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事業と社会責任をどう組み合わせるか?よりサステナブルな企業になるために#目標8&9


皆様こんにちは、トランスコスモスSDGs委員会 オープン社内報 副編集長ワダユウです。

トランスコスモスの「SDGs的」取り組みについて、社内の様々なキーマンへのインタビューを通して紹介してきました。

今回は、「事業と社会責任をどう組み合わせるか?よりサステナブルな企業になるために」をテーマに、トランスコスモスのエンジニアリングソリューションサービス(以下、ESS)本部の皆さんに聞いてみたいと思います!


廣野琢馬:
トランスコスモス株式会社 執行役員 兼 BPOS統括 ESS本部長。
製造業での生産技術員をへて、2001年にトランスコスモスに入社。エンジニアとして自動車エンジン設計などを担当。リーマンショックの危機を乗り越え、2010年からESSの責任者を務めている。
藤岡晃央:
トランスコスモス株式会社 ESS本部 サービス基盤強化部 部長
1998年トランスコスモス入社。エンジニアや、クライアントの企画・運営、プロセスソリューション事業などを担当。現在は、ESSの採用育成、サービス基盤強化を担当している。
白井直樹:
トランスコスモス株式会社 ESS本部 サービス基盤強化部 HRM課 課長
2008年トランスコスモス入社。エンジニアとして自動車の設計業務などを担当。研修課・人材育成課を経て、現在はESSの採用育成を担当している。


ワダユウ:
まず、ESS本部はどのような事業を展開されているのでしょうか?


廣野:
ESS本部は、もともとは技術者派遣を主な事業にしていました。しかし技術者派遣という形態では、トランスコスモスとしてではなく技術者個人への評価になっている部分がありました。2008年のリーマンショックをきっかけにして、トランスコスモスとしての強みを持つ事業とすべく、単なる技術者派遣のみではなく、お客様の国際競争力強化に貢献する戦略的パートナーになることを事業コンセプトとしています。

自動車や航空機などの輸送機器や電気製品の業界をメインに、お客様の製品設計の請負、エンジニアリングシステムの運用や開発におけるバックオフィス業務運用などを担うエンジニアリングBPOサービスを展開しています。現在国内外含め1,800人ほどの社員がおり、お客様常駐比率は85%、沖縄・うるまやベトナム・ハノイにセンターを持ち、中国・広州やベトナム・ハノイ、タイ・バンコクでも現地法人向けにサービスを提供しています。


ワダユウ:
技術者派遣事業から総合的なエンジニアリングBPOサービス事業への変遷は、どのような過程を取られてきたのでしょうか。


廣野:
2000年中盤頃までは、大量生産そのものが社会・経済をけん引してきました。そうした状況の中で、ESSはお客様の大量生産を支援するための技術者派遣をメインの事業としていました。しかし、リーマンショックや東日本大震災により自動車産業もグローバル競争に巻き込まれ、多様な価値観を認めるような製品開発への転換を迫られました。

海外現地での開発力強化が重視されることとなり、ESSは海外への進出、グローバル人材の採用を進めてきました。事業モデルとしても、どこの国においても均一なサービスレベルを提供するため、オンサイトだけでなくセンターを活用した業務請負へのシフトを進めました。特に沖縄うるまではIT津梁パーク(沖縄県が通信関連産業の一大拠点の形成を目指し8,000人の雇用創出を目指すPJ)の取り組みに賛同し、2018年には600人規模のセンターを設立しました。【先端技術の開発業務拠点を確立し、品質の高いサービスを提供する為に雇用と人材育成の促進を図る】というコンセプトのもと、沖縄県各自治体と連携し、人材育成や雇用創出、アジア経済戦略構想に則り新しいIT産業やものづくり産業の推進を行ってきました。

その後、特に自動車業界では短期的な製品開発と、新技術を取り入れた中期的な商品開発の両立が求められる難しい課題を抱えており、ESSはそのような課題の解決となるものづくり業務BPR、ものづくりバックオフィスという新たな市場を作ってきました。


ワダユウ:
事業のグローバル展開を行う中、多様な価値観に対応するためにも人材開発が重要であると思いますが、教育体制を整えるにあたって工夫された点はありますか。


藤岡:
まず、日本の製造業は約8割が男性です。対して、ESS本部は35%を女性が占めます。性別に関係なく製造業に対しサービス提供できるということがトランスコスモスの強みとなります。また、ESSの技術・BPOというサービスは、ダイバーシティ&インクルージョンの考え方に大きな親和性があります。よりよい品質・安全に・安価に・カッコよく作るという技術面においては性別や国籍・人種などの垣根は一切ありません。BPOにおいては、いろいろな部門・業務を包含しなければならず、様々な多様性を取り込んでいく必要があります。キャリア支援においては経歴・国籍・性別一切関係なく行っています。一方で女性管理職比率の向上が課題となっています。比率向上のために、女性社員とも定期的に話し合いを持ったり、女性が自ら動きやすい環境を作り、女性チームが本部へ施策提言等を行うPJの支援を行うなど、解決策を模索していている状況です。


