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カタログ通販×機械学習「日本直販」担当者が語るDataRobot活用事例・運用術【6月7日大阪AIセミナー3/3】

カタログ通販×機械学習「日本直販」担当者が語るDataRobot活用事例・運用術【6月7日大阪AIセミナー3/3】

トランスコスモスは大阪にて2018年6月7日にプライベートセミナー「AI・機械学習の活用法と現場の最前線」を開催しました。

全3回に分けてセミナーレポートをお届けします!

本セミナーは、AI・機械学習の基礎知識に始まり、AIや機械学習がどのように現場での運用業務に活かされ、データ活用ビジネスへと繋がっていくのか、実際の企業事例を交えながら説明しています。

▼本セミナーのアジェンダ

  • いまさら聞けない「AI・機械学習」の基礎知識
  • 機械学習を自動化する「DataRobot(データロボット)」活用事例
  • 特別公開!「日本直販」担当者が語るデータ活用の施策・運用術

 

↓第1部の記事はこちら↓

 

↓第2部の記事はこちら↓

 

 

本稿にてご紹介する第3部では、トランスコスモス株式会社 DM・EC・CC統括 サービス開発本部 アナリティクスセンター統括部 機械学習推進部 関谷純一が、特別公開!「日本直販」担当者が語るデータ活用の施策・運用術について講演させていただきました。

 

  ▲第3部に登壇した関谷
▲第3部に登壇した関谷

 

カタログ通販老舗の「日本直販」が抱えるビジネス課題

「日本直販」は、1976年から40年余りの歴史をもつ総合通販ブランドです。テレビ、ラジオ、カタログをはじめ多岐に及ぶチャネル展開で国内通販事業者における草分け的存在でありながら、さらなるイノベーションを目指しています。

2013年からはトランスコスモスの一ブランドとなり、商品企画やクリエイティブ制作に加えテクノロジー領域への投資を加速することで、競合と一線を画したマーケティングを進めています。

 

▲日本直販×トランスコスモスの取り組み
▲日本直販×トランスコスモスの取り組み

 

日本直販は以下のように、総合カタログを中心に、専門カタログも発刊しています。

総合カタログのメインターゲットは50〜60代主婦ですが、専門カタログは男性向けやシニア向けなどカタログごとにターゲットを分けているのが特徴です。

 

▲日本直販のカタログについて
▲日本直販のカタログについて

 

カタログ通信販売における売上・利益拡大のためのビジネス課題として、以下の3つがありました。

  1. 年間に送付するカタログの送付回数を増やしたい
  2. 企画に合わせてカタログのページ数やカタログに掲載する商品を柔軟に変更したい
  3. 購入意欲の高い層に興味・関係性の高い商品を訴求してF2転換率(※)を高めたい

※F2転換率:1回目に購入した顧客が2回目も購入するリピート率

 

この課題を解決するためにはデータ分析が必要ですが、これまでは予測モデルの構築を外部ベンダーに依頼していました。しかし、外部ベンダーでは契約上臨機応変な対応が難しく、導き出された予測モデルの根拠は企業機密となることも多いため、よりスピード感を持って施策に取り組むためには、「予測モデル構築の内製化」が必要でした。

 

▲カタログ通信販売における課題
▲カタログ通信販売における課題

 

課題解決策として導入された“DataRobot(データロボット)”

そこで、外部ベンダーに依存している予測モデルの内製化・効率化・精度向上のために導入されたのが、機械学習プラットフォームであるDataRobotです。

 

▲DataRobotで課題解決
▲DataRobotで課題解決

DataRobotの魅力は、以下の3点だと関谷は言います。

  1. 専門家ではなくても予測モデルの構築が簡単にできる
  2. 予測モデル作成までのリードタイムが短い
  3. 外部ベンダーでは企業機密で公開してもらえなかった予測モデルの根拠を、グレーボックス化を提唱しているDataRobotでは見ることができる

 

従来、カタログの企画会議〜外部ベンダーと連携し予測モデルを構築〜カタログ送付の顧客リストが確定するまで8週間かかっていたのが、DataRobotの導入で4週間に短縮。また、DataRobotで予測モデルを随時構築し、シミュレーションすることで、部数案の再作成も臨機応変にできるようになりました。

 

ですが、DataRobotだけですべてが完結するわけではありません。特徴量の設計などはDataRobotだけでは難しいため、日本直販が培ったノウハウで補完することが重要です。まさに「ヒトとDataRobotの相互補完での予測モデル構築」が大切と関谷は述べました。

 

▲ヒトとDataRobotの相互補完で予測モデルを構築
▲ヒトとDataRobotの相互補完で予測モデルを構築

 

DataRobotが導き出した予測、予測をもとに行った施策

DataRobotを活用して構築した予測モデルについて、詳しく説明します。

 

【予測モデル構築の順番】

  1. カタログを送った後に顧客が反応する・しないを予測
  2. 反応した顧客がどれだけ購入し、売上に繋がるのかを予測

 

【予測モデル生成までのロードマップ】

  1. 特徴量は日本直販がSQLで手動抽出
  2. 日本直販で教師データ・予測用データとなる特徴量セットを作成
  3. DataRobotに上記特徴量セットを手動アップロード
  4. DataRobotが予測スコアを結果として算出

