LINEの運用型広告「LINE Ads Platform(現 LINE広告)」。代理店だからこそわかる実施メリットと運用の注意点は?(1/2)
今や生活に欠かせないメッセンジャーアプリにまで成長した「LINE」。
2018年現在、MAU※は7,500万人にものぼり、多くの人々の生活インフラとして日々のコミュニケーションを支えています。
※ Monthly Active User の略。一か月間の間に一度でもそのサービスを利用したユーザーの数
今回は、2016年6月にリリースされてから、導入企業数が増え続けている、自社商品・サービスの広告をLINE上に配信できる「LINE Ads Platform(現 LINE広告)」 について、他のWebプロモーション・運用型広告との違いや、成功のためのポイントを、元Web広告の運用担当で、現在は「LINE Ads Platform」のプリセールスや販売促進を担当している、トランスコスモス株式会社インターネットプロモーション本部 のふたりに訊いてきました。
「LINE Ads Platform」の導入を検討中の方だけでなく、CPA改善やCV数の伸び悩みを解消できる媒体をお探しのWeb広告担当の皆さま、運用担当の皆さまの参考となれば幸いです。
※ この記事は、前半後半の計2回に渡ってお届けしております。後編はこちら!
【事例資料あり】LINEの運用型広告「LINE Ads Platform(現 LINE広告)」。代理店だからこそわかる実施メリットと運用の注意点は?(2/2)
【インタビュイープロフィール】
河西 優希 2009年、新卒でトランスコスモスに入社。 入社から1年間、コールセンターでのオペレーター業務の後、2010年からインターネットプロモーションサービス本部にて、各広告メディアとの折衝や販売戦略の立案を担当。2011年からメディア領域の広告プランナー兼広告運用担当として、人材業界・金融業界・流通業界などを担当。その後、広告プランニングチームのマネージャー職を経て、現在は、LINEをはじめとした各種広告メディアとの折衝や販売戦略の立案を担当する組織であるメディア推進部メディア推進課にてマネージャーを担当。 |
市村 眞穂 2017年、新卒でトランスコスモスに入社。 インターネットプロモーションサービス本部にて、ソーシャルメディアの広告プランナーとして、主にLINE関連の商材を取り扱う。2018年からメディア推進部メディア推進課にて「LINE Ads Platform」のプリセールスを担当。 |
※2023年10月更新
目次[非表示]
ソーシャルメディア広告の特性と、既存の広告との違い
――まず、トランスコスモスで取り扱っている運用型広告について教えてください。
河西
はい。リスティング広告を筆頭に、運用型ディスプレイ広告を幅広く取り扱っております。特に近年は、広告主側からの需要も増えてきている、ソーシャルメディア上に配信できる広告に強く力を入れています。
SNSへの広告出稿が増加しているワケ
――ソーシャルメディアの広告に注力している背景としてはどのような理由が挙げられますか?また、既存の媒体との違いなども教えてください。
河西
注力している理由としてはまず、利用者数の伸びが挙げられますね。運用型広告というのは、1人のユーザーを対象に、どこの広告主が広告を掲載するか、というオークション型で成り立っています。ユーザー数が少ない・またはここ数年横ばいで推移している媒体では、広告の配信が可能な母数に変化がないため、オークションプレッシャー※が高くなりがちです。
※ 入札競争にかかる負荷。主に入札価格の上昇≒広告単価の上昇を指す
一方、各種SNSは、日々母数が増え続けているメディアですので、オークションプレッシャーがポータルサイトや既存のメディアよりも低く、ユーザー1人当たりに対して低い単価で広告をリーチできる土壌があります。
また、広告への接触態度が既存の媒体とは大きく異なっているというのも、他の媒体との大きな違いですね。
例えばポータルサイトの検索結果画面で訴求する検索連動型広告の場合では、その商品やサービスにすでに興味があり、詳しく調べてみようという意識のある顕在層に広告をリーチするのに対し、ソーシャルメディアでの広告の場合は、どちらかというと余暇時間やスキマ時間、ユーザー同士のコミュニケーションの合間を縫って広告をリーチすることで、商品やサービスをまだ認知していないユーザーにアプローチができるというのも、面白いポイントです。
――ソーシャルメディアといっても様々なものがあるかと思いますが、広告主側はどのような基準で、広告の出稿先を検討しているのでしょうか?
