catch-img

DataRobot(データロボット)様ご登壇!機械学習を自動化する「DataRobot」活用事例【6月7日大阪AIセミナー2/3】

トランスコスモスは大阪にて2018年6月7日(木)にプライベートセミナー「AI・機械学習の活用法と現場の最前線」を開催しました。

全3回に分けてセミナーレポートをお届けします!

本セミナーは、AI・機械学習の基礎知識に始まり、AIや機械学習がどのように現場での運用業務に活かされ、データ活用ビジネスへと繋がっていくのか、実際の事例を交えながらご説明する内容、以下3つのアジェンダから構成されています。


▼本セミナーのアジェンダ

  1. いまさら聞けない「AI・機械学習」の基礎知識
  2. 機械学習を自動化する「DataRobot(データロボット)」活用事例
  3. 特別公開!「日本直販」担当者が語るデータ活用の施策・運用術



↓第1部の記事はこちら↓

  いまさら聞けない「AI・機械学習」の基礎知識【6月7日大阪AIセミナー1/3】 | trans+(トランスプラス) トランスコスモスは大阪にて2018年6月7日(木)にプライベートセミナー 「AI・機械学習の活用法と現場の最前線」を開催しました。 今回から全3回に分けてセミナーレポートをお届けします! trans+(トランスプラス)


本稿にてご紹介する第2部では、DataRobot Inc.の中野様よりDataRobotの概要や活用事例についてご講演いただきました。

DataRobot Inc.
データサイエンティスト 中野高文様


▲第2部にて登壇されたDataRobot 中野様


目次[非表示]

  1. DataRobot(データロボット)とは
  2. DataRobotの機械学習〜予測モデル生成までの流れ
  3. DataRobotは誰でも簡単に機械学習を使えるようにする
  4. DataRobot活用事例
  5. まとめ

DataRobot(データロボット)とは

BI(※1)という形で、「過去」のデータを収集・分析・理解することは、近年活発に行われるようになってきています。Tableau(タブロー)やDOMO(ドーモ)など、様々なBIソリューションが企業に導入され、ダッシュボード化を通して意思決定プロセスを速めることに寄与しています。

※1:BI(Business Intelligence):蓄積された企業の膨大なデータを分析し、その分析結果を経営意思決定に活用すること

一方で「企業にとってこれからますます重要になるのは、未来に何が起こるかを予測できるAIの活用です。」と中野様はおっしゃいます。


▲AIを活用することで、これからは「未来を理解したい」


DataRobot(データロボット)とは、世界中のトップクラスのデータサイエンティストのノウハウをもとに作られた、高精度の予測モデルを自動的に生成できる、教師あり機械学習のプラットフォームです。

通常であればブラックボックスとなってしまうことが多い機械学習の予測モデルのグレーボックス化(なぜその結論に至ったのかを見える化すること)により、モデルを十分理解した上で実際に使っていくモデルを選択できます。さらにAPIによる予測やモデルを書き出すことでモデル生成だけでなく、モデルの事業への導入までの自動化も可能です 。


▲DataRobotは超高精度の予測モデルを自動生成できる


また、DataRobotの機械学習がモデル化できるプロセスは「予測」だけではありません。

具体的には以下のようなことも可能です。


■予測・・・売上予測、事故発生予測


■推定・・・損害額推定、新物質の品質想定


■分類・・・応募者の選考、購入しそうな顧客の分類


■検知・・・故障検知、不正検知


■判別・・・不良品判別、スパムメール判別


そんなDataRobotは、日本でも幅広い業界・職種で利用されています。

業界で見ると、製造業、小売、金融、保険、ヘルスケア、製薬などで導入実績があり、職種別に見てもマーケティング、営業、採用・人事、オペレーションなど多岐にわたります。

中野様は、「このようにDataRobotは日本でもさまざまな分野で使われております。 日本で唯一特徴的な点を挙げるとすれば、 R&Dでの原因分析や製造ラインでの不正検知、故障検知になど、製造業で機械学習が活用されることが多いことです。」と付け加えました。

DataRobotの機械学習〜予測モデル生成までの流れ

では、DataRobotを使ってどのように予測モデルを生成し、事業で機械学習を活用することができるのでしょうか?

