catch-img

【事例資料あり】LINEの運用型広告「LINE Ads Platform(現 LINE広告)」。代理店だからこそわかる実施メリットと運用の注意点は?(2/2)

前編・後編にわたってお届けしているこの記事。

前編では、「LINE Ads Platform(現 LINE広告)」の基本である「SNS広告の特性」や「独自の課金形態」などについてご紹介しました。

LINEの運用型広告「LINE Ads Platform(現 LINE広告)」。代理店だからこそわかる実施メリットと運用の注意点は?(1/2)

後編では、代理店だからこそわかるポイントをさらに踏み込んでお届けします!


【インタビュイープロフィール】


河西 優希


2009年、新卒でトランスコスモスに入社。 入社から1年間、コールセンターでのオペレーター業務の後、2010年からインターネットプロモーションサービス本部にて、各広告メディアとの折衝や販売戦略の立案を担当。2011年からメディア領域の広告プランナー兼広告運用担当として、人材業界・金融業界・流通業界などを担当。その後、広告プランニングチームのマネージャー職を経て、現在は、LINEをはじめとした各種広告メディアとの折衝や販売戦略の立案を担当する組織であるメディア推進部メディア推進課にてマネージャーを担当。




市村 眞穂


2017年、新卒でトランスコスモスに入社。 インターネットプロモーションサービス本部にて、ソーシャルメディアの広告プランナーとして、主にLINE関連の商材を取り扱う。2018年からメディア推進部メディア推進課にて「LINE Ads Platform」のプリセールスを担当。


※2023年10月更新

目次[非表示]

  1. 代理店だからこそわかる「LINE Ads Platform」の配信のポイント。トランスコスモス独自の強みとは
    1. 「LINE Ads Platform」配信におけるポイント
    2. 「LINE Ads Platform」配信におけるトランスコスモスの強み
  2. 広告だけではない、トランスコスモスの考える「LINEフルファネル戦略」の野望
    1. 「LINE」を起点に、新規顧客の発掘からCRM領域まで一気通貫したマーケティング活用
  3. オンラインとオフラインの融合 未来のマーケティングコミュニケーション
    1. ユーザーの声・行動の分析で実現する、「空気を読む」マーケティングコミュニケーション

代理店だからこそわかる「LINE Ads Platform」の配信のポイント。トランスコスモス独自の強みとは

「LINE Ads Platform」配信におけるポイント

――トランスコスモスで「LINE Ads Platform」(以下「LAP」)を運用している企業のなかで、特に出稿の多い業界や業種などはありますか?

  市村

トランスコスモスの場合は、前述したようなメディアの運営会社様が直近で増えてきている印象はありますが、それ以外の業種・業界のばらつきは少ないですね。

業界業種問わず広く運用経験があるというのは、トランスコスモスの強みの一つだと考えています。


――「LAP」を運用するうえで、特に注意しなければいけないポイント・普段から注力しているポイントなどはありますか?

  河西

広告のクリエイティブは、ユーザーが商品やサービスに対して最初に触れる情報でもあるので、最も力を入れているポイントの一つですね。クリエイティブの良し悪しによってユーザーの反応も大きく変わりますし、他代理店との差別化を考えた場合、比較しやすい部分にもなるので、特に気を配っています。

広告効果の最大化を図る観点でも、クリエイティブの強化は欠かせません。「LAP」も他の多くの媒体と同様に、広告グループやキャンペーン単位で品質スコア※がついています。品質スコアが低い場合、いくら入札単価を上げても広告が表示されないというロジックが働いているので「クリックされない広告≒ユーザーの興味を惹かないクリエイティブ」を使い続けることは、インプレッション低下による機会損失を招いてしまうことになります。

※ 媒体側が、その広告がユーザーにとって価値のあるものかを測る指標。主にクリック率が高いほど品質スコアが高くなる

また、「LAP」は表示される面が大きく、視認性が高いため、同一のクリエイティブ使い続けることでユーザーに飽きられてしまい、反応されなくなってしまうというリスクもあります。クリエイティブのテコ入れやチューニングをし続けることは、狙っているユーザーに広告を露出し、成果を出し続けるために必須だと考えています。


「LINE Ads Platform」配信におけるトランスコスモスの強み

――クリエイティブというと、過去の実績や、担当者の好みなどで内容が左右されてしまいそうですが、このような課題には、どのような体制で取り組んでいるのでしょうか?

