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お客様の生活情報最適化を図る「動かすブランディング」をめざす新会社を設立。マーケティングが引き起こす社会変容とは?


今回お話を伺ったのは、デジタルエージェンシー事業本部(以下DA事業本部)の真嶋良和さん。

広告の現場に長く携わってきた真嶋さんの考える広告の魅力や、人材育成で重視していること、2021年に設立され真嶋さんが代表を務める新会社での取り組みや、真嶋さん自身の今後のビジョンなどを伺います。


真嶋良和/トランスコスモス常務執行役員

デジタルマーケティング・EC・コンタクトセンター統括 デジタルトランスフォーメーション総括 共同総括責任者 兼 デジタルエージェンシー本部長。2004年に株式会社博報堂に入社。国内大手電機メーカーを担当し、カンヌクリエイティブフェスティバル2度受賞など、国内外の広告賞にて受賞多数。その後、デジタル業務推進部の部長として、博報堂のデジタル対応をリード。スタートアップCMOを経て、2017年トランスコスモス⼊社。2021年8月より株式会社Brand Operation代表取締役社長。


目次[非表示]

  1. デジタル広告のプロとして顧客のコミュニケーションに伴走
  2. テクノロジーでマーケティングが進化する過程に併走
  3. 新会社はデータを活用したブランディングに特化
  4. 社会貢献的な取り組みにもチャレンジしたい

デジタル広告のプロとして顧客のコミュニケーションに伴走

−まずはDA事業本部の業務内容についてお聞かせください

運用型のデジタル広告を中心に、お客様のコミュニケーションのお手伝いをしている部門です。業務によっては、DI事業本部やECX本部と連携してサービスを提供することもあります。

テレビや新聞のようなマス広告とは違い、運用型広告は毎日入札を強くしたり弱くしたり、新しいキーワードへ入札したりを繰り返してPDCAを回していくので工数がかかります。一方で、実施したことがすぐに結果として反映されるのがデジタル広告ならではの特徴ですね。


−今年、DA事業本部として力を入れたいことはありますか?

私たちはSEMの広告をメインで手がけているので、顕在化したお客様へ情報提供をし、コンバージョンを得ることが仕事の中心です。

でも、やはりマーケティングの醍醐味は潜在層のお客様に気づきを与えて、その人たちに興味関心を持ってもらって購入してもらうところだと思っています。なので今後はそういった潜在層へのアプローチにも注力していきたいと考えています。


テクノロジーでマーケティングが進化する過程に併走

−真嶋さんが考える、マーケティングの醍醐味はどんなところなのでしょうか?

私が社会人になったのは、ちょうどインターネットが成長していくタイミングでした。テクノロジーによって広告やマーケティングが進化していくところに長く併走してきたなかで、広告やマーケティングを面白いと感じるようになってきました。

あと、単なるテクノロジーの面白さだけでなく、お客様の気持ちが高まって物を買いたくなる瞬間を作るということにも魅力を感じています。


−その面白さを伝えるために、人材育成で意識していることはありますか?

現状では十分に伝えられていないので、これから注力していきたい部分です。日々の仕事では、どうしても目先の数字を追いかけてしまい、視野が狭くなってしまうことが多いと感じています。

たとえば、FacebookやGoogleなど、特定の広告プラットフォーム内だけで成果を出すことを考えてしまうメンバーも多いのですが、実際のマーケティングというのはもっと幅広いものです。

視野が狭くなると、周囲で起こっていることが今の自分の仕事にどう影響しているのかが見えなくなってしまいます。そのため、いかに視野を広げるかは意識して伝えるようにしています。


−「視野を広げる」とは、具体的にどうすればいいのでしょうか?