DMなどに対するマーケティングレスポンスモデルを一例として、フローを説明します。


▲DataRobotで予測モデルが生成されるまでの流れ


まずはCRMデータや自社サイトの訪問者データ、3rd Party データなどの過去のキャンペーンデータから、DataRobotのマーケティングレスポンス予測モデルを生成します。そこに、見込み客のデータも取り込み、今回のキャンペーンでのレスポンス率を予測します。その予測結果に基づき、レスポンス確率の高いユーザーにe-mailやダイレクトメール、DSPなどでアプローチしていきます。アプローチした結果は、またその次の予測モデルに利用できるよう、DataRobotにフィードバックし、機械学習の教師データとして溜めていきます。

この予測モデルが生成されるまでに、経験のあるデータサイエンティストでも各ステップに何ヶ月もかかるという大きな課題があり、DataRobotはそのステップを自動化することで、機械学習の事業活用までの時間を大幅に短縮できるようにしました。


▲データサイエンティストやエンジニアが携わる予測モデル生成までのステップ


上の図からおわかりのように、データサイエンティストやエンジニアが予測モデルを生成するまでには、多くのステップが必要です。データのクリーニングやチューニング、多くのモデルを作成したり、モデルの精度の検証、ROIの計算、サーバーへのデプロイ等々。これらの多くの作業をDataRobotは自動化できます。

しかも、DataRobotは予測モデルの生成という部分だけでいうと、①データをアップロード、②予測するターゲットを設定、③開始ボタンを押すという3つのプロセスだけで非常に手軽に生成可能です。


▲DataRobotの予測モデル生成までのステップ

DataRobotは誰でも簡単に機械学習を使えるようにする

一般的に、データサイエンティストには、以下の知識が必要です。


■IT・プログラミング技術


■数学・統計学


■ビジネス分野の専門知識


しかし、これら全ての専門知識を有している人はなかなかいません。そのため、データサイエンティストは、実在しない生物であるユニコーンに例えられるほどです。

そこで、DataRobotは「IT・プログラミング技術」「数学・統計学」の部分を自動化することで、データサイエンティスト以外のユーザーがコーディングやモデルの統計的な内容を知らなくても 機械学習を使うことができ、自分の業務への応用にフォーカスできるようにしたのです


▲DataRobotの自動化により、サイエンティストやユーザーは業務への応用にフォーカスできるように


中野様は、以下の図について説明しました。


▲機械学習は今後企業活動のあらゆる場面で使用される


「今まではデータサイエンティストの数が少ないといった理由のために、会社の一部でしか使われなかった機械学習が、excelのように企業活動のありとあらゆる場面で使われるようになるのではないかと予想しています。」

機械学習の自動化により今後ますますAIを活用する企業が増え、人間は本来注力したい業務に集中できるようになる、という未来がやってきそうです。

中野様はまた、「機械学習などの技術の汎用化が進んでいくと、技術自体での差別化ではなく、ビジネス分野の専門知識が豊富な専門家が重要な役割を果たしていくことになります。」ともおっしゃっていました。

そして、その専門家に求められる資質は以下のとおりです。


■課題設定能力:事業の重要な課題を特定し、それを解決できるフレームワークに落とし込むことができる


■データ探索能力:課題解決に必要とされるデータを知っている、入手できる


専門知識が豊富な専門家とともに、機械学習は新しい価値を生み出すための課題解決にどんどん応用されていくことになるでしょう。

DataRobot活用事例

さて、ここからはDataRobotの活用事例について見ていきましょう。


■ターゲティングセグメント特定

購入者のCRMデータやWebでの行動データから購入者のペルソナを特定し、どのセグメントに属するかを予測することで最適なマーケティング手法でのターゲティングを可能にしました。