  市村

トランスコスモスでは、クリエイティブ制作の専門チームで制作に取り組んでいるのは勿論、様々な独自ツールやメソッドを用いての高速化や効率化を図っています。クリエイティブ全体の中でも特に重要な、訴求内容の作成に活用しているのが「coemo」というクリエイティブツールです。

「coemo」はユーザーの「声」をクリエイティブ制作に活用できるトランスコスモス独自のクリエイティブツールで、SNS上に発信されるユーザーの膨大な投稿のなかから、VOC※を抽出し、隠れたニーズを発掘することで、ユーザーに響く、最適な訴求を導き出すツールです。 ユーザーのリアルな発言を基にしているため、クリエイティブ担当者の感覚や、過去の実績頼りになってしまいがちなクリエイティブを、根拠をもって作成することができるようになります。

※ Voice Of Customerの略。ユーザー・顧客の声


関連リンク:トランスコスモス、「 Google Cloud Natural Language API 」を活用しSNS上のリアルタイムな声から 消費者の心を動かす広告訴求を開発するメソッド「coemo(コエモ)」を提供開始

参考:https://www.trans-cosmos.co.jp/company/news/180220.html


――ユーザーの本当に求めているもの・考えを広告に反映できるのは、効果が高そうですね。「coemo」を活用して実際にクリエイティブを作成した事例などはありますか?

一つが美容系の広告主様で、脱毛についての投稿を「coemo」抽出した際に「痛い」「継続しなきゃいけない」などのネガティブな印象を抱いているVOCが多く見つかりました。そこで「痛くない訴求」「通わなくてもすぐ終わる訴求」など、現在ユーザーが抱いているネガティブな印象を否定するようなクリエイティブを作成しました。

また、親御さん向けにプロモーションを展開している、キッズオーディション系の広告主様の事例ですと、お子さんの性別の違いによってオーディションを受ける動機やきっかけが異なることがVOC抽出から判明しました。そこで、男女別のクリエイティブを作成して、それぞれの性別のお子さんを持つユーザーに出しわけを行うことで、効果的に配信を行うことができました。

「coemo」によるデータはかなり優秀で「LAPだけでなく、他の広告にも活用したい」といったお声もいただくほど、大変ご好評を頂いています。 VOC抽出により、広告主様側で長い間想定されていたペルソナが全く異なるものだったり、いままで効果が最も良かった訴求の実績を大幅に上回る新たな訴求が出てきたりすることも少なくないため、新ターゲットや、新訴求の発見という点でもご期待いただくことも多いですね。

SNS上のVOCを網羅的に収集するというのは、かなり労力がかかってしまう分、まだまだ取り組めていない企業も多く、トランスコスモスだからこそできるアプローチの一つだなと考えています。 また、結構生々しいユーザーの声が抽出されることもあり、今後はトランスコスモスとしても、それらの情報は広告の分野以外にも活用していきたいですね(笑)


――クリエイティブの分野以外で、力を入れている部分はありますか?

  河西

先にお話した「LAP」の特性として、老若男女問わずリーチができるという点がありますが、やはりダイレクトレスポンス目的の広告主様であればあるほど、ターゲット層にピンポイントで広告をリーチしたいというご要望を頂くことも多いです。

勿論、「LAP」でも年齢・性別・興味関心・デバイス・エリアなどの各種ターゲティングが利用可能なのですが、これらはユーザーが友だちとなっているアカウントやダウンロードしているスタンプをもとにした「みなしターゲティング」となっているため、高いターゲティング精度を求められるサービス・商品のプロモーションには不安を感じる広告主様も少なくない、というのが現状です。

そこで、トランスコスモスでは、SuperShip社の提供している外部DMPツール「Fortuna(フォーチュナ)」を活用することで、ターゲティング精度を向上させています。

「Fortuna」を利用することで、KDDI社が保有している利用者データ、提携先のポータルサイト・アプリの登録データをもとにユーザーセグメントを作成することができます。そのセグメントを「LAP」の広告配信に活用することで、目的のユーザーに対しての精緻な広告配信を実現しています。
他代理店と比較をしても、「LAP」で精緻なセグメント配信ができるというのは明確な強みの一つであり、実際に導入いただいている広告主様にもご好評をいただいております。

幼児を対象とした教育系の広告主様で実際に導入した際には、通常の「LAP」のセグメントの他、「0歳~2歳児を持つ親」という「Fortuna」独自のセグメントを追加することによって、CVRが2倍、CPAも\6,000以上改善と、大きな実績を残しています。

また、ターゲティングの精緻化に伴う配信ボリュームの縮小に対してのケアも併せて考え、「Fortuna」によるセグメントユーザーの類似拡張機能もご案内しています。

「Fortuna」で選択したセグメントに該当するユーザーと類似しているユーザーまでをターゲティングの範囲に含めることで、ボリューム不足の解消と精緻なターゲティングの両方を実現することが可能です。

逆に、「Fortuna」では、選択したセグメントに対しての除外配信も可能になっています。
例えばクレジットカードを取り扱っている広告主様であれば、10代のユーザーはターゲットではないので、そのような条件のセグメントを除外した配信ができます。

すでに導入いただいている広告主様で高い効果を発揮した実績もあり、「LAP」を検討している広告主様には、是非「Fortuna」も併せてご検討いただきたいですね。


「狙ったターゲットは逃がさない!」とハイテンションで豪語する河西氏


――ターゲティング精度向上による、配信の最適化はCPA改善に大きく寄与しそうですね。技術的な部分以外での、トランスコスモスの強みなどはありますか?

