AIとヒトが共存する、次世代デジタルコンタクトセンターのありかた【9月19日東京コンタクトセンターセミナー】
トランスコスモスは東京にて2018年9月19日(水)にプライベートセミナー 「AIとヒトが共存する次世代デジタルコンタクトセンター ~AIが優秀人材の品質を再現し、ヒトの業務を支援する〜」を開催しました。
トランスコスモスはアウトソーサーとして、AI・RPA(※)とヒトによるコンタクトセンター運用を共存させた多くの成功事例を作り出し、ノウハウを蓄積してきました。
※RPA(Robotic Process Automation):ホワイトカラーの単純な間接業務をロボットで自動化するテクノロジー
本セミナーでは、トランスコスモスが考える次世代デジタルコンタクトセンターの全容や、価値創出方法について説明しました。
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トランスコスモスのDEC(デック)サービスとは
初めに、トランスコスモスのコンタクトセンターサービスの立ち位置や、「次世代コンタクトセンター」の将来像について、佐藤が講演しました。
▲トランスコスモス DEC統括 デジタルコミュニケーションセンター総括 副総括 佐藤真則
スマートフォンの普及による顧客の購買プロセスの多様化が進み、「顧客中心のコミュニケーション設計」が必要不可欠であると考えた結果、トランスコスモスでは、もともと独立して存在していたサービスである、デジタルマーケティング、EC、コンタクトセンター機能を約3年前に「DEC(デック)」組織に統合。
お客様企業と顧客とのエンゲージメントの構築を実現するため、DECサービスとして、デジタルマーケティング領域からコンタクトセンター領域までワンストップでのサポートを推進しています。
▲トランスコスモスの「DEC」サービス
トランスコスモスが考える「次世代コンタクトセンター」とは
ひとことで言うと、次世代コンタクトセンターとは「ヒト×AI×Dataの『融和』」であると、佐藤は述べます。
あらゆるチャネルで顧客と繋がり、AIとデータを活用することで高品質の対応を再現し、顧客体験を最大化する「姿」こそが次世代コンタクトセンターであると、トランスコスモスは捉えています。
▲「次世代コンタクトセンター」とはヒト×AI×Dataの『融和』
コンタクトセンターへの問い合わせを「処理」と「コミュニケーション」に分けた場合、それぞれ「ヒト」「AI(テクノロジー)」「データ」は、以下のような活用が推進されていきます。
「処理希望」の対応
AIによる『自動化』を推進、通話時間を『最小化』することでコストを落とし、より『効率』的なオペレーションの動きへ |
「コミュニケーション希望」の対応
『ヒト』による特性を発揮させ、通話時間を最大化することで『マーケティング活用』ができるトークスクリプトを実現。顧客満足やLTV(顧客生涯価値)を最大化できるよう、『データ』を活用する動きへ |
▲コンタクトセンターでの「ヒト」「AI」「データ」の活用方法
さらに、コンタクトセンターはその役割に応じて、「コンタクトセンター」「カスタマーエンゲージメントセンター」「マーケティングセンター」に分類されます。
コンタクトセンター
チャネルの多様化に対応すること、テクノロジーの活用にて「運用効率化」の取組みを加速 |
カスタマーエンゲージメントセンター
コストセンターではなくプロフィットセンターとして捉え、データを活用し顧客体験価値の向上を目指す |
マーケティングセンター
マーケティング部門が広告費として運営。応対は顧客問い合わせの解決のみではなく、マーケティングに活かせるデータ収集もする |
次世代コンタクトセンターはまさに「ヒト」「AI(テクノロジー)」「データ」の融和と言えるでしょう。
コンタクトセンターを取り巻く3つの市場変化
みなさまもご存じのとおり、近年顧客のコミュニケーションスタイルは変わりつつあります。それにともない、コンタクトセンターを取り巻く市場にも変化が起きています。
▲トランスコスモス DEC統括 デジタルコミュニケーションセンター総括 サービス企画部 部長 岩浅佑一
岩浅は、コンタクトセンターを取り巻く3つの市場変化があると説明します。
1.激変する消費者コミュニケーション
トランスコスモスが設立したAI研究所であるCommunication Science Labが提供する、【消費者と企業のコミュニケーション 実態調査2017】によると、スマホ利用者の8割が日常生活の「デジタル化」が進んだと実感しています。
▲日常生活の「デジタル化」が進んだと実感しているスマホ利用者の割合
