withコロナ/ニューノーマル時代に向けたデジタルマーケティングへの取り組みと働き方
昨年2019年、WebやSNSの構築・運用を主に対応している「デジタルエクスペリエンス本部」担当執行役員 所と、本部長 山田にインタビューを実施。「デジタルマーケティングの力で幸せな社会を作る」「デジタルマーケティングマフィアになる」といったビジョンについて聞きました。
あれから1年。新型コロナウイルス感染症の拡大にともない、デジタルマーケティング領域の市場環境も大きく変化。トランスコスモスのデジタルマーケティングチームでも予防対応として、ニアショアセンターを含めたリモートワークや、オフィスのフリーアドレス化による3密を避けた環境づくりを推進しています。
そこで今回、デジタルマーケティング領域における新型コロナウイルス感染症を受けての取り組み方針や今後の展望について伺いました。
【インタビュイープロフィール】
所 年雄 トランスコスモス株式会社 執行役員 デジタルマーケティング・EC・コンタクトセンター統括 デジタルエクスペリエンス本部 担当 |
専門商社勤務後、1999年にトランスコスモス入社。 以後、カスタマーコミュニケーションの最適化を実現するサービスの開発と運用を担当。 2012年よりソーシャルメディアを通じた感動体験を提供する顧客サポートサービスの開発を推進し、現在はそれらサービスに加え、LINEや Facebook Messengerなどを通じたデジタルコミュニケーションサービス全般の開発を担当。
山田 和宏 トランスコスモス株式会社 執行役員 デジタルマーケティング・EC・コンタクトセンター統括 デジタルエクスペリエンス本部 本部長 デジタルトランスフォーメーション総括 DEC 事業推進本部長 兼任 |
2005年トランスコスモス入社。デジタルマーケティング担当の営業として、オンサイト(客先常駐型)ビジネスの立上げ及び拡販活動に従事。Webインテグレーションサービス部部長に就任後、ニアショア・オフショアセンターの立上げやWebサイト運用のQCD向上、プラットフォームを活用した顧客の売上増に貢献するサービスモデルの開発を推進。2018年より注力商材の拡販及び新規案件を担当するプリセールス部門・事業推進統括部も兼務で担当。
---------------------------トランスコスモスのデジタルマーケティング領域では、就業環境の変化をうけた新しい制作・マーケティング体制を支援するサービスをリリースしています。社内外の反響はいかがでしょうか。
ありがたいことに、とてもよい反応をいただいています。
例えば「オンラインセールス支援サービス」(以下オンラインセールス)は、多くの企業において踏み込めていなかった、ゆるやかに移行していた営業のデジタル化が、この状況下で一気に優先度が上がったことで、サービスへのニーズも高まったと感じています。
ただ、これらのサービスは、われわれにとってまったく新しい試みというわけでなく、これまで取り組んできたことをコロナの影響にあわせてパッケージ化したもの、なんです。
「オンラインセールス」であれば、BtoB向けコンテンツマーケティング業務や各種分析レポート業務、「バーチャルオンサイトサービス」(以下、バーチャルオンサイト)であれば、これまでのトランスコスモスのオンサイトサービス(お客様企業先での常駐対応)と、各拠点とが連携した制作体制で培ってきた工数・稼働管理ノウハウを、いまの状況に合わせて組み合わせて提供しています。このように、これまでの知見・経験を活かしているため、リモート環境下であっても、安定性・安心感のあるサービスをご提供できています。
お客様先でご紹介した際も、コロナ前からの取り組んできた実績があることが強みになったり、これまでご提案しつづけてきたDX化の取り組みが動き出したりしています。
まさに、昨年度から掲げている「デジタルマフィア」として活躍できてきているのではないのかなと思っています。
---------------------------一方で、トランスコスモス社内でもリモート環境への移行が進んでいます。リモート環境の取り組み成果、課題などをおきかせください。
2023年までに在宅勤務へ移行できるよう、slackなどツールの導入、試験的に一部メンバーの在宅勤務を実施するなどしていましたが、今期、感染症対策の一環として前倒しで進めました。
所さんからすぐに在宅勤務への移行方針が出たため、その環境にあわせたサービス企画、提供に注力できたと思います。たとえばslackなど新たなツールも、先んじて社内で導入に動けていたからこそ、バーチャルオンサイトでのスムーズなお客様とのやりとりに活用できるなど、うまくサービスとマッチできています。
課題を挙げるとすれば、meetなどのオンライン会議が主流になったことで、対面であればアイコンタクトなどで理解度などが確認できましたが、それができないのが難しいと感じています。
例えば、私から最新の受注報告や事例などを組織全体へ共有したときに、対面だと全員が同等に聞いているように見えていましたが、担当するお客様企業へご紹介したいとリアクションがある人と、そうでない人がいることから、受身だった人もいたのか…と感じることもあります。
また、チャットなどでやりとりすることが多くなり、社内コミュニケーションのテキスト化が進んだことで、実はこれまでわかってなかったという人も明確になりました。
このように行動が可視化されるようになって、自律的にすでに動けている人、意識を変えなくてはならない人が浮かび上がってきたと同時に、組織としての「ぜい肉」部分が見えてきました。たとえば複数の別のチームで似たような業務をしているケースなどですが、これからしっかりと見直していきます。
今回のインタビューもオンラインで実施いたしました
---------------------------お客様企業内も変化・見直しが求められる状況です。そのなかで、今後取り組んでいくことなどお聞かせください。
「いかに付加価値のあるサービスを提供できるか」が重要になってきています。お客様企業内でも見直しが進む中で、トランスコスモスが提供しているサービスが、代替不可能であることを示していきたいですね。
まさにそこです。
内製化されないサービスになること。品質・スキルが高い、各種マーケティングツールや分析ツールを柔軟に組み合わせたノウハウがあるなど、付加価値を提供していくことができばければ生き残っていけないですね。人材不足といわれても、自動化できる部分も増えている昨今、“人あまり”になる可能性も今後非常に高い。われわれのようなアウトソーサーは、単純作業を提供する存在であってはならないのです。
付加価値をつけていくといえば、先ほどお話した「オンラインセールス」で特に評価いただいている点に、月次レポートがあります。
月次レポートでは、単純なオンラインセミナーなどの来客数の集計結果だけでなく、他社での開催をふくめた各種セミナー実績にもとづいて、オンラインセミナーで来場されたお客様の温度感にあわせたフォロー施策案をご提案しています。多様なデジタル施策があるなかで、他社動向も踏まえた議論を進めていくのは難しいからこそ、トランスコスモス独自のアウトプットにご好評いただけているのだと思います。
ほんの一例ではありますが、こうしたアウトプットひとつひとつをさらに磨いていこうと考えています。
そして、さらに3年後に向けて、次の一手を考えないといけません。
他社に先駆けて働き方やサービス提供体制の見直しを進めたつもりでしたが、この状況で、他社も一気に見直しています。3年後を目標にしていた労働環境はほぼ実現できたものの、正直、われわれのアドバンテージではなくなってしまいました。
そうですね。さらに先を見据えて、今回のコロナ禍において新しく提供できたサービスのように、先んじで進めてきた取り組みをサービス化していきたいですね。
Hololens2から見えるウィンドウを拡大中の所さん。Mixed Reality分野も含め新サービス開発向けて情報収集中
本日はありがとうございました。