  河西

競合となる企業の出稿状況の調査などは勿論なのですが、競合でなくともシーズナリティによって入札を強める業界の把握と対策など、他の運用型広告で培ったノウハウが「LAP」の運用に活かされている部分も多いです。

  市村

「LAP」は季節的・時期的要因以外に、媒体側で判断がなされる入札価格の変動やロジックの変更などもあります。そのような情報のキャッチアップやリスク回避のために、トランスコスモスではLINE社(現 LINEヤフー株式会社)の方に常駐いただいています。

そういったLINE社(現 LINEヤフー株式会社)との強固な関係性もあり、新規広告メニューのリリース・変更などの情報をスピーディーに広告主様にご案内できるのも、トランスコスモスならではの強みです。

運用している側としてもLINE社(現 LINEヤフー株式会社)の方が近くにいていただけるおかげで知ることのできる運用ノウハウや、大型の広告主様の配信開始による環境変化なども少なくないため、そういった情報を逐次ご提供いただけるのは、大変ありがたく感じていますね。


トランスコスモスの「LAP」運用のポイントまとめ


・クリエイティブツールの活用
・外部DMP連携によるターゲティングの精緻化
・LINE社との密なコミュニケーション

広告だけではない、トランスコスモスの考える「LINEフルファネル戦略」の野望

「LINE」を起点に、新規顧客の発掘からCRM領域まで一気通貫したマーケティング活用

――いまやユーザー同士のコミュニケーションだけでなく、情報収集や、エンターテイメントを楽しむツールとして生活に根差している「LINE」というメディアですが、今後、どのようにマーケティングに活用されていくと思いますか?

  河西

今回は「LAP」というテーマで、広告の分野に絞ってお話をしましたが、LINE関連のソリューションで、トランスコスモスが提供しているのは、広告だけではありません。

トランスコスモスはLINEの公式アカウント運用を通じた、企業とユーザーとのコミュニケーションの強化にも注力をしています。2016年には、LINE社(現 LINEヤフー株式会社)と合弁会社「transcosmos online communications」を設立し、2018年は、LINE社が発表しているパートナーシッププログラム「LINE Biz-Solution Partner Program」において二期連続で最高位のDiamondを認定され、アカウント運用の面でも、強固なパートナーシップを持っています。

それらを踏まえて、今後「LINE」というプラットフォーム全体を意識して推進していきたいのが、「フルファネル戦略」です。「LINE」を起点として、広告を活用した新規顧客の発掘から、アカウント運用を活用したCRM領域までをワンストップで提供する、というのはトランスコスモスにしかできない取り組みだと考えていますので、今後是非力を入れていきたい分野ですね。

オンラインとオフラインの融合 未来のマーケティングコミュニケーション

ユーザーの声・行動の分析で実現する、「空気を読む」マーケティングコミュニケーション

――最後になりますが、広告に携わるふたりの考える、今後の広告や、マーケティングコミュニケーションに期待する理想像などがあれば、是非教えてください。

  市村

今後注目していきたいのが「ソーシャルリスニングツール」の活用ですね。

SNS上で昼夜問わず発信されている情報は、膨大ではあるものの、おそらくこれからどの企業も意識していく必要があると考えています。

適切な広告を適切なユーザーに効率的に配信していくためには、ユーザーのニーズの把握が不可欠ですし、それらの情報を、端的にわかりやすく収集するためには、ツールの導入も不可欠です。 あくまで個人的な考えではありますが、ツールを活用しながら、適切なユーザーに適切な広告を効率よく配信していくことが、広告業界では重要になっていくと考えています。

 河西

私も、大きな文脈では市村さんと同じ考えですね。

現在、日常生活のいたるところに現れる広告に対して、煩わしさや不快感をもつユーザーも少なくありません。それでも、そのユーザー宛てにパーソナライズされ、適切な接触間隔や接触頻度が設定されているような広告であれば、有益なものだと考えてくれると思います。

そのような「空気を読んだ」広告の実現こそが、我々が目指していくべきマーケティングコミュニケーションの形だと考えています。 企業の持つ顧客データと、外部のセカンドパーティ・サードパーティのデータを突合していくことで、オンライン・オフラインを問わず、1人のユーザーに対して価値を感じてもらえるようなコミュニケーションが今後は可能になってくると思いますし、先ほど市村さんにお話しいただいたソーシャルリスニングも含めて、それらに積極的に取り組んでいく企業や媒体が、次の時代のマーケティングの王者になるのではないか、とも感じています。

…実は私個人としては、データによって過度に最適化された情報よりも、様々な情報との突発的な出会いがある状態も、心地いいと感じてしまうんですけどね(笑)


「LINE」の「L」の字を掲げる河西氏と市村氏。今回はありがとうございました!


浅沼 京
浅沼 京
営業、営業支援を経て、現在は社内の様々な業務に首や足を突っ込み中。最近の悩みは微妙にダサいネクタイを見つける度に、どうしても購入してしまうこと。

関連記事:

trans+(トランスプラス)に掲載しているコンテンツや、サイト内で紹介したサービスに関することなど、どうぞお気軽にお問い合わせください。

フォローする:

この記事をシェアする:

人気記事ランキング