■マーケティング予算最適化

ユーザーごとのWeb広告履歴や購入履歴をもとに購入確率を予測し、さまざまなマーケティング予算配分を試しながら、ROIを最大化する組み合わせをシミュレーションから見つけて、マーケティング予算を最適化しました。


■レコメンデーション

全顧客の属性・行動・購買パターンを学習して、ユーザーの商品に対する購入確率を予測し、適切な商品をレコメンドできるようにしたことで、ユーザーのエンゲージメントが上昇しました。


セミナー冒頭で「企業にとってこれからますます重要になるのは、未来に何が起こるかを予測できるAIの活用」と中野様はおっしゃっていました。

そして、上記の3つの事例は、DataRobotを活用することで未来を予測できるようになったことを示しています。

過去のデータを教師データとしてDataRobotにとりこみ、機械学習をしていくことで、企業は未来にとるべき最適な手法がわかるようになったのです。

まとめ

では、DataRobotの特徴をもう一度おさらいしましょう。

DataRobotは・・・


■高精度の予測モデルを自動的に生成できる、教師あり機械学習のプラットフォーム


■予測モデル生成だけでなく、予測モデルの事業への導入まで自動化できる


■機械学習の結果どうしてその予測結果になったのかがわかる(グレーボックス化)


■データサイエンティストに必要な「IT・プログラミング技術」「数学・統計学」「ビジネス分野の専門知識」のうち、DataRobotが「IT・プログラミング技術」「数学・統計学」を担う。そうすることで、人間が簡単に機械学習を使うことができ、自分の業務への応用にフォーカスできるようになる


■モデル生成が3ステップで非常に簡単に!
①データをアップロード、②予測するターゲットを設定、③開始ボタンを押す


中野様、貴重なお話をありがとうございました!

最後に、DataRobot様とトランスコスモスの取り組み、「DataRobot導入支援サービス」について紹介させていただきます。


▲トランスコスモスのDataRobot導入支援サービス


弊社では、DataRobotのライセンス販売だけでなく、AI・機械学習の基礎知識研修「Data Science Experience Program」や、トランスコスモス独自のDMP「DECode」による事前のデータ準備と事後の運用・改善までオプションでサポートします。

詳細はこちらのページをご覧ください。


↓こちらの記事でも弊社でのDataRobotの取り組みについて触れていますので、ぜひあわせてご覧ください!↓

  AI活用に初挑戦のへっぽこエンジニアに立ちはだかった3つの壁 | trans+(トランスプラス) これまでAIや機械学習とは無縁だったエンジニアが、ひょんなことからデータサイエンティストを目指すようになりました。 そんなデータサイエンティストへの道に立ちはだかった3つの壁と、それを解決した方法/技術についてご紹介します。 trans+(トランスプラス)


↓今回のセミナーレポートの第1部の記事はこちら↓

  いまさら聞けない「AI・機械学習」の基礎知識【6月7日大阪AIセミナー1/3】 | trans+(トランスプラス) トランスコスモスは大阪にて2018年6月7日(木)にプライベートセミナー 「AI・機械学習の活用法と現場の最前線」を開催しました。 今回から全3回に分けてセミナーレポートをお届けします! trans+(トランスプラス)


次回、第3部では「日本直販」担当者が語るデータ活用の施策・運用術についてレポートします!

高松 明美
高松 明美
日・中・英を喋るグローバル・エバンジェリストを目指していたのに、気づいたらtrans+編集部のライターに!?元広告プランナー。 プライベートは飼い猫を溺愛。Instagram「#こっぺ」でネコスタグラム更新中!

関連記事:

trans+(トランスプラス)に掲載しているコンテンツや、サイト内で紹介したサービスに関することなど、どうぞお気軽にお問い合わせください。

フォローする:

この記事をシェアする:

人気記事ランキング