 

▲予測モデル生成までのロードマップ
▲予測モデル生成までのロードマップ

 

この一連の流れを大きく2つのフェーズに分けると、「準備フェーズ」と「構築フェーズ」になります。

準備フェーズ

準備フェーズは主にヒトが担当する部分で、3つのステップがあります。

▲準備フェーズのイメージ
▲準備フェーズのイメージ

1. 特徴量設計

予測ターゲットとなる目的変数と、予測ターゲットに影響を与える説明変数などを定義。

     ▼目的変数定義

      顧客ごとにカタログ送付後6か月以内に購入した商品の売上金額を集計。

      商品を購入していない顧客の売上金額は0とする。

     ▼説明変数概要

      顧客属性情報、住所情報、送付履歴情報、受注情報からデータを取得。取得したデータをSQLで加工。

      性別、年代、購入頻度、直近購入期間、購入金額合計など、271の説明変数を作成。

2. データ設計

トレーニングデータ、検定データ、ホールドアウトデータなど予測モデルで使用する学習データの抽出条件を定義。

3. データマート作成

データ抽出条件に基づいて各テーブルからデータを抽出して学習データの集合体となるデータマートを作成。

 

時間と手間がかかる構築フェーズはDataRobotが行うため、この準備フェーズに十分な時間をかけ、日本直販の経験を最大限活かすことができました。

 

構築フェーズ

構築フェーズは予測モデルの構築という機械学習が得意とする分野で、DataRobotを活用することで自動化が期待できます。

▲構築フェーズのイメージ
▲構築フェーズのイメージ
  1. 予測モデル構築:データマートのデータをDataRobotにインポート。決定木ロジスティック回帰などの基本的な分析手法から、ディープラーニングも加えてAIが同時に複数の手法で高速機械学習。
  2. 予測モデル精度検証:DataRobotが構築した予測モデルの精度、実績値と予測値の誤差をチャートでチェック。また予実差に加えて予測ターゲットに影響を与えている変数を確認。

 

予測値と実績値の比較だけでなく、グレーボックス化により予測ターゲットに影響を与えている変数がどれかもわかりました。

そのため、カタログのコンセプトにあわせて予測モデルを選択できたのです。

 

既存モデルとDataRobot構築モデルを実証実験

DataRobotの予測モデルが優れていると確認するために、日本直販では実証実験として、実績のある既存モデルで作成したリストをベースに送付しながらも、DataRobotではランダムに抽出した顧客1万件にテスト送付を行いました。

▲既存モデルとDataRobotの実証実験
▲既存モデルとDataRobotの実証実験

 

この結果、以下の3点において、DataRobotが既存モデルより優れていると確認ができました。

■受注実績

既存モデルとDataRobotで抽出した顧客の反応率と顧客単価は有意差があることが確認できた。

■カタログ送付数に対する売上金額

DataRobotで対象となった顧客のすべてにカタログを送付したわけではないが、グループ上位では既存モデルの売り上げを上回る結果となった。

■テスト送付顧客の売上効果

DataRobotのみの顧客の反応率、顧客単価を参考に、既存モデルと同等数カタログを送付した場合の売上を推定したとき、DataRobotが売上増と推定された。

 

まとめ

複数の高度な予測モデルを作成・ブレンドし、最適なモデルの選択を可能にしてくれるDataRobot。

「日本直販のビジネス課題である内製化、効率化、精度向上を解決してくれると思った」と関谷は言います。

また、人力での予測モデル構築は数個が限界なところ、DataRobotなら短時間で複数の予測モデルを試して検証できます。

既存モデルとDataRobotの実証実験の結果、DataRobotが導き出した精度の高い予測モデルを選ぶことで、企業全体の売上アップが期待できることもわかりました。

 

▲DataRobotのPoCのまとめ
▲DataRobotのPoCのまとめ

 

最後に関谷は、DataRobotを使用したユーザー側の立場から、以下のポイントに留意するべきだと述べました。

  • 売上・利益に関するビジネスインパクトは、予測データをもとにユーザー側でシミュレーションする必要がある。
  • 予測値からノイズは完全には取り除けないため、予測値は期待値であり振り幅があることを忘れない。
  • 過去データを使用している以上、現状との乖離は発生する。

 

▲DataRobot活用における留意すべきポイント
▲DataRobot活用における留意すべきポイント

 

「AI・機械学習は人間の仕事を奪う」のでしょうか。

その問いに対して、第1部の北出、第2部の中野様、そして第3部の関谷が口をそろえて言った言葉の中に一つの答えがあるかもしれません。

それは「予測データから、どのような仮説を立てるかは人間の仕事である」ということ。

機械学習は、人間の仕事をサポートしてくれる心強い存在であり、DataRobotのような機械学習プラットフォームの活用により、予測モデルの精度向上とリード時間短縮を実現し、人間が本来集中するべき創造的な業務に集中することが可能になるでしょう。

 

 

以上、AI・機械学習の基礎知識から始まり、DataRobotの詳細、そして活用事例について、全3部にわたるレポートはいかがでしたか?

 

トランスコスモスでは、DataRobotの導入をトータルサポートしております!

こちらからお気軽にお問い合わせください。

 

 

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