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企業と顧客とのつながりが縦から横に変化した時代にどう対応するか

テクノロジーの発展とともに、企業と顧客の情報の非対称性は解消されつつあります。従来のマーケティングは説得的なものでした。若干誇張した内容で広告をしてでも、製品・サービスの売り込みを目的としていたのです。いまや、顧客は企業の広告がそういったものであることを知っています。そのため、企業は製品・サービスを宣伝する際に、いかに広告臭を消したコミュニケーションをとるかが重要になってきています。


目次[非表示]

  1. 顧客は企業広告よりも口コミを信じる
  2. これからの顧客の信頼を勝ち取るマーケティング活動の基盤
    1. 共創
    2. コミュニティ化
    3. キャラクター構築

顧客は企業広告よりも口コミを信じる

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過去70年のマーケティングコンセプトは、主として縦の関係を軸にしていました。すなわち、企業から一方的に顧客に働きかけるものでしたが、現在のマーケティングコンセプトは、顧客同士がつながった横の関係に支えられるものに変化しています。特に近年は、ソーシャルメディアの発達が大きな影響を及ぼしています。

ソーシャルメディアの発達によって、顧客は企業の発信することよりも、他の顧客の口コミを信じるようになっています。どんな製品・サービスのマーケターでも、自身もまた他の製品を使い、感想をソーシャルメディアで共有する時代です。マーケティングは、マーケターが消費者に対して行う活動だけではなく、消費者が他の消費者に対して行う活動をもマーケティングとして機能するようになっており、誰もがマーケターであり、誰もが消費者の時代となっているのです。

ニールセンの世界消費者動向調査によると、企業が出稿する広告を信頼する顧客は減っており、新たな信頼できる広告形態として、口コミが期待されています。知人の推奨を信頼し、さらにはオンラインで投稿される顧客の意見を信用する時代になりました。顧客は専門家よりもSNS上の見知らぬ人を信頼しているのです。

こういった顧客の広告に対する態度変化を受けて、広告は多様化しないわけにいきません。影響力のあるインスタグラマーに、製品と一緒に写真を撮って投稿してもらったり、ブロガーに製品レビューを書いてもらうなど、対価を支払い投稿や記事執筆を行ってもらうスポンサードコンテンツが出現しています。

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これからの顧客の信頼を勝ち取るマーケティング活動の基盤

企業は顧客の信頼を得るために、顧客同士の横のつながりを重視したコミュニケーションを構築する必要があります。これからのマーケティング活動では、共創、コミュニティ化、キャラクター構築といった要素が重要になってくるでしょう。それぞれの特徴をみていきましょう。

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共創

共創とは、イノベーションに対する新しい取り組み方を表すものです。企業と顧客、供給業者やチャネルパートナーが協働によって新たな製品や価値を創造します。

製品についての消費者の経験価値は、単独では製品の経験価値にはなりにくいものですが、個々の消費者の経験が集積されることで大きな価値を生み出します。これは、顧客フィードバックを製品に反映するオープンソースソフトウェアの開発に見られるやり方を、他の産業に応用する方法です。

顧客同士がつながる横のネットワークの中で行われる共創を、企業はうまく利用することで、自社の製品・サービスをより良いものとしていきます。


コミュニティ化

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テクノロジーの進化は、顧客同士を結びつけてコミュニティ化の方向に進ませています。このコミュニティ化を取り込んで自社の成長へつなげたいと思う企業は、コミュニティの中で顧客が互いにつながる手助けをする必要があります。コミュニティは企業に役立つためにあるのではなく、その構成メンバーに役立つために存在しているため、企業はそのことを認識し、コミュニティのメンバーに役立つように振る舞う必要があります。

顧客コミュニティの形成は、考えにつながるか(プール型)、コミュニティの分類は消費者が互いにつながるか(ウェブ型)、リーダーにつながるのか(ハブ型)のいずれかになるといわれています。

プール型:コミュニティの顧客は同一の価値を共有しているが必ずしも互いに交流するとは限らない。顧客を結びつけているのは、ブランドに対する信念と強い愛情。

ウェブ型:コミュニティの顧客は互いに交流する。典型的なソーシャルメディアコミュニティで、結びつきを支えているのはメンバー間における1to1の関係性。

ハブ型:コミュニティの顧客は強力な人物のまわりに引き寄せられ、忠実なファン層を形成する。


キャラクター構築

ブランドが人間とつながるためには、真の差別化ができるユニークなDNAを企業が持つ必要があります。今日では、顧客はブランドを見たとき、それが偽物か本物かを即座に判断する力を持っており、企業は本物と判断してもらえるよう、自身の主張に背かない経験価値を提供するよう一貫した行動が必要になります。

広告の中だけではなく、ソーシャルメディア上、実店舗での行動が顧客からはウォッチされており、一貫性のない行動は信用を失うことになります。消費者がコミュニティでつながっている現在は、信用を失うことは潜在的顧客のネットワーク全体を失うことに繋がるため、しっかりとしたキャラクターの確立が必要なのです。

以上のように、現在は顧客がインターネットに常に接続できる状態にあり、ソーシャルメディアの利用が当たり前になっている時代です。成長を続ける企業には、時代にあったマーケティングが求められます。有効な口コミづくりや、共創、コミュニティ、キャラクターの確立などを取り入れてみてはいかがでしょうか。


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ITアウトソーシングサービスで企業を支援するトランスコスモス株式会社のオウンドメディア編集部。メンバーはマーケター、アナリスト、クリエイターなどで構成されています。

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