EC Weekly Picks アイキャッチ

【2024年EC業界ニュース】Coupang 2024年1〜3月期決算を発表・7四半期ぶりに赤字転落

トランスコスモス調査部が厳選する国内・海外EC業界ニュース

今週も国内外問わずEC市場の動きを、ダイジェストでお届けします。

多くのグローバル企業へサービスを提供するトランスコスモスだからこそ伝えられる、

国内外EC業界の「今」が、5分でわかります。

今週のトピックはこちら。

↓↓↓↓↓↓↓↓

目次[非表示]

  1. Coupang 2024年1〜3月期決算を発表、7四半期ぶりに赤字転落
  2. L'Occitane 4回目となる季節限定のメタバース空間「The Greenhouse」を開設
  3. ヨドバシカメラ 新業態の体験型リテールメディアストア「Yodobloom(ヨドブルーム)」を池袋に開設
  4. アダストリア 「FOREVER 21」のオンラインストアをオープン
  5. ZARA 英国・ヨーロッパ・米国にてライブコマースを展開
  6. SHEIN 英国とドイツにて中古品販売プラットフォームを開始

Coupang 2024年1〜3月期決算を発表、7四半期ぶりに赤字転落

EC Weekly Picks 韓国旗

韓国大手EC事業者Coupang(クーパン)が2024年1〜3月期決算を発表しました。

売上高は前年同期比23%増の71億ドル(約1兆1,000億円)となったものの、最終損益は2,400万ドル(約37億2,300万円)で前年同期の9,100万ドル(約142億4,500万円)の黒字から7四半期ぶりに赤字転落しました。物流拠点に導入したAIロボットや、2024年1月に英Farfetch(ファーフェッチ)を買収するなど、先行投資によるコスト拡大が影響しました。

同社CEOのBom Kim(ボム・キム)氏は、中国格安EC事業者に警戒を見せています。物価高騰により、韓国では安価な商品が購入できる中国格安ECサイトに消費者が集まっています。

これに対し、Coupangは中国勢が参入しにくい生鮮食材の配達やフードデリバリーに注力すると説明しています。

2024年1〜3月期は生鮮食品の売上高が前年同期比7割増えたほか、有料会員Wow Membership(ワウメンバーシップ)に加入すると送料が無料になる施策を打ち出しました。

また、農家や漁師から直接商品を仕入れて深夜0時までの注文は翌朝7時までに配達するサービスも導入しました。Coupangは今後、生活インフラへの参入を強化するねらいです。

情報源:Coupang"Coupang Announces Results for First Quarter 2024"(2024/05/07)
情報源:日本経済新聞「EC大国・韓国で中国勢が猛攻 王者クーパン赤字転落」(2024/05/30)

L'Occitane 4回目となる季節限定のメタバース空間「The Greenhouse」を開設

EC Weekly Picks フランス国旗

仏ビューティーブランドL'Occitane(ロクシタン)が4回目となる季節限定のメタバース空間を開設しました。

夏季限定の香水を中心に展開するメタバースストア「The Greenhouse」は、プロヴァンス地方の夏の野原にある温室をイメージした店内で、女性向けの花の香りをイメージしたメインホール、男性向けの木の香りがする森のコレクションルーム、そして中東の香りを特集した地域ラウンジと3つの空間で構成されています。

単に商品を販売するだけでなく、香水の製造工程や原材料の産地を紹介するなど、体験を重視した内容を展開しています。こうした取り組みを通じて、L'Occitaneはオンライン販売の活性化と実店舗への送客増加を図っています。

情報源:Chain Store Age "L'Occitane promotes summer fragrances with metaverse shop"(2024/05/28)

ヨドバシカメラ 新業態の体験型リテールメディアストア「Yodobloom(ヨドブルーム)」を池袋に開設

EC Weekly Picks 日本国旗

6月21日に、ヨドバシカメラが新業態の体験型リテールメディアストア「Yodobloom(ヨドブルーム)」を池袋に開設します。

2023年9月に米投資ファンドのFortress Investment Group(フォートレス・インベストメント・グループ)が買収したそごう・西武の西武池袋本店の改築の一環として開設されます。同店舗では、化粧品やヘアケア、美容家電など様々な商品を専門スタッフのサービスを通じて比較体験ができます。