また、企業への問い合わせで、顧客が今まで利用したことがある手段と今後利用したい手段は、下の図のとおりです。
▲顧客が今までに利用した問い合わせ手段と今後利用したい問い合わせ手段
チャットやメッセージングアプリの利用経験は現時点では10%前後ですが、未来の利用意向は40%弱と高い傾向を示しています。また、実際にチャットのサポートをする中での顧客アンケートの結果から、顧客はチャットやAIには「待ち時間の少なさ」「回答スピード」「手軽さ」への期待を寄せていることがわかりました。
電話については利用経験/利用意向とも変わらず高い数値となっており、顧客は電話以外の新たな問い合わせ手段を利用したいと将来考えつつも、電話も継続利用したいと考えられます。
2.激動の採用市場
少子高齢化社会に加えて、日本市場における人材流動性の低さも相まって、コンタクトセンター市場においても採用状況の急激な改善は難しいのが実情です。
「優秀人材をどうやってカバーしていくかは、コンタクトセンター業務を考える上で最も真摯に向き合うべき課題である」と、岩浅は述べました。
3.激増するテクノロジー
日々新たなテクノロジーやソリューションが増加し、コンタクトセンターの運営においてもその影響をダイレクトに受けています。
2017年からは多チャネル化する窓口を一括管理し、データを統合していこうという「統合型コンタクトセンター」が増えてきている状況です。
こうした市場の変化を受けて、トランスコスモスではどのような次世代コンタクトセンター創りに向けた取り組みを行っているのか、ご紹介しました。
チャットサポートを成功させるポイント
まずは、チャットサポートを成功させるポイントについて、横山が講演しました。
▲DEC統括 サービス戦略本部 サービス企画部 チャットFAQコミュニケーション企画課 課長 横山竜也
横山は、チャットサポートの効果として、3つ挙げました。
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チャットサポートを成功させるポイントは5つ。
1.チャット活用の目的を明確にし、導入準備を進める
目標設定としては大きく3つに分けられる。
背中を後押しするセールスサポート
売上拡大を目指し、気軽にサービスに対する疑問を解消。商品・サービスの理解を深めて購入に繋げる |
顧客接点拡大・顧客育成
気軽な相談場所を設けることで、企業・サービスに対する親しみ、ブランド力を高める |
コンタクトセンター効率化
コールセンターへの呼量を削減させつつ、トータルコストの最適化、応答率の改善を目指す |
2.まずFAQを整備する
有人チャット、チャットボットに関わらず、FAQの整備は必ず必要。
有人対応の場合はオペレーターが対応に迷わないようにするため、チャットボットの場合はFAQのデータベースが重要であるため。
3.チャットボット導入の場合は有人への移行を前提に
現時点ではチャットボットのみでは顧客に「役に立った」と感じてもらうにはまだ心もとないのが実情。
チャットボットを運用する際は有人対応と組み合わせたハイブリット対応にすることで、より高い顧客満足度を維持しながら効率的に応対することが可能に。
4.チャット窓口を認知してもらう
せっかくチャットを設置しても、顧客に認知されないと従来の問い合わせチャネルに流れてしまう。
そのため、導入前にwebのチャット窓口への導線設計や、トップページ以外でもチャットがあることも告知するなど、チャット窓口を顧客に認知してもらうことが重要。
5.チャット窓口でのKPIを設定し効果検証する
チャット窓口設置の目的がサポートかセールスかによって、設定するKPIも変わってくる。
また、LINEかwebチャットかなどチャネルの特徴によっても、KPIの設定が変わる。
チャットサポートは今のところ顧客の利用率も高くなく、まだまだこれからのチャネル。チャットへ顧客を誘導する導線設計や告知などの施策を実行することが重要です。また、チャットボットだけですべての対応をするのは現段階では難しく、有人チャットとの組み合わせが大切と言えるでしょう。
トランスコスモスの「チャネル最適化診断サービス」
チャットボットや有人チャットの導入に興味はあるものの、導入に踏み切れないとお困りの方はいらっしゃいませんか?
トランスコスモスでは、簡易診断としてチャネル最適化診断サービスをご用意しています。
事前にコールログをいただき、チャット開始前にどれだけチャット対応できそうな問い合わせがあるのかなどの分析を行います。
▲トランスコスモスの「チャネル最適化診断サービス」
ご興味がございましたら、ぜひ下記からお気軽にお問い合わせください!