私がよくメンバーに伝えているのは、変な言い方ですが「きちんと言い訳しなさい」ということです。

自分がどれほどベストパフォーマンスを出しても、競合や生活者の動向などの外部要因のために、マーケティング的な成果につながらないことはいくらでもあります。

たとえば、それまで100円で上位表示されていたキーワードも、他の競合が150円で入札すれば上位表示されなくなってしまいます。また、競合の出した新商品が話題になり、そこに注目が集まっているために自分たちの商品が売れないといったケースもあるでしょう。

うまくいっても、いかなくても、その「理由」を説明できるようになるには、周囲の状況をしっかり把握できるようになることが大切です。そのための視座の高め方や、物事を見るべき角度のような部分を一つずつ伝えているところです。

視野を広げて周囲を把握できるようになれば、マーケティングの楽しさもより実感できるようになると思っています。

新会社はデータを活用したブランディングに特化

−2021年8月、新会社として「株式会社Brand Operation」を設立し、代表取締役社長に就任されました。こちらはどんな会社なのでしょう?

Brand Operationは「伝えるブランディングから、動かすブランディングへ」をキャッチコピーに、生活者のさまざまなブランド体験を計測・可視化する「ブランドオペレーション」を提供しています。

今後はアナログの領域も含めて、生活者のコミュニケーション基盤がデジタル化していく時代になると思います。そのときに重要になるのが、生活者の行動などを計測して可視化することです。Brand Operationでは、外部パートナーとも協業しながらそのような計測・可視化にフォーカスしたマーケティング活動の実現をめざしています。


−生活者の行動を可視化とは、具体的にどのように実施するのでしょうか?

可視化の方法のひとつに、行動解析ツールを使ったものがあります。そのサービスを利用してくれている人がどういう行動をしているのかがすぐに可視化され、その状態が1年365日続くので、その情報を見ながら、トライアンドエラーを繰り返して最適なコミュニケーションを探っていきます。

たとえば、あるコスメブランドでは、フェイスケアに使用する商品Aを購入した後、ボディケアのための商品Bを購入するお客様の継続率が一番高いというデータが出ています。それがわかると、フェイス+ボディの商品をあわせて使う人をどう増やすかを考えたり、最初の入り口を広げるために、商品Aの購入をどう増やすかを考えたりできます。常にデータの分析をしながら、次のアクションを決めていくという流れですね。



−Brand Operationのチームとして今後、挑戦していきたいことはありますか?

社会変容を起こすような新しい挑戦をしていきたいと思っています。現状ではそのための場がないというのが正直なところですが、これからクリエイターと一緒に広告賞などにも取り組んでいきたいと考えているところです。

今はグローバルな広告賞においても、社会課題の解決に対するコミュニケーションが高く評価されています。私たちもそこについていけるように、チャレンジする場を見つけていきたいと考えています。

社会貢献的な取り組みにもチャレンジしたい

−トランスコスモスの話に戻りますが、トランスコスモスならではの強みは、どんなところにあるとお考えですか?

業務の幅広さではないでしょうか。たとえばマーケティング領域で、広告運用からEC、CRMの運用まですべて対応しているのは業界内でも貴重な存在です。ただ、現状はそれぞれの部署が別々に運用を行っている状況なので、これらをより融合させるような事例ができたら、より強みを発揮できるようになると思っています。



−そのほかに真嶋さんが今後取り組んでいきたいこと、未来に向けたビジョンなどあれば教えてください。

私たちがいま取り組むべきことというのは、お客様にとっての生活情報の最適化を図ることだと思っています。それを本当の意味で実現に近づけることはしていきたいですね。

あとは、先ほども少しお話ししたように、ITやテクノロジーの力で社会課題を解決できる取り組みも進めていきたいと考えています。そのためには、クリエイティビティの力をもっと高める必要があると感じているので、そこをしっかり強化していきたいと思っています。


trans+(トランスプラス) 編集部
trans+(トランスプラス) 編集部
ITアウトソーシングサービスで企業を支援するトランスコスモス株式会社のオウンドメディア編集部。メンバーはマーケター、アナリスト、クリエイターなどで構成されています。

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