市村
もちろん、ソーシャルメディアと一口に言っても、Facebook、twitter、LINEなど、各媒体によって特性が異なります。たとえば、詳細なターゲティングを利用した広告配信を行いたい場合はFacebook、リアルタイム性や拡散力を活用したい場合はtwitterなど、ご紹介やプランニングの際には、広告主の課題やご要望にマッチしたSNSをご提案して おります。
なかでも、性別・世代を問わず広くリーチを獲得したい、といったご要望がある際には、いわゆるSNS広告のなかでも「LINE Ads Platform」をご提案し、ご納得いただくケースが多いですね。
「LINE」を熱烈にアピールする市村氏
「LINE」上に広告を配信できる「LINE Ads Platform」の特徴
「LINE Ads Platform」の特徴
「LINE Ads Platform」の売上推移及びアカウント数推移(2017年~2018年)
出典:LINE株式会社(現 LINEヤフー株式会社)「2018年12月期第2四半期 決算説明会資料」
――「LINE Ads Platform」(以下「LAP」)ですが、LINE社の発表している情報では、導入社数・広告費ともに右肩上がりで成長していますね。なぜ多種多様SNS広告のなかでも「LAP」が特に注目され始めているのでしょうか?
市村
トランスコスモス の調査でもわかってきたことなのですが、「LAP」は他のSNS広告と比較して、新規接触率が最も高いというポイントが注目されています。
新規接触率が高いということは、広告主のブランドを「初めて知る人」が多く、認知度の低い商品やサービスのプロモーションや、いままであまりブランディングに力を入れられていない広告主の場合でも、興味が惹かれやすいという点が「LAP」の出稿が増えている理由の一つです。
また、先程お話ししたように、「LINE」には他のSNSのように、登録ユーザーの年齢や性別に大きな偏りがなく、幅広い層にリーチをしたいというニーズを叶えられるというのも、大きな特徴です。
「LINE Ads Platform」の掲載箇所と表示形式
――誰もが利用する「LINE」という巨大メディアであることが、一つの価値となっているわけですね。ちなみに、「LINE」上では、いわゆる「広告」に見えるものがたくさんありますが、この中で、どれが「LAP」に該当するのでしょうか?
市村
「LAP」は基本的に画像とテキストを組み合わせた形式で表示されており、そのほとんどがタイムラインや、LINE NEWSを中心に配信されます。実際にスマホを片手にご覧いただくのがわかりやすいかと思いますが、タイムラインの場合は、友だちがシェアしたり、投稿した内容が表示されているファーストビューのすぐ下に、投稿と似たようなフォーマットで広告が表示されています。また、LINE NEWSでは最新のニュースやランキングが表示されているファーストビューのすぐ下に表示されているものが「LAP」に該当します。
――実際に見てみると、形式としては、他のSNS広告やインフィード広告と大きな違いはなさそうですね。
市村
そうですね。他のSNS広告と同様に、掲載面のフォーマットに合わせた形で自然に表示されているので、ユーザーの目にも止まりやすいです。
緑色の枠線で囲まれている部分が「LINE Ads Platform」の広告
「LINE Ads Platform」独自の課金形態「CPF」とは?
公式アカウントを持っている企業にオススメの「CPF」課金
――「LAP」はどのような課金形態での出稿が可能なのでしょうか?