化粧品カテゴリーでは、プロのメイクアップアーティストがブランド化粧品を使って、一人一人に合うメイク体験を提供します。

ヘアケアカテゴリーでは、美容師が頭皮診断とカウンセリングを通して一人一人に合った商品を提案します。

美容家電カテゴリーでは、プロのエステティシャンが、肌診断とカウンセリングから、肌の状態に合わせた美容家電やスキンケア商品を提案します。取り扱いブランドは、ダイソンやシャープなどです。

情報源:Impress Watch「西武池袋本店にヨドバシ 体験型ストア「ヨドブルーム」」(2024/05/29)

アダストリア 「FOREVER 21」のオンラインストアをオープン

EC Weekly Picks 日本国旗

5月31日、アダストリアはファッションブランド「FOREVER 21」のオンラインストア「JAPAN ONLINE FLAGSHIP STORE」をオープンしました。同ストアの開設により、店舗限定で販売されていたUSオリジナルアイテムやコラボレーションアイテムがオンラインで購入可能になります。

オープンを記念して、USオリジナルの「HELLO KITTY SUMMER」コラボアイテムを限定発売し、10%オフクーポンや送料無料キャンペーンなどの特典を提供します。

FOREVER 21は2023年2月に日本再上陸を果たし、公式サイト「.st(ドットエスティ)」で販売を開始した後、3月にZOZOTOWN(ゾゾタウン)でも販売を始めました。

JAPAN ONLINE FLAGSHIP STOREは第3のオンラインストアで、店舗限定コラボアイテムなどの全商品が購入可能になり、.stやZOZOTOWNとは異なる特徴を持つ予定です。

情報源:日本ネット経済新聞「「FOREVER 21」、ECサイトを開設 USオリジナルアイテムを品ぞろえ」(2024/06/01)

ZARA 英国・ヨーロッパ・米国にてライブコマースを展開

EC Weekly Picks 欧州連合国旗

スペインのファストファッションブランドZARA(ザラ)は2024年8月から10月にかけて英国、ヨーロッパ、米国にてライブコマースを展開します。

同社は2023年11月から中国のソーシャルメディアTikTok(ティックトック)で週1回、5時間にわたるライブ配信を放送しており、これにより中国での売上が大きく伸びました。

番組ではモデルがZaraの服や靴、ジュエリーを着用しながら、ランウェイシーンやバックステージの様子なども放送します。売り込みの強い通販番組とはひと味違うエンターテインメント性の高い内容で、1回の視聴者数は平均80万人に上ります。番組制作に70人のスタッフを投入し、上海のスタジオから7台のカメラでさまざまな角度から番組を撮影しています。

分析会社によると、今年第1四半期はZaraの売上件数が前年同期比で50%増加し、親会社Inditex(インディテックス)は好調な業績を受け、2024年第1四半期決算で増収を確実視されています。同社は中国での好調を受け、英国・ヨーロッパ・米国でもライブコマース展開によりさらなる売上拡大をねらう予定です。

情報源:Reuters "After China, Zara expands live shopping experiment to Europe and US"(2024/06/03)

SHEIN 英国とドイツにて中古品販売プラットフォームを開始

EC Weekly Picks イギリス国旗

6月3日、ファストファッションEC事業者のSHEIN(シーン)が英国とドイツにて、中古品販売プラットフォームを開始すると発表しました。同プラットフォームは約2年前に米国で開始され、現在はフランスで利用可能です。

SHEINの調査によると英国、フランス、ドイツでは消費者の50%がファッションの持続可能性を意識して、中古品を購入しています。

また2023年には米国で420万人以上の新規ユーザーが中古品販売プラットフォームに登録し、9万5,000人以上の出品者が11万5,000点以上の中古品を出品しました。

現地報道によると、今回の発表は英国での上場に備えたものと考えられています。

情報源:Reuters "Fast fashion retailer Shein to launch resale platform in Europe, UK"(2024/06/03)


POINT

今週の注目は、Coupangの2024年1〜3月期決算発表です。先行投資の拡大で業績が悪化しました。今後は生鮮食材の配達などに注力し、生活インフラの支援を強化するねらいです。


trans+(トランスプラス) 編集部
trans+(トランスプラス) 編集部
ITアウトソーシングサービスで企業を支援するトランスコスモス株式会社のオウンドメディア編集部。メンバーはマーケター、アナリスト、クリエイターなどで構成されています。

関連記事:

trans+(トランスプラス)に掲載しているコンテンツや、サイト内で紹介したサービスに関することなど、どうぞお気軽にお問い合わせください。

フォローする:

この記事をシェアする:

人気記事ランキング