ワダユウ:
ESSも最初は製造業と同じく女性比率が低かったのではと想像しますが、どのようにしては35%まで向上させたのでしょうか。


廣野:
2012年頃からESSの新卒採用は男女比率を50%:50%にすることを決めて採用していることが大きな理由です。採用の男女比率を決めることにより、より多くの女性がキャリアアップしやすい状況になり、その後入社してくる女性たちも、自分たちの将来のキャリアアップが見えやすい状況になるという、よりよい循環が生まれてくるのではないかと考えます。


ワダユウ:
人材開発と、事業がうまく融合した事例があれば教えてください。


廣野:
お客様のグローバル競争力強化への貢献するためにも、採用面においても多様性を重視する必要があります。そのために、海外の大学において、学生に対する人材開発を共同して行いました。具体的には、2・3年生時に、企業説明・言語やビジネスマナー、技術教育のカリキュラムを大学側と連携して構築・提供してきました。即戦力の人材リクルートだけでなく、学生に対して人材育成を行うことにより、韓国籍約100名、ベトナム籍約100名、中国籍約20名などをこの5年で採用してきました。

また国内では、沖縄県・市の緊急雇用創出事業などを活用し、人材育成を行った後それらの人材を雇用するという体制を取り、沖縄うるまセンターでは現在約300名ほどが在籍しています。沖縄県には工場がなく、製造業というものを受け入れてもらうため、立ち上げ期に採用した方々には実際にモノに触れる機会を提供(ショベルカーの運転免許を取るなど)するなどの施策を行いました。今ではそういった社員が新たな現地の方々へ育成含めたマネジメントを行えるレベルになってきています。


ワダユウ:
人材も事業も多様化する中、現場で働く方々へSDGsを意識・行動させるにはどうしたらよいでしょうか。


廣野:
沖縄やハノイセンターを活用したサービスを推進していますが、センターに対してお客様へのサービス業務のすべてを任せきれているかというと、まだまだ足りない状況です。センターではどの業務まで対応できるのか、ということを考えすぎてしまい、ある意味多様性を認め切れていない状況と言えます。センターの業務対応力を信じ、業務を任せていくことがESSとしてSDGsを意識させることにつながっていくのではと考えます。

また、お客様に対しては、単なる工数支援ではなく、我々のBPO事業がお客様のビジネスへどう貢献できるかを考えていくこともお客様・トランスコスモス双方の持続可能性につながっていくのではと考えます。業務プロセスの最適化やデジタル化での貢献、製造歩留まり率が高まるといったような定量的な目標を事業所単位で設定して活動する、といったことを考えています。こういったお客様事業への貢献指標や、沖縄・ハノイセンターの活用率などを評価し、事業における社会責任の効果を測っていきたいです。

こうした目標達成の事例が多くできることで、お客様への提案資料での言及、採用活動におけるパンフレットや事業説明にも盛り込んでいき、我々のBPOサービスの価値を対外的にもアピールしていきたいと思います。


ワダユウ:
最後に、ESSの今後のさらなる発展にむけ、どのように活動を進めていきますか。


廣野:
これまで申し上げてきた事業の継続・発展に加え、さらにSDGsを意識した取り組みとして、技術認証へのサービス展開を進めていきます。製品部材に含まれる環境負荷物質の適切な管理や、機能や安全性に関する規格に遵守した設計を行い、それを証明できる状態にしておく必要があります。一方、技術認証は必要不可欠なことではありますが、それに時間をかけても企業競争力が高まるというわけではなく、各国で基準も変わってきます。これらの課題に対応する技術認証プラットフォームを展開していきたいと考えており、製造業のリスクマネジメントや環境負荷などの観点でSDGsへさらに貢献していきます。

もう一つは、トランスコスモスのグループ会社である応用技術社共同で取り組んでいるtoDMGというサービスです。脱炭素の潮流において、自動車業界は電動化を早急に進めなければならない状況で、軽量化・多品種少量生産などへ対応が必要です。toDMGサービスは、AIを活用した新たな設計手法などものづくりのDXを実現するサービスです。

これらの新しいサービスを展開することにより、製造業に新たな価値を提供し、お客様とトランスコスモスの持続的な成長への貢献を図っていきたいと考えています。


参考:
<トランスコスモス:エンジニアリングソリューションサービス事業部の紹介>
https://www.trans-cosmos.co.jp/saiyou/chuuto/es/job.html

<toDMGサービスが製造業の未来を創る(応用技術株式会社)>
https://todmg.net/

<沖縄IT津梁パーク>
https://www.it-shinryo.org/


trans+(トランスプラス) 編集部
trans+(トランスプラス) 編集部
ITアウトソーシングサービスで企業を支援するトランスコスモス株式会社のオウンドメディア編集部。メンバーはマーケター、アナリスト、クリエイターなどで構成されています。

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