河西
「LAP」には主に「CPC課金」と「CPF課金」の二つの課金形態があります。 「CPC課金」は他のメディアなどでも広く使われている課金形態「Cost Per Click(コスト・パー・クリック)」の略ですね。「LAP」でも同様に、クリックが発生した時点、多くはサービスや商品の詳細ページに遷移した時点で広告費が発生する課金形態です。ダイレクトレスポンス目的の企業から、認知・ブランディング目的の企業まで広く導入しています。
「CPF課金」は「Cost Per Friends(コスト・パー・フレンズ)」の略で、広告主側がすでに持っている公式アカウントの友だちを増やす目的で使われる課金形態です。広告をクリックすると、LPやサイトに遷移するのではなく、LINE上で友だち登録を促すポップアップが立ち上がり、そちらに同意することで、公式アカウントの一覧ページや検索画面を経由することなく友だち登録が完了し、その時点で広告費が発生する課金形態となっています。
ある種、成果型の課金形態に近い形なので、低リスクで友だち数の増加を図りたい企業が、積極的に導入しています。
――友だち登録を成果地点とした課金形態というのは「LINE」ならではですね。ただ、LPに遷移しないということは、広告主の売上に直結しない、という側面もありそうですが、「CPF課金」での広告配信を積極的に行う企業は、どのような目的でアカウントへの集客を行うのでしょうか?
河西
CPF課金を導入する企業の多くは、友だちを自社のLINEアカウントに集めたうえで、自社LINEアカウントを「オウンドメディア化」することを目指しています。
一度LINEアカウントに友だちになったユーザーに対しては、ブロックや友だち登録の解除をされない限り、自社メディアに近い形でメッセージ配信などのコミュニケーションが取れるようになります。CRM活用や、ユーザーのロイヤルカスタマー化を推進したい企業が、CPF課金での友だち獲得に注力している印象です。
市村
CPF課金での広告を配信する企業の多くは、すでにそういった「LINEアカウントに友だちになってもらった後の施策やコミュニケーション」の内容をある程度決めてから導入する企業が多いですね。
トランスコスモス でCPFメニューを運用している、キュレーションメディアの運営会社様の例ですと、最終的な目的は、ユーザーに対して自社サイトに訪問してもらい、記事を読んでもらうことです。なので、その前段階として、LINEアカウントに友だちになってもらい、自社サイトで紹介している商品やサービスの理解促進のためのメッセージを配信することで、サイトへの訪問のハードルを下げるために活用されています。
他の友だち獲得施策との違いは?
――公式アカウントへの集客を目的としたCPF課金ですが、LINEには、CPF以外にも、スポンサードスタンプ※1やフレンズブースト※2など、友だち登録のためのプロモーションがありますよね。それらとCPF課金形態との違いは何でしょうか?
※1 スタンプをユーザーに配布することでLINE公式アカウントに友だち登録を促す広告メニュー ※2 LINEポイントをユーザーに配布することでLINE公式アカウントに友だち登録を促す広告メニュー
市村
確かに、スポンサードスタンプやフレンズブーストなどの方が、友だち1人あたりの獲得単価が安くなる場合もあります。これらの施策は、無料でスタンプが手に入ったり、LINEポイントが手に入ったりと、ユーザーに何かしらのインセンティブを付与する形で友だちになってもらうメニューです。 しかし、これらのメニューからの友だち登録は、インセンティブ目当てのユーザーも少なくないため、アカウントに定着しづらい傾向もあります。
「LAP」のCPFメニューの場合は、広告から興味をもったユーザー自身が、能動的にタップして友だち登録をするため、ブロック率が低い傾向にあり、企業にとっては、今後ロイヤルカスタマーになる可能性の高いユーザーを集めることが可能です。 トランスコスモス の調査では、CPFメニュー経由の友だちのブロック率は平均で20%程度、特に低い企業では10%未満の数値も出ており、質のいい、ブロックをしないユーザーを集めたい場合には、CPFメニューでの集客が最適です。
また、スポンサードスタンプやフレンズブーストは、幅広いユーザーにリーチできるという点では高い効果を発揮する一方で、無料スタンプやLINEポイントにあまり興味の無いユーザー対してはリーチしづらいという弱点もあります。 そのようなユーザーに対しても、LINE社(現 LINEヤフー株式会社)が広告配信のために保有しているターゲティングデータを活用する「LAP」であればリーチすることができるというのもポイントですね。
――ありがとうございます。説明してもらった ように、既に持っているアカウントを有効活用したい場合には、CPFメニューは最適な集客方法ですね。
前編はここまで。
後編では、代理店だからこそわかる「LINE Ads Platform」の配信のポイントや、未来のマーケティングコミュニケーションに対する考えをお届けします。「LINE Ads Platform」事例資料もご用意しています。お楽しみに!