC市場の動きを、ダイジェストでお届けします。

多くのグローバル企業へサービスを提供するトランスコスモスだからこそ伝えられる、

国内外EC業界の「今」が、5分でわかります。

今週のトピックはこちら。

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目次[非表示]

  1. WalmartとAmazon デジタル技術を活用したショッピング体験を展開し、若年層の消費者獲得競争を激化
  2. DoorDash Ulta Beautyとの提携を発表 美容商品の配送が可能に
  3. LVMH Alibabaとの提携を強化
  4. 楽天 eBayと提携し日本の中古品ファッションを米国市場へ出品
  5. TemuとSHEINの膨大な出荷量が航空貨物運賃を高騰させる

WalmartとAmazon デジタル技術を活用したショッピング体験を展開し、若年層の消費者獲得競争を激化

EC Weekly Picks アメリカ国旗

Walmart(ウォルマート)とAmazon(アマゾン)が若年層の消費者を獲得するため、デジタル技術を活用したショッピング体験を展開しています。

5月22日、Walmartはメタバース構築プラットフォームEmperia(エンぺリア)と協業で、自社メタバース空間「Walmart Realms(ウォルマートレルム)」を立ち上げました。同プラットフォームには、インフルエンサーがキュレーションしたデジタルアイテムストアである「So Jelly」「Y'Allternative」「Go Chromatic」の3つの店舗が展開されています。

店舗の品揃えは美容、ファッション、家庭のカテゴリーに分かれており、インフルエンサーのデジタルアバターが訪問者に音声とテキストで挨拶をするなどのエンタメ性の高いものとなっています。

また、AmazonもTikTok(ティックトック)ユーザーを取り込むべく、Prime Video(プライムビデオ)の公式TikTokアカウントを立ち上げ、2000万人のフォロワーを獲得しています。アカウントのフォロワーが増えることは、Prime Videoへのエンゲージメントの高まりに繋がると同社は説明しています。

両社ともにソーシャルメディアを軸に若年層の消費者獲得を推進しています。

情報源:PYMNTS "Walmart Takes Amazon Battle Into New Virtual Spaces"(2024/5/24)

DoorDash Ulta Beautyとの提携を発表 美容商品の配送が可能に

EC Weekly Picks アメリカ国旗

米国の食品デリバリー大手DoorDash(ドアダッシュ)と美容専門店Ulta Beauty(アルタビューティー)が提携を発表しました。

これによりDoorDashのユーザーは、米国全50州の1,350以上のUlta Beauty店舗から2万5,000点以上の化粧品や香水などの600以上のブランド商品を、アプリから最短1時間で自宅で受け取ることができるようになりました。この提携でDoorDashは初めて美容商品を消費者に配送できるようになります。

同社はこれまでも小売、食料品などの新分野へ進出を重ね、取扱商品の品揃えを拡充してきました。DoorDashは今回の提携がユーザーの利便性を高める機会になると強調しています。

また、Ulta Beautyも消費者のライフスタイルが多忙になる中、シームレスなショッピング体験をさらに向上できると説明しています。

今後、両社は会員プログラムの連携も図り、Ulta Beautyのロイヤリティプログラム会員がDoorDashでポイントを獲得できるサービスを予定しています。

情報源:Retail Tech Innovation Hub "DoorDash partners with Ulta Beauty and lays claim to a beauty products and on-demand delivery first"(2024/5/21)

LVMH Alibabaとの提携を強化

EC Weekly Picks 中国旗

5月22日、仏LVMHが中国大手EC事業者Alibaba(アリババ)との提携強化を発表しました。

2019年に両社は戦略的提携を結び、Alibaba Cloudのデータ管理ツールを活用したLVMHの中国顧客向けプラットフォーム「LVMH ATOM」を設立しました。

今回はこの提携をさらに発展させ、Alibaba Cloudの生成AIモデルQwen(通義千問)やAIモデル構築プラットフォーム「Bailian(百煉)」をLVMHが導入します。またAlibabaの中国ECプラットフォームTmall(天猫)に、Tiffany (ティファニー)やChaumet(ショーメ)などLVMHブランド30社以上が出店し、バーチャル試着やライブコマースなどのサービスを展開しています。

LVMHは、今回の提携強化によってAlibaba Cloudの技術を活用し、オムニチャネル戦略を加速することで、中国をはじめとするグローバル市場で革新的なラグジュアリー体験を提供することをねらっています。

情報源:LVMH「アリババ、LVMHとの新たな提携により 中国でのラグジュアリーリテール体験を一新」(2024/5/22)

楽天 eBayと提携し日本の中古品ファッションを米国市場へ出品

EC Weekly Picks アメリカ国旗

楽天は米EC事業者eBay(イーベイ)と提携し、日本の中古品ファッションの米国市場を調査し参入余地を模索しています。

その一環として、5月8日から楽天の中古品プラットフォーム「ラクマ」がeBayへの出品を開始しました。販売手数料と引き換えに、eBayはラクマがセレクトした商品を自社サイトに掲載し、楽天と契約した業者が米国での発送とカスタマーサービスを行います。

ラクマの長谷川ゼネラルマネージャーは「日本人が商品を丁寧に取り扱うという点から、日本の中古品プラットフォームには質の良い商品が集まるという評判に繋がっている」と説明しています。現在はファッション雑貨のみの販売であるものの、好調の場合はラクマ全体とeBayの連携を強める予定です。

eBayは全体売上の4割近くが中古品販売を占めており、連携によって米国に次いで英国、カナダ、ドイツ、オーストラリアなど主要市場への拡大を目指す考えです。

情報源:LINEヤフー株式会社「Rakuten, eBay team up to test US market for used Japanese fashion goods」(2024/5/24)

TemuとSHEINの膨大な出荷量が航空貨物運賃を高騰させる

EC Weekly Picks アメリカ国旗

中国の格安EC事業者Temu(ティーム―)とSHEIN(シーン)が世界中で人気を集める一方、迅速な配送を実現するために空輸に依存しているため、航空貨物運賃を高騰させています。

物流分析会社Xeneta(ゼネタ)によるとTemuとSHEINは毎日約9,000トンの荷物を世界中に出荷しています。また、中国から米国への航空運賃は2019年から比べて2倍以上に高騰しました。

この状況に対し、一部の物流および航空会社は航空貨物機の運航を増便しました。

現在TemuとSHEINは米国での成長を目的に、一定額以上の注文に対して無料配送を提供しているものの、コスト削減のため徐々に海上輸送や地上配送へのシフトを図っています。

両社は2024年のホリデーシーズンに記録的な売上を上げると予測されており、物流企業はすでに年末の貨物の急増を懸念しています。

情報源:Forbes Japan 「航空物流業界が悲鳴、「中国系EC」SHEINとTemuの異様な出荷量」(2024/5/27)


POINT

今週の注目はWalmartが自社メタバース空間Walmart Realmsを設立です。若年層の消費者獲得に向けてインフルエンサーがキュレーションするメタバース空間を提供しています。


trans+(トランスプラス) 編集部
trans+(トランスプラス) 編集部
ITアウトソーシングサービスで企業を支援するトランスコスモス株式会社のオウンドメディア編集部。メンバーはマーケター、アナリスト、クリエイターなどで